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柔らかな髪に触れると、自分を信じ切った瞳がまっすぐに崇嗣を見つめ返してきた。そっと撫でると、マルはうっとりするように長い睫毛を伏せた。
ヘッドサイドライトをつけると、いったんマルから離れ、部屋の明かりを落とした。背を向けていても、自分の姿を追っているであろうマルの強い視線を感じた。息を吐き、振り返った。案の定自分を見つめる瞳と目が合い、崇嗣は苦笑を漏らした。マルが不思議そうな顔をする。崇嗣は何でもないと呟くと、彼の肩に手を置いた。
誰かにやさしくするのは慣れていない。性分でもない。それなのになぜだろう、この少年が傷つく姿は見たくない。
シャツを脱がせると、マルが微かに身震いした。白く透き通るような肌に目を奪われる。崇嗣の視線を感じて、ピンク色の乳首がつんと立った。腰を抱き、滑らかな首筋に口づける。びくりと身体を震わせたマルが声を殺し、崇嗣の胸元をぎゅっと掴んだ。
「……どうする、やめるか?」
崇嗣の意思とは関係なく、掠れた声が出た。
暗闇から光が差すように濡れた紫水晶の瞳がきらめき、崇嗣を見つめ返した。わずかに色づいた肌は上気し、しどけない姿をさらしたその姿態がどれだけ人の欲望をかき立てるのか、少年は気づいているのだろうか。
「やめ……、やめないでくださ……、あっ」
顔を真っ赤にし、必死で自分にしがみつくマルの髪に指を差し込み、口づける。舌を差し入れると、マルは一瞬だけびくりとした後、拙いキスで一生懸命崇嗣に合わせようとした。
なんだ……?
そのとき胸に兆した違和感の正体を掴めぬまま、崇嗣はマルをベッドに横たえた。平らな胸を飾るピンク色の蕾に触れると、マルはびくんと身体を跳ね上げた。
「んっ、あっ」
思わず出てしまう声を、マルは手で押し殺そうとした。恥ずかしそうに、けれど一途にこちらを見つめる瞳に、崇嗣はふっと表情を消した。
「……腰を浮かせて」
ズボンを脱がすため促すと、マルは素直に崇嗣の言うことを聞いた。濃紺のシーツに少年のきれいな身体が横たわる。少年の下の毛は、髪と同じ淡い金色だった。そこからすらりとした性器が勃ち上がり、ふるふると震えている。恥ずかしいのか、視線はそらされたまま、マルは足をもじもじとさせた。柔らかな暖色系の明かりに照らされたマルの身体は、刷毛で掃いたような淡いピンク色をしている。その姿はひどく劣情的で、また美しかった。
ふいに、モールでマルが客らしき男と一緒にいた姿を思い出す。自分だけじゃない、マルのこの姿を、いったい何人の男たちが見たのだろう。
突然焼けつくような嫉妬に襲われ、崇嗣は目を瞠った。
なんだ? この俺が少年の客に嫉妬をしているのか? きょうまでほとんど知らず、言葉を交わしたこともなかった少年に――?
ヘッドサイドライトをつけると、いったんマルから離れ、部屋の明かりを落とした。背を向けていても、自分の姿を追っているであろうマルの強い視線を感じた。息を吐き、振り返った。案の定自分を見つめる瞳と目が合い、崇嗣は苦笑を漏らした。マルが不思議そうな顔をする。崇嗣は何でもないと呟くと、彼の肩に手を置いた。
誰かにやさしくするのは慣れていない。性分でもない。それなのになぜだろう、この少年が傷つく姿は見たくない。
シャツを脱がせると、マルが微かに身震いした。白く透き通るような肌に目を奪われる。崇嗣の視線を感じて、ピンク色の乳首がつんと立った。腰を抱き、滑らかな首筋に口づける。びくりと身体を震わせたマルが声を殺し、崇嗣の胸元をぎゅっと掴んだ。
「……どうする、やめるか?」
崇嗣の意思とは関係なく、掠れた声が出た。
暗闇から光が差すように濡れた紫水晶の瞳がきらめき、崇嗣を見つめ返した。わずかに色づいた肌は上気し、しどけない姿をさらしたその姿態がどれだけ人の欲望をかき立てるのか、少年は気づいているのだろうか。
「やめ……、やめないでくださ……、あっ」
顔を真っ赤にし、必死で自分にしがみつくマルの髪に指を差し込み、口づける。舌を差し入れると、マルは一瞬だけびくりとした後、拙いキスで一生懸命崇嗣に合わせようとした。
なんだ……?
そのとき胸に兆した違和感の正体を掴めぬまま、崇嗣はマルをベッドに横たえた。平らな胸を飾るピンク色の蕾に触れると、マルはびくんと身体を跳ね上げた。
「んっ、あっ」
思わず出てしまう声を、マルは手で押し殺そうとした。恥ずかしそうに、けれど一途にこちらを見つめる瞳に、崇嗣はふっと表情を消した。
「……腰を浮かせて」
ズボンを脱がすため促すと、マルは素直に崇嗣の言うことを聞いた。濃紺のシーツに少年のきれいな身体が横たわる。少年の下の毛は、髪と同じ淡い金色だった。そこからすらりとした性器が勃ち上がり、ふるふると震えている。恥ずかしいのか、視線はそらされたまま、マルは足をもじもじとさせた。柔らかな暖色系の明かりに照らされたマルの身体は、刷毛で掃いたような淡いピンク色をしている。その姿はひどく劣情的で、また美しかった。
ふいに、モールでマルが客らしき男と一緒にいた姿を思い出す。自分だけじゃない、マルのこの姿を、いったい何人の男たちが見たのだろう。
突然焼けつくような嫉妬に襲われ、崇嗣は目を瞠った。
なんだ? この俺が少年の客に嫉妬をしているのか? きょうまでほとんど知らず、言葉を交わしたこともなかった少年に――?
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