191 / 230
14章 神学者ハインリヒ
①
しおりを挟む
ようやく登城を許されたと思えば、とんでもない事になった。
ハインリヒは眉間を揉みながら、今日何度目かになるため息をついた。
正門からすぐに通された場所は聖堂。
そこにはアリムではなく、星教の大長老が待っていた。
おかしいと思っていたのだ。
ハインリヒだけを呼び出した、何の用件も書かれていない招集状は、どう考えても緊急事態だ。
向かいに座っている大長老ロザンナも頭を抱えて黙り込んでいる。
「前例のない事ではあるが……。」
言葉を失ってしまった2人を前に、ラシードは苦笑いを浮かべた。
「即位の儀をやり直さなければならないと思って、呼んだんだ。」
「バーリはすでにご即位なさっております……。」
「なら、何もしなくても良いのか?」
昨日、城下町の上空で、星が爆ぜたのは皆の知る所だ。
火事があり、ラシードが星の力を使ったということは、あっという間に広まった。
しかし局地的に降った豪雨は、ルーリンには成し得ない御技だ。
どういうことなのか、王に会って確認をしなければと思っていた矢先の招集だった。
『ルーリンとの縁が切れ、新たにホイザーが守護星となった。』
相変わらずの笑みで、事もなさげに告げられる。
ハインリヒもロザンナも衝撃と呆れで何も言えなくなってしまった。
「なぜ、その様に平然としていられるのですか。ルーリンの気に触る事でもされたのではないですか?星神との縁が切れるなど、あってはならない事です。」
ロザンナは目尻に涙を浮かべながら、ラシードを詰る。
星神を一心に信じている星教の長老からすれば、星神の怒りを買うことほど恐ろしいものはないのだろう。
「ルーリンは悋気の強い神でございます。彼女に見限られるなんて、よほどの事がなければ……。」
「見限るだって?」
ラシードは片眉を上げて、ロザンナを睨みつける。
「俺はこの通りピンピンしているがな。落ち度があったのは、ルーリンの方ではないのか?」
「バーリ!」
ロザンナが悲鳴を上げる。
「聞いた話によれば、元々の縁はホイザーだったらしいぞ。それをルーリンが俺に横恋慕して、強引に縁を結んだそうじゃないか。」
「どなたがそんな事を言ったのですか!」
「ホイザーだよ。」
ロザンナはその一言で見事に口を噤んだ。
ハインリヒは細くため息をつき、テーブルに置かれたエメラルドに目をやった。
ターバンクラウンに縫い付けられていたタリスマンだ。
あれほど光り輝いていたエメラルドは真っ二つに割れ、暗くくすんでいる。
「……即位の儀のやり直しが必要でしょうな。いえ、即位の儀ではなく……タリスマンの選定と、間違いなくホイザーの守護を受けているのかを確認せねば……。」
「トマス侯爵は話が早くて助かるな。」
「バーリ……。私も衝撃を受けております。何故この様な事に……。」
「さぁな。ただ今回の事でわかったのは、星神にも序列があるということだ。」
「と、いいますと?」
ラシードは腕につけられた安物のブレスレットを外し、エメラルドの隣に置いた。
ブレスレットのアクアマリンが、星の様な光を放っている。
「……こちらは?」
「露店で買ったブレスレットだ。」
「このアクアマリンは……。」
「ただの天然石だった。だがこの石に反応して雨が降ったんだ。その時にホイザーがルーリンの事を“幼い子”と呼んだ。」
「幼い子ですか……。」
ラシードは皮肉げに頰を吊り上げて、エメラルドを指で弾く。
「“幼い子の我儘を間に受けてしまった。元の縁を戻す”と、言っていた。星神の間にも何らかのコミュニティがあり、その中でも力の序列があるということだろう。ホイザーはルーリンの上位にいる、という事ではないか?」
「ホイザーの声をお聞きになったというのは、本当ですか?」
「そのつもりだ。ルーリンとは一度もなかった事だ。」
ハインリヒとロザンナは目を丸くする。
ラシードはルーリンに対して、詳細を言及した事がなかった。
ーー意思を交わし合う事がなかった……?
ならば今まで、どうやってルーリンを従わせていたのか。
安物のアクアマリンが、綺羅星の如く光り輝いている。
本当の守護星を手にしたというのなら……。
ハインリヒは駆け抜けた考えに、身震いした。
「そのような事は、聞いた事がありません。」
ロザンナが目を尖らせる。
「だろうな。前例がないのだから、知りようもないだろう。」
ロザンナと話す時、ラシードはいつも彼女の揚げ足ばかりとる。
星神を絶対的に崇拝する聖殿が、時として王を軽んじる発言をするせいだろう。
大司教として星教の頂点にいながら、王権に矜持を持っている。
そのアンバランスに不機嫌になる様子は、如何にもアレジャブルの王らしい。
「……ルーリンは、星神としては力不足でしたかな?」
その問いかけに、ラシードはキョトンっとハインリヒを見た。ロザンナは顔を真っ赤にする。
「トマス侯爵!」
「いや。力は十二分にあった。だが……。」
ラシードは首を捻り、何と言えばいいか、僅かに考えあぐねる。
「……ホイザーの力は違和感なく馴染むんだ。ルーリンは……力を使う度に気分が悪くなる。合わない力を無理やり引っ張り出す様な違和感があった。」
「相性がわるかったのかもしれませんな。」
「相性……。そうだな。一方的な力だったと思う。ルーリンの愛情に振り回されて、押さえ付ける事しかできなかった。」
「それはバーリの問題であって、ルーリンのせいではありません。過去、ルーリンの加護を受けた王は、上手く力を使って国を繁栄に導いていました。」
ロザンナは嘲る様に口を挟む。
ラシードはドロリとロザンナを横目で睨むと、割れたエメラルドを彼女の前に弾いた。
エメラルドはカランっと音を立てて、更に欠ける。まるで石灰石の様に脆さだ。
「ルーリンの形見だ。そんなにルーリンが好きなら、お前にやろう。」
「何という事を……!」
また眉を吊り上げたロザンナに、ハインリヒははぁっとため息をついた。
大きく咳払いをして、彼女の注目を強引に引く。
「ロザンナ、今必要なのは、バーリを非難する事ではないと思わないか?」
「トマス侯爵、その通りだ。俺は君達に責められる為にこの場を設けたのではない。エメラルドはこの通り壊れたし、アクアマリンはギラギラと輝いている。俺の王としての資格がなくなったせいだと思うか?」
「それは……。」
「確認する必要がありますな。あれこれ考えるのは一旦しまいにして、まずは儀式を致しましょう。バーリ、よろしいでしょうか?」
「ああ。そうしてもらおう。」
ラシードはハインリヒににんまりと笑いかける。
満足そうな王の顔を見て、ハインリヒは顎の髭を撫でた。
こうして好意的なのは、トマス家が、神学の徒であるからだろう。
星神の事象を客観的な視点でみる学問を、気に入っているのだと思う。
ともすれば王権の正統性に疑問を呈しかねない学問だ。
ーーなんと奇特なことか。
ハインリヒは眉間を揉みながら、今日何度目かになるため息をついた。
正門からすぐに通された場所は聖堂。
そこにはアリムではなく、星教の大長老が待っていた。
おかしいと思っていたのだ。
ハインリヒだけを呼び出した、何の用件も書かれていない招集状は、どう考えても緊急事態だ。
向かいに座っている大長老ロザンナも頭を抱えて黙り込んでいる。
「前例のない事ではあるが……。」
言葉を失ってしまった2人を前に、ラシードは苦笑いを浮かべた。
「即位の儀をやり直さなければならないと思って、呼んだんだ。」
「バーリはすでにご即位なさっております……。」
「なら、何もしなくても良いのか?」
昨日、城下町の上空で、星が爆ぜたのは皆の知る所だ。
火事があり、ラシードが星の力を使ったということは、あっという間に広まった。
しかし局地的に降った豪雨は、ルーリンには成し得ない御技だ。
どういうことなのか、王に会って確認をしなければと思っていた矢先の招集だった。
『ルーリンとの縁が切れ、新たにホイザーが守護星となった。』
相変わらずの笑みで、事もなさげに告げられる。
ハインリヒもロザンナも衝撃と呆れで何も言えなくなってしまった。
「なぜ、その様に平然としていられるのですか。ルーリンの気に触る事でもされたのではないですか?星神との縁が切れるなど、あってはならない事です。」
ロザンナは目尻に涙を浮かべながら、ラシードを詰る。
星神を一心に信じている星教の長老からすれば、星神の怒りを買うことほど恐ろしいものはないのだろう。
「ルーリンは悋気の強い神でございます。彼女に見限られるなんて、よほどの事がなければ……。」
「見限るだって?」
ラシードは片眉を上げて、ロザンナを睨みつける。
「俺はこの通りピンピンしているがな。落ち度があったのは、ルーリンの方ではないのか?」
「バーリ!」
ロザンナが悲鳴を上げる。
「聞いた話によれば、元々の縁はホイザーだったらしいぞ。それをルーリンが俺に横恋慕して、強引に縁を結んだそうじゃないか。」
「どなたがそんな事を言ったのですか!」
「ホイザーだよ。」
ロザンナはその一言で見事に口を噤んだ。
ハインリヒは細くため息をつき、テーブルに置かれたエメラルドに目をやった。
ターバンクラウンに縫い付けられていたタリスマンだ。
あれほど光り輝いていたエメラルドは真っ二つに割れ、暗くくすんでいる。
「……即位の儀のやり直しが必要でしょうな。いえ、即位の儀ではなく……タリスマンの選定と、間違いなくホイザーの守護を受けているのかを確認せねば……。」
「トマス侯爵は話が早くて助かるな。」
「バーリ……。私も衝撃を受けております。何故この様な事に……。」
「さぁな。ただ今回の事でわかったのは、星神にも序列があるということだ。」
「と、いいますと?」
ラシードは腕につけられた安物のブレスレットを外し、エメラルドの隣に置いた。
ブレスレットのアクアマリンが、星の様な光を放っている。
「……こちらは?」
「露店で買ったブレスレットだ。」
「このアクアマリンは……。」
「ただの天然石だった。だがこの石に反応して雨が降ったんだ。その時にホイザーがルーリンの事を“幼い子”と呼んだ。」
「幼い子ですか……。」
ラシードは皮肉げに頰を吊り上げて、エメラルドを指で弾く。
「“幼い子の我儘を間に受けてしまった。元の縁を戻す”と、言っていた。星神の間にも何らかのコミュニティがあり、その中でも力の序列があるということだろう。ホイザーはルーリンの上位にいる、という事ではないか?」
「ホイザーの声をお聞きになったというのは、本当ですか?」
「そのつもりだ。ルーリンとは一度もなかった事だ。」
ハインリヒとロザンナは目を丸くする。
ラシードはルーリンに対して、詳細を言及した事がなかった。
ーー意思を交わし合う事がなかった……?
ならば今まで、どうやってルーリンを従わせていたのか。
安物のアクアマリンが、綺羅星の如く光り輝いている。
本当の守護星を手にしたというのなら……。
ハインリヒは駆け抜けた考えに、身震いした。
「そのような事は、聞いた事がありません。」
ロザンナが目を尖らせる。
「だろうな。前例がないのだから、知りようもないだろう。」
ロザンナと話す時、ラシードはいつも彼女の揚げ足ばかりとる。
星神を絶対的に崇拝する聖殿が、時として王を軽んじる発言をするせいだろう。
大司教として星教の頂点にいながら、王権に矜持を持っている。
そのアンバランスに不機嫌になる様子は、如何にもアレジャブルの王らしい。
「……ルーリンは、星神としては力不足でしたかな?」
その問いかけに、ラシードはキョトンっとハインリヒを見た。ロザンナは顔を真っ赤にする。
「トマス侯爵!」
「いや。力は十二分にあった。だが……。」
ラシードは首を捻り、何と言えばいいか、僅かに考えあぐねる。
「……ホイザーの力は違和感なく馴染むんだ。ルーリンは……力を使う度に気分が悪くなる。合わない力を無理やり引っ張り出す様な違和感があった。」
「相性がわるかったのかもしれませんな。」
「相性……。そうだな。一方的な力だったと思う。ルーリンの愛情に振り回されて、押さえ付ける事しかできなかった。」
「それはバーリの問題であって、ルーリンのせいではありません。過去、ルーリンの加護を受けた王は、上手く力を使って国を繁栄に導いていました。」
ロザンナは嘲る様に口を挟む。
ラシードはドロリとロザンナを横目で睨むと、割れたエメラルドを彼女の前に弾いた。
エメラルドはカランっと音を立てて、更に欠ける。まるで石灰石の様に脆さだ。
「ルーリンの形見だ。そんなにルーリンが好きなら、お前にやろう。」
「何という事を……!」
また眉を吊り上げたロザンナに、ハインリヒははぁっとため息をついた。
大きく咳払いをして、彼女の注目を強引に引く。
「ロザンナ、今必要なのは、バーリを非難する事ではないと思わないか?」
「トマス侯爵、その通りだ。俺は君達に責められる為にこの場を設けたのではない。エメラルドはこの通り壊れたし、アクアマリンはギラギラと輝いている。俺の王としての資格がなくなったせいだと思うか?」
「それは……。」
「確認する必要がありますな。あれこれ考えるのは一旦しまいにして、まずは儀式を致しましょう。バーリ、よろしいでしょうか?」
「ああ。そうしてもらおう。」
ラシードはハインリヒににんまりと笑いかける。
満足そうな王の顔を見て、ハインリヒは顎の髭を撫でた。
こうして好意的なのは、トマス家が、神学の徒であるからだろう。
星神の事象を客観的な視点でみる学問を、気に入っているのだと思う。
ともすれば王権の正統性に疑問を呈しかねない学問だ。
ーーなんと奇特なことか。
22
あなたにおすすめの小説
【完結】ホットココアと笑顔と……異世界転移?
甘塩ます☆
BL
裏社会で生きている本条翠の安らげる場所は路地裏の喫茶店、そこのホットココアと店主の笑顔だった。
だが店主には裏の顔が有り、実は異世界の元魔王だった。
魔王を追いかけて来た勇者に巻き込まれる形で異世界へと飛ばされてしまった翠は魔王と一緒に暮らすことになる。
みたいな話し。
孤独な魔王×孤独な人間
サブCPに人間の王×吸血鬼の従者
11/18.完結しました。
今後、番外編等考えてみようと思います。
こんな話が読みたい等有りましたら参考までに教えて頂けると嬉しいです(*´ω`*)
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
楽園をかたどったなら
陣野ケイ
BL
動物たちが進化して獣人となり、ヒトは彼らに敗北し絶対的な弱者となった世界。
シロクマ獣人の医師ディランはかつて、ヒトを実験生物として扱う「楽園」という組織に属していた。
良心の呵責に耐えきれなくなったディランは被験体のヒトを逃してしまい、「楽園」を追われることとなる。
そうして五年後のある雨の日。
逃がしたヒトの子・アダムが美しく成長した姿でディランの元へ現れた。幼いヒト似獣人の少女を連れて。
「俺をもう一度、お側に置いてください」
そう訴えるアダムの真意が掴めないまま、ディランは彼らと共に暮らし始める。
当然その生活は穏やかとはいかず、ディランは己の罪とアダムからの誘惑に悩み苦しむことになる——
◇ ◇ ◇
獣人×ヒトの創作BLです
シリアスで重い話、受から攻へのメンタルアタック、やや残酷な表現など含みますが最終的にはハッピーエンドになります!
R描写ありの回には※マークをつけます
(pixivで連載している創作漫画のifルートですが、これ単体でも読める話として書いています)
メビウスの輪を超えて 【カフェのマスター・アルファ×全てを失った少年・オメガ。 君の心を、私は温めてあげられるんだろうか】
大波小波
BL
梅ヶ谷 早紀(うめがや さき)は、18歳のオメガ少年だ。
愛らしい抜群のルックスに加え、素直で朗らか。
大人に背伸びしたがる、ちょっぴり生意気な一面も持っている。
裕福な家庭に生まれ、なに不自由なく育った彼は、学園の人気者だった。
ある日、早紀は友人たちと気まぐれに入った『カフェ・メビウス』で、マスターの弓月 衛(ゆづき まもる)と出会う。
32歳と、早紀より一回り以上も年上の衛は、落ち着いた雰囲気を持つ大人のアルファ男性だ。
どこかミステリアスな彼をもっと知りたい早紀は、それから毎日のようにメビウスに通うようになった。
ところが早紀の父・紀明(のりあき)が、重役たちの背信により取締役の座から降ろされてしまう。
高額の借金まで背負わされた父は、借金取りの手から早紀を隠すため、彼を衛に託した。
『私は、早紀を信頼のおける人間に、預けたいのです。隠しておきたいのです』
『再びお会いした時には、早紀くんの淹れたコーヒーが出せるようにしておきます』
あの笑顔を、失くしたくない。
伸びやかなあの心を、壊したくない。
衛は、その一心で覚悟を決めたのだ。
ひとつ屋根の下に住むことになった、アルファの衛とオメガの早紀。
波乱含みの同棲生活が、有無を言わさず始まった……!
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
婚約破棄を提案したら優しかった婚約者に手篭めにされました
多崎リクト
BL
ケイは物心着く前からユキと婚約していたが、優しくて綺麗で人気者のユキと平凡な自分では釣り合わないのではないかとずっと考えていた。
ついに婚約破棄を申し出たところ、ユキに手篭めにされてしまう。
ケイはまだ、ユキがどれだけ自分に執着しているのか知らなかった。
攻め
ユキ(23)
会社員。綺麗で性格も良くて完璧だと崇められていた人。ファンクラブも存在するらしい。
受け
ケイ(18)
高校生。平凡でユキと自分は釣り合わないとずっと気にしていた。ユキのことが大好き。
pixiv、ムーンライトノベルズにも掲載中
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる