理解されないモノたちへ~オカルト研究会④

釜借 イサキ

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プロローグ だれも、なにも、わからない

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 本格的な夏が始まりかけた頃、呪物と怪異が陣取る部室棟の一室で、『オカルト研究会』のメンバーはババ抜きに勤しんでいた。
「あはは、また周くんの負けー」
「うう……皆強すぎだろ……」
最後まで手元にババを残す平木 周ひらき あまねと、それを悪戯に笑う岡 琉依おか るい
「周さん、案の定弱いっスね」
「あんた、顔に出すぎ」
よっしんとメリーさんーー怪異も楽しく参戦する、おかしなババ抜き大会。
「うう……」
集中砲火を喰らう周の顔は真っ赤に染まっている。
「大体さあ、お前、姿見えないとか反則だからね?」
「いやあ、仕方ねえっスよ!」
メリーさんの携帯電話越しでしか見えない怪異に、不平を漏らす。
「それにしても、アニキ強いっスね。」
早々に抜けた秀人は、周囲に構わず読書を始めていた。よっしんは尊敬の眼差しを送る。
「あんた、怪異よりも協調性ないんじゃない? 友達できないわよ?」
訝しむようなメリーさんの声に
「……余計なお世話だ。」
秀人は、本から視線を離さない。
「……まあまあ、二人とも仲良くしてよ」
仲裁しようとする琉依と、
「それより、もう一回! もう一回しよう!」
今度こそ負けないと意気込む周。
「あんたって……単細胞よね?」
「周さん、大人げないっス……」
「うるさい!」
携帯越しに聞こえる声に、周は誤魔化すようにカードを繰る。
「……はあ」
その光景を、溜め息混じりに見る秀人。
 これは、何事もなく、ずっと続いてゆく、当たり前の光景だと、その場にいるーー少なくとも周は、そう信じていた。
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