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第5章 カグヤさんはお怒りです
第63話? 第5章までに登場した人物&アイテム紹介 ②ミニャ & エクスニャリバー
しおりを挟む② ミニャ
グランペクトゥ城から追放されたカヨダとロゼが流れ着いたルーヤー川の中流域で出会った猫獣人の小柄な少女。天真爛漫な性格で世界一の武闘家になる事を夢見ている。体は小さいが身体能力は高く、特に素早さや身軽さに秀でる。
商業都市エスペラントの獣人達が多く暮らすいわゆる獣人街の孤児であったが、鳶職の元締めであり猫獣人達の顔役でもあったバンズゥに引き取られ育てられた。
成人後、ミニャは生活の糧を冒険者になって稼ぐ事にした。身軽さのある猫獣人の彼女であったが、鳶職は男社会であり現場に女を入れないという古くからの慣習があった為にバンズゥの元では働けなかったのである。
冒険者となった彼女はしばらくソロで活動していたが、ある時グランペクトゥ女王国で人材を募集している事を知る。まずはモンスター等を相手に戦う傭兵のような扱いだが腕が立つ事が認められ、実績を上げる事が出来れば出自に関わらず正規軍の兵士として召し抱える。さらに実力があるなら伍長などより上位の役にも就ける、場合によっては騎士としての登用もあり得るという夢のような話であった。
しかし聞くと見るとでは大違い。集まってきた冒険者をはじめとする人士達の扱はひどいもので、まさに使い捨てを地でいくもの。仕官をエサにグランペクトゥにやってきた人々は次々とモンスターとの戦闘の最前線に投入されある者は亡くなり、ある者は負傷をしていった。
そんな命がけの戦線に使い捨てを前提に投入されるもんだから怪我をしてもロクに治療もなく、糧食ですら満足に支給されない。これは生き残って女王国の為に戦い続けても仕官の約束など守らないのではないか…そう考えたミニャはグランペクトゥを離れる事にした。
歩いて生まれ育った商業都市エスペラントに戻る事にしたミニャは川に沿って山を下るようにして移動を開始した。冒険者として戦いの経験も野外生活の経験もあった彼女は採取や狩猟を行いながらの道中に激しい雨に遭った。これではたき火も出来ない…、ミニャは途方に暮れていると暗い森の中にポツンと浮かんだ光を見つけた。
雨が降る直前に手に入れた大きな猪を引きずってミニャはその明かりに向かった、それは見た事もない形のものであった。どうやら建物のようである、武闘家である彼女には中に人の気配がある事に気づいた。
体は雨に濡れ冷え切っている、山の中…それも夜でありこれからどんどん寒くなっていくのは明白だ。ミニャは意を決しその不思議な建物のドアと思われる場所をノックするのであった…。
・エクスニャリバー
ルーヤー川を下って商業都市エスペラントに向かっていた際に立ち寄った狼の獣人達の住む集落付近で遭遇した熊型の凶悪なモンスター『マーダーグリズリー』との戦いの最中にカヨダが創造した武器。当初は猫の爪と呼んでいた。
右手にはめて使う武器で拳頭から肘のあたりまでを守る鉄甲のような防具であると共に、拳頭部分から三本の20センチほどの爪が伸びる武器でもある。
爪の部分は白色をした刃となっており、カヨダはその刃をステンレスで創造しさらに表面をセラミックコーティングをして切れ味を上げている。
ちなみにこの異世界においてステンレスは鋼を上回る切れ味の刃がつくと同時に錆びる事のない希少金属『魔鉄』と呼ばれており、さらにセラミックコーティングをした刃はその魔鉄を上回る切れ味を誇る。
事実、その切れ味はすさまじくマーダーグリズリーをミニャの裏拳気味の軌道で薙いだ爪の一撃で皮一枚残して頸を刎ねるというおよそ常識では信じられない離れ業で屠っている。
名前の由来はもちろん聖剣エクスカリバーから。
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