4 / 49
4
しおりを挟む
沈黙の時間は数秒だったと思う。
しかし、何も言わないことは肯定していると同じだ。
「……やっぱりそうなんだね」
「……ちがう」
「違わない!じゃあ昨日の女性は何?私は全部見ていたんだから!手を繋ぐ所もホテルのキーをもらう所も……逃げる様にエレベーターに消えた所も!」
私の口は止まることなく捲し立て話していた。
時には荒い呼吸をしつつ、そして鼻を啜り泣きながら…。
「……そっか。そうだよ。俺は浮気をしている、この際だから言わせてもらう」
浮気を認めた翔平は淡々と口にしていった。
最初は清楚な感じで物静かな私を守ってあげたいと思い、アプローチをした。
でもいつまで経っても、その感じを崩さない私を退屈と思い始めたという。
そんな時、翔平が働く会社に新卒入社してきた彼女に心を奪われたそうだ。
小柄ながらも陶器のように白い肌とふくよかな胸に目がいき、一気に気になり始めた。
営業を担当する自分のサポートについた彼女と共に行動していくなかで、彼氏に振られ憔悴していく彼女を放っておく事ができず、お酒も入っていたことで一線を超えた。
いけないと思いつつも、自分を頼りにしてくる行動に心は揺らぎ、いつしか私への罪悪感は消え失せ、どっぷりと彼女へと心を移していったと告げる。
「……いつから?」
「2年前から」
その言葉に私の目の前は少し歪んで見えた。
思っていた3年よりも前では無かったとはいえ、自分と付き合いながらこそこそと続けていた期間の長さを告げられると、罵倒しようとする言葉が何も出てこなかった。
「……もういい?俺は香澄と一緒にいたい」
翔平はそれだけ言い残すと通話を一方的に切られ、電話口から聞こえてくる機械音が虚しく部屋中に響いていった。
しかし、何も言わないことは肯定していると同じだ。
「……やっぱりそうなんだね」
「……ちがう」
「違わない!じゃあ昨日の女性は何?私は全部見ていたんだから!手を繋ぐ所もホテルのキーをもらう所も……逃げる様にエレベーターに消えた所も!」
私の口は止まることなく捲し立て話していた。
時には荒い呼吸をしつつ、そして鼻を啜り泣きながら…。
「……そっか。そうだよ。俺は浮気をしている、この際だから言わせてもらう」
浮気を認めた翔平は淡々と口にしていった。
最初は清楚な感じで物静かな私を守ってあげたいと思い、アプローチをした。
でもいつまで経っても、その感じを崩さない私を退屈と思い始めたという。
そんな時、翔平が働く会社に新卒入社してきた彼女に心を奪われたそうだ。
小柄ながらも陶器のように白い肌とふくよかな胸に目がいき、一気に気になり始めた。
営業を担当する自分のサポートについた彼女と共に行動していくなかで、彼氏に振られ憔悴していく彼女を放っておく事ができず、お酒も入っていたことで一線を超えた。
いけないと思いつつも、自分を頼りにしてくる行動に心は揺らぎ、いつしか私への罪悪感は消え失せ、どっぷりと彼女へと心を移していったと告げる。
「……いつから?」
「2年前から」
その言葉に私の目の前は少し歪んで見えた。
思っていた3年よりも前では無かったとはいえ、自分と付き合いながらこそこそと続けていた期間の長さを告げられると、罵倒しようとする言葉が何も出てこなかった。
「……もういい?俺は香澄と一緒にいたい」
翔平はそれだけ言い残すと通話を一方的に切られ、電話口から聞こえてくる機械音が虚しく部屋中に響いていった。
133
あなたにおすすめの小説
王子様への置き手紙
あおた卵
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
素敵な人が私の婚約者ですか?すみません、他に好きな人がいる婚約者様とは将来を約束出来ませんので婚約破棄をお願いします。
クロユキ
恋愛
「あの…貴方は誰ですか?」
森の中で倒れていた私は婚約者のアレン様を私は覚えていません、記憶喪失だそうです。彼には別に好きな人がいたようなのです。私、マリーナ・クレールは婚約破棄をしました。
彼の事は覚えていませんので私の事は気にしないで下さい。
誤字脱字があります。更新が不定期ですがよろしくお願いします。
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
侯爵令嬢ソフィアの結婚
今野綾
恋愛
ソフィアは希少なグリーンアイを持つヴィンセントと結婚したが、これは金が欲しいソフィアの父の思惑と高い爵位が欲しいヴィンセントの思惑が一致したからに過ぎない
そもそもヴィンセントには美しい恋人がいる
美男美女と名高いヴィンセントとその恋人は身分に大きな差があるために結婚することは叶わないのだ
その事をソフィアも耳にしており、この結婚が形ばかりのものであることを知っていた
結婚して早々、ソフィアは実家から連れてきた侍女夫婦とあばら家に住むように言われて…
表紙はかなさんです✨
ありがとうございます😊
2024.07.05
悪意しかない王命結婚、確かに承りました。
ミズメ
恋愛
父が事業に失敗し、第一王子からは婚約破棄されてしまった侯爵令嬢アメリアは侯爵家没落五秒前の危機を迎えていた。そんな時、周囲を不幸にするという噂のある呪われた王子ユリシスと王命で結婚することになってしまう。
勝手に幸せになりますのでお気になさらず。
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる