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悪意
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「んっ・・・・・。」
朝の柔らかい陽射しを感じて目が覚める。
「・・・・・・。」
「おはよう。良く眠れた?」
優しい声が降ってくる。
隣に司さんが居て優しい眼差しで見つめられる。
「!!、、、ごめんなさい。私、きのう、、、」
昨日の事を思い出し頬が熱くなる。
未だに握っていた手に気付き慌てて放す。
司さんはクスッと笑って頭を撫でてその手が頬におりてくる。親指で唇をなぞると触れるだけのキスをしてくれた。
「・・・・。」
「朝食にしようか?準備するから支度しておいで?」
「、、、、、はい。」
支度を済ませて、洗面所の鏡に写る自分をジッと見つめる。
記憶を手繰り寄せようとそっと眼を閉じる。
昨日の映像が鮮明に甦る。
(あの人は『日本で桜を見よう』って言ってた。私は日本に居たんじゃないの?私は竜って呼んでた。それに光明って?誰なの?・・・・竜さんの最期の言葉。『十分苦しんだ。もういいんだ』ってどういう意味なの?)
どんなに思い出そうとしても思い出せない自分に焦りと苛立ちがつのる。
もう一度鏡に写る自分を見つめ手を伸ばす
「あなたは何者なの、、、、?」
司さんの作ってくれた朝食はとても美味しい。でも、食がすすまない。
「、、、、、葵?食欲ない?」
「ううん。そんな事ないよ。いつも美味しい食事をありがとう。」
駄目だ、これ以上司さんに心配かけるわけにはいかない。
「、、、、そう?ありがとう。今日は御園診療所に行こうかと思うんだけど大丈夫かな?」
「御園診療所?」
「うん。ちょっと先生に診て貰おうか?ほら怪我のあとも診てもらわないとね。」
「わかりました、、、。」
********
「うん。傷も綺麗に治ってるしもう大丈夫だよ。」
先生はそう言ってカルテに目を移した。
「・・・・・先生?」
「うん?」
「私の記憶って戻らないんですか?」
「うーん。何かをきっかけに思い出す事もあると思うんだけどね。でも焦りは禁物だよ?」
「そう、、なんですか、、、。」
(やっぱり時間が掛かるのかな?でも、どうしても思い出さなきゃいけない。竜さんの事も光明って人の事も、他にも沢山。)
「なぁ葵?記憶があろうが無かろうがお前はお前だ。お前の事を大切に思ってる人間は沢山居るし支えになりたいと思ってる。勿論そこに居る司も俺もだ。これからそういう人間達と新しい思い出を作っていくのも良いんじゃないか?」
「、、、、新しい思い出?」
「そう、確かに過去が思い出せないのは不安かもしれない。けどお前はいつも人に優しくて強い人間だった。自分の事より回りに居る奴等の事ばっかり優先してた。そんなお前だから皆力になりたいと思ってるし大切に思ってる。お前の回りに居るのはそういう連中ばっかりだ。それじゃ駄目か?」
「・・・・ダメじゃ、、、ないです。」
(先生や司さんが親身になってくれるのはきっと昔の私が確かに築いてきた信頼なんだろう。
この先もし記憶が戻らなくてもきっとこの人達は変わらずに私に接してくれると思う。
でも、、、本当にそれでいいのかな?私だけ何も無かった様に、、、、、)
「また、いつでも来いよー!」
御園先生に見送られて診療所を後にする。
ちょうど路地に出た所で
「ごめん葵。診療所に忘れ物してきちゃったから取ってくる。ちょっとここで待ってて!」
「はい。」
診療所に戻る司さんを見送って、近くのビルの壁に寄りかかり先生の言葉を思い出していた。
「優しくて強い、、、か」
(昔の私ってどんな人間だったのかな?でも、竜さんは私を庇って撃たれたんだよね。、、、何で?撃たれたの?)
「駄目だ、何も思い出せない、、、、」
視線を落とすと、目の前に車が停まった。
ガラッと後部座席のドアが開き中から若い男が二人降りてきた。
一人は葵の口を塞いできた
「んんんっっっ!!!」
必死に抵抗すると
「大人しくしろ!!」
頬を思いっきり叩かれる。
(つっ、、、、助けて、誰か、、、司さん!!)
無理矢理車に連れ込まれそうになる。
「何してる!!!」
司さんが走って来るのが見えた。
「おい、早くしろよ!!この女連れてかないと金貰えねーんだからな!!」
「解ってるよ!」
男達の会話を聞きながら抵抗すると再び頬を叩かれた。
「つっ、、、」
司さんが私を殴った男の胸ぐらを掴んで殴るともう一人が私を司さん目掛けて突き飛ばした。
「くそっ!おい行くぞ!」
男達は車に乗り込むとそのまま走り去っていった。
私は司さんに抱き止めらていたが身体が震えてその場に座り込んでしまう。
「大丈夫か!?」
「う、うん。」
「ごめん。俺が一人にしたから!!」
男に殴られた頬に優しく触れた。
「くそっ、あいつら何者なんだ?!」
「わたしを、、、連れていけばお金が貰えるって言ってた、、、。」
「何だって!?」
********
「こいつ、橘樹。まぁ、悪い奴じゃないから安心して。」
「お前、、、何だよそれ?」
紹介された橘さんは私の頬にそっと触れて
「こんなに赤くなって痛かったろ?大丈夫か?」
「、、、、はい。」
三人でソファーに座ると
「司から聞いたナンバーを調べたら『刃桜会』が所有する車だったよ。」
「刃桜会?そんな風には見えなかったな。まだガキだったぞ?しかも葵を連れていけば金が貰えるって言ってたらしい。」
「今、Nシステムで追跡してもらってる。すぐに何処に行ったかわかるよ。でも、金を払ってまで葵を誘拐しようとした人間が居るって事だよな?」
橘さんのその言葉に背筋がゾクッとした。
(あの時司さんが来なかったら、、、)
「ごめん。怖かったよな?顔色が良くないしもう休んだ方が良いんじゃないか?」
司さんも橘さんも心配そうに見ているのに気付く。
(一人になるのは怖い。でも、これ以上心配かけられないよね、、、)
「あ、じゃあお先に休みますね、、、」
自室に入っても落ち着かない。
(誰が?一体何の目的で私をさらおうとしたの?)
どんなに考えても理由は解らなかった。
「葵?もう寝た?」
ドアをノックしながら司さんが尋ねてきた。
「あ、まだ起きてます。」
そう言うと、司さんは部屋に入ってきて私の隣に座る。
「どうした?眠れない?」
「・・・・・。 あの、橘さんは、、、?」
「あぁ、あいつなら帰ったよ。葵の事心配してた」
「そう、、なんですか、、、、」
「眠れないなら、ハーブティーでも入れようか?」
そう言って立ち上がる司さんの手を咄嗟に握ってしまった。
「うん?どうした?」
「あ・・・・。ごめんなさい、何でもないです、、、」
パッと手を放すと司さんはまた隣に座って手を握ってくれる。
「葵?どうした?」
優しく語りかけてくれた。
「、、、、ひとりで居るのが怖くて、、、、。」
思わず本音がこぼれる。
「ごめんな?昼間怖い思いをしたもんな?一人で居るの怖いよな。気付いてやれなくてごめん。」
優しく抱き締めてくれる。
(何で私の周りの人は皆こんなに優しいんだろう?)
涙が込み上げてくる。
「つっ、、、ふっ、、、」
「泣いても良いんだよ。俺が側に居るから。ごめんな?怖い思いさせて。」
「ちがっ、、、司さんは助けてくれたの。でも、、こわ、、怖かったよ、、、、」
「うん。もう大丈夫だよ。俺が守るから。どんなことからも。だから安心して?それに俺だけじゃない。樹も御園先生も同じ気持ちだ。皆が葵の事を守りたいんだ。」
「、、、うん。」
安心したように眠る葵の頬を優しく触って
「ごめんな。痛かったよな?怖かったよな?今度こそ守るから。」
そう呟いた。
朝の柔らかい陽射しを感じて目が覚める。
「・・・・・・。」
「おはよう。良く眠れた?」
優しい声が降ってくる。
隣に司さんが居て優しい眼差しで見つめられる。
「!!、、、ごめんなさい。私、きのう、、、」
昨日の事を思い出し頬が熱くなる。
未だに握っていた手に気付き慌てて放す。
司さんはクスッと笑って頭を撫でてその手が頬におりてくる。親指で唇をなぞると触れるだけのキスをしてくれた。
「・・・・。」
「朝食にしようか?準備するから支度しておいで?」
「、、、、、はい。」
支度を済ませて、洗面所の鏡に写る自分をジッと見つめる。
記憶を手繰り寄せようとそっと眼を閉じる。
昨日の映像が鮮明に甦る。
(あの人は『日本で桜を見よう』って言ってた。私は日本に居たんじゃないの?私は竜って呼んでた。それに光明って?誰なの?・・・・竜さんの最期の言葉。『十分苦しんだ。もういいんだ』ってどういう意味なの?)
どんなに思い出そうとしても思い出せない自分に焦りと苛立ちがつのる。
もう一度鏡に写る自分を見つめ手を伸ばす
「あなたは何者なの、、、、?」
司さんの作ってくれた朝食はとても美味しい。でも、食がすすまない。
「、、、、、葵?食欲ない?」
「ううん。そんな事ないよ。いつも美味しい食事をありがとう。」
駄目だ、これ以上司さんに心配かけるわけにはいかない。
「、、、、そう?ありがとう。今日は御園診療所に行こうかと思うんだけど大丈夫かな?」
「御園診療所?」
「うん。ちょっと先生に診て貰おうか?ほら怪我のあとも診てもらわないとね。」
「わかりました、、、。」
********
「うん。傷も綺麗に治ってるしもう大丈夫だよ。」
先生はそう言ってカルテに目を移した。
「・・・・・先生?」
「うん?」
「私の記憶って戻らないんですか?」
「うーん。何かをきっかけに思い出す事もあると思うんだけどね。でも焦りは禁物だよ?」
「そう、、なんですか、、、。」
(やっぱり時間が掛かるのかな?でも、どうしても思い出さなきゃいけない。竜さんの事も光明って人の事も、他にも沢山。)
「なぁ葵?記憶があろうが無かろうがお前はお前だ。お前の事を大切に思ってる人間は沢山居るし支えになりたいと思ってる。勿論そこに居る司も俺もだ。これからそういう人間達と新しい思い出を作っていくのも良いんじゃないか?」
「、、、、新しい思い出?」
「そう、確かに過去が思い出せないのは不安かもしれない。けどお前はいつも人に優しくて強い人間だった。自分の事より回りに居る奴等の事ばっかり優先してた。そんなお前だから皆力になりたいと思ってるし大切に思ってる。お前の回りに居るのはそういう連中ばっかりだ。それじゃ駄目か?」
「・・・・ダメじゃ、、、ないです。」
(先生や司さんが親身になってくれるのはきっと昔の私が確かに築いてきた信頼なんだろう。
この先もし記憶が戻らなくてもきっとこの人達は変わらずに私に接してくれると思う。
でも、、、本当にそれでいいのかな?私だけ何も無かった様に、、、、、)
「また、いつでも来いよー!」
御園先生に見送られて診療所を後にする。
ちょうど路地に出た所で
「ごめん葵。診療所に忘れ物してきちゃったから取ってくる。ちょっとここで待ってて!」
「はい。」
診療所に戻る司さんを見送って、近くのビルの壁に寄りかかり先生の言葉を思い出していた。
「優しくて強い、、、か」
(昔の私ってどんな人間だったのかな?でも、竜さんは私を庇って撃たれたんだよね。、、、何で?撃たれたの?)
「駄目だ、何も思い出せない、、、、」
視線を落とすと、目の前に車が停まった。
ガラッと後部座席のドアが開き中から若い男が二人降りてきた。
一人は葵の口を塞いできた
「んんんっっっ!!!」
必死に抵抗すると
「大人しくしろ!!」
頬を思いっきり叩かれる。
(つっ、、、、助けて、誰か、、、司さん!!)
無理矢理車に連れ込まれそうになる。
「何してる!!!」
司さんが走って来るのが見えた。
「おい、早くしろよ!!この女連れてかないと金貰えねーんだからな!!」
「解ってるよ!」
男達の会話を聞きながら抵抗すると再び頬を叩かれた。
「つっ、、、」
司さんが私を殴った男の胸ぐらを掴んで殴るともう一人が私を司さん目掛けて突き飛ばした。
「くそっ!おい行くぞ!」
男達は車に乗り込むとそのまま走り去っていった。
私は司さんに抱き止めらていたが身体が震えてその場に座り込んでしまう。
「大丈夫か!?」
「う、うん。」
「ごめん。俺が一人にしたから!!」
男に殴られた頬に優しく触れた。
「くそっ、あいつら何者なんだ?!」
「わたしを、、、連れていけばお金が貰えるって言ってた、、、。」
「何だって!?」
********
「こいつ、橘樹。まぁ、悪い奴じゃないから安心して。」
「お前、、、何だよそれ?」
紹介された橘さんは私の頬にそっと触れて
「こんなに赤くなって痛かったろ?大丈夫か?」
「、、、、はい。」
三人でソファーに座ると
「司から聞いたナンバーを調べたら『刃桜会』が所有する車だったよ。」
「刃桜会?そんな風には見えなかったな。まだガキだったぞ?しかも葵を連れていけば金が貰えるって言ってたらしい。」
「今、Nシステムで追跡してもらってる。すぐに何処に行ったかわかるよ。でも、金を払ってまで葵を誘拐しようとした人間が居るって事だよな?」
橘さんのその言葉に背筋がゾクッとした。
(あの時司さんが来なかったら、、、)
「ごめん。怖かったよな?顔色が良くないしもう休んだ方が良いんじゃないか?」
司さんも橘さんも心配そうに見ているのに気付く。
(一人になるのは怖い。でも、これ以上心配かけられないよね、、、)
「あ、じゃあお先に休みますね、、、」
自室に入っても落ち着かない。
(誰が?一体何の目的で私をさらおうとしたの?)
どんなに考えても理由は解らなかった。
「葵?もう寝た?」
ドアをノックしながら司さんが尋ねてきた。
「あ、まだ起きてます。」
そう言うと、司さんは部屋に入ってきて私の隣に座る。
「どうした?眠れない?」
「・・・・・。 あの、橘さんは、、、?」
「あぁ、あいつなら帰ったよ。葵の事心配してた」
「そう、、なんですか、、、、」
「眠れないなら、ハーブティーでも入れようか?」
そう言って立ち上がる司さんの手を咄嗟に握ってしまった。
「うん?どうした?」
「あ・・・・。ごめんなさい、何でもないです、、、」
パッと手を放すと司さんはまた隣に座って手を握ってくれる。
「葵?どうした?」
優しく語りかけてくれた。
「、、、、ひとりで居るのが怖くて、、、、。」
思わず本音がこぼれる。
「ごめんな?昼間怖い思いをしたもんな?一人で居るの怖いよな。気付いてやれなくてごめん。」
優しく抱き締めてくれる。
(何で私の周りの人は皆こんなに優しいんだろう?)
涙が込み上げてくる。
「つっ、、、ふっ、、、」
「泣いても良いんだよ。俺が側に居るから。ごめんな?怖い思いさせて。」
「ちがっ、、、司さんは助けてくれたの。でも、、こわ、、怖かったよ、、、、」
「うん。もう大丈夫だよ。俺が守るから。どんなことからも。だから安心して?それに俺だけじゃない。樹も御園先生も同じ気持ちだ。皆が葵の事を守りたいんだ。」
「、、、うん。」
安心したように眠る葵の頬を優しく触って
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