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階段を下りていく。体が地上へと近づいていく。人間が階段を使って、道具を使うのに対して鳥は自分の体だけで空や高いところにいる。そんな当たり前のことを不思議に思う。
玉部先輩は階段降りながら、就活の話をした。みんなが三年の四月に決まったから焦っているらしい。早く楽になりたいなど愚痴だ。僕は気楽にはいと返事をした。
僕もいつかそこにいるのだろう。僕はなにができて、なにを与えられるだろうか。なにもないことに恐ろしい。少し誇れるものがあれば違うのだろうか。
そんなことを考えていた。
「人間強みくらいあるさ」
なぜか玉部先輩に慰められた。
「先輩は気配りができる人ですね」
「ああ、ありがとう」
照れくさいのか玉部先輩は笑っていた。誉めてもらったのはひさしぶりではないかと僕は考えていた。
駅まで一緒に歩く。今日はどこに行くんですかとか。自分の個人的な話を聞かせるには恥ずかしいから大学のゼミの話をした。
「ゼミは研究するところだ。論文はつらいぞ」
「玉部先輩は今論文を書いているんですか」
「教授に見せながら書いている」
「いつから」
「もう三年の後期いや、その前からかな」
「大変ですね」
そんな会話が当たり前で、まだまだ学生気分を浸れるのはありがたい。でもいつか僕らはスーツを着て、職種が違えども働いて、会社の歯車になる。それがピンッと来ないからおかしい。
「どうした」
「いえ」
なぜ僕はパン屋に入ったのか思い出せない。日々の流れに感情とか記憶が流されたのだろうか。電車の大きな窓から日差しが入ってくる。自分と似たように背広姿の大学生がいた。
中には高校生もいて、なにかがうらやましいと感じた。机に向かうとくだらぬ勉強と思っていたことが大切だった。
結局必要なものを取りこぼしていた。
「後悔ばかり」
思わず僕はつぶやいていた。玉部先輩はなんだといいたげに見つめた。後悔するのが人間なのかもしれない。
「疲れましたね」
「まだ朝だ」
玉部先輩は笑っていた。苦笑に近い。
玉部先輩と別れて、SNSを見る。真澄ちゃんからだ。
『どう、最近』
僕から尋ねると『スーツを着ることになった。最悪』という言葉がつづられた。
『いっそう作家デビューしちゃえば』
『食えないから無理。二足の草鞋が普通よ』
『作家になりたいの』
『そりゃあ、そうよ。まあ夢よね。シャンパンを飲みながら東京の夜景を一望して拓磨ちゃんっとベッドでイチャイチャ』
『やめてくれない』
『あら、ごめんなさいね』
『で、真澄ちゃんはなにになりたいの』
『あんたは』
お互いの職種について語る。
『女装は夜だけになりそう。まあ仕方がないか』
『そうなんだ』
『まあ、夜のお店に来るならサービスするから』
『やめてくれ』
あっはははと笑う猫のスタンプが押された。悪気はないようだ。僕は真澄ちゃんが頼もしく感じた。ああ真澄ちゃんに話せて良かったと思った。
真澄ちゃんはどんなときでも真澄ちゃんだからだ。たくましさというか、僕にはないパワフルなところがまぶしい。
『どう。今夜』
『やめとく』
『飲みよ』
『やめる』
『かたくな、いけず』
そんな会話がつづいていた。
家に帰ろうと重い体で周りを窺う。これが普通。社会人の普通。考えることはだいたい仕事のことばかりになる。そうして帰ろうかという話になる。社会人はまだまだバイタリティーがあるのか、飲み会になる。ちょっと楽しみなのが本心。ちょっとだけ現実が明るくなるような。
「お酒、飲める」
「飲めません」
そっか、と残念そうに言われた。じゃあレストランにしようかという話になる。よくわからない原理だ。
フランス料理、フレンチではなく、家庭料理の店だ。路地の一角にある。そこでみなでぞろぞろと入っていく。予約はしなかったためか、待たされた。その間も大学の話をした。
あれはとった方がいい。車の免許はあった方がいい。あとさ、という賑やかな声で笑い声がまじる。橙色の明かりがあたたかく、寒かった体にはほっとする。みな、笑顔だ。
お待たせいたしましたと言われて、席に座り、ノンアルコールを頼む。家庭的な雰囲気で、飲みという食事でほっとした。先輩。社会人の上司達はワインを頼む。
「拓磨君って彼女いないの」
持ってこられた料理を口にしたとき、タイミングよく女性、自分よりも年上の人に聞かれた。目を白黒させて「いません」と言っていた。
「えっ。高校生のときは」
「いません」
「えーっ。もったいない。せっかくかわいい顔なのに」
「性格に難ありというより、引っ込み思案がよくないな。もっと自信を持て」
「はい」
「いい返事だ。なんだ、ちょっとたくましくなれば? 体を鍛えると」
おもむろに上司が上着を脱いできた。真澄ちゃんなら目を輝かせるが、周りは何度も見たのか白けたムードだった。
力こぶを見せてきた。はあという反応に「なんだ。憧れないのか」と言われたので「憧れます」と言った。楽しいと僕は感じた。
「笑いやがって」
上司はニコニコしていた。どうすればこうなるのかトレーニングや秘訣、体の摂る栄養素なども話す。
「プロテインだけはだめ。鶏の胸肉やたまごなど高蛋白の」
僕にはわからないので苦笑するしかなかった。絡まれているけど、楽しそうな先輩の顔がかわいらしく僕には見えた。なぜだろう。僕よりずっと年上なのに。
「ひょろひょろ見えて筋肉があるな」
「やめてください」
「本当にやめてください。女の子だったらパワハラですよ」
「あっ、ごめん」
でもと言われた。また触られた。なにが気に入ったのかわからないが、酒に酔っているのか触られていた。
ちょっと怪しい雰囲気ならば逃げていたが、酔っ払いだから仕方ないと僕は考えていた。
「拓磨」
「あっ、終電近いので失礼します」
「俺の拓磨が」
「やめてください。笑いごとではすまされないですから」
飲み会もお開きになり、駅で別れるときのことだ。笑っている女性社員に言った。僕は電車に乗る。ほかにも社員がいたから、話す。
「絡まれたね」
「ええ」
「大変だったでしょ。あの人、普段はおとなしいけどあまえられるとわかったとたん、ああなるんだよ」
「えっ。僕年下ですよ」
「だからだよ。無下にはできないだろう。確信犯」
「はあ」
「お酒が飲めなくてよかったね」
そんな会話をしていた。
ラジカセが来る時間になった。僕は大学の勉強。資格の勉強だった。職種には必要だから、勉強している。あったらいいよと会社の人に勧められたからだ。
それでチャイムが鳴る。指定したわけではないから遅くなった。ラジカセは梱包されていた。判子を押して、僕はラジカセというものに初めて触れた。
意外と大きい。まいったなと思うが、慣れてしまえばかわいらしいフォルムだと思う。白いラジカセは値段それなりにしたが、一番安い音楽プレイヤーよりかはちょっとする。
説明書を読んで、カセットテープをセットして流した。ヘッドホンは有線だった。無線だったらよかったのにと思った。
じーっとノイズが混じる。ギターが鳴る。なんというか恥ずかしい。僕はじっと身動きができなかった。緊張した。ドキドキした。
夜が歌う。いつもとは違う声、クリアな声ではない、電子が再現した音じゃない。柔らかい音で、僕は聞いていた。歌詞カードなんてないから聞き取るのが精一杯だった。
気持ちは好きというより友情だった。涙が出そうになった。やっぱりという気持ちが強くて次の曲が流れた。
あっと思った。不思議と胸がかき乱された。拓磨とは呼ばない。アイツと呼ぶ曲。それなのに勝手にドキドキした。三分の曲が終わる。気がついたのだ。この前の出来事を歌っている。
夜は歌う。眠りの歌。ドキドキした。答えってなんだと考えていた。気になって仕方がない。
歌はつづいた。好きなんて言葉は書かなかった。ただ、メロディーはあまくて。君の幸せを願うと歌っていた。それがたまらなかった。
夜は幸せではないのか。夜はなんで不幸せなんだ。
スマホのSNSの音声電話にかける。言い訳というか、声が聞きたかった。夜はなかなか出てくれなかった。
メッセージを残す。
『好きなのか?』
自意識過剰みたいなので怖かったから送る。わからないのかと言われたらそれまでだけど、きっと夜は待っている。
僕はそのまま仰向けで横になった。好きなら言えよ。
そう書きそうになった。回りくどい言い方なんかするなよ。
電気がにじむ。顔をゴシゴシと乱暴に拭いた。ああ不安なんだとようやく気がついた。夜はわかってこれをしているのだろうか。もう一度ラジカセを再生する。巻き戻そうとすると。
カセットテープには裏面があるぞ。とメッセージが届いた。裏面と書くと、説明書を読んでみた。確かに書いてある。一度出して、裏側にひっくり返して、セットする。
『好きだ』
そうして、ライブで未完成だった曲が流れる。どこか悲しくて、僕は笑った。遠回りだ。
曲名なのか、わからない。ただ、夜の言葉に僕は熱くなったようだった。
『聞いた?』
『今聞いている』
夜はメッセージが答えてくれた。今、新しい曲を作っている。と伝えた。今は電話に出られないと書いてある。
『好きなのかも、な』
『頼りない』
『俺でいいの。売れない奴だから』
『いいよ。きっと』
僕はそう言った。
玉部先輩は階段降りながら、就活の話をした。みんなが三年の四月に決まったから焦っているらしい。早く楽になりたいなど愚痴だ。僕は気楽にはいと返事をした。
僕もいつかそこにいるのだろう。僕はなにができて、なにを与えられるだろうか。なにもないことに恐ろしい。少し誇れるものがあれば違うのだろうか。
そんなことを考えていた。
「人間強みくらいあるさ」
なぜか玉部先輩に慰められた。
「先輩は気配りができる人ですね」
「ああ、ありがとう」
照れくさいのか玉部先輩は笑っていた。誉めてもらったのはひさしぶりではないかと僕は考えていた。
駅まで一緒に歩く。今日はどこに行くんですかとか。自分の個人的な話を聞かせるには恥ずかしいから大学のゼミの話をした。
「ゼミは研究するところだ。論文はつらいぞ」
「玉部先輩は今論文を書いているんですか」
「教授に見せながら書いている」
「いつから」
「もう三年の後期いや、その前からかな」
「大変ですね」
そんな会話が当たり前で、まだまだ学生気分を浸れるのはありがたい。でもいつか僕らはスーツを着て、職種が違えども働いて、会社の歯車になる。それがピンッと来ないからおかしい。
「どうした」
「いえ」
なぜ僕はパン屋に入ったのか思い出せない。日々の流れに感情とか記憶が流されたのだろうか。電車の大きな窓から日差しが入ってくる。自分と似たように背広姿の大学生がいた。
中には高校生もいて、なにかがうらやましいと感じた。机に向かうとくだらぬ勉強と思っていたことが大切だった。
結局必要なものを取りこぼしていた。
「後悔ばかり」
思わず僕はつぶやいていた。玉部先輩はなんだといいたげに見つめた。後悔するのが人間なのかもしれない。
「疲れましたね」
「まだ朝だ」
玉部先輩は笑っていた。苦笑に近い。
玉部先輩と別れて、SNSを見る。真澄ちゃんからだ。
『どう、最近』
僕から尋ねると『スーツを着ることになった。最悪』という言葉がつづられた。
『いっそう作家デビューしちゃえば』
『食えないから無理。二足の草鞋が普通よ』
『作家になりたいの』
『そりゃあ、そうよ。まあ夢よね。シャンパンを飲みながら東京の夜景を一望して拓磨ちゃんっとベッドでイチャイチャ』
『やめてくれない』
『あら、ごめんなさいね』
『で、真澄ちゃんはなにになりたいの』
『あんたは』
お互いの職種について語る。
『女装は夜だけになりそう。まあ仕方がないか』
『そうなんだ』
『まあ、夜のお店に来るならサービスするから』
『やめてくれ』
あっはははと笑う猫のスタンプが押された。悪気はないようだ。僕は真澄ちゃんが頼もしく感じた。ああ真澄ちゃんに話せて良かったと思った。
真澄ちゃんはどんなときでも真澄ちゃんだからだ。たくましさというか、僕にはないパワフルなところがまぶしい。
『どう。今夜』
『やめとく』
『飲みよ』
『やめる』
『かたくな、いけず』
そんな会話がつづいていた。
家に帰ろうと重い体で周りを窺う。これが普通。社会人の普通。考えることはだいたい仕事のことばかりになる。そうして帰ろうかという話になる。社会人はまだまだバイタリティーがあるのか、飲み会になる。ちょっと楽しみなのが本心。ちょっとだけ現実が明るくなるような。
「お酒、飲める」
「飲めません」
そっか、と残念そうに言われた。じゃあレストランにしようかという話になる。よくわからない原理だ。
フランス料理、フレンチではなく、家庭料理の店だ。路地の一角にある。そこでみなでぞろぞろと入っていく。予約はしなかったためか、待たされた。その間も大学の話をした。
あれはとった方がいい。車の免許はあった方がいい。あとさ、という賑やかな声で笑い声がまじる。橙色の明かりがあたたかく、寒かった体にはほっとする。みな、笑顔だ。
お待たせいたしましたと言われて、席に座り、ノンアルコールを頼む。家庭的な雰囲気で、飲みという食事でほっとした。先輩。社会人の上司達はワインを頼む。
「拓磨君って彼女いないの」
持ってこられた料理を口にしたとき、タイミングよく女性、自分よりも年上の人に聞かれた。目を白黒させて「いません」と言っていた。
「えっ。高校生のときは」
「いません」
「えーっ。もったいない。せっかくかわいい顔なのに」
「性格に難ありというより、引っ込み思案がよくないな。もっと自信を持て」
「はい」
「いい返事だ。なんだ、ちょっとたくましくなれば? 体を鍛えると」
おもむろに上司が上着を脱いできた。真澄ちゃんなら目を輝かせるが、周りは何度も見たのか白けたムードだった。
力こぶを見せてきた。はあという反応に「なんだ。憧れないのか」と言われたので「憧れます」と言った。楽しいと僕は感じた。
「笑いやがって」
上司はニコニコしていた。どうすればこうなるのかトレーニングや秘訣、体の摂る栄養素なども話す。
「プロテインだけはだめ。鶏の胸肉やたまごなど高蛋白の」
僕にはわからないので苦笑するしかなかった。絡まれているけど、楽しそうな先輩の顔がかわいらしく僕には見えた。なぜだろう。僕よりずっと年上なのに。
「ひょろひょろ見えて筋肉があるな」
「やめてください」
「本当にやめてください。女の子だったらパワハラですよ」
「あっ、ごめん」
でもと言われた。また触られた。なにが気に入ったのかわからないが、酒に酔っているのか触られていた。
ちょっと怪しい雰囲気ならば逃げていたが、酔っ払いだから仕方ないと僕は考えていた。
「拓磨」
「あっ、終電近いので失礼します」
「俺の拓磨が」
「やめてください。笑いごとではすまされないですから」
飲み会もお開きになり、駅で別れるときのことだ。笑っている女性社員に言った。僕は電車に乗る。ほかにも社員がいたから、話す。
「絡まれたね」
「ええ」
「大変だったでしょ。あの人、普段はおとなしいけどあまえられるとわかったとたん、ああなるんだよ」
「えっ。僕年下ですよ」
「だからだよ。無下にはできないだろう。確信犯」
「はあ」
「お酒が飲めなくてよかったね」
そんな会話をしていた。
ラジカセが来る時間になった。僕は大学の勉強。資格の勉強だった。職種には必要だから、勉強している。あったらいいよと会社の人に勧められたからだ。
それでチャイムが鳴る。指定したわけではないから遅くなった。ラジカセは梱包されていた。判子を押して、僕はラジカセというものに初めて触れた。
意外と大きい。まいったなと思うが、慣れてしまえばかわいらしいフォルムだと思う。白いラジカセは値段それなりにしたが、一番安い音楽プレイヤーよりかはちょっとする。
説明書を読んで、カセットテープをセットして流した。ヘッドホンは有線だった。無線だったらよかったのにと思った。
じーっとノイズが混じる。ギターが鳴る。なんというか恥ずかしい。僕はじっと身動きができなかった。緊張した。ドキドキした。
夜が歌う。いつもとは違う声、クリアな声ではない、電子が再現した音じゃない。柔らかい音で、僕は聞いていた。歌詞カードなんてないから聞き取るのが精一杯だった。
気持ちは好きというより友情だった。涙が出そうになった。やっぱりという気持ちが強くて次の曲が流れた。
あっと思った。不思議と胸がかき乱された。拓磨とは呼ばない。アイツと呼ぶ曲。それなのに勝手にドキドキした。三分の曲が終わる。気がついたのだ。この前の出来事を歌っている。
夜は歌う。眠りの歌。ドキドキした。答えってなんだと考えていた。気になって仕方がない。
歌はつづいた。好きなんて言葉は書かなかった。ただ、メロディーはあまくて。君の幸せを願うと歌っていた。それがたまらなかった。
夜は幸せではないのか。夜はなんで不幸せなんだ。
スマホのSNSの音声電話にかける。言い訳というか、声が聞きたかった。夜はなかなか出てくれなかった。
メッセージを残す。
『好きなのか?』
自意識過剰みたいなので怖かったから送る。わからないのかと言われたらそれまでだけど、きっと夜は待っている。
僕はそのまま仰向けで横になった。好きなら言えよ。
そう書きそうになった。回りくどい言い方なんかするなよ。
電気がにじむ。顔をゴシゴシと乱暴に拭いた。ああ不安なんだとようやく気がついた。夜はわかってこれをしているのだろうか。もう一度ラジカセを再生する。巻き戻そうとすると。
カセットテープには裏面があるぞ。とメッセージが届いた。裏面と書くと、説明書を読んでみた。確かに書いてある。一度出して、裏側にひっくり返して、セットする。
『好きだ』
そうして、ライブで未完成だった曲が流れる。どこか悲しくて、僕は笑った。遠回りだ。
曲名なのか、わからない。ただ、夜の言葉に僕は熱くなったようだった。
『聞いた?』
『今聞いている』
夜はメッセージが答えてくれた。今、新しい曲を作っている。と伝えた。今は電話に出られないと書いてある。
『好きなのかも、な』
『頼りない』
『俺でいいの。売れない奴だから』
『いいよ。きっと』
僕はそう言った。
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