君から届く声を、僕は守りたい

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デートといえばデートだ。
若い男女が2人でテーマパークを歩いていれば、周りも自然とそういう目で見てくる。
でも、僕らは友人だ。

1人分の距離を保ち歩いてアトラクションを楽しむ事を繰り返していると、時間はあっという間に過ぎていき辺りはもうすっかり真っ暗になっていた。
19時を過ぎても明るい夏に比べ、17時前には暗くなってしまう冬は今から楽しむ時間の方が多いのかもしれない。
雪がちらつき始め、テーマパークの中にもひらひらと落ちてきて次第に地面や置かれた装飾に積もり始めていく。

「そろそろ帰ろっか」

僕は帰りの電車もあるから早めの帰宅を促した。
でも、返ってきたのは無言だった。
そればかりか、1人分空けていた距離を詰め真横に来ると僕の事を見てくる。

「……もう少し」
「でも雪が強くなって止まってしまったら帰れなくなる。今ならまだ動いているし」

ちらつき始めた時に僕は運行状況をすぐに調べていた。
まだ大丈夫なうちに帰れるなら帰った方が賢明だと思ったから。
しかし…。

「ガリ勉くんは私と一緒にいるのは怖い?」
「そんな事はない」
「じゃあ、……嫌?」
「嫌じゃないよ」
「なら、……今日は一緒にいて欲しい」

その言葉を言われて嬉しくない男子は世界中を探してもどこにもいないだろう。
それは僕も一緒だ。

「君のお母さんには許可もらってる」
「な……なんで!」
「君が学校に行ってる間に家に行ったの。今日一日借りたいって。そうしたら笑いながら許してくれた、不器用な子で良ければ、って」
「……」
「実はね。今日にしたのも雪が降るからって言ってたし、そうなれば君だって諦めがつくんじゃないかと思って。実際に今、こうなってる」

彼女は掌をかざすと、そこに雪がいくつも落ちてきて少しずつ積もっていく。

「ねぇ、今日は諦めて一緒にいてくれないかな?」
「そんなこと言ったって泊まる所なんて無いでしょ。今日はクリスマスだ!
それこそどこも満杯で今から取ろうとしても無理だ」

でも彼女は首を振り、携帯の画面を見せてきた。

「……君って人は」

そこには近くのホテルの2人部屋を予約した画面が映し出されていた。
それにその画面の下には当日キャンセルした場合の料金が示され、とてもじゃないが高校生の僕には払えなさそうな金額だった。

「お手上げだよ」
「ごめん」

雪が降る中、もう少しテーマパークを散策した後、ホテルに向かった。

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