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『何かおかしなこと考えてないだろうね?』
「おかしなことってなんですか?」
『あの人間にこれ以上迷惑はかけたくないとか、そういうことだよ』
「心配してくれているのですか?」
マルの言葉に、ヴィオラが目を剥いた。
『は!? どうしたらそんなおめでたい思考になるんだよ。僕がお前を心配する? あり得ないだろ』
マルは何かを考えるように首を傾げると、ヴィオラに近づいた。警戒するようにじっと目を向けてくるヴィオラに手を差し伸べる。
「いますぐ出ていくとは言っていません。お願いですから下りてきてくれませんか」
ヴィオラはまだ疑う素振りだったが、マルが手を伸ばすと、するりと腕の中に飛び下りた。
「下りてきてくださり、ありがとうございます」
マルはヴィオラを腕に抱いたまま、ソファに移動した。艶やかな毛をそっと撫でる。
「あなたをモールで見かけたとき、あなたの強さと美しさに私は憧れました。とても私と同じロボットだとは思えなかった。あなたは堂々としていて、自由に見えた。あのとき、私は初めて誰かをうらやましいと思いました」
穏やかに話かけるマルに、僕はまだ怒っているんだぞという体のヴィオラが目を細め、耳をぴくぴくさせた。
「私がいまここにいられるのは、すべてあなたのおかげです。あなたのおかげで、私はとても幸せな、まるで夢のような時間を過ごすことができました」
ヴィオラに出会うまで、マルは自分の中にある望みすら気づくこともできなかった。ほんの数ヶ月だけど崇嗣さんといられて、自分は充分すぎるほど幸せだった。だけど、これ以上は駄目だ。これ以上崇嗣さんに迷惑はかけられない。
「ありがとうございます」
顔を背けていたヴィオラが、『そんないいもんじゃないぜ』と呟いた。
「ヴィオラ?」
その目がマルを見る。
『あんた、わかってんの? もし戻ったところで元の使役ロボットには戻れない。あんた、あの人間以外ともセックスできんの? 金だけは持っているような腹の出たおっさん相手に脚を開いて、あんあん喘げるの? はっ、自由? 何寝ぼけたこと言ってんのさ』
何を言われても心を決めたような顔をしているマルに、ヴィオラは顔を背けると、『そういうの、うざいんだよ……』と呟いた。
『ほら、手が止まってるよ。さっさと撫でたら? 僕に感謝しているんでしょ。せいぜいいまのうちに態度でしめしてよね』
つんけんしたようすで噛みつくヴィオラに、マルは素直にはい、と微笑むと、艶やかな毛を撫でた。
「おかしなことってなんですか?」
『あの人間にこれ以上迷惑はかけたくないとか、そういうことだよ』
「心配してくれているのですか?」
マルの言葉に、ヴィオラが目を剥いた。
『は!? どうしたらそんなおめでたい思考になるんだよ。僕がお前を心配する? あり得ないだろ』
マルは何かを考えるように首を傾げると、ヴィオラに近づいた。警戒するようにじっと目を向けてくるヴィオラに手を差し伸べる。
「いますぐ出ていくとは言っていません。お願いですから下りてきてくれませんか」
ヴィオラはまだ疑う素振りだったが、マルが手を伸ばすと、するりと腕の中に飛び下りた。
「下りてきてくださり、ありがとうございます」
マルはヴィオラを腕に抱いたまま、ソファに移動した。艶やかな毛をそっと撫でる。
「あなたをモールで見かけたとき、あなたの強さと美しさに私は憧れました。とても私と同じロボットだとは思えなかった。あなたは堂々としていて、自由に見えた。あのとき、私は初めて誰かをうらやましいと思いました」
穏やかに話かけるマルに、僕はまだ怒っているんだぞという体のヴィオラが目を細め、耳をぴくぴくさせた。
「私がいまここにいられるのは、すべてあなたのおかげです。あなたのおかげで、私はとても幸せな、まるで夢のような時間を過ごすことができました」
ヴィオラに出会うまで、マルは自分の中にある望みすら気づくこともできなかった。ほんの数ヶ月だけど崇嗣さんといられて、自分は充分すぎるほど幸せだった。だけど、これ以上は駄目だ。これ以上崇嗣さんに迷惑はかけられない。
「ありがとうございます」
顔を背けていたヴィオラが、『そんないいもんじゃないぜ』と呟いた。
「ヴィオラ?」
その目がマルを見る。
『あんた、わかってんの? もし戻ったところで元の使役ロボットには戻れない。あんた、あの人間以外ともセックスできんの? 金だけは持っているような腹の出たおっさん相手に脚を開いて、あんあん喘げるの? はっ、自由? 何寝ぼけたこと言ってんのさ』
何を言われても心を決めたような顔をしているマルに、ヴィオラは顔を背けると、『そういうの、うざいんだよ……』と呟いた。
『ほら、手が止まってるよ。さっさと撫でたら? 僕に感謝しているんでしょ。せいぜいいまのうちに態度でしめしてよね』
つんけんしたようすで噛みつくヴィオラに、マルは素直にはい、と微笑むと、艶やかな毛を撫でた。
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