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2章 亜人の国
17話 精霊解放
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俺は焦っていた。
既にこの亜人の国で鬼人衆が動いていると言うのに、こちらはまともに動けない。勝手がわからぬ亜人の国ではエルフの助けがどうしても必要なのだ。
苛立たし気にベットに横になっていると、誰かが扉をノックした。
「レイナです」
そう言って未来視の巫女が入って来た。
「どうだった?」
俺の問い掛けにレイナは首を傾げた。
「それが……あまりに抽象的だったので」
「というと?」
俺はもどかし気に促した。実は先ほど、このレイナに未来を視るように頼んでおいたのだ。転生鬼人衆について何か手掛かりが掴めないかと思ってね。しかし、彼女の様子を見る限り、あまり思わしくないようだ。
「それが、″大きな炎″が視えただけなのです」
「炎? それだけ?」
「はい」
「鬼人衆は? あのスパルタカスという男は?」
「いいえ、何者も視えませんでした」
レイナは申し訳なさそうにコチラをチラチラと眺めている。彼女自身も未来視の結果に狼狽えているようだ。
「申し訳ありませんでした。普段ならもっとハッキリとしたモノが視えるはずなのですが……」
「謝る必要はないさ。この敵に関しては、今までと勝手が違うようだからな」
そう、彼らは精霊魔法も通じない異世界の鬼人たち。
この世界の常識が通じる相手ではない。
「あの、アルセル様?」
「ん?」
「1つお聞きしたいことがあるのですが……」
「何だ?」
「アルセル様はあのスパルタカスという男のことをどれくらい知っておられるのですか?」
スパルタカスのことを、か。
そう言えば、彼ら鬼人衆に関して俺が持っている知識を整理しなきゃなと思っていた。この際だからレイナに手伝ってもらおう。
「なぁ、レイナ。今から君にスパルタカスのことについて説明しようと思うんだが、いいかい?」
「え?」
「誰かに教えながらの方が、自分の知識を整理しやすいって言うだろう」
レイナはキョトンとしながらも、頷いてくれた。
「わかりました。お願いします」
「じゃあ、ここに座ってくれ」
俺はベッドをポンポン叩いた。
「し、失礼します」
レイナは恐る恐るといった様子でベットの淵に腰かけた。
「じゃあ、まずは彼に対して印象なんだが……」
これは他の鬼人衆に対しても同様な俺の思いだ。
「彼は、俺にとって憧れの英雄(ヒーロー)なんだ」
「英雄、ですか?」
「そう、彼は奴隷の身でありながら、当時世界最強と言われていたローマ軍……あぁ、いや、ローマ帝国というここからずっと、ずっーと遠く離れた大国があったんだがな、その軍隊に果敢に立ち向かった人物なんだよ」
俺がスパルタカスを初めて知ったきっかけは、アメリカで放送されていたドラマだった。最新の映像技術で作られたその作品は、ドラマというより映画のようだった。迫力ある剣闘士同士の戦い、権力者たちの欲望に振り回されながらも懸命に生きる奴隷たち、何よりどんな困難にも立ち向かうスパルタカスのカッコよさに痺れたモノだった。
それから彼に関する資料を探してみたのだが、これが意外と少ない。スパルタカスだけに絞った書籍はほとんど無い。大体は古代ローマ史や剣闘士に関する書籍の一小節分に「第三次奴隷戦争」や「スパルタカスの反乱」として1ページ分くらい書かれているモノばかりだ。まぁ、俺の調べ方が甘かっただけかもしれないが……
「そんな彼だから、その出身地もいくつか説があるんだ。歴史家プルタルコスは、彼はトラキア地方の遊牧種族出身だと伝えている」
「トラキア地方?」
「あぁ、えっと」
異世界の地方のことなどレイナが理解できるはずもない。
あぁ、説明すると言ったが、やっぱり難しいな。
「まぁ、ローマ帝国の近くにそういう地方があったと思ってくれればいい」
一通りレイナに説明し終えると、彼女は呆けたように頷いた。
「なんだか、可哀想な方なのですね」
レイナは言った。
「無理やり奴隷とされて、娯楽の為に戦わされて……」
「そうだな」
俺も相槌を打ちながら、彼女の様子を眺めた。本気でスパルタカスのことを憂いているし、その当時の奴隷制に対して憤りを感じているらしい。
ここで俺は、ずっと彼女に対して思っていたことを尋ねた。
「なぁレイナ、君は精霊たちのことをどう思う?」
「えっ?」
レイナはビクリと肩を震わせた。まるでその質問が来るのをずっと恐れていたように見える。
「君はアルタイア王国と精霊界の契約に否定的なんじゃないかと思ってさ」
「私はそんな――」
「別に責めようってわけじゃない。俺自身、少し考えが変わってきたんだ。我々のやり方は正しいのか、とね」
「アルセル様が?」
「うん」
前世の記憶を取り戻したことによって、これまでとは別の価値観を得た。その新たな自分の眼で見て、現状の精霊契約には問題があると思う。そしてレイナも俺と似た考えじゃないかと気づいた。だから彼女の素直な気持ちを聞いてみたい。
「私は……」
始め言い渋っていたレイナだが、意を決したように俺に目を向ける。
「私も精霊契約には疑問を感じています。そもそも、幻界戦争自体が間違っていたと考えています」
幻界戦争とは、何代も前のアルタイア王が精霊界に仕掛けた戦いのことだ。コレをきっかけに王国は精霊魔法を手に入れた。
「精霊とは本来、この世の調和を保つ役割を担った大切な存在のはずです。それをアルタイア王国は一方的に契約を結んで……」
レイナは目を細め、窓の外に目を向ける。
「そうやって手に入れた力には必ず歪みが生じます。そしてその歪みによって今――」
「義眼の魔術師率いる転生鬼人衆が現れた」
レイナは無言で頷いた。
「なるほど、世界の調和が崩れたことにより、あんな歪な存在が出現した、と考えているのだな?」
「はい。あくまで私の想像に過ぎませんが」
「いや、参考になるよ。全ては王国が招いた結果なのかもな」
世界の調和を愚弄したアルタイア王国に罰を与える為に彼らは再誕したのかもしれない。
「それでも俺はヤツらを倒す。むざむざと国民たちが殺されるのを黙って視ているつもりはない」
義眼や鬼人たちと穏便な解決ができるとは思わない。殺すか殺されるかだ。
「レイナ、俺はヤツらを倒した後、父上たちに精霊魔法の事を話してみるつもりだ。その在り方の是非を問う。彼らならきっとわかってくれる」
俺はベットから立ち上がった。
「そしていつか精霊たちを解き放つ。その時に為に今、亜人の国と友好な関係を築く必要があるんだ。現状、我が国は腹背どころか四面楚歌状態だからな。まずはこの国と和平を結ばないと」
窓辺に寄りかかり、沈みゆく太陽を見つめる。
「それにはこれから行われる大会議が重要だ。穏健派であるエルフ族に協力しなければならないし、その他の種族とも交流を持たねば。そして争いへと向かわせる転生鬼人衆たちは俺たちで叩く!」
俺はつい熱っぽく語ってしまっていた。ふと気づいたらレイナはクスクスと笑っている。そんな彼女をじっと見つめていると、レイナはハッとして口を覆った。
「す、すみません。私ったら……」
「いや、いいんだ。つい夢中になって語ってしまった。国の外交のことなんか俺にはどうしようもないってのにな」
照れを誤魔化す為に苦笑する。一体俺は何を言っているのだろ? これまでは国政に全く興味を持ってなかったと言うのに。それは父上やルクセト兄が考えてきたことだ。
「でも……」
レイナは笑顔で言った。これまで見たことがない純粋な笑顔だった。
「私は素敵なお考えだと思います」
「お、おう。ありがとう」
ドギマギしてしまった。
今になってやっと本来の彼女を垣間見ることができた気がする。そして改めて思う。なんて可愛らしい娘だろう。いや、初めて会った時から美少女だ、とは思っていたが、今はもっと輝いて見える。
「……」
「……」
何だか気恥ずかしくてお互いに黙り込んでしまう。そんな時にタイミングが良いのか悪いのか、
「あなたたちっていつもそうやってイチャイチャしているわけ?」
と、少し棘のある言葉によって沈黙は破られた。
例によってユリアが扉に寄りかかっている。
「少し妬けちゃうなぁ」
「何を言っているんだ君は」
「そ、そうですよ、私なんかがアルセル様の――」
「はいはい、言い訳はいいから」
抗議する俺たちをピシャリと抑えつけ、彼女は部屋の中へと入って来た。
「こっちがお父様を説得して大会議のあなたたちの同行を許可してもらったって言うのに、あなたたちときたら――」
「だから、それは誤解だと――え? 今なんと言った?」
ユリアは自慢げな笑みを浮かべている。
「だから、あなたたちも大会議に同行できるようになったんだってば」
既にこの亜人の国で鬼人衆が動いていると言うのに、こちらはまともに動けない。勝手がわからぬ亜人の国ではエルフの助けがどうしても必要なのだ。
苛立たし気にベットに横になっていると、誰かが扉をノックした。
「レイナです」
そう言って未来視の巫女が入って来た。
「どうだった?」
俺の問い掛けにレイナは首を傾げた。
「それが……あまりに抽象的だったので」
「というと?」
俺はもどかし気に促した。実は先ほど、このレイナに未来を視るように頼んでおいたのだ。転生鬼人衆について何か手掛かりが掴めないかと思ってね。しかし、彼女の様子を見る限り、あまり思わしくないようだ。
「それが、″大きな炎″が視えただけなのです」
「炎? それだけ?」
「はい」
「鬼人衆は? あのスパルタカスという男は?」
「いいえ、何者も視えませんでした」
レイナは申し訳なさそうにコチラをチラチラと眺めている。彼女自身も未来視の結果に狼狽えているようだ。
「申し訳ありませんでした。普段ならもっとハッキリとしたモノが視えるはずなのですが……」
「謝る必要はないさ。この敵に関しては、今までと勝手が違うようだからな」
そう、彼らは精霊魔法も通じない異世界の鬼人たち。
この世界の常識が通じる相手ではない。
「あの、アルセル様?」
「ん?」
「1つお聞きしたいことがあるのですが……」
「何だ?」
「アルセル様はあのスパルタカスという男のことをどれくらい知っておられるのですか?」
スパルタカスのことを、か。
そう言えば、彼ら鬼人衆に関して俺が持っている知識を整理しなきゃなと思っていた。この際だからレイナに手伝ってもらおう。
「なぁ、レイナ。今から君にスパルタカスのことについて説明しようと思うんだが、いいかい?」
「え?」
「誰かに教えながらの方が、自分の知識を整理しやすいって言うだろう」
レイナはキョトンとしながらも、頷いてくれた。
「わかりました。お願いします」
「じゃあ、ここに座ってくれ」
俺はベッドをポンポン叩いた。
「し、失礼します」
レイナは恐る恐るといった様子でベットの淵に腰かけた。
「じゃあ、まずは彼に対して印象なんだが……」
これは他の鬼人衆に対しても同様な俺の思いだ。
「彼は、俺にとって憧れの英雄(ヒーロー)なんだ」
「英雄、ですか?」
「そう、彼は奴隷の身でありながら、当時世界最強と言われていたローマ軍……あぁ、いや、ローマ帝国というここからずっと、ずっーと遠く離れた大国があったんだがな、その軍隊に果敢に立ち向かった人物なんだよ」
俺がスパルタカスを初めて知ったきっかけは、アメリカで放送されていたドラマだった。最新の映像技術で作られたその作品は、ドラマというより映画のようだった。迫力ある剣闘士同士の戦い、権力者たちの欲望に振り回されながらも懸命に生きる奴隷たち、何よりどんな困難にも立ち向かうスパルタカスのカッコよさに痺れたモノだった。
それから彼に関する資料を探してみたのだが、これが意外と少ない。スパルタカスだけに絞った書籍はほとんど無い。大体は古代ローマ史や剣闘士に関する書籍の一小節分に「第三次奴隷戦争」や「スパルタカスの反乱」として1ページ分くらい書かれているモノばかりだ。まぁ、俺の調べ方が甘かっただけかもしれないが……
「そんな彼だから、その出身地もいくつか説があるんだ。歴史家プルタルコスは、彼はトラキア地方の遊牧種族出身だと伝えている」
「トラキア地方?」
「あぁ、えっと」
異世界の地方のことなどレイナが理解できるはずもない。
あぁ、説明すると言ったが、やっぱり難しいな。
「まぁ、ローマ帝国の近くにそういう地方があったと思ってくれればいい」
一通りレイナに説明し終えると、彼女は呆けたように頷いた。
「なんだか、可哀想な方なのですね」
レイナは言った。
「無理やり奴隷とされて、娯楽の為に戦わされて……」
「そうだな」
俺も相槌を打ちながら、彼女の様子を眺めた。本気でスパルタカスのことを憂いているし、その当時の奴隷制に対して憤りを感じているらしい。
ここで俺は、ずっと彼女に対して思っていたことを尋ねた。
「なぁレイナ、君は精霊たちのことをどう思う?」
「えっ?」
レイナはビクリと肩を震わせた。まるでその質問が来るのをずっと恐れていたように見える。
「君はアルタイア王国と精霊界の契約に否定的なんじゃないかと思ってさ」
「私はそんな――」
「別に責めようってわけじゃない。俺自身、少し考えが変わってきたんだ。我々のやり方は正しいのか、とね」
「アルセル様が?」
「うん」
前世の記憶を取り戻したことによって、これまでとは別の価値観を得た。その新たな自分の眼で見て、現状の精霊契約には問題があると思う。そしてレイナも俺と似た考えじゃないかと気づいた。だから彼女の素直な気持ちを聞いてみたい。
「私は……」
始め言い渋っていたレイナだが、意を決したように俺に目を向ける。
「私も精霊契約には疑問を感じています。そもそも、幻界戦争自体が間違っていたと考えています」
幻界戦争とは、何代も前のアルタイア王が精霊界に仕掛けた戦いのことだ。コレをきっかけに王国は精霊魔法を手に入れた。
「精霊とは本来、この世の調和を保つ役割を担った大切な存在のはずです。それをアルタイア王国は一方的に契約を結んで……」
レイナは目を細め、窓の外に目を向ける。
「そうやって手に入れた力には必ず歪みが生じます。そしてその歪みによって今――」
「義眼の魔術師率いる転生鬼人衆が現れた」
レイナは無言で頷いた。
「なるほど、世界の調和が崩れたことにより、あんな歪な存在が出現した、と考えているのだな?」
「はい。あくまで私の想像に過ぎませんが」
「いや、参考になるよ。全ては王国が招いた結果なのかもな」
世界の調和を愚弄したアルタイア王国に罰を与える為に彼らは再誕したのかもしれない。
「それでも俺はヤツらを倒す。むざむざと国民たちが殺されるのを黙って視ているつもりはない」
義眼や鬼人たちと穏便な解決ができるとは思わない。殺すか殺されるかだ。
「レイナ、俺はヤツらを倒した後、父上たちに精霊魔法の事を話してみるつもりだ。その在り方の是非を問う。彼らならきっとわかってくれる」
俺はベットから立ち上がった。
「そしていつか精霊たちを解き放つ。その時に為に今、亜人の国と友好な関係を築く必要があるんだ。現状、我が国は腹背どころか四面楚歌状態だからな。まずはこの国と和平を結ばないと」
窓辺に寄りかかり、沈みゆく太陽を見つめる。
「それにはこれから行われる大会議が重要だ。穏健派であるエルフ族に協力しなければならないし、その他の種族とも交流を持たねば。そして争いへと向かわせる転生鬼人衆たちは俺たちで叩く!」
俺はつい熱っぽく語ってしまっていた。ふと気づいたらレイナはクスクスと笑っている。そんな彼女をじっと見つめていると、レイナはハッとして口を覆った。
「す、すみません。私ったら……」
「いや、いいんだ。つい夢中になって語ってしまった。国の外交のことなんか俺にはどうしようもないってのにな」
照れを誤魔化す為に苦笑する。一体俺は何を言っているのだろ? これまでは国政に全く興味を持ってなかったと言うのに。それは父上やルクセト兄が考えてきたことだ。
「でも……」
レイナは笑顔で言った。これまで見たことがない純粋な笑顔だった。
「私は素敵なお考えだと思います」
「お、おう。ありがとう」
ドギマギしてしまった。
今になってやっと本来の彼女を垣間見ることができた気がする。そして改めて思う。なんて可愛らしい娘だろう。いや、初めて会った時から美少女だ、とは思っていたが、今はもっと輝いて見える。
「……」
「……」
何だか気恥ずかしくてお互いに黙り込んでしまう。そんな時にタイミングが良いのか悪いのか、
「あなたたちっていつもそうやってイチャイチャしているわけ?」
と、少し棘のある言葉によって沈黙は破られた。
例によってユリアが扉に寄りかかっている。
「少し妬けちゃうなぁ」
「何を言っているんだ君は」
「そ、そうですよ、私なんかがアルセル様の――」
「はいはい、言い訳はいいから」
抗議する俺たちをピシャリと抑えつけ、彼女は部屋の中へと入って来た。
「こっちがお父様を説得して大会議のあなたたちの同行を許可してもらったって言うのに、あなたたちときたら――」
「だから、それは誤解だと――え? 今なんと言った?」
ユリアは自慢げな笑みを浮かべている。
「だから、あなたたちも大会議に同行できるようになったんだってば」
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