無能と追放された大賢者様は少女と共に悠々自適な旅をする。

Coco@

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9.布陣は完璧

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国境付近の平原に陣を張る。
そう指示したのは俺だ。
ここなら相手側の様子も見やすいし、宣戦布告の時点で相手は必ず戦争するつもりでやってくる。
まさか奴隷制度を撤廃して戦争を回避なんてしないはずだ。
例え国王がそうしたくても臣下や貴族が止めるだろう。
あの国はそれだけ奴隷制度にどっぷりと浸かっているからな。

「陛下、国境を挟んだ向こうの平原に王国軍が陣を敷きました。
先頭には国王自ら立っている様子です。」

「そうですか、報告ありがとうございます。
オズ様の言う通りになりましたね。」

「こちらの皇帝が先頭に出れば向こうもそうしてきます。
国王陛下はそう言うお方です。」

俺がそう言ってアリスの頭に手を乗せる。
アリスにとっては初戦闘になる可能性もある。
アリスには皇帝陛下の護衛をお願いした。
アリスの両親と同じ仕事だ。

「報告しますっ!王国軍早速動いてきました!」

「先手を打たれましたか。」

「作戦通りです。こちらは後手で構いませんから。」

俺が不敵に笑う。
全ては俺の手の平の上だ。

「と言うと?」

「陛下、馬の準備を。我々も出ましょう。もちろん、俺も同行しますよ。」

俺が言うとアリスが少しだけ不思議そうな顔をした。

「あれ、でもオズって馬に乗れないってこの前言ってたよね?
ここにも馬車で来たし。」

「あぁ、馬には乗れないよ。けど俺はあらゆるクラスタルを作り出す力を持っている。
そして・・・」

俺がそう言って黄色いクラスタルを手に握ると魔力を込める。
クラスタルが光輝いて力が発揮される。

「アリスにセカンドクラスを授けたのは俺だろ?
アリスが出来ることが俺に出来ないと思うかい?」

俺が言うとアリスが納得した。

「セカンドクラスだね。なんのクラスなの?」

「テイマーさ。動物や魔獣を使役するクラスだね。
これで使役している魔獣を使って移動すれば良い。」

俺がそう言って指笛を吹く。
すると何処からともなく体躯3m程の紺色の毛並みでシベリアンハスキーの様な感じの模様をした狼が現れた。

「これってフェンリル!?」

アリスが驚くように言った。
無理もない。
フェンリルは幻獣に分類されかなりレアでかつかなり強い魔獣だ。
それを指笛1つで呼び出せば驚くだろう。

「びっくり隠し芸大会があれば優勝間違いなしだろう?」

「まぁ、オズって存在そのものがびっくり隠し芸だもんね。」

俺が言うともはや驚くのも無駄だと言った感じで呆れたアリスが言った。

「ひどい言い方だなぁ。
俺は普通に生きているだけさ。
ただ、あくまでも創世龍基準ではあるけどね。」

「創世龍基準は随分と非常識ですね。」

アリスがそう言って微笑む。
少し緊張していた様だが良い感じにそれもほぐれた様だ。

「待たせたな。」

ルーギスが黒馬に乗って戻ってきた。

「いえいえ。」

俺は微笑んでフェンリルに跨がるとアリスに手を差しのべる。
アリスを後ろに乗せてルーギスの隣を歩む。
こうして俺達も戦場へと赴いた。
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