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答え

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私は自らブライスに告げていた。
しかもアカデミー時代には言われた事のないあの言葉を使って…。

「リーネ、何言ってるの!?そんな事言ったら…」

「そうか、お前自身がそういうなら話は早いな」

「待ってください、ブライス様。
この子は今、混乱してるんです。いきなりこんな場面に遭遇したから!
リーネ、今の言葉は取り消して」

「…」

ユーリの言葉に反応はせず、ただへたり込み床を見ては黙ったままの状態でいた。

(アリスのお腹にブライスの子…。
だから私に急に離縁したいと言ってきたんだ)

近くでは必死に先程の言葉を取り消せというユーリがいる。
その傍ら、見下ろし私を見るブライスに、何も言わずこの雰囲気を見守っているアリスがいた。

「ねぇってば!」

「やめろ、ユーリ。もう茶番はいい。
俺はこいつとは終わりだ」

「なっ!?」

ブライスは近くにあるテーブルに向かうと何やら紙に文字を書いている様だった。
そして、書き終えると私に近づき、一枚の紙を
ひらりと落とす。
目の前に落ちた紙を私は見たがそこには短くこう書いてあった。

『私はブライス=ライオネスと離縁することを承諾します』  

と。

その下の空白に自分の名を書けとブライスは続け、紙の上にぽとりとペンを落としてきた…。

その紙を見るなり私の中で何かが終わった気がした。
そしてゆっくりとペンを持とうと手を動かしていくがそれをユーリが止めた。

「リーネ、やめなさい。書いたらもう本当に終わる!」

「…ユーリ、私は」

「早く書け、リーネ。そして出て行ってくれ。アリスとの時間があるからな」

私よりアリス…。
もうブライスの心には私への気持ちなんてこれっぽっちもない、と言われているのが良く分かった。

すると、ずっと何も喋らなかったアリスがゆっくりと口を開いた。

「リーネ…ごめんね」

言葉を投げかけるアリスを私は見たが、手は少し膨らんだお腹をさすりながら…。
それがまた私の心を抉っていく…。

「ブライスは…私が良いと言ってくれた。
だから、嬉しかった。
あなたと婚姻を結んでいるのは知ってた。でも…」

アリスはわたしが知らない浮気の全容を語り始めた…。

アカデミーを落ちた後、密かにやり取りが始まった事。
そして私がマリーを産んだが、女であるのが許せない事。
私が自分からブライスに迫る事もせず、淡々と暮らしている事…など。

本当はそんな事は聞きたくない。
でも泣き喚き叫んで遮ることもなくアリスの言葉を私は何も言わずにただ聞いていた。

「ちょっと待って!」

でもそれをユーリが遮った。

「ブライス様、マリーの事、好きじゃないんですか?
あなたの子ですよね?」

「もちろん俺の子だが?」

「男の子だけしかダメなんですか?女の子を産んだ人はもうあなたには必要ないんですか!?
もしそうならこれから生まれるアリスの子が女の子だったら同じ様に…」

バシッ

大きな音が部屋の中に響き渡った…。
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