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テーブルに俯す形で私はしばらく泣き続け、それをすずは何も言わず黙り静かに聞いていた。
そして、私の涙が収まる様子を感じ取るとすずが口を開いてきた。
「先輩、元カレの事、恨んでますか?」
「えっ」
顔を上げると真っ赤に腫らした私の目元を丁寧に拭き終え、続けていく。
「あんな風に声を荒げ、感情を露わにするくらいですからそうじゃないかと。
もし、先輩が復讐とかしたいなら良い事教えてあげますよ」
「良い事?」
「はい、ちょっと待ってて下さい」
すると、すずは部屋の隅に置かれたレターケースから一枚の小さな紙を持ち戻ってくると、私へと差し出してきた。
「えっ!」
それはいたって普通の名刺だったが、そこに記された名前を見て驚いた。
『高木健人』
あの日、夢に見た人物の名前が書かれており、少しの間その名刺に釘付けになった。
(……興信所)
名刺に書かれたその文字と、代表を意味する『所長』という肩書きを見て固まる私にそっとすずは近づき、座り出してくる。
「奪った相手の事を知りたいなら尋ねても良いんじゃないですか?」
「……」
黙る私を今度は肩を抱き、ゆっくりとハグをしてくる。
「やるっていうなら私も協力しますよ。大事な大事な先輩ですから」
横を向くとニコッと笑ってくる。
「どうしてすずはこの名刺を持っているの?」
「やっぱり気になりますよね。でも、私が尋ねた訳じゃないですよ」
すずはこの名刺を手に入れた経緯を話し出してきた。
なんでも友人の夫が不倫をしているんじゃないかと疑い、利用したそうだ。
とても親身に対応してくれた事、また少ない日数の中でも証拠となる写真や音声等をこれでもかと言わんばかりに集めてくれたらしい。
で、その後突きつけた証拠により二人は離婚したと告げる。
「そうなんだ」
「はい、すごく良い人みたいで。それで、もし私に何かあったらーって、それでいま手元にあるんですけどね」
「すず」
「はい?」
「わたし、この人の事、知ってる」
「えっ!」
驚くすずに私自身知ってる健人くんの情報を語った。
といっても、5歳の冬のある日、突然退園してしまい1年足らずしか一緒にいれず、それほど多くはないけど…。
「へぇーっ。じゃあ25年ぶりの再会ってとこですね!」
「まだ会うって決めた訳じゃ……」
「先輩!」
「なに?……大きな声は辛いから止めて」
すずは私の両肩を掴むと軽く前後に揺らしながら語りかけてきた。
「これも運命です。この広い世界の中で出会う人なんて限られてます。
まぁ……お互い変な人を捕まえちゃいましたけど……。
でも!私はこうやって先輩に会った。
だから先輩もこの人に会いにいくべきです。
行きづらかったら私もついて行きますから」
真剣な眼差しで語るすずの目はとても茶化しているようには見えず、うんうんと頷いてもいる。
「……そうだね。すずの言う通りかもしれない」
「はい。これもタイミングです、逃して後悔しても遅いですよ」
私は25年ぶりに健人くんに会うことを決めた。
でもこの再会の先にあんな事が起こるなんて私はまだ知らなかった…。
そして、私の涙が収まる様子を感じ取るとすずが口を開いてきた。
「先輩、元カレの事、恨んでますか?」
「えっ」
顔を上げると真っ赤に腫らした私の目元を丁寧に拭き終え、続けていく。
「あんな風に声を荒げ、感情を露わにするくらいですからそうじゃないかと。
もし、先輩が復讐とかしたいなら良い事教えてあげますよ」
「良い事?」
「はい、ちょっと待ってて下さい」
すると、すずは部屋の隅に置かれたレターケースから一枚の小さな紙を持ち戻ってくると、私へと差し出してきた。
「えっ!」
それはいたって普通の名刺だったが、そこに記された名前を見て驚いた。
『高木健人』
あの日、夢に見た人物の名前が書かれており、少しの間その名刺に釘付けになった。
(……興信所)
名刺に書かれたその文字と、代表を意味する『所長』という肩書きを見て固まる私にそっとすずは近づき、座り出してくる。
「奪った相手の事を知りたいなら尋ねても良いんじゃないですか?」
「……」
黙る私を今度は肩を抱き、ゆっくりとハグをしてくる。
「やるっていうなら私も協力しますよ。大事な大事な先輩ですから」
横を向くとニコッと笑ってくる。
「どうしてすずはこの名刺を持っているの?」
「やっぱり気になりますよね。でも、私が尋ねた訳じゃないですよ」
すずはこの名刺を手に入れた経緯を話し出してきた。
なんでも友人の夫が不倫をしているんじゃないかと疑い、利用したそうだ。
とても親身に対応してくれた事、また少ない日数の中でも証拠となる写真や音声等をこれでもかと言わんばかりに集めてくれたらしい。
で、その後突きつけた証拠により二人は離婚したと告げる。
「そうなんだ」
「はい、すごく良い人みたいで。それで、もし私に何かあったらーって、それでいま手元にあるんですけどね」
「すず」
「はい?」
「わたし、この人の事、知ってる」
「えっ!」
驚くすずに私自身知ってる健人くんの情報を語った。
といっても、5歳の冬のある日、突然退園してしまい1年足らずしか一緒にいれず、それほど多くはないけど…。
「へぇーっ。じゃあ25年ぶりの再会ってとこですね!」
「まだ会うって決めた訳じゃ……」
「先輩!」
「なに?……大きな声は辛いから止めて」
すずは私の両肩を掴むと軽く前後に揺らしながら語りかけてきた。
「これも運命です。この広い世界の中で出会う人なんて限られてます。
まぁ……お互い変な人を捕まえちゃいましたけど……。
でも!私はこうやって先輩に会った。
だから先輩もこの人に会いにいくべきです。
行きづらかったら私もついて行きますから」
真剣な眼差しで語るすずの目はとても茶化しているようには見えず、うんうんと頷いてもいる。
「……そうだね。すずの言う通りかもしれない」
「はい。これもタイミングです、逃して後悔しても遅いですよ」
私は25年ぶりに健人くんに会うことを決めた。
でもこの再会の先にあんな事が起こるなんて私はまだ知らなかった…。
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