最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル

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第101話

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「遅かったから負けちゃったのか、ボスに会えなくて帰っちゃったのかと思ってた」
「結構ギリギリだったけど倒せたよ。遅くなったのはその後新しい仲間が出来て、それで色々時間がかかってたんだ」
「コン!」
「あ、ホントだ! 可愛くて強そうな仲間が増えてるね。あんまり見たことない色だなぁ」
「ちょっと特殊な進化をしたっぽくて。赤から青に模様が変化したかな」
「そうなんだ、とにかくおめでとう! 正直ちょっとユーマ達には厳しい相手だったと思うけど、良く倒せたね」

 俺達は村についてすぐモルガの家に行くと、モルガは家の中からこちらの様子を伺うように出てきた。
 やっぱりモルガ的にはあのボスと俺達だと相当しんどい戦いになると思っていたらしい。

「さっきも言ったけど余裕はなかったな」
「でも倒せたなら良かった」
「あのボスを紹介してくれてありがとう」
「それはユーマ達に戦って欲しいって思ったからだよ」
「そっか」
「それよりもユーマは早く帰らなくていいの?」

 時間を見てみると、もう少しで朝ごはんと畑の水やりの時間だった。

「うわ、皆急いで帰るぞ!」
「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」
「またねー」

 こうして俺達は家に早く帰るために、この村からアウロサリバに向けて全力で走るのだった。



「ユーマ、今日は遅かったな。何かあったのか?」
「ごめんなさいモニカさん。少し遠くまで出てました」
「それならいいが、忙しい時は無理に帰ってこなくてもいいぞ」
「ありがとうございます。ただ、一応朝ごはんは家で食べたいので、出来るだけ家には帰ってきますよ」

 家に帰った俺達は、すぐにゴーさんが用意してくれた朝ごはんを食べ、いつもの作業に取り掛かる。

「アイスはこれでオッケー。そろそろ少し味を変えたものも出してみるか」

 畑にはさつまいもやメロンといったものも収穫できる状態で放置されているため、それを使って作るのもいいかもしれない。

「ゴゴ」
「あ、ゴーさん」

 ゴーさんは俺の独り言を聞いていたのか、魔法の包丁と魔法のミキサーを使い、おそらく畑で採ったものを使って何かを作り始めた。

「ユーマ、終わったぞ」
「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」
「あ、お疲れ様です。こっちも終わったんですけど、ゴーさんが何か作ってくれるらしくて」

 ゴーさんが手際良く料理を進めていく間、俺達は雑談しながら出来上がるのを待つ。

「あの、畑の作物って結構収穫されてますか? 最近はしっかり畑を見る機会もないので分からなくて」
「私は少しイチゴを収穫させてもらった。それ以外だとおそらくゴーさんが採ったのではないか? 今日の朝ごはんに出ていた大根やキャベツもここで採れたものだろうしな」
「なるほど、ありがとうございます」
「私は収穫しない方がいいか?」
「いえいえ、そういうわけじゃないです。こっちの畑にあるものはいつでもどうぞ」

「ゴゴ!」
「おお、出来たか」
「そうみたいですね」

 ゴーさんがウルに頼んで凍らせてもらっているのを見るに、おそらくアイスを作ったのだろう。

「たぶんゴーさんが使ってたのはさつまいもなんで、さつまいものアイスかな?」
「楽しみだ」
「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」
「ゴゴ」
「ゴーさんありがとう。じゃあいただきます」

 今日はさつまいもに縁がある1日だと思いながら、お皿に盛り付けられたさつまいもアイスを食べる。

「これはおいしいな」
「おいしいけど、さっきの村のさつまいもの方がもっと良い味になりそう?」
「ゴゴゴ」
「あぁごめん。ゴーさんの作ったアイスを否定してるんじゃないよ。素材の話ね」
「ゴゴ」

 美味しいのは美味しいが、やはりあの焼き芋の味が頭から離れない。

「また今度行ったら少し分けてもらうよ」
「ゴゴ」
「私はとても美味しかったが、これ以上の物があるなら期待している」
「ゴゴ」

 ゴーさんは俺の反応が悔しかったのか、家の畑の方に行っては作物を眺めている。

「ゴーさんに悪いことしちゃったな」
「ゴーさんの腕が悪いなんてことは言っていないのだから良いのではないか?」
「でも明らかに傷つけちゃいましたよ」

 いつもは仕事を求めて動き回るゴーさんなのだが、今日は畑を眺めるだけで元気がない様に見える。

「まぁそのうち戻るだろう。ユーマもあまり気にしない方が良い」
「そうですかね」
「あぁ。私はエマを待たせているから行くよ」
「はい」

 ウル達はいつもと様子の違うゴーさんの近くに行き話しかけているが、ゴーさんはあまり反応を返していない。

「ゴーさん、さっきも言ったけどさつまいもは今度貰ってくるから、この畑のもので何か美味しい料理をまた考えてくれない? デザートでもいいよ」
「ゴゴ」
「ここにあるのはほぼゴーさんが来る前に植えたやつだし、ゴーさんの畑の管理が悪かったとかじゃないからさ」
「ゴゴゴ」
「あと、なんやかんやゴーさんに頼んでた水やりもいつも通り俺達でやっちゃってるし、ゴーさんが素材のことで悩む必要はないから」
「ゴゴ」
「だから、うーん、なんだろう。取り敢えず今は料理の腕を上げるってのはどう?」

 ワーカーホリックのゴーさんにはやはり休みよりも仕事を与えるのが良い気がする。

「ゴゴ!」
「お、やってくれる?」
「ゴゴ!」
「じゃあゴーさんにお願いするね」

 早速ゴーさんは台所へ行き、インベントリから食べ物を出して料理を始めようとしている。

「一応インベントリに入れておけば大丈夫ではあるけど、冷めてもおいしいものだったり、さっきのアイスみたいな冷凍室で保管できる食べ物だと嬉しいかも」
「ゴゴ!」
「じゃあ俺達はまた出かけるから、よろしくね」
「ゴゴ」

 ゴーさんのやる気が戻ったところで、俺達はまたアウロサリバへと戻る。

「次はどっちにしようかな」

 石探しと清掃依頼のどちらから進めるかで悩む。

「清掃依頼は最悪街の中だから少し暗くなっても出来そうだし、先に石探しに行くか」
「クゥ」「アウ」「……!」「コン」

 と言うことで石探しを先にしようと思うのだが、まずは依頼人に会って話を聞くことにする。

「ここだな。すみませーん、石探しの依頼で来ました」
「ちょっと待っとくれ。おや、プレイヤー様が受けてくれたんだね」
「はい。あの、変わった形の石っていうのがどんなものなのか分からなくて、聞きに来ました」
「そうかい、わざわざすまんねぇ。この依頼は別にどんな石でも良いのさ。ちょっとした小遣い稼ぎだと思って気楽にやっとくれ」
「そうですか。でも出来るだけ依頼主の方が納得のいく石を納品したいとは思うので」
「その気持ちで十分じゃよ。お前さんが思う変わった形の石を持ってきてくれることをわしは待っとるからの」
「そうですか。分かりました」
「お前さんなら良い石を持ってきてくれそうじゃ」
「ははは……」

 結局依頼主に話を聞く前とほぼ何も変わらなかったが、俺の思う変わった形の石を納品すれば良いと聞いて少しだけ安心した。

「でもやっぱりこんな形の石が欲しいって言われる方が探しやすかったかな?」

 と言うことで俺達は街の外に出て石を探す。

「なんかこうやって探すと別に普通の石にしか見えないな」
「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」

 皆にも最初は探してもらっていたが、あまりにも地味な作業で申し訳なくなり、今は自由に遊んで良いと言って近くで走り回っている。

「無いなぁ」

 定期的に俺は今何をしてるんだというような気持ちになるが、そんな考えを振り払い俺の思う変わった形の石を探す。

「お、これはもしかして」

 川の近くで石を探していると、魔法の手袋をつけていない状態でも分かるくらいの存在感を放つ石を見つけたため、鑑定して名前を見てみる。

「あ、これも熱想石なのか」

 前に拾ったのは赤く輝いていたが、今回は緑色だった。

「でも形は変じゃないからこれはなしだな」

 インベントリにしまい、また石を探す。



「お、終わった」
「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」

 ウル達はなかなか終わらない俺を心配してか、遊ぶのをやめて石探しを手伝ってくれたおかげで、全員1つずつ変わった形の石を見つけることで、依頼分の5つの石を集めることが出来た。

「皆ありがとな」
「クゥ」「アウ」「……!」「コン」

 時間としてはそれほどかからなかったが、ずっと石を眺めるのは精神的にしんどかった。

「直接依頼主に渡していいって言われたし、清掃依頼へ行く前に先に渡しちゃうか」

 こうして俺達は石探しのために来ていた川辺から離れ、アウロサリバへと戻るのだった。


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