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真実
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ゆっくりと話しだすユーリの言葉。
それを聞くとラークさんは縄を解くように言う声を止め、言葉を聞こうとした。
そしてそれは私も同じだった…。
「…最初に見た時から思ってた。
どうしてあなたみたいな人がこのアカデミーを受けるんだろう…って」
「それは…」
「分かってる、ブライス様が調査した時に引っかかったから受けているのは。
でも、あなたがいる事で周りは…」
「ククク…なんだ。僕が引き剥がす事なんかしなくても元々嫌いだったんだね、ユーリさんは」
ラークさんの言葉にキッと睨みつけ『喋るな』と言わんばかりの顔を見せるユーリは怖く、怒った顔を見る事は何度かあるが、いつも以上に怖い感じがした。
「怖い怖い」
「ラーク、黙っていろ。ユーリの話を遮るな」
「はいはい」
「じゃあ…なんで私のサポートなんかするといったの?」
「…その方がブライス様の近くにいれると思ったから。
あのまま追い出され、イシュバールの家に戻ったら会う口実なんて無さそうだったから。
私はあなたに知られない様にブライス様と会っていた。
何度も何度も…」
「…今までブライスと対立していたのも私にバレないための工作ってこと?」
コクリと頷き、立ち上がるとブライスへと近づいていった。
「私は…ブライス様の子を宿している」
「え…」
そういうと右手でゆっくりお腹を撫でるように摩り出し、その様子を見ていたブライスはユーリの手の上に添えていく。
「リーネ、多分こいつは男だ」
「な、なんでわかるの…。それよりいつ…」
「知りたいのか?俺とユーリがした内容を聞く勇気があるならいますぐにでも話してやるぞ?」
ユーリの肩を抱き、再び自分の元へと引き寄せるブライス。
それを当然といった感じで受けるユーリもまた軽く頬を赤く染めていく感じが私には…。
「…ユーリ、レイ事務長も私を見捨てたと聞いた。
なぜそうなったの?」
その言葉にユーリは少しだけ考え、ブライスに対し顔を見合わせると話出してきた。
「リーネ、あなた、不正についての紙まだもってる?」
「不正…。レイ事務長がロータスさんに指示されてしていた『あの』?」
「そう…」
「私の鞄に隠してあるけど、それが何?」
「…あれは真っ赤な嘘。そんな事実なんてない」
「どういう事!?」
「あれは…私が仕組んでレイさんにお願いしたの。
口裏を合わせて欲しいって…。
そしてそれをあなたに渡し…あとはわかるでしょ?」
「分からないよ!なんでそんな事!?」
「…1日でも早くあなたとブライス様が離縁して欲しかった。
だから一芝居打って協力して…ブライス様がアリスと浮気してるのは知ってた。
でもそれはどうでも良かった。
私を…愛してくれたから、強く激しく…」
話を続けていくうちに次第に涙声になっていくユーリをブライスは『もういいだろう』と呟き、胸へとユーリを引き寄せていった。
そして、この部屋から出ようと扉の方へと向かっていく。
「もういいのか、ブライス?」
「あぁ、悪かったな。邪魔して。もう終わったからお前の好きにしろ」
「ふっ、よく言うよ。いきなり来て止める僕の気持ちを考えてほしいね」
「悪かったな」
バタンッと大きな音を立て扉を閉めていき、私はラークさんと二人きりにさせられた。
でもそれ以上に私の心は深く大きく抉られた気がした。
「さて…もう今度こそ誰も来ない。お楽しみの時間と行こうか?」
窓に近づきカーテンを閉めようとするラークさんに私は…。
「…もういい」
「なに?何がいいの?」
「あなたの好きにすればいい…」
私の気持ちは完全に終わってしまった…。
それを聞くとラークさんは縄を解くように言う声を止め、言葉を聞こうとした。
そしてそれは私も同じだった…。
「…最初に見た時から思ってた。
どうしてあなたみたいな人がこのアカデミーを受けるんだろう…って」
「それは…」
「分かってる、ブライス様が調査した時に引っかかったから受けているのは。
でも、あなたがいる事で周りは…」
「ククク…なんだ。僕が引き剥がす事なんかしなくても元々嫌いだったんだね、ユーリさんは」
ラークさんの言葉にキッと睨みつけ『喋るな』と言わんばかりの顔を見せるユーリは怖く、怒った顔を見る事は何度かあるが、いつも以上に怖い感じがした。
「怖い怖い」
「ラーク、黙っていろ。ユーリの話を遮るな」
「はいはい」
「じゃあ…なんで私のサポートなんかするといったの?」
「…その方がブライス様の近くにいれると思ったから。
あのまま追い出され、イシュバールの家に戻ったら会う口実なんて無さそうだったから。
私はあなたに知られない様にブライス様と会っていた。
何度も何度も…」
「…今までブライスと対立していたのも私にバレないための工作ってこと?」
コクリと頷き、立ち上がるとブライスへと近づいていった。
「私は…ブライス様の子を宿している」
「え…」
そういうと右手でゆっくりお腹を撫でるように摩り出し、その様子を見ていたブライスはユーリの手の上に添えていく。
「リーネ、多分こいつは男だ」
「な、なんでわかるの…。それよりいつ…」
「知りたいのか?俺とユーリがした内容を聞く勇気があるならいますぐにでも話してやるぞ?」
ユーリの肩を抱き、再び自分の元へと引き寄せるブライス。
それを当然といった感じで受けるユーリもまた軽く頬を赤く染めていく感じが私には…。
「…ユーリ、レイ事務長も私を見捨てたと聞いた。
なぜそうなったの?」
その言葉にユーリは少しだけ考え、ブライスに対し顔を見合わせると話出してきた。
「リーネ、あなた、不正についての紙まだもってる?」
「不正…。レイ事務長がロータスさんに指示されてしていた『あの』?」
「そう…」
「私の鞄に隠してあるけど、それが何?」
「…あれは真っ赤な嘘。そんな事実なんてない」
「どういう事!?」
「あれは…私が仕組んでレイさんにお願いしたの。
口裏を合わせて欲しいって…。
そしてそれをあなたに渡し…あとはわかるでしょ?」
「分からないよ!なんでそんな事!?」
「…1日でも早くあなたとブライス様が離縁して欲しかった。
だから一芝居打って協力して…ブライス様がアリスと浮気してるのは知ってた。
でもそれはどうでも良かった。
私を…愛してくれたから、強く激しく…」
話を続けていくうちに次第に涙声になっていくユーリをブライスは『もういいだろう』と呟き、胸へとユーリを引き寄せていった。
そして、この部屋から出ようと扉の方へと向かっていく。
「もういいのか、ブライス?」
「あぁ、悪かったな。邪魔して。もう終わったからお前の好きにしろ」
「ふっ、よく言うよ。いきなり来て止める僕の気持ちを考えてほしいね」
「悪かったな」
バタンッと大きな音を立て扉を閉めていき、私はラークさんと二人きりにさせられた。
でもそれ以上に私の心は深く大きく抉られた気がした。
「さて…もう今度こそ誰も来ない。お楽しみの時間と行こうか?」
窓に近づきカーテンを閉めようとするラークさんに私は…。
「…もういい」
「なに?何がいいの?」
「あなたの好きにすればいい…」
私の気持ちは完全に終わってしまった…。
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