あの頃のあなたに

そら

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悲しいこと

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 失意の底のわたしに、本日は2度目の災難が襲った。今日の帰りの会はなぜか皆がざわざわしていた。わたしが大人しく先生が話すのを待っていると、先生がこう言ってわたしを褒めた。
「三神さんのようにみんなも静かにしましょう。」
そうすると一瞬で教室が静まり返った。わたしはみんなの前で褒められて恥ずかしかった。こんなことなどめったにないから。みんなの注目を一身に浴びた。
「静かなんじゃなくて、存在感がないだけでしょ。」
誰かが言った。それが純平じゃないことにほっとした。そうだ。わたしは子どものころから目立たない存在だった。今でも複数人で歩いていると、居場所を探される。みんな笑っていたが、斜め前にいる純平の表情はうかがい知れなかった。彼も笑っているのだろうか。それとも怒ってくれているのだろうか。
「いい加減にしなさい!」
先生の一言で、また教室は静まり返った。わたしはもうすぐ泣きそうだった。存在感がないなんて、そんなことを思われていたのか。わたしはいなくても気づかれない存在なのだろうか。涙が溜まって赤くなった目を、誰にも見つからず瞬きさせることしかできなかった。


 山の学校では、キャンプファイヤーでそれぞれの班ごとに出し物をする。わたしたちの班では、怪談話をすることにした。
「あれ、純平君怖いの苦手じゃなかったっけ。」
わたしが言うと、
「違うよ。苦手なんじゃなくて、信じてないだけ。」
ああそうか。怖がりなわけではなかったのか。
「学校の怪談も信じないの?」
志織が言うと、
「そうだなー、根拠がないじゃん。」
と子供らしからぬことを言ってみんなを苦笑させた。
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