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May
5月16日(木) ストラップ喪失事件・事件編
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その日、事件は起きた。
それは事件と呼ぶにはあまりにも些細な出来事で、声高に流布するべきことでもないけれど、確かに悲しむ被害者がいて、傷つけた加害者がいる。
ひっそりと目の端を涙で濡らしながら、それでも諦めずに捜索を続ける彼女。
そんな友人を宥め、励まし、同時に手伝ってあげる彼女。
自分の贈り物が発端だという事実への罪悪感と、しかしそれほどまでに大事にしてくれていることに対する嬉しさに苛まれる彼。
三人の思いがせめぎ合う中、俺は独りで状況の整理と思考のまとめを行っていた。
事件の概要は、ある人物が大事にしていたストラップの喪失。
現場は密室であり、容疑者はいない。
だがしかし、本当にそうだろうか?
今日の一連の流れを、俺は思い出していた。
♦ ♦ ♦
移動教室であった授業を終え、自分たちのクラスへと戻ってきた俺たち。
丁度よくお昼休みということもあり、各々が通学鞄から昼食を取り出していると、一人の少女の呟きが耳に届いた。
「あれ……うそっ……? …………どこにもない!」
切羽詰まったような声。
ガサゴソと自分のバッグを漁っているものの目的の物は見つからないのか、その顔には焦燥がつのる。
「どうしたの、詩音? お弁当忘れた?」
見かねたかなたが声を掛けるが、それは違うだろうことをすぐに悟った。
なぜなら、彼女の机の上にはそれらしい包みが一つ置いてあったからだ。
「うぅん、違うの。……あのさ、私のストラップ見てない? 鞄に付けていた石のやつ」
「あー、畔上くんに貰っ――」
すかさず俺は脇腹を小突き、その続きを言わせない。
かなたも気付いたのか、咳払いで仕切り直す。
「――んん! あの、買ってもらったっていう石のストラップのことね」
「そう……それがどこにも見当たらないの…………」
もはや涙声で語る菊池さん。
不憫に思い、俺たち三人も手を貸して一緒に探してみるけれど、教室内でストラップが見つかることはなかった。
「道端で落とした、とかじゃないの?」
取り敢えずはお昼だけでも済ませよう、という考えの元でいつものように机を囲むと、かなたはそう切り出す。
「それはない……と思う」
「……その言い切る根拠は?」
紛失だというのにやけにハッキリとした断言だったため、気になって俺は口を挟んだ。
「移動教室で教科書なんかを用意している時に、その……鞄のストラップにも触った、から……」
…………なるほどな。
だから、教室を重点的に探してわけか。
でも、それで見つからないとなるとかなりマズイ状況だぞ。盗難の線も視野に入れなきゃいけなくなる。
「……確か、俺たちが一番最後に教室を出たよな?」
「そうだな。学級委員の俺が教室の施錠をして、鍵を特別教員室に預ける必要があるし」
「…………だよな」
そして、それを俺らが待って、一緒に別教室へと向かったんだ。
ならば、菊池さんが教室を出たあとに犯行が行われた可能性は薄いか……。
『…………………………………………』
考えても進まぬ事態に、一同は困り果てる。
その状況を見かねてか、翔真は少し明るめの声音でこんな提案をした。
「まぁ、一旦落ち着こうか。もしかしたら落し物として預けられてるかもしれないし、この後にでも特別教員室に行ってみようよ」
「だな」
「そうだね」
「…………うん」
一応返事はしたみたものの、望み薄だろうと感じる。
菊池さんは移動教室前まであった、と言った。そして、教室内で見つかった落し物は必然的に持ち主がクラスメイトであることを指す。であるならば、わざわざ先生に届け出る必要はないのだから。
そのまま俺たち四人は特別教員室へと向かえば、そこには次の授業の準備をしているのであろう三枝先生を見つけた。
「あら……みんな揃ってどうかしましたか?」
「実は――」
突然の来訪に小首を傾げる先生。
代表して翔真が話を進めると、納得したように彼女は頷く。
「――なるほど、そうだったんですか。でも残念ながら、そういった届けはないですね。…………一応コレが、今までの落し物ですけど」
そう言って出してくれたのは、多数の小物がまとめて入れられた簡易な紙製の箱だ。
ストラップからペンまで、色々なものが見て取れるが目的のものはどこにも見つからない。
「ない……ですね。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「……ありがとうございました」
各々が礼をし、退出する中で俺は一人その場に残った。
「そらくんは、まだ何か用事でも……?」
「えぇ、まぁ。ちょっと聞きたいことがあったので」
皆は考えていないようだった。本当は疑うべきではないのかもしれない。
けれどその可能性がある以上は、潰しておかなければいけないだろう。
「さっきの授業前の休み時間、翔真が鍵を返しに来た後で誰かもう一度借りに来ましたか?」
「えぇ、来ましたよ」
そうして、嫌な予感は当たるものだ。
「……誰ですか?」
唾を飲み込み、俺は問う。
先生は口を開いた。声を発するまでの、僅かな間が長い。
「――かなたさんですよ」
♦ ♦ ♦
部活を終えた帰り道。
一刻も早く会話をしたかった俺は、先に帰宅してしまった少女へと電話をかけていた。
『――もしもし?』
「よう、ちょっと聞きたいことがある」
『何?』
「菊池さんのストラップの件だけどさ、お前一度教室に戻ったんだって?」
回りくどいことはなし、と言わんばかりの単刀直入な質問。
『うん、そうだよ』
それに対して、かなたはあっさりと答えを出す。
悪びれるわけでもなく、ただ淡々と。
『筆箱の忘れ物に気付いたから、トイレのついでに戻った……の…………』
そこで何かに気付いたのか、言葉は段々と尻すぼみになっていった。
『……もしかして私が盗ったと思ってる?』
「ちげーよ。大丈夫だ、ちゃんと分かってる」
何年幼馴染をやってると思ってんだ。
用件はそんなことじゃない。
「俺が聞きたいのは、その時と帰ってきた時で何か変わった点はなかったか――って話だ」
『変わった、こと……?』
耳元で響く唸り声。
何とか思い出そうと、あの時の場面を思い出しているようである。
『――あっ、そういえばペンがなくなってた』
「えっ、何……お前も何かなくしたの?」
衝撃の事実が発覚した。
なんと、被害者は二人いたのか。
『違う違う。戻った時にペンが落ちてたから拾って教壇に置いてたんだけど、教室に帰って来たらそれがなくなってたの』
「…………は?」
一体どういうこと……――っ!
深まる謎から一転、脳内を貫く一筋の閃き。
走馬燈のように思考は流れ、収束し、そして一つの答えが導き出される。
それは考えれば考えるほどにこれまでの辻褄に合っていき、まるでパズルがひとりでにかけ合わさっていくかのよう。
自然と吊り上がる口元を、電話を持つ手とは逆の方で隠し、俺は一言呟いた。
「謎はすべて解けた」
『……マジか。で、詩音のストラップはどこにあるの?』
「……それは…………」
そこで一度言葉を切る。
ここでむやみやたらに、得意げに、推測を語ってもいいのだろうか?
「――いや、やめとくわ。明日の朝、本人と話をつけてから教えてやるよ」
確信はあった。ストラップの安全性も保障されている。
ただ証拠がないために、俺の推理は推理足りえない。だから今は黙秘だ。
「本人って誰? 詩音……?」
「そんなの決まってるだろ?」
見上げれば、月は煌々と輝いていた。
思考も視界も、すべてが澄んでいる。
「真犯人に、だよ」
それは事件と呼ぶにはあまりにも些細な出来事で、声高に流布するべきことでもないけれど、確かに悲しむ被害者がいて、傷つけた加害者がいる。
ひっそりと目の端を涙で濡らしながら、それでも諦めずに捜索を続ける彼女。
そんな友人を宥め、励まし、同時に手伝ってあげる彼女。
自分の贈り物が発端だという事実への罪悪感と、しかしそれほどまでに大事にしてくれていることに対する嬉しさに苛まれる彼。
三人の思いがせめぎ合う中、俺は独りで状況の整理と思考のまとめを行っていた。
事件の概要は、ある人物が大事にしていたストラップの喪失。
現場は密室であり、容疑者はいない。
だがしかし、本当にそうだろうか?
今日の一連の流れを、俺は思い出していた。
♦ ♦ ♦
移動教室であった授業を終え、自分たちのクラスへと戻ってきた俺たち。
丁度よくお昼休みということもあり、各々が通学鞄から昼食を取り出していると、一人の少女の呟きが耳に届いた。
「あれ……うそっ……? …………どこにもない!」
切羽詰まったような声。
ガサゴソと自分のバッグを漁っているものの目的の物は見つからないのか、その顔には焦燥がつのる。
「どうしたの、詩音? お弁当忘れた?」
見かねたかなたが声を掛けるが、それは違うだろうことをすぐに悟った。
なぜなら、彼女の机の上にはそれらしい包みが一つ置いてあったからだ。
「うぅん、違うの。……あのさ、私のストラップ見てない? 鞄に付けていた石のやつ」
「あー、畔上くんに貰っ――」
すかさず俺は脇腹を小突き、その続きを言わせない。
かなたも気付いたのか、咳払いで仕切り直す。
「――んん! あの、買ってもらったっていう石のストラップのことね」
「そう……それがどこにも見当たらないの…………」
もはや涙声で語る菊池さん。
不憫に思い、俺たち三人も手を貸して一緒に探してみるけれど、教室内でストラップが見つかることはなかった。
「道端で落とした、とかじゃないの?」
取り敢えずはお昼だけでも済ませよう、という考えの元でいつものように机を囲むと、かなたはそう切り出す。
「それはない……と思う」
「……その言い切る根拠は?」
紛失だというのにやけにハッキリとした断言だったため、気になって俺は口を挟んだ。
「移動教室で教科書なんかを用意している時に、その……鞄のストラップにも触った、から……」
…………なるほどな。
だから、教室を重点的に探してわけか。
でも、それで見つからないとなるとかなりマズイ状況だぞ。盗難の線も視野に入れなきゃいけなくなる。
「……確か、俺たちが一番最後に教室を出たよな?」
「そうだな。学級委員の俺が教室の施錠をして、鍵を特別教員室に預ける必要があるし」
「…………だよな」
そして、それを俺らが待って、一緒に別教室へと向かったんだ。
ならば、菊池さんが教室を出たあとに犯行が行われた可能性は薄いか……。
『…………………………………………』
考えても進まぬ事態に、一同は困り果てる。
その状況を見かねてか、翔真は少し明るめの声音でこんな提案をした。
「まぁ、一旦落ち着こうか。もしかしたら落し物として預けられてるかもしれないし、この後にでも特別教員室に行ってみようよ」
「だな」
「そうだね」
「…………うん」
一応返事はしたみたものの、望み薄だろうと感じる。
菊池さんは移動教室前まであった、と言った。そして、教室内で見つかった落し物は必然的に持ち主がクラスメイトであることを指す。であるならば、わざわざ先生に届け出る必要はないのだから。
そのまま俺たち四人は特別教員室へと向かえば、そこには次の授業の準備をしているのであろう三枝先生を見つけた。
「あら……みんな揃ってどうかしましたか?」
「実は――」
突然の来訪に小首を傾げる先生。
代表して翔真が話を進めると、納得したように彼女は頷く。
「――なるほど、そうだったんですか。でも残念ながら、そういった届けはないですね。…………一応コレが、今までの落し物ですけど」
そう言って出してくれたのは、多数の小物がまとめて入れられた簡易な紙製の箱だ。
ストラップからペンまで、色々なものが見て取れるが目的のものはどこにも見つからない。
「ない……ですね。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「……ありがとうございました」
各々が礼をし、退出する中で俺は一人その場に残った。
「そらくんは、まだ何か用事でも……?」
「えぇ、まぁ。ちょっと聞きたいことがあったので」
皆は考えていないようだった。本当は疑うべきではないのかもしれない。
けれどその可能性がある以上は、潰しておかなければいけないだろう。
「さっきの授業前の休み時間、翔真が鍵を返しに来た後で誰かもう一度借りに来ましたか?」
「えぇ、来ましたよ」
そうして、嫌な予感は当たるものだ。
「……誰ですか?」
唾を飲み込み、俺は問う。
先生は口を開いた。声を発するまでの、僅かな間が長い。
「――かなたさんですよ」
♦ ♦ ♦
部活を終えた帰り道。
一刻も早く会話をしたかった俺は、先に帰宅してしまった少女へと電話をかけていた。
『――もしもし?』
「よう、ちょっと聞きたいことがある」
『何?』
「菊池さんのストラップの件だけどさ、お前一度教室に戻ったんだって?」
回りくどいことはなし、と言わんばかりの単刀直入な質問。
『うん、そうだよ』
それに対して、かなたはあっさりと答えを出す。
悪びれるわけでもなく、ただ淡々と。
『筆箱の忘れ物に気付いたから、トイレのついでに戻った……の…………』
そこで何かに気付いたのか、言葉は段々と尻すぼみになっていった。
『……もしかして私が盗ったと思ってる?』
「ちげーよ。大丈夫だ、ちゃんと分かってる」
何年幼馴染をやってると思ってんだ。
用件はそんなことじゃない。
「俺が聞きたいのは、その時と帰ってきた時で何か変わった点はなかったか――って話だ」
『変わった、こと……?』
耳元で響く唸り声。
何とか思い出そうと、あの時の場面を思い出しているようである。
『――あっ、そういえばペンがなくなってた』
「えっ、何……お前も何かなくしたの?」
衝撃の事実が発覚した。
なんと、被害者は二人いたのか。
『違う違う。戻った時にペンが落ちてたから拾って教壇に置いてたんだけど、教室に帰って来たらそれがなくなってたの』
「…………は?」
一体どういうこと……――っ!
深まる謎から一転、脳内を貫く一筋の閃き。
走馬燈のように思考は流れ、収束し、そして一つの答えが導き出される。
それは考えれば考えるほどにこれまでの辻褄に合っていき、まるでパズルがひとりでにかけ合わさっていくかのよう。
自然と吊り上がる口元を、電話を持つ手とは逆の方で隠し、俺は一言呟いた。
「謎はすべて解けた」
『……マジか。で、詩音のストラップはどこにあるの?』
「……それは…………」
そこで一度言葉を切る。
ここでむやみやたらに、得意げに、推測を語ってもいいのだろうか?
「――いや、やめとくわ。明日の朝、本人と話をつけてから教えてやるよ」
確信はあった。ストラップの安全性も保障されている。
ただ証拠がないために、俺の推理は推理足りえない。だから今は黙秘だ。
「本人って誰? 詩音……?」
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