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悪夢の中の光
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翌朝。
皆が起きてきているが葵の姿が無かった。
司が葵の部屋の前に立つ。
「葵?起きてる?」
ノックをしながら聞くが返事がない。
(まだ、寝てるのかな?)
ソッと部屋のドアを開けると、ベッドに葵が居た。まだ眠っている様だった。
(まだ寝てるのか。)
ドアを閉めようとした時
「・・・て・・」
葵が何かを呟いた。
司は閉めかけたドアをもう一度開けて様子を伺う。
「はぁ・・・っつ・・め・て・・」
(うなされてる?)
室内に入り葵の顔を覗き込むと、額には汗が滲み目尻に涙が浮かんでいる。
「っつ・・おねが・・・やめっ・・」
更にうなされている葵の肩を揺する。
「葵!!あおい!」
ハッと目を覚ました葵の視線は空をさ迷う。
「葵?」
司の声にやっと反応し身体を起こすと、葵の綺麗な瞳から一粒涙が落ちた。
司は、葵の涙を拭うと優しく抱きしめた。
司の身体の温もりがとても安心する。
思わずすがり付きそうになる。
「っつ・・・。」
司の身体を押し返そうとするが逃すまいと、きつく抱き締められた。
「・・さくらば・・さん?」
司の中で葵への想いが膨れ上がった。
「葵。俺は・・。俺は葵の事がっ」
「っ・・・」
その瞬間強く身体を押し返す。
葵の身体から司の温もりが消えた。
「みっともない所見せちゃったね。皆には内緒にしてね?」
笑いながらベッドから降りると、司の横を通り過ぎた。
「・・・。みっともなくなんかない。悪い夢を見てたんだろう?何かあるなら話聞くよ?」
「大丈夫だよ。ありがとう桜葉さん。」
振り返る葵の顔にはいつもの笑顔があった。
でも、司には無理に笑顔を作っているのがわかった。
(ああ、そうだ。葵はいつも笑顔を絶やさないけど、どこか寂しそうだった。)
葵の力になりたい。側に居て支えたい。寂しい笑顔じゃなく心からの笑顔が見たい強くそう思った。
支度を済ませリビングへ行くとレオンが心配そうな顔をしていた。
「ごめん。ちょっと、寝坊しちゃった。」
「アオイ?大丈夫か?」
「大丈夫だよ。ありがとうレオン。」
葵のスマホが鳴る。
「・・・。ごめん。電話だ。皆は朝食済ませちゃって?」
そう言い残しリビングを出ていった。
「もしもし、佐々木さん?おはようございます。昨晩はありがとうございました。」
『おはようございます。葵さん。昨晩の二人組ですがアルミナ国の軍の人間でした。』
「軍の?」
『ええ。特殊部隊で暗殺などの任務を請け負っている様です。今回はレオン王子の暗殺の為に日本に来たそうです。』
「やはり、そうでしたか。それで何人位日本に来てるんですか?」
『6名です。ですから残るのは4名ですね。』
「それでレオンの暗殺を依頼した人物は解りましたか?」
『それは、知らされていないみたいです。あの二人は末端の人間だったみたいで。ただ、その部隊は一部の人間しか存在を知らないそうです。例えば王族など。』
「王族・・。そうですか。わかりました、ありがとうございます。それで?あの二人は?」
『今、強制送還の手続きをしている所です。後、部隊を束ねるのはシュヴェルツという人間だそうです。くれぐれも、気を付けて下さい。何かあればご連絡下さい。』
「佐々木さん、ありがとうございました。藤堂さんにも宜しくお伝えください。」
電話を切るとため息をついた。
(王族・・・か。)
「身内に狙われてるって事?」
葵の呟きは春の高い空に消えていった。
皆が起きてきているが葵の姿が無かった。
司が葵の部屋の前に立つ。
「葵?起きてる?」
ノックをしながら聞くが返事がない。
(まだ、寝てるのかな?)
ソッと部屋のドアを開けると、ベッドに葵が居た。まだ眠っている様だった。
(まだ寝てるのか。)
ドアを閉めようとした時
「・・・て・・」
葵が何かを呟いた。
司は閉めかけたドアをもう一度開けて様子を伺う。
「はぁ・・・っつ・・め・て・・」
(うなされてる?)
室内に入り葵の顔を覗き込むと、額には汗が滲み目尻に涙が浮かんでいる。
「っつ・・おねが・・・やめっ・・」
更にうなされている葵の肩を揺する。
「葵!!あおい!」
ハッと目を覚ました葵の視線は空をさ迷う。
「葵?」
司の声にやっと反応し身体を起こすと、葵の綺麗な瞳から一粒涙が落ちた。
司は、葵の涙を拭うと優しく抱きしめた。
司の身体の温もりがとても安心する。
思わずすがり付きそうになる。
「っつ・・・。」
司の身体を押し返そうとするが逃すまいと、きつく抱き締められた。
「・・さくらば・・さん?」
司の中で葵への想いが膨れ上がった。
「葵。俺は・・。俺は葵の事がっ」
「っ・・・」
その瞬間強く身体を押し返す。
葵の身体から司の温もりが消えた。
「みっともない所見せちゃったね。皆には内緒にしてね?」
笑いながらベッドから降りると、司の横を通り過ぎた。
「・・・。みっともなくなんかない。悪い夢を見てたんだろう?何かあるなら話聞くよ?」
「大丈夫だよ。ありがとう桜葉さん。」
振り返る葵の顔にはいつもの笑顔があった。
でも、司には無理に笑顔を作っているのがわかった。
(ああ、そうだ。葵はいつも笑顔を絶やさないけど、どこか寂しそうだった。)
葵の力になりたい。側に居て支えたい。寂しい笑顔じゃなく心からの笑顔が見たい強くそう思った。
支度を済ませリビングへ行くとレオンが心配そうな顔をしていた。
「ごめん。ちょっと、寝坊しちゃった。」
「アオイ?大丈夫か?」
「大丈夫だよ。ありがとうレオン。」
葵のスマホが鳴る。
「・・・。ごめん。電話だ。皆は朝食済ませちゃって?」
そう言い残しリビングを出ていった。
「もしもし、佐々木さん?おはようございます。昨晩はありがとうございました。」
『おはようございます。葵さん。昨晩の二人組ですがアルミナ国の軍の人間でした。』
「軍の?」
『ええ。特殊部隊で暗殺などの任務を請け負っている様です。今回はレオン王子の暗殺の為に日本に来たそうです。』
「やはり、そうでしたか。それで何人位日本に来てるんですか?」
『6名です。ですから残るのは4名ですね。』
「それでレオンの暗殺を依頼した人物は解りましたか?」
『それは、知らされていないみたいです。あの二人は末端の人間だったみたいで。ただ、その部隊は一部の人間しか存在を知らないそうです。例えば王族など。』
「王族・・。そうですか。わかりました、ありがとうございます。それで?あの二人は?」
『今、強制送還の手続きをしている所です。後、部隊を束ねるのはシュヴェルツという人間だそうです。くれぐれも、気を付けて下さい。何かあればご連絡下さい。』
「佐々木さん、ありがとうございました。藤堂さんにも宜しくお伝えください。」
電話を切るとため息をついた。
(王族・・・か。)
「身内に狙われてるって事?」
葵の呟きは春の高い空に消えていった。
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