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第一章 『誰が為の異世界』
00 『アーク大陸の歴史』
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かつて、我らが住まうアーク大陸に、偉大なる炎を司りしレトナ大国が建国を為していない時代。
見渡す限りの大海に包まれたアーク大陸。
そこでは北をミアス、西をモーデとする大国同士が互いの領地を我が物とするために争っていた。
雄々しい翼をはためかせ、広大な空を自由の場とした有翼族が統治する。
風を司りしミアス。
雷鳴轟く地上を離れ、光届かぬ地下を自由の場とした巨人族が統治する。
雷を司りしモーデ。
空を自由とする者は大地を恐れ、大地を自由とする者は空を恐れ――。
互いの勢力は拮抗し、戦いは終わることなく未来永劫続くかに思えた。
しかし、状況は一変する。
古くから東の果ての大地を転々と移り住み続けていた無何有族。
その中に戦火の時代を善しとせず、東の大地に平和あれと大志を抱きし者が現れた。
その者は旅の中、困難を共にしたことで心通わせた仲間らを引き連れ、
北西の争いが広まりつつあった東の大地を渡り歩きながら、平和を築くための力を求めたのだ。
旅路の果てに現レトナ大国が守護する、強大な力を宿す『炎の大結晶核』を発見したその者こそ、
初代レトナ大国建国者であり、初代王その人である。
ミアス、モーデに対抗する為の抑止力を備えた王は、『炎の大結晶核』の位置する土地に、
各地に散らばる数多の無何有族を招き集め、レトナ国を建国したのである。
また、善王の名で知られた初代王は、ミアス、モーデの戦火を逃れ、
傷つき疲れ果てた有翼族、巨人族をも一国の民として丁重に迎え入れた。
アーク大陸は東をレトナ、北をミアス、西をモーデとする三国が互いを牽制する形に落ち着く。
戦火の火種は少しずつ、少しずつ小さくなっていった――。
見渡す限りの大海に包まれたアーク大陸。
そこでは北をミアス、西をモーデとする大国同士が互いの領地を我が物とするために争っていた。
雄々しい翼をはためかせ、広大な空を自由の場とした有翼族が統治する。
風を司りしミアス。
雷鳴轟く地上を離れ、光届かぬ地下を自由の場とした巨人族が統治する。
雷を司りしモーデ。
空を自由とする者は大地を恐れ、大地を自由とする者は空を恐れ――。
互いの勢力は拮抗し、戦いは終わることなく未来永劫続くかに思えた。
しかし、状況は一変する。
古くから東の果ての大地を転々と移り住み続けていた無何有族。
その中に戦火の時代を善しとせず、東の大地に平和あれと大志を抱きし者が現れた。
その者は旅の中、困難を共にしたことで心通わせた仲間らを引き連れ、
北西の争いが広まりつつあった東の大地を渡り歩きながら、平和を築くための力を求めたのだ。
旅路の果てに現レトナ大国が守護する、強大な力を宿す『炎の大結晶核』を発見したその者こそ、
初代レトナ大国建国者であり、初代王その人である。
ミアス、モーデに対抗する為の抑止力を備えた王は、『炎の大結晶核』の位置する土地に、
各地に散らばる数多の無何有族を招き集め、レトナ国を建国したのである。
また、善王の名で知られた初代王は、ミアス、モーデの戦火を逃れ、
傷つき疲れ果てた有翼族、巨人族をも一国の民として丁重に迎え入れた。
アーク大陸は東をレトナ、北をミアス、西をモーデとする三国が互いを牽制する形に落ち着く。
戦火の火種は少しずつ、少しずつ小さくなっていった――。
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