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化物と花と理由と
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15分後、俺たちは少し汚い家に辿り着いた。
「とても大きいアパートですね・・・?」
「ああ、まぁ下宿ってのが一番しっくり来る表現だろう。ようこそ縁楽荘へ。」
きょとんとした顔で寧蒙は黙ってついてきた。
「内装はとても綺麗ですね」
「内装『だけ』は綺麗さを保つ様努力してるからな」
広めの石畳の玄関を通り下駄入れに靴をそれぞれ入れていると真奈がやってきた。
「おかえ…り?」
「ああ、ただいま。とりあえず事情は後で話すからこいつをシャワーに入れてくれないか?服は俺のジャージを貸す。」
「よく見れば寧蒙さんじゃん?どうしたの?」
「事情は後だ。さ、入れ。拒否権はない」
なすがままに寧蒙はシャワー室に行った。
ジャージはいくつかあるうちの綺麗なものにしておくか…俺のタンス、スウェットかジャージしかねえんだよなぁ。クロユニとかの大手会社で服買ってるからかねえ・・・
寧蒙のことは真奈に任せるとして、とりあえず飯が優先か。餃子と味噌汁であったまってもらうか。一応この前作った煮卵も添えて後はご飯とサラダだな
餃子は冷凍のにチーズで羽を作る。男子高校生でも簡単に羽付きが作れる。この前知って以来乱用している。味噌汁はワカメとなめこかな。完全に俺の好みだ。後は流れ作業だ。ご飯は拘らない派なんでな。昼はゼリー状栄養補給物で済ましている。
餃子の焼き上がりと同時に寧蒙が
「おし、上がったな。とりあえず飯食おーぜ。」
「おー羽付き餃子だー咲やるじゃん!」
「今度教えてやるよ。簡単だからさ」
と飯を食べようとするが
「おい、お前も食えよ。冷めちゃうだろ」
「いえ私は…」
と言いつつ腹の音が鳴る。
「はっはっは!腹が減ったなら食えよ。めっちゃ不味いわけではないからさ」
「で…ではお言葉に甘えて」
飯を食べ始めて少し経った頃で
「何故私に優しくしてくれるんですか?助けてくれたにも関わらず、さらにご飯も出してもらえるなんて」
「いいってことよ。クラスメイトが困ってたら助けないと寝付き悪いだろ?」
「咲はいっつも眠そうだからもっと眠たくなっちゃうねー」
「うっせ、ご飯減らすぞ」
「えー、それ反則だー!」
と顔を膨らませる真奈を横目に、
「理由・・・聞かないんですか?」
「え?逆に聞いてほしいの?なら聞くけど」
「・・・!いえ、理由も言わずにここまでお世話になるのはあまりにも不誠実だと思いまして」
「誠実、不誠実なんて考えなくていいんだよ、拒絶するほど理由言うの辛いんだろ?」
『理由』の話になろうとすると僅かに寧蒙の顔が強張る。そんな顔見てまでもう一度、理由を聞き出そうなんては微塵も思わない。
「で、どうするんだ?学校とか」
「この後この場を発ち、近くの公園で寝ようかと。学校は既に支払いを終えているので問題はありません」
「公園に行ったらさっきと同じ様な目に逢うかもしれない。しかも、水や食糧、金は有限だ。どう一人で生きていくんだ?」
「それは…」
「はあ、何でも一人で解決しようとするな。それが出来るのはアニメやマンガのヒーローだけだ。現実、一人で出来ることなんかたかが知れてる。」
「…」
「俺は昔虐められてたんだよ。そんな俺をいじめから救ってくれたのは瞬だった。自分自身でどうにも出来ない時は人を頼っていいんだ。そう…それが間違った判断だったとしてもな」
「何故虐められてたんですか?」
「簡単に言うと、バケモノ扱いされたんだよ。俺の体にあるもののせいでな」
と俺は上着を脱ぐ。
「…」
黒柳は沈黙している。真奈も俯いている。シリアスな雰囲気苦手なんだけど・・・説得のため致し方なし。
「この右半身の大部分が虐めの原因だ。火傷みたいに赤く爛れているだろう?しかも、肩甲骨あたりにあるのは羽みたいな形なってやがる。当時は悪魔!って言われたなあ…」
「…私は…その…」
「ああ、無理なフォローは要らん。誰しも醜いと思うからな」
「…」
皆、お通夜モードかよ…話を強引に変えるか
「まぁお前がここに来た、これも運命か…運命っつーもんは信じない主義だったんだけどなぁ…またあのおっさんにドヤされるな…よし、お前今日からここに住め。生憎部屋は有り余ってるんでな」
「…!」
寧蒙は驚き戸惑うような顔色を見せた。
「ですが…私はこんな所に住めるほどのお金を持っていません…」
「あー、そりゃ問題ない。この荘には近くで芽衣姉がやってる喫茶店がある。そこで週二日バイトで入ってもらえればいい。メイド喫茶とかじゃないからその点は安心してくれ。その代金の半分を頂く。これでどうだ?」
「何故ここまでしてくださるのですか?」
「同じこと何度も言わせんな。クラスメイトほったらかしていたら夜寝付きが悪くなるし、夢の中で親父に怒られる。黒谷を迎え入れても大丈夫だよな?真奈」
「全然大丈夫ー!賑やかになるねぇ」
黒谷はキョトンとして急に泣き始めた。
「あ"り"がどうございます…」
「はい、泣かない泣かない」
と真奈はの背中をさすってやってた。
「飯食い終わったら荘の紹介をさっとするからよろしく。ああ、あと」
と真奈に目配せして
「「ようこそ、縁楽荘へ!」」
「とても大きいアパートですね・・・?」
「ああ、まぁ下宿ってのが一番しっくり来る表現だろう。ようこそ縁楽荘へ。」
きょとんとした顔で寧蒙は黙ってついてきた。
「内装はとても綺麗ですね」
「内装『だけ』は綺麗さを保つ様努力してるからな」
広めの石畳の玄関を通り下駄入れに靴をそれぞれ入れていると真奈がやってきた。
「おかえ…り?」
「ああ、ただいま。とりあえず事情は後で話すからこいつをシャワーに入れてくれないか?服は俺のジャージを貸す。」
「よく見れば寧蒙さんじゃん?どうしたの?」
「事情は後だ。さ、入れ。拒否権はない」
なすがままに寧蒙はシャワー室に行った。
ジャージはいくつかあるうちの綺麗なものにしておくか…俺のタンス、スウェットかジャージしかねえんだよなぁ。クロユニとかの大手会社で服買ってるからかねえ・・・
寧蒙のことは真奈に任せるとして、とりあえず飯が優先か。餃子と味噌汁であったまってもらうか。一応この前作った煮卵も添えて後はご飯とサラダだな
餃子は冷凍のにチーズで羽を作る。男子高校生でも簡単に羽付きが作れる。この前知って以来乱用している。味噌汁はワカメとなめこかな。完全に俺の好みだ。後は流れ作業だ。ご飯は拘らない派なんでな。昼はゼリー状栄養補給物で済ましている。
餃子の焼き上がりと同時に寧蒙が
「おし、上がったな。とりあえず飯食おーぜ。」
「おー羽付き餃子だー咲やるじゃん!」
「今度教えてやるよ。簡単だからさ」
と飯を食べようとするが
「おい、お前も食えよ。冷めちゃうだろ」
「いえ私は…」
と言いつつ腹の音が鳴る。
「はっはっは!腹が減ったなら食えよ。めっちゃ不味いわけではないからさ」
「で…ではお言葉に甘えて」
飯を食べ始めて少し経った頃で
「何故私に優しくしてくれるんですか?助けてくれたにも関わらず、さらにご飯も出してもらえるなんて」
「いいってことよ。クラスメイトが困ってたら助けないと寝付き悪いだろ?」
「咲はいっつも眠そうだからもっと眠たくなっちゃうねー」
「うっせ、ご飯減らすぞ」
「えー、それ反則だー!」
と顔を膨らませる真奈を横目に、
「理由・・・聞かないんですか?」
「え?逆に聞いてほしいの?なら聞くけど」
「・・・!いえ、理由も言わずにここまでお世話になるのはあまりにも不誠実だと思いまして」
「誠実、不誠実なんて考えなくていいんだよ、拒絶するほど理由言うの辛いんだろ?」
『理由』の話になろうとすると僅かに寧蒙の顔が強張る。そんな顔見てまでもう一度、理由を聞き出そうなんては微塵も思わない。
「で、どうするんだ?学校とか」
「この後この場を発ち、近くの公園で寝ようかと。学校は既に支払いを終えているので問題はありません」
「公園に行ったらさっきと同じ様な目に逢うかもしれない。しかも、水や食糧、金は有限だ。どう一人で生きていくんだ?」
「それは…」
「はあ、何でも一人で解決しようとするな。それが出来るのはアニメやマンガのヒーローだけだ。現実、一人で出来ることなんかたかが知れてる。」
「…」
「俺は昔虐められてたんだよ。そんな俺をいじめから救ってくれたのは瞬だった。自分自身でどうにも出来ない時は人を頼っていいんだ。そう…それが間違った判断だったとしてもな」
「何故虐められてたんですか?」
「簡単に言うと、バケモノ扱いされたんだよ。俺の体にあるもののせいでな」
と俺は上着を脱ぐ。
「…」
黒柳は沈黙している。真奈も俯いている。シリアスな雰囲気苦手なんだけど・・・説得のため致し方なし。
「この右半身の大部分が虐めの原因だ。火傷みたいに赤く爛れているだろう?しかも、肩甲骨あたりにあるのは羽みたいな形なってやがる。当時は悪魔!って言われたなあ…」
「…私は…その…」
「ああ、無理なフォローは要らん。誰しも醜いと思うからな」
「…」
皆、お通夜モードかよ…話を強引に変えるか
「まぁお前がここに来た、これも運命か…運命っつーもんは信じない主義だったんだけどなぁ…またあのおっさんにドヤされるな…よし、お前今日からここに住め。生憎部屋は有り余ってるんでな」
「…!」
寧蒙は驚き戸惑うような顔色を見せた。
「ですが…私はこんな所に住めるほどのお金を持っていません…」
「あー、そりゃ問題ない。この荘には近くで芽衣姉がやってる喫茶店がある。そこで週二日バイトで入ってもらえればいい。メイド喫茶とかじゃないからその点は安心してくれ。その代金の半分を頂く。これでどうだ?」
「何故ここまでしてくださるのですか?」
「同じこと何度も言わせんな。クラスメイトほったらかしていたら夜寝付きが悪くなるし、夢の中で親父に怒られる。黒谷を迎え入れても大丈夫だよな?真奈」
「全然大丈夫ー!賑やかになるねぇ」
黒谷はキョトンとして急に泣き始めた。
「あ"り"がどうございます…」
「はい、泣かない泣かない」
と真奈はの背中をさすってやってた。
「飯食い終わったら荘の紹介をさっとするからよろしく。ああ、あと」
と真奈に目配せして
「「ようこそ、縁楽荘へ!」」
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