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流されるな(1)
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五月も下旬。大学に来ていた千秋は、二時限目から授業を受けていた。
これでも普段は教師を目指す教育学部生。基本真面目な俺は、やるべきことはしっかりやる。
急に、隣の席に座る鈴木拓也がうなだれるように机に突っ伏した。拓也は同じ学部の友人で、入学式に話しかけられて以来、こうして行動を共にすることが多い。
「なあ千秋、行こうぜ合コン、合コン~」
「何言ってんだ授業中に」
そう言った拓也は最近二十歳になったというのに駄々をこねるガキみたいだ。千秋はまだ誕生日がまだなため、19歳だが。
ふと恨めしき隣人のことを思い出した。あれからまたしばらく会っていない。俺は合コンなんか行ってる場合じゃないんだ、早急に引っ越しを計画しなければいけない。まあ、物件探しの時点ですでに躓いてるけど……。
授業が終わって、食堂に向かうために教室を出ると、一度は黙った拓也がまた合コン合コンと騒ぎ始めた。どんだけ飢えているんだか。
「行かないっつの。拓也お前、酒飲んで潰れるし」
「じゃあ飲まないから!お前来ると女の子も盛り上がるし」
四月に誕生日を迎えると、味をしめたように酒を飲むようになったこの友人は、飲むと色々と面倒臭いのだ。一ヶ月で十分に思い知った。
食堂に着くと、うどんの券を買う。ここのうどんは安くて美味しい。拓也はがっつりカツカレーを頼んだらしい。
「お前最近付き合い悪いよな。はっ、もしや俺を差し置いて彼女を……?」
「違うから!ただ……」
「ん?」
「……いや、なんでもない」
「なんだよ、どうしたー?悩み事?恋の悩み?」
完全に口を滑らせた。こうなると拓也はしつこい。でもそういや、こいつも一人暮らしだったっけ。全部話すわけではないが、少し相談するくらいならありかもしれない。
とりあえず、すぐ出てきたうどんとカツカレーを受け取ると、そのまま近くの席に座った。
「実は、アパートの隣人と、ちょっと……」
「なに、隣人トラブル?一人暮らし始めたばっかなのに大変だな」
カツカレーをガツガツと食べながら憐れまれる。
「い、いやそこまでじゃないけど。でも引っ越そうと思って新しい部屋探してるけど、見つからなくて」
「え、でもお前引っ越したばっかりだろ?」
「俺だってまたすぐってのはどうかと思ったけど、そうするしかないんだよ」
「へえ、そういうもんか。まあうちのアパートはかなりおすすめだけど、空きがあるかはわかんねーなぁ」
大抵そういうところは運が良くなければ空きはない。やっぱりだめか。
少し残念がっていると、拓也は「うーん」と考える素振りをした。千秋は千秋でようやくうどんに手をつける。やっぱりここのうどん、うまいな。
「その隣人、結構アレな感じ?」
アレな感じ、か。千秋はやつの顔を思い浮かべると、乾いた笑いをこぼした。なんたっていきなりキスしてくるやつだ、次会ったらどんな目に合うか。
「はは……まあ……。アレな感じだな」
「なら、次の家見つかるまでうちに来るかー?」
「えっ、いいのか?」
「おうよ」
カツカレーを食べながら、拓也はなんでもないように言う。
考えもしなかった。その手があったか。いやでもいいのか、そんなこと。普通に迷惑だろ。いくら相手が拓也とはいえ、一方的に迷惑はかけられない。
「あ、お前また遠慮してんだろ。いいんだぞ、俺、お前に飯作ってもらうし。あっ!あと合コンにも来てもらうからな」
「拓也……」
俺には今、お前が神様に見えるよ……。
これでも普段は教師を目指す教育学部生。基本真面目な俺は、やるべきことはしっかりやる。
急に、隣の席に座る鈴木拓也がうなだれるように机に突っ伏した。拓也は同じ学部の友人で、入学式に話しかけられて以来、こうして行動を共にすることが多い。
「なあ千秋、行こうぜ合コン、合コン~」
「何言ってんだ授業中に」
そう言った拓也は最近二十歳になったというのに駄々をこねるガキみたいだ。千秋はまだ誕生日がまだなため、19歳だが。
ふと恨めしき隣人のことを思い出した。あれからまたしばらく会っていない。俺は合コンなんか行ってる場合じゃないんだ、早急に引っ越しを計画しなければいけない。まあ、物件探しの時点ですでに躓いてるけど……。
授業が終わって、食堂に向かうために教室を出ると、一度は黙った拓也がまた合コン合コンと騒ぎ始めた。どんだけ飢えているんだか。
「行かないっつの。拓也お前、酒飲んで潰れるし」
「じゃあ飲まないから!お前来ると女の子も盛り上がるし」
四月に誕生日を迎えると、味をしめたように酒を飲むようになったこの友人は、飲むと色々と面倒臭いのだ。一ヶ月で十分に思い知った。
食堂に着くと、うどんの券を買う。ここのうどんは安くて美味しい。拓也はがっつりカツカレーを頼んだらしい。
「お前最近付き合い悪いよな。はっ、もしや俺を差し置いて彼女を……?」
「違うから!ただ……」
「ん?」
「……いや、なんでもない」
「なんだよ、どうしたー?悩み事?恋の悩み?」
完全に口を滑らせた。こうなると拓也はしつこい。でもそういや、こいつも一人暮らしだったっけ。全部話すわけではないが、少し相談するくらいならありかもしれない。
とりあえず、すぐ出てきたうどんとカツカレーを受け取ると、そのまま近くの席に座った。
「実は、アパートの隣人と、ちょっと……」
「なに、隣人トラブル?一人暮らし始めたばっかなのに大変だな」
カツカレーをガツガツと食べながら憐れまれる。
「い、いやそこまでじゃないけど。でも引っ越そうと思って新しい部屋探してるけど、見つからなくて」
「え、でもお前引っ越したばっかりだろ?」
「俺だってまたすぐってのはどうかと思ったけど、そうするしかないんだよ」
「へえ、そういうもんか。まあうちのアパートはかなりおすすめだけど、空きがあるかはわかんねーなぁ」
大抵そういうところは運が良くなければ空きはない。やっぱりだめか。
少し残念がっていると、拓也は「うーん」と考える素振りをした。千秋は千秋でようやくうどんに手をつける。やっぱりここのうどん、うまいな。
「その隣人、結構アレな感じ?」
アレな感じ、か。千秋はやつの顔を思い浮かべると、乾いた笑いをこぼした。なんたっていきなりキスしてくるやつだ、次会ったらどんな目に合うか。
「はは……まあ……。アレな感じだな」
「なら、次の家見つかるまでうちに来るかー?」
「えっ、いいのか?」
「おうよ」
カツカレーを食べながら、拓也はなんでもないように言う。
考えもしなかった。その手があったか。いやでもいいのか、そんなこと。普通に迷惑だろ。いくら相手が拓也とはいえ、一方的に迷惑はかけられない。
「あ、お前また遠慮してんだろ。いいんだぞ、俺、お前に飯作ってもらうし。あっ!あと合コンにも来てもらうからな」
「拓也……」
俺には今、お前が神様に見えるよ……。
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