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許されざる関係
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「ほら、我慢なんてしなくていいんだぞ、力を抜け。すぐ気持ちよくなるんだからな!」
「いや、やめてぇーーー」
はぁはぁはぁはぁはぁ……
「夢…?」
大きく息を吐き、夢である事に安堵した。
でもここは…?
私は確か森で気を失って…それで…。
私が起きた場所は周りに銃や鎧、剣など、雑多に置いてあり、行商?それか商人?かと思うような感じだった。
それに物が至る所に無造作に置かれている様子だと1人で暮らしているんだろうなと思えた。
窓から入る日がだいぶ傾き、夕方近くまで私は気を失っていたみたいだ。
そろそろ帰らないと、父を始め王宮内が騒つくのが容易に目に浮かぶ。
部屋を出ようとドアノブに手をかけた瞬間、向こう側から扉を開けられた。
「わっ。すみません、大丈夫ですか?」
「こちらこそすみません。あの…助けて貰って本当にありがとうございます。私はそろそろ帰らないと…」
男性の手には水の入ったグラスを二つ持っており、起きたら飲んでもらおうと準備していた様子だ。
「あ、良かったら飲んでから帰りませんか?」
用意してもらったので、それを断るのは失礼だと思い、部屋に戻った。
「汚い場所ですが、どうぞ座ってください」
ベッド近くにある椅子に腰掛け、向かい合う。真ん中には小さな円卓のテーブルがあり、グラスの染みだろうか、丸い形が所々に見られた。
「あの…あなたはなぜ森にいたんですか?」
私は森で彷徨っていた経緯を男性に話し、その途中、強姦に遭い…と続けた。
「そうですか…あの場所は街での暮らしに馴染めない奴が潜んでいます、もう近寄らない方がいいです。私は食糧調達の為にいましたが…。とにかく無事で良かったです」
「ありがとうございます。えっと…お名前は…?」
「あっ、失礼。私はニックと申します」
ニックさん…森の中では恐怖心もあり、姿くらいしか見てなかったが、髪が短く、顎髭を綺麗に揃え、顔立ちもシュッとしていて、体付きも程よく筋肉があり、少しカッコいいかもと思ってしまった。聞くと歳は20。私より歳上だった。
それに20とは思えないくらい、言葉遣いや振る舞いが年齢以上に大人の雰囲気を醸している。
「あなたのお名前は…?」
「私は…」
あれ?もしかして今、本名を名乗って身分を明かしたらもう会えないかも知れない…と何故か思ってしまった。嘘をついてバレたら…とも考えたがもう一度会いたいと思った。
「私は…アリス、そう、アリスです!」
「アリスさん…何処ら辺に住んでるのですか?辺りが暗くなり始めてるので送りますよ」
王宮…と言いたい所ではあるが、名前を嘘ついているため、場所も嘘で固めるしか無いと思った。
「王宮…の近くです。でもまだ明るいから大丈夫ですよ。ありがとうございます。お気になさらず…」
「そういう訳にもいきません、酷い目に遭ったのだから注意は必要です。送らさせて下さい」
優しさが言葉から伝わってくる。比べたらいけないが陛下にはない優しさがそこにはあるなと感じれた。
ただ、送ってもらうには気が引けてしまう…。
助けて貰ったお礼も…そう、まだお礼もしていない。
「あの…助けて貰ったお礼をしたいのですが…」
「お礼…いや、それは大丈夫ですよ。何かして欲しくて助けた訳じゃないですから、それこそお気になさらず」
「いえ!そういう訳には!」
お互いがお互いに引かない言い合いを繰り広げてしまう。そうこうするうちに日はドンドン落ち続けていく。
「じゃあ…」といい、私はニックさんの頬にキスをした。
驚いた顔を見せるニックさんに私はニッコリ笑い返した。
「それじゃあ」といい、部屋を後にしようとするが「待った」と呼び止められた。
「何か…?」
「…まだ私が望むお礼は有り、ですか?」
「何かあるのでしたらどうぞ言ってください」
顔を赤くしながら「抱かせて下さい」という。
「え…いや、それは、ちょっと…」
「いやいや、そんな意味じゃなく、ハグ!そう、ハグだけ、させて下さい」
ハグだけなら…と思い、私は手を広げ、どうぞと待ち構えた。
ニックさんはゆっくり近づき、私を抱きしめた。
なんだか不思議な気持ちになった。
初対面の人にハグされたのに、何故かしっくり感じている私がいる。
陛下には無い包容力と言うか、暖かさがあった。
思わず手を後ろに回し、少しギュッと抱き返した。
ニックさんも同じ様に少し強めに抱きしめ、「…したい」と呟いていたのが聞こえた。
したい…ってあれだよね?それはさすがに良くないと思い、気持ちが昂り過ぎる前に離れようとニックさんの胸に手を当て、離れる様に動作した…が、ニックさんからキスをされた。
陛下と言う許嫁がいるのに、キスしてしまった…。
「いや、やめてぇーーー」
はぁはぁはぁはぁはぁ……
「夢…?」
大きく息を吐き、夢である事に安堵した。
でもここは…?
私は確か森で気を失って…それで…。
私が起きた場所は周りに銃や鎧、剣など、雑多に置いてあり、行商?それか商人?かと思うような感じだった。
それに物が至る所に無造作に置かれている様子だと1人で暮らしているんだろうなと思えた。
窓から入る日がだいぶ傾き、夕方近くまで私は気を失っていたみたいだ。
そろそろ帰らないと、父を始め王宮内が騒つくのが容易に目に浮かぶ。
部屋を出ようとドアノブに手をかけた瞬間、向こう側から扉を開けられた。
「わっ。すみません、大丈夫ですか?」
「こちらこそすみません。あの…助けて貰って本当にありがとうございます。私はそろそろ帰らないと…」
男性の手には水の入ったグラスを二つ持っており、起きたら飲んでもらおうと準備していた様子だ。
「あ、良かったら飲んでから帰りませんか?」
用意してもらったので、それを断るのは失礼だと思い、部屋に戻った。
「汚い場所ですが、どうぞ座ってください」
ベッド近くにある椅子に腰掛け、向かい合う。真ん中には小さな円卓のテーブルがあり、グラスの染みだろうか、丸い形が所々に見られた。
「あの…あなたはなぜ森にいたんですか?」
私は森で彷徨っていた経緯を男性に話し、その途中、強姦に遭い…と続けた。
「そうですか…あの場所は街での暮らしに馴染めない奴が潜んでいます、もう近寄らない方がいいです。私は食糧調達の為にいましたが…。とにかく無事で良かったです」
「ありがとうございます。えっと…お名前は…?」
「あっ、失礼。私はニックと申します」
ニックさん…森の中では恐怖心もあり、姿くらいしか見てなかったが、髪が短く、顎髭を綺麗に揃え、顔立ちもシュッとしていて、体付きも程よく筋肉があり、少しカッコいいかもと思ってしまった。聞くと歳は20。私より歳上だった。
それに20とは思えないくらい、言葉遣いや振る舞いが年齢以上に大人の雰囲気を醸している。
「あなたのお名前は…?」
「私は…」
あれ?もしかして今、本名を名乗って身分を明かしたらもう会えないかも知れない…と何故か思ってしまった。嘘をついてバレたら…とも考えたがもう一度会いたいと思った。
「私は…アリス、そう、アリスです!」
「アリスさん…何処ら辺に住んでるのですか?辺りが暗くなり始めてるので送りますよ」
王宮…と言いたい所ではあるが、名前を嘘ついているため、場所も嘘で固めるしか無いと思った。
「王宮…の近くです。でもまだ明るいから大丈夫ですよ。ありがとうございます。お気になさらず…」
「そういう訳にもいきません、酷い目に遭ったのだから注意は必要です。送らさせて下さい」
優しさが言葉から伝わってくる。比べたらいけないが陛下にはない優しさがそこにはあるなと感じれた。
ただ、送ってもらうには気が引けてしまう…。
助けて貰ったお礼も…そう、まだお礼もしていない。
「あの…助けて貰ったお礼をしたいのですが…」
「お礼…いや、それは大丈夫ですよ。何かして欲しくて助けた訳じゃないですから、それこそお気になさらず」
「いえ!そういう訳には!」
お互いがお互いに引かない言い合いを繰り広げてしまう。そうこうするうちに日はドンドン落ち続けていく。
「じゃあ…」といい、私はニックさんの頬にキスをした。
驚いた顔を見せるニックさんに私はニッコリ笑い返した。
「それじゃあ」といい、部屋を後にしようとするが「待った」と呼び止められた。
「何か…?」
「…まだ私が望むお礼は有り、ですか?」
「何かあるのでしたらどうぞ言ってください」
顔を赤くしながら「抱かせて下さい」という。
「え…いや、それは、ちょっと…」
「いやいや、そんな意味じゃなく、ハグ!そう、ハグだけ、させて下さい」
ハグだけなら…と思い、私は手を広げ、どうぞと待ち構えた。
ニックさんはゆっくり近づき、私を抱きしめた。
なんだか不思議な気持ちになった。
初対面の人にハグされたのに、何故かしっくり感じている私がいる。
陛下には無い包容力と言うか、暖かさがあった。
思わず手を後ろに回し、少しギュッと抱き返した。
ニックさんも同じ様に少し強めに抱きしめ、「…したい」と呟いていたのが聞こえた。
したい…ってあれだよね?それはさすがに良くないと思い、気持ちが昂り過ぎる前に離れようとニックさんの胸に手を当て、離れる様に動作した…が、ニックさんからキスをされた。
陛下と言う許嫁がいるのに、キスしてしまった…。
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