11 / 20
悪夢の中の光
しおりを挟む
翌朝。
皆が起きてきているが葵の姿が無かった。
司が葵の部屋の前に立つ。
「葵?起きてる?」
ノックをしながら聞くが返事がない。
(まだ、寝てるのかな?)
ソッと部屋のドアを開けると、ベッドに葵が居た。まだ眠っている様だった。
(まだ寝てるのか。)
ドアを閉めようとした時
「・・・て・・」
葵が何かを呟いた。
司は閉めかけたドアをもう一度開けて様子を伺う。
「はぁ・・・っつ・・め・て・・」
(うなされてる?)
室内に入り葵の顔を覗き込むと、額には汗が滲み目尻に涙が浮かんでいる。
「っつ・・おねが・・・やめっ・・」
更にうなされている葵の肩を揺する。
「葵!!あおい!」
ハッと目を覚ました葵の視線は空をさ迷う。
「葵?」
司の声にやっと反応し身体を起こすと、葵の綺麗な瞳から一粒涙が落ちた。
司は、葵の涙を拭うと優しく抱きしめた。
司の身体の温もりがとても安心する。
思わずすがり付きそうになる。
「っつ・・・。」
司の身体を押し返そうとするが逃すまいと、きつく抱き締められた。
「・・さくらば・・さん?」
司の中で葵への想いが膨れ上がった。
「葵。俺は・・。俺は葵の事がっ」
「っ・・・」
その瞬間強く身体を押し返す。
葵の身体から司の温もりが消えた。
「みっともない所見せちゃったね。皆には内緒にしてね?」
笑いながらベッドから降りると、司の横を通り過ぎた。
「・・・。みっともなくなんかない。悪い夢を見てたんだろう?何かあるなら話聞くよ?」
「大丈夫だよ。ありがとう桜葉さん。」
振り返る葵の顔にはいつもの笑顔があった。
でも、司には無理に笑顔を作っているのがわかった。
(ああ、そうだ。葵はいつも笑顔を絶やさないけど、どこか寂しそうだった。)
葵の力になりたい。側に居て支えたい。寂しい笑顔じゃなく心からの笑顔が見たい強くそう思った。
支度を済ませリビングへ行くとレオンが心配そうな顔をしていた。
「ごめん。ちょっと、寝坊しちゃった。」
「アオイ?大丈夫か?」
「大丈夫だよ。ありがとうレオン。」
葵のスマホが鳴る。
「・・・。ごめん。電話だ。皆は朝食済ませちゃって?」
そう言い残しリビングを出ていった。
「もしもし、佐々木さん?おはようございます。昨晩はありがとうございました。」
『おはようございます。葵さん。昨晩の二人組ですがアルミナ国の軍の人間でした。』
「軍の?」
『ええ。特殊部隊で暗殺などの任務を請け負っている様です。今回はレオン王子の暗殺の為に日本に来たそうです。』
「やはり、そうでしたか。それで何人位日本に来てるんですか?」
『6名です。ですから残るのは4名ですね。』
「それでレオンの暗殺を依頼した人物は解りましたか?」
『それは、知らされていないみたいです。あの二人は末端の人間だったみたいで。ただ、その部隊は一部の人間しか存在を知らないそうです。例えば王族など。』
「王族・・。そうですか。わかりました、ありがとうございます。それで?あの二人は?」
『今、強制送還の手続きをしている所です。後、部隊を束ねるのはシュヴェルツという人間だそうです。くれぐれも、気を付けて下さい。何かあればご連絡下さい。』
「佐々木さん、ありがとうございました。藤堂さんにも宜しくお伝えください。」
電話を切るとため息をついた。
(王族・・・か。)
「身内に狙われてるって事?」
葵の呟きは春の高い空に消えていった。
皆が起きてきているが葵の姿が無かった。
司が葵の部屋の前に立つ。
「葵?起きてる?」
ノックをしながら聞くが返事がない。
(まだ、寝てるのかな?)
ソッと部屋のドアを開けると、ベッドに葵が居た。まだ眠っている様だった。
(まだ寝てるのか。)
ドアを閉めようとした時
「・・・て・・」
葵が何かを呟いた。
司は閉めかけたドアをもう一度開けて様子を伺う。
「はぁ・・・っつ・・め・て・・」
(うなされてる?)
室内に入り葵の顔を覗き込むと、額には汗が滲み目尻に涙が浮かんでいる。
「っつ・・おねが・・・やめっ・・」
更にうなされている葵の肩を揺する。
「葵!!あおい!」
ハッと目を覚ました葵の視線は空をさ迷う。
「葵?」
司の声にやっと反応し身体を起こすと、葵の綺麗な瞳から一粒涙が落ちた。
司は、葵の涙を拭うと優しく抱きしめた。
司の身体の温もりがとても安心する。
思わずすがり付きそうになる。
「っつ・・・。」
司の身体を押し返そうとするが逃すまいと、きつく抱き締められた。
「・・さくらば・・さん?」
司の中で葵への想いが膨れ上がった。
「葵。俺は・・。俺は葵の事がっ」
「っ・・・」
その瞬間強く身体を押し返す。
葵の身体から司の温もりが消えた。
「みっともない所見せちゃったね。皆には内緒にしてね?」
笑いながらベッドから降りると、司の横を通り過ぎた。
「・・・。みっともなくなんかない。悪い夢を見てたんだろう?何かあるなら話聞くよ?」
「大丈夫だよ。ありがとう桜葉さん。」
振り返る葵の顔にはいつもの笑顔があった。
でも、司には無理に笑顔を作っているのがわかった。
(ああ、そうだ。葵はいつも笑顔を絶やさないけど、どこか寂しそうだった。)
葵の力になりたい。側に居て支えたい。寂しい笑顔じゃなく心からの笑顔が見たい強くそう思った。
支度を済ませリビングへ行くとレオンが心配そうな顔をしていた。
「ごめん。ちょっと、寝坊しちゃった。」
「アオイ?大丈夫か?」
「大丈夫だよ。ありがとうレオン。」
葵のスマホが鳴る。
「・・・。ごめん。電話だ。皆は朝食済ませちゃって?」
そう言い残しリビングを出ていった。
「もしもし、佐々木さん?おはようございます。昨晩はありがとうございました。」
『おはようございます。葵さん。昨晩の二人組ですがアルミナ国の軍の人間でした。』
「軍の?」
『ええ。特殊部隊で暗殺などの任務を請け負っている様です。今回はレオン王子の暗殺の為に日本に来たそうです。』
「やはり、そうでしたか。それで何人位日本に来てるんですか?」
『6名です。ですから残るのは4名ですね。』
「それでレオンの暗殺を依頼した人物は解りましたか?」
『それは、知らされていないみたいです。あの二人は末端の人間だったみたいで。ただ、その部隊は一部の人間しか存在を知らないそうです。例えば王族など。』
「王族・・。そうですか。わかりました、ありがとうございます。それで?あの二人は?」
『今、強制送還の手続きをしている所です。後、部隊を束ねるのはシュヴェルツという人間だそうです。くれぐれも、気を付けて下さい。何かあればご連絡下さい。』
「佐々木さん、ありがとうございました。藤堂さんにも宜しくお伝えください。」
電話を切るとため息をついた。
(王族・・・か。)
「身内に狙われてるって事?」
葵の呟きは春の高い空に消えていった。
0
あなたにおすすめの小説
マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった
naomikoryo
恋愛
【♪♪♪第19回恋愛小説大賞 参加作品♪♪♪ 本編開始しました!!】【♪♪ 毎日、朝5時・昼12時・夕17時 更新予定 ♪♪ 応援、投票よろしくお願いします(^^) ♪♪】
出会いサイトで“理想の異性”を演じた二人。
マッチ率100%の会話は、マッチアプリだけで一か月続いていく。
会ったことも、声を聞いたこともないのに、心だけが先に近づいてしまった。
――でも、君は彼女で、私は彼だった。
嘘から始まったのに、気持ちだけは嘘じゃなかった。
百貨店の喧騒と休憩室の静けさの中で、すれ違いはやがて現実になる。
“会う”じゃなく、“見つける”恋の行方を、あなたも覗いてみませんか。
恋と首輪
山猫
恋愛
日本屈指の名門・城聖高校には、生徒たちが逆らえない“首輪制度”が存在する。
絶対的支配者・東雲財閥の御曹司、東雲 蓮の「選んだ者」は、卒業まで彼の命令に従わなければならない――。
地味で目立たぬ存在だった月宮みゆは、なぜかその“首輪”に選ばれてしまう。
冷酷非情と思っていた蓮の、誰にも見せない孤独と優しさに触れた時、みゆの心は静かに揺れはじめる。
「おめでとう、今日から君は俺の所有物だ。」
イケメン財閥御曹司
東雲 蓮
×
「私はあなたが嫌いです。」
訳あり平凡女子
月宮 みゆ
愛とか恋なんて馬鹿らしい。 愚かな感情だ。
訳ありのふたりが、偽りだらけの学園で紡ぐカーストラブ。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
ラヴ KAZU
恋愛
忌まわしい過去から抜けられず、恋愛に臆病になっているアラフォー葉村美鈴。
五歳の時の初恋相手との結婚を願っている若き御曹司戸倉慶。
ある日美鈴の父親の会社の借金を支払う代わりに美鈴との政略結婚を申し出た慶。
年下御曹司との政略結婚に幸せを感じることが出来ず、諦めていたが、信じられない慶の愛情に困惑する美鈴。
慶に惹かれる気持ちと過去のトラウマから男性を拒否してしまう身体。
二人の恋の行方は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる