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2章
22 続・歓談
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教子 「え、えーと・・どうされました・・?」
紫苑 「アレよ・・もう一回シて欲しいの・・あのスゴいヤツ・・♥」
教子は、突然の紫苑の豹変についていけない。
豹変------豹が変わると書いて、豹変。つまりネコ科の猛獣"ヒョウ"の毛が抜け替わり、体の模様がガラリと変わることだ。
不意の突拍子もない行動を表す熟語であり、ネコ科の猛獣である紫苑の行動を示すには、まさしく的を射た表現であると------っていまはそんな言葉の意味を考えてる場合じゃない。
教子 「あ、アレとは・・?」
紫苑 「すっトボけないでよ・・わかってるクセに・・」
なぜなら、完全にヒョウの射程圏内に入っているからだ・・。
というより、捕らえられている。
もっというと、捕食される寸前っぽい。
紫苑 「一昨日、あんたが私にお見舞いしてくれたヤツよ・・あの時から、疼いて疼いて、もう夜も寝らんないの・・♥」
紫苑 「忘れられなくなっちゃったじゃない・・どう責任とってくれんの・・?」
紫苑はグイグイと教子に体重をかけてくる。
教子の感じる、柔らかい重さと恐ろしいほど甘い香りが増していく。
・・・ヤバい。
世の男どもならご褒美としか言いようがない状態。
いや、教子にとってもそうなのだが。
しかし、ちょっと待っていただきたい。
ここは公共の場いわゆるパブリックスペース。
しかも、ファミリー向けのハンバーガーショップの店内である。
「いらっしゃいませ~、ご注文をどうぞ~♪」
「えーっと、ダブルチーズバーガーをサラダのセットで・・」
「おかあさーん!アイスもいっこ食べていーい?」
「この動画おもろー!ww見てみて!」
もっとムードを考えて・・じゃなくて。
公共の場でこういうコトはダメでしょう。
というか、私には心に決めた人がいるの。
会長の美貌はそりゃ気になるけど・・。
超気になるけど・・。
紫苑 「ねぇ・・ちょうだい・・♥」
紫苑が蛇のようにチロチロと舌を出して誘惑する。
教子は、思わずそれにかぶりつきたい衝動に駆られた。
なんというか、紫苑会長は・・・スキモノだ。
たぶん、生徒会の中で一番・・。
こずえさんのように、単純に楽しいことが好き、というのもあるだろう。
でも多分、紫苑会長の場合、それだけじゃない。
なんというか会長は、こずえさんよりも・・・・・大人な方面に、あけすけだ。
ネコの性分というか、お気楽ご気楽が好きというか・・。
快楽に、弱いんだと思う。
要するに身もフタもなく率直に言ってしまうと・・・・・紫苑会長は、スケベだ。
それもかなりの。
性の探究者。
業界の革命児。
エロテロリスト。
あと1,2回の『クリック』で教子に従順な子猫ちゃんに成り果ててしまうかもしれない。
・・でも、ダメだ。
教子の調教師としての理性が思いとどまらせる。
それは、教子がまだ幼い頃、調教師としてのカリキュラムの一番最初に父から教わったこと。
・・・獣は自分の欲望にひたすら忠実だ。
毎日の食事の量すらも、自分ではうまくコントールできない。
だから、『クリック』を使っていいタイミングは、必要最小限に。
それも一番効果的なタイミングじゃないと、ダメ。
そうしないと、獣はただの快楽漬けのロボットになってしまう。
あくまで、調教師と獣は健全な信頼関係を築いていかなきゃいけない。
『クリック』の力でねじ伏せるようにしては、いけない。
絶対に、いけない。
ましてや、獣人の紫苑が『クリック』の快感に味をしめてしまったら・・
一体どうなってしまうか、わからない。
本当におかしくなってしまうかも・・・。
もし自分の『クリック』で紫苑をそんな風に狂わせてしまったら。
・・・一生、後悔することになる。
教子 「だ、ダメですよ・・これは、そんな風に使うものじゃないんです」
教子は、どうにかして紫苑の熱を冷まそうと、できるだけ優しく、冷静に説き伏せることに決めた。
教子 「とりあえず、ご飯にしましょ・・?ハンバーガー冷めちゃいますよ・・?」
紫苑 「ねぇん・・いいでしょぉ・・お願い・・私のお肉分けてあげるからぁ・・♥」
教子は、ハンバーガーをチラと見やる。
教子 「はは・・そんなに食べられないですよ」
紫苑の目がドンドン虚ろになってゆく。
熱風のような吐息が、教子のクチビルに当たる。
紫苑の中のヤル気スイッチが完全にonになってしまったようだ。
頼むからさっきまでの溢れんばかりの食欲を思い出してほしい。
狭いボックス席の中で紫苑がグイグイと迫ってくるために、教子はコーナーに追い詰められたボクサーのようになっている。
紫苑 「・・・それとも、こっちのお肉のほうがいいの・・?」
紫苑が、唐突にベロンっとスカートを捲り上げた。
紫苑の下半身が、丸見えになる。
教子 「ちょっ!!!なに!・・してん・・す・・か・・」
大声をあげようとした教子は、あわてて、声のトーンを落とした。
いくらボックス席に座ってるとはいえ、他の客の注目を浴びてしまうかもしれないからだ。
履いていた下着は、一昨日の生徒会室で目撃した鮮烈な赤色とは違って、今日はなんと、紫。
しかも・・・。
本日の紫苑お嬢様のお召し物は、普段ごくフツーの下着しか履いたことのない教子にとって、もはや説明書がついてないと履き方すらわからなさそうな逸品だった。
いわゆるショーツ?おパンティー?
いや、パンティーなの・・?
それは教子にとって"異形"だった。
レースの真紫という、購入時の選択肢に入ったことがないデザインもさることながら、さらにショッキングだったのは、その形。
正直言って・・・紐? いや、布?
紐寄りの、布。
いや、布よりの、紐。
「布か紐か、どちらかというと・・・・布?いや、やっぱり、紐?」というくらいの面積しかない。
前後を結ぶ部分など、完全に紐だ。
ほっそい紐でしかない。
教子が親指と人差し指で、ひゅっ、と抓んでひっぱればすぐに吹き飛んでしまうだろう。
・・・・そして恐らく、紫苑は完全にそれを望んでいた。
今の紫苑は、完全にタガが外れてしまっている。
恐らく、先ほどの暴漢との切った張ったのやり取りをしたばかり、というのも無関係ではないだろう。
血が滾ってるんだ・・・。
紫苑の中の肉食獣の血が。
紫苑 「もう・・本当に焦らすのが好きなのね・・」
紫苑がクチビルを尖らせる。
教子は、もう何も言えない。
紫苑からは、さきほどの格闘時のような恐ろしさは感じないが、圧力が、すごい。
教子たちのいるボックス席は、店内の隅にあり、店員や他の客からは見えづらい位置にある。
つまり、今は完全に2人きりの時間。
・・・下から、熱気と湿り気が立ち上ってくる。
紫苑の、丸見えの下半身から。
左脚は、教子の膝に掛けられ、右足はだらりと下に伸ばしているので、股はパックリと開いている。
ほっそりとしたウエストから、むっちりとしたヒップ、そして、スラっとしているのに肉づきのいい太もも。
女性らしくどこまでも柔らかそうなのに、要所要所はキュッとしまっている。
肌は、どこまでも白く、透き通るほどの透明感があった。
危険なほどの美貌。
童貞ならば、下から立ち上ってくるその熱気を吸っただけで、鼻血を撒き知らして、出血多量で死ぬ。
間違いなく死ぬ。
紫苑 「ねえ・・もうなんでもいいからグチャグチャにしてよぉ・・♥」
紫苑 「もう、それでいいから入れてぇ・・♥」
紫苑の視線は、教子の目の前の揚げたてほかほかフライドポテトに注がれている。
うせやろ。
紫苑 「むずがゆくてたまらないの・・・」
紫苑 「お願い・・メチャクチャに引っ搔きまわしてちょうだい・・」
教子 「か、掻くって・・どこですか・・背中とかですか・・?
なぜかナマツバを飲み込んでしまう。
紫苑「背中じゃなくてぇ・・・・体のナカぁ・・♥」
紫苑の顔はグイグイ近づいて、教子は自然に押される。
紫苑が、ニヤリと淫靡に笑う。
真っ赤なクチビルと、真っ白な歯。
その間にネタネタとした舌が見える。
甘い吐息が当たる。
目はらんらんと輝いて、教子を真正面から見据えてくる。
2人の距離は、もうほとんど、ゼロだ。
「ダブルチーズバーガーセットをご注文のお客様~♪」
「あれ?おれサラダ頼んだのに、ポテトになってるんだけど?」
「おかあさーん!最後にもいっこだけアイス食べていーい?」
「私たちもなんかヨウツベーにアップしようよー!!」
平日夜のハンバーガーショップ。
ヤバい。
食べられる。捕食される。
どうするの。どうしちゃうのよ、オレ。じゃない、私。
もはや一人称さえ取り違えてしまうほどに、取り乱している。
もし、ここで『クリック』を紫苑に使ってしまったら・・
恐らく、紫苑はもう『クリック』なしじゃ生きていけなくなってしまうだろう・・
完全に、教子の奴隷。ペット。
ダメ、ゼッタイ。それだけは・・・、。
それこそ、もっともっと、とオヤツをねだる子猫に、心を鬼にして与えないように。
親心として、紫苑の行為を許してはいけない。
ただ・・この状況・・・
紫苑の力がグイグイと増していく。
教子は壁際に追い詰められていて、ほとんど密着しているような状態だ。
紫苑の豊かな胸が教子の平坦な、いや、かわいらしい胸に乗っかっている。
冬服とはいえ、セーラー服の生地の上からでは、わかりやすすぎるほどの紫苑のボリューム。
紫苑の左足は教子の右足に絡みついて、膝どころか、足首の部分まで絡めてきている。
体柔らかいな。さすがネコ。
紫苑 「もう・・いいや」
紫苑 「ムリヤリやっちゃうから・・」
紫苑の顔と教子の顔の距離はもはや、数センチほどしかない。
教子の顔と背中は、もう後ろの壁にぶち当たっている。
教子 「し、しお、ん・・さ・・」
紫苑 「んふ・・♪」
紫苑が教子をいただきまーすしようと、妖艶に口を開いた瞬間・・
カオル「・・・・コホン」
教子 「あ・・・」
紫苑 「・・・・」
カオルが、立っていた。
カオル「・・会長。ここは飲食店ですので、そういった行為は慎んだほうがよろしいかと」
紫苑 「なによ、もう戻ってきたの・・」
教子 「あ、あはは・・」
み、見られてた・・恥ずかしい・・。
なんだか知らないけど。
いや、私はなにも悪くないのに。
ふん、と紫苑が鼻を鳴らす。
と同時にスっと、自然な動作で教子から離れた。
教子 「あっ・・・」
ちょっと名残惜しく感じてしまう自分がいる。
カオル「失礼します」
カオルが、何事もなかったかのように前の席に座り、食事を再開する。
カオル「・・・」
無言だ。
紫苑 「はぁ、なんだか冷めちゃったわ・・」
ぜんぜん変わらない紫苑はすごい。
自分はまだこんなに心臓がバクバク言ってるのに。
紫苑の熱は、教子が拍子抜けするほど、一瞬で冷めてしまったようだ。
紫苑「・・なにぼーっとしてんの?早く食べちゃいましょ」
いや、あなたのせいなんですけど・・
1人だけ先に冷静になるなんて、ずるい。
まるで、ベッドでパートナーに先走られたような、肩透かしな感覚に襲われる。
・・・っていかん。まだそういう雰囲気から抜けきってない。
というより教子、あんたまだそんな経験ないでしょうに。
セルフ突っ込み。
悪い化けネコに騙された・・
ネコに噛まれたと思って忘れよう。
この一瞬でコロコロ変わる感じ。まさにネコ。
いや、タチなのにネコ。
もう、自分でも何を言ってるんだか。
教子は、ネコってホント自由だよな・・と、横暴な生徒会長に振り回される自分にため息をついた。
紫苑 「アレよ・・もう一回シて欲しいの・・あのスゴいヤツ・・♥」
教子は、突然の紫苑の豹変についていけない。
豹変------豹が変わると書いて、豹変。つまりネコ科の猛獣"ヒョウ"の毛が抜け替わり、体の模様がガラリと変わることだ。
不意の突拍子もない行動を表す熟語であり、ネコ科の猛獣である紫苑の行動を示すには、まさしく的を射た表現であると------っていまはそんな言葉の意味を考えてる場合じゃない。
教子 「あ、アレとは・・?」
紫苑 「すっトボけないでよ・・わかってるクセに・・」
なぜなら、完全にヒョウの射程圏内に入っているからだ・・。
というより、捕らえられている。
もっというと、捕食される寸前っぽい。
紫苑 「一昨日、あんたが私にお見舞いしてくれたヤツよ・・あの時から、疼いて疼いて、もう夜も寝らんないの・・♥」
紫苑 「忘れられなくなっちゃったじゃない・・どう責任とってくれんの・・?」
紫苑はグイグイと教子に体重をかけてくる。
教子の感じる、柔らかい重さと恐ろしいほど甘い香りが増していく。
・・・ヤバい。
世の男どもならご褒美としか言いようがない状態。
いや、教子にとってもそうなのだが。
しかし、ちょっと待っていただきたい。
ここは公共の場いわゆるパブリックスペース。
しかも、ファミリー向けのハンバーガーショップの店内である。
「いらっしゃいませ~、ご注文をどうぞ~♪」
「えーっと、ダブルチーズバーガーをサラダのセットで・・」
「おかあさーん!アイスもいっこ食べていーい?」
「この動画おもろー!ww見てみて!」
もっとムードを考えて・・じゃなくて。
公共の場でこういうコトはダメでしょう。
というか、私には心に決めた人がいるの。
会長の美貌はそりゃ気になるけど・・。
超気になるけど・・。
紫苑 「ねぇ・・ちょうだい・・♥」
紫苑が蛇のようにチロチロと舌を出して誘惑する。
教子は、思わずそれにかぶりつきたい衝動に駆られた。
なんというか、紫苑会長は・・・スキモノだ。
たぶん、生徒会の中で一番・・。
こずえさんのように、単純に楽しいことが好き、というのもあるだろう。
でも多分、紫苑会長の場合、それだけじゃない。
なんというか会長は、こずえさんよりも・・・・・大人な方面に、あけすけだ。
ネコの性分というか、お気楽ご気楽が好きというか・・。
快楽に、弱いんだと思う。
要するに身もフタもなく率直に言ってしまうと・・・・・紫苑会長は、スケベだ。
それもかなりの。
性の探究者。
業界の革命児。
エロテロリスト。
あと1,2回の『クリック』で教子に従順な子猫ちゃんに成り果ててしまうかもしれない。
・・でも、ダメだ。
教子の調教師としての理性が思いとどまらせる。
それは、教子がまだ幼い頃、調教師としてのカリキュラムの一番最初に父から教わったこと。
・・・獣は自分の欲望にひたすら忠実だ。
毎日の食事の量すらも、自分ではうまくコントールできない。
だから、『クリック』を使っていいタイミングは、必要最小限に。
それも一番効果的なタイミングじゃないと、ダメ。
そうしないと、獣はただの快楽漬けのロボットになってしまう。
あくまで、調教師と獣は健全な信頼関係を築いていかなきゃいけない。
『クリック』の力でねじ伏せるようにしては、いけない。
絶対に、いけない。
ましてや、獣人の紫苑が『クリック』の快感に味をしめてしまったら・・
一体どうなってしまうか、わからない。
本当におかしくなってしまうかも・・・。
もし自分の『クリック』で紫苑をそんな風に狂わせてしまったら。
・・・一生、後悔することになる。
教子 「だ、ダメですよ・・これは、そんな風に使うものじゃないんです」
教子は、どうにかして紫苑の熱を冷まそうと、できるだけ優しく、冷静に説き伏せることに決めた。
教子 「とりあえず、ご飯にしましょ・・?ハンバーガー冷めちゃいますよ・・?」
紫苑 「ねぇん・・いいでしょぉ・・お願い・・私のお肉分けてあげるからぁ・・♥」
教子は、ハンバーガーをチラと見やる。
教子 「はは・・そんなに食べられないですよ」
紫苑の目がドンドン虚ろになってゆく。
熱風のような吐息が、教子のクチビルに当たる。
紫苑の中のヤル気スイッチが完全にonになってしまったようだ。
頼むからさっきまでの溢れんばかりの食欲を思い出してほしい。
狭いボックス席の中で紫苑がグイグイと迫ってくるために、教子はコーナーに追い詰められたボクサーのようになっている。
紫苑 「・・・それとも、こっちのお肉のほうがいいの・・?」
紫苑が、唐突にベロンっとスカートを捲り上げた。
紫苑の下半身が、丸見えになる。
教子 「ちょっ!!!なに!・・してん・・す・・か・・」
大声をあげようとした教子は、あわてて、声のトーンを落とした。
いくらボックス席に座ってるとはいえ、他の客の注目を浴びてしまうかもしれないからだ。
履いていた下着は、一昨日の生徒会室で目撃した鮮烈な赤色とは違って、今日はなんと、紫。
しかも・・・。
本日の紫苑お嬢様のお召し物は、普段ごくフツーの下着しか履いたことのない教子にとって、もはや説明書がついてないと履き方すらわからなさそうな逸品だった。
いわゆるショーツ?おパンティー?
いや、パンティーなの・・?
それは教子にとって"異形"だった。
レースの真紫という、購入時の選択肢に入ったことがないデザインもさることながら、さらにショッキングだったのは、その形。
正直言って・・・紐? いや、布?
紐寄りの、布。
いや、布よりの、紐。
「布か紐か、どちらかというと・・・・布?いや、やっぱり、紐?」というくらいの面積しかない。
前後を結ぶ部分など、完全に紐だ。
ほっそい紐でしかない。
教子が親指と人差し指で、ひゅっ、と抓んでひっぱればすぐに吹き飛んでしまうだろう。
・・・・そして恐らく、紫苑は完全にそれを望んでいた。
今の紫苑は、完全にタガが外れてしまっている。
恐らく、先ほどの暴漢との切った張ったのやり取りをしたばかり、というのも無関係ではないだろう。
血が滾ってるんだ・・・。
紫苑の中の肉食獣の血が。
紫苑 「もう・・本当に焦らすのが好きなのね・・」
紫苑がクチビルを尖らせる。
教子は、もう何も言えない。
紫苑からは、さきほどの格闘時のような恐ろしさは感じないが、圧力が、すごい。
教子たちのいるボックス席は、店内の隅にあり、店員や他の客からは見えづらい位置にある。
つまり、今は完全に2人きりの時間。
・・・下から、熱気と湿り気が立ち上ってくる。
紫苑の、丸見えの下半身から。
左脚は、教子の膝に掛けられ、右足はだらりと下に伸ばしているので、股はパックリと開いている。
ほっそりとしたウエストから、むっちりとしたヒップ、そして、スラっとしているのに肉づきのいい太もも。
女性らしくどこまでも柔らかそうなのに、要所要所はキュッとしまっている。
肌は、どこまでも白く、透き通るほどの透明感があった。
危険なほどの美貌。
童貞ならば、下から立ち上ってくるその熱気を吸っただけで、鼻血を撒き知らして、出血多量で死ぬ。
間違いなく死ぬ。
紫苑 「ねえ・・もうなんでもいいからグチャグチャにしてよぉ・・♥」
紫苑 「もう、それでいいから入れてぇ・・♥」
紫苑の視線は、教子の目の前の揚げたてほかほかフライドポテトに注がれている。
うせやろ。
紫苑 「むずがゆくてたまらないの・・・」
紫苑 「お願い・・メチャクチャに引っ搔きまわしてちょうだい・・」
教子 「か、掻くって・・どこですか・・背中とかですか・・?
なぜかナマツバを飲み込んでしまう。
紫苑「背中じゃなくてぇ・・・・体のナカぁ・・♥」
紫苑の顔はグイグイ近づいて、教子は自然に押される。
紫苑が、ニヤリと淫靡に笑う。
真っ赤なクチビルと、真っ白な歯。
その間にネタネタとした舌が見える。
甘い吐息が当たる。
目はらんらんと輝いて、教子を真正面から見据えてくる。
2人の距離は、もうほとんど、ゼロだ。
「ダブルチーズバーガーセットをご注文のお客様~♪」
「あれ?おれサラダ頼んだのに、ポテトになってるんだけど?」
「おかあさーん!最後にもいっこだけアイス食べていーい?」
「私たちもなんかヨウツベーにアップしようよー!!」
平日夜のハンバーガーショップ。
ヤバい。
食べられる。捕食される。
どうするの。どうしちゃうのよ、オレ。じゃない、私。
もはや一人称さえ取り違えてしまうほどに、取り乱している。
もし、ここで『クリック』を紫苑に使ってしまったら・・
恐らく、紫苑はもう『クリック』なしじゃ生きていけなくなってしまうだろう・・
完全に、教子の奴隷。ペット。
ダメ、ゼッタイ。それだけは・・・、。
それこそ、もっともっと、とオヤツをねだる子猫に、心を鬼にして与えないように。
親心として、紫苑の行為を許してはいけない。
ただ・・この状況・・・
紫苑の力がグイグイと増していく。
教子は壁際に追い詰められていて、ほとんど密着しているような状態だ。
紫苑の豊かな胸が教子の平坦な、いや、かわいらしい胸に乗っかっている。
冬服とはいえ、セーラー服の生地の上からでは、わかりやすすぎるほどの紫苑のボリューム。
紫苑の左足は教子の右足に絡みついて、膝どころか、足首の部分まで絡めてきている。
体柔らかいな。さすがネコ。
紫苑 「もう・・いいや」
紫苑 「ムリヤリやっちゃうから・・」
紫苑の顔と教子の顔の距離はもはや、数センチほどしかない。
教子の顔と背中は、もう後ろの壁にぶち当たっている。
教子 「し、しお、ん・・さ・・」
紫苑 「んふ・・♪」
紫苑が教子をいただきまーすしようと、妖艶に口を開いた瞬間・・
カオル「・・・・コホン」
教子 「あ・・・」
紫苑 「・・・・」
カオルが、立っていた。
カオル「・・会長。ここは飲食店ですので、そういった行為は慎んだほうがよろしいかと」
紫苑 「なによ、もう戻ってきたの・・」
教子 「あ、あはは・・」
み、見られてた・・恥ずかしい・・。
なんだか知らないけど。
いや、私はなにも悪くないのに。
ふん、と紫苑が鼻を鳴らす。
と同時にスっと、自然な動作で教子から離れた。
教子 「あっ・・・」
ちょっと名残惜しく感じてしまう自分がいる。
カオル「失礼します」
カオルが、何事もなかったかのように前の席に座り、食事を再開する。
カオル「・・・」
無言だ。
紫苑 「はぁ、なんだか冷めちゃったわ・・」
ぜんぜん変わらない紫苑はすごい。
自分はまだこんなに心臓がバクバク言ってるのに。
紫苑の熱は、教子が拍子抜けするほど、一瞬で冷めてしまったようだ。
紫苑「・・なにぼーっとしてんの?早く食べちゃいましょ」
いや、あなたのせいなんですけど・・
1人だけ先に冷静になるなんて、ずるい。
まるで、ベッドでパートナーに先走られたような、肩透かしな感覚に襲われる。
・・・っていかん。まだそういう雰囲気から抜けきってない。
というより教子、あんたまだそんな経験ないでしょうに。
セルフ突っ込み。
悪い化けネコに騙された・・
ネコに噛まれたと思って忘れよう。
この一瞬でコロコロ変わる感じ。まさにネコ。
いや、タチなのにネコ。
もう、自分でも何を言ってるんだか。
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