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遭遇
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馬車を見つけた事で一気に緊張感が高まってきた。
でもやっぱりよく見て見ない事には…と思い、門をゆっくりと開け中に入っていった。
こんな夜中だからだろうか、誰も見張りの者がおらず、すんなりと入れ置かれた馬車を照らして見た。
「間違いない…これ、ライオネス家のだよ」
ランタンで照らされた馬車は黒塗りで私達の顔が反射してボヤ~っと映し出された。
それはアカデミーの時にライオネス家にいく際に乗ったのと同じだった。
もう間違いが無い。
ここにいるのはブライスだ。
「…いこう、リーネ」
決意し馬車を後にしようと私の手を引いていくユーリ。
その歩みはもう屋敷へと向かっている。
行きたくない、でも行かないわけには…と思ってる私の気持ちを無視して進む。
門から扉へとはすぐで、入り口の扉の前で私達は立ち止まった。
すると、急に扉が開きだした…。
「わっ!ど、どなたですか!?」
中から現れたのはこの屋敷のメイド。
もう給仕をするような時間ではないので白いネグリジュ姿のパジャマ姿であった。
「私はライオネス家のユーリです、ここにブライス様がいますよね?」
「え、えぇ…まぁ…」
メイドは急にいる私達に困惑しているが、ブライスがいまこの屋敷にいることはすんなりと認めた。
多分私がここまでやってくる事は無い。と思っているのか口止めはしていない様子だった。
「今、アリスの元ですよね。中に入らせて」
ユーリはメイドに淡々と話しを続けているが、私はそんなユーリの後ろに隠れ手を握り続けている。
本当は私が…と思ってるのに言葉が出てこない。
ただ心臓が早く鼓動しそれを抑え込むのに必死で…。
「あの、もうお休みになられていると思います。
それに…」
メイドは後ろに隠れている私に目を移すと扉を少し閉めるような仕草を見せた。
「待って!」
ユーリが大声を上げ閉めようとしている扉に手を伸ばすと同時にガラーン…と持っていたランタンを地面に落とした。
「なんで閉めるの?開けてください」
「…そちらの人はリーネ様ですよね?ブライス様の奥様。
なんでいるんですか?」
マズい…と気づかれたみたいで扉一枚を挟みユーリとメイドの間で一悶着を起こし始めた。
「開けなさい!あなたもわかってるんでしょ?」
「…わかりません。と、とにかくお帰りください」
開ける、閉めるの押し問答を続けるが次第にユーリの方が優勢になり…
そして一気に扉を開いた。
開かれ弾き飛ばされるようにメイドは尻餅をつき私達の事をみてくるがユーリはすぐに近寄り、
アリスの部屋はどこかを尋ね始めた。
首を振りながら教えないというメイドだったが、そんなメイドを立たせて体を揺すり居場所を吐かせようとしている。
その様子は浮気をされて怒ってるのは私ではなくユーリ…と見える程だった。
「早く言って!言わないと…」
今まで見たことないくらいの表情を見せながらメイドに手をあげようとしているユーリがいた。
「ユーリ、もういいよ…」
「な、何言ってるの!?ここまで来て引き返す気?」
私の言葉を聞き揺する手を緩めたのを見たメイドはすぐに掴まれた手をすり抜け屋敷の奥の方へと逃げ込んでいった。
「あっ!ちょっと!待ちなさい!?
…リーネ!何してるの!?アリスの部屋聴きそびれたじゃない!?」
「ごめん…」
「ねぇ!ここまで来て辞める気?」
「…」
「黙らないで!?」
なぜ止めたのか私にも分からなかった…。
真実を知るためにここに来たのに。
それもユーリを巻き込んで…。
でもいざ二人がいる場面を見るのが怖く、逃げ出したい…っと急に思い始めていた。
周りを見渡しアリスの部屋を探そうというユーリ。
黙り俯く私。
二人の間に不協和音が流れ始めた…。
そんな時だった。
「そこでなにをしてる!」
急に聞き慣れた声が私達の上からしてきた…。
目線の先には着衣が少し乱れた状態のブライスが手すりにもたれ掛かり冷たく冷酷な目でこちらを見ていた…。
でもやっぱりよく見て見ない事には…と思い、門をゆっくりと開け中に入っていった。
こんな夜中だからだろうか、誰も見張りの者がおらず、すんなりと入れ置かれた馬車を照らして見た。
「間違いない…これ、ライオネス家のだよ」
ランタンで照らされた馬車は黒塗りで私達の顔が反射してボヤ~っと映し出された。
それはアカデミーの時にライオネス家にいく際に乗ったのと同じだった。
もう間違いが無い。
ここにいるのはブライスだ。
「…いこう、リーネ」
決意し馬車を後にしようと私の手を引いていくユーリ。
その歩みはもう屋敷へと向かっている。
行きたくない、でも行かないわけには…と思ってる私の気持ちを無視して進む。
門から扉へとはすぐで、入り口の扉の前で私達は立ち止まった。
すると、急に扉が開きだした…。
「わっ!ど、どなたですか!?」
中から現れたのはこの屋敷のメイド。
もう給仕をするような時間ではないので白いネグリジュ姿のパジャマ姿であった。
「私はライオネス家のユーリです、ここにブライス様がいますよね?」
「え、えぇ…まぁ…」
メイドは急にいる私達に困惑しているが、ブライスがいまこの屋敷にいることはすんなりと認めた。
多分私がここまでやってくる事は無い。と思っているのか口止めはしていない様子だった。
「今、アリスの元ですよね。中に入らせて」
ユーリはメイドに淡々と話しを続けているが、私はそんなユーリの後ろに隠れ手を握り続けている。
本当は私が…と思ってるのに言葉が出てこない。
ただ心臓が早く鼓動しそれを抑え込むのに必死で…。
「あの、もうお休みになられていると思います。
それに…」
メイドは後ろに隠れている私に目を移すと扉を少し閉めるような仕草を見せた。
「待って!」
ユーリが大声を上げ閉めようとしている扉に手を伸ばすと同時にガラーン…と持っていたランタンを地面に落とした。
「なんで閉めるの?開けてください」
「…そちらの人はリーネ様ですよね?ブライス様の奥様。
なんでいるんですか?」
マズい…と気づかれたみたいで扉一枚を挟みユーリとメイドの間で一悶着を起こし始めた。
「開けなさい!あなたもわかってるんでしょ?」
「…わかりません。と、とにかくお帰りください」
開ける、閉めるの押し問答を続けるが次第にユーリの方が優勢になり…
そして一気に扉を開いた。
開かれ弾き飛ばされるようにメイドは尻餅をつき私達の事をみてくるがユーリはすぐに近寄り、
アリスの部屋はどこかを尋ね始めた。
首を振りながら教えないというメイドだったが、そんなメイドを立たせて体を揺すり居場所を吐かせようとしている。
その様子は浮気をされて怒ってるのは私ではなくユーリ…と見える程だった。
「早く言って!言わないと…」
今まで見たことないくらいの表情を見せながらメイドに手をあげようとしているユーリがいた。
「ユーリ、もういいよ…」
「な、何言ってるの!?ここまで来て引き返す気?」
私の言葉を聞き揺する手を緩めたのを見たメイドはすぐに掴まれた手をすり抜け屋敷の奥の方へと逃げ込んでいった。
「あっ!ちょっと!待ちなさい!?
…リーネ!何してるの!?アリスの部屋聴きそびれたじゃない!?」
「ごめん…」
「ねぇ!ここまで来て辞める気?」
「…」
「黙らないで!?」
なぜ止めたのか私にも分からなかった…。
真実を知るためにここに来たのに。
それもユーリを巻き込んで…。
でもいざ二人がいる場面を見るのが怖く、逃げ出したい…っと急に思い始めていた。
周りを見渡しアリスの部屋を探そうというユーリ。
黙り俯く私。
二人の間に不協和音が流れ始めた…。
そんな時だった。
「そこでなにをしてる!」
急に聞き慣れた声が私達の上からしてきた…。
目線の先には着衣が少し乱れた状態のブライスが手すりにもたれ掛かり冷たく冷酷な目でこちらを見ていた…。
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