死神見習いと過ごす最後の一年

小泉洸

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流れ行く日々

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 3学期は短い。すぐに中間試験があって、その後は期末試験前になる。

3年生は登校日しか学校に来なくなり、少し校内が寂しくなる。

陸上部も特に大会などは無く、準備期間だ。

まあ、こういう時のトレーニングが後で効くのだけれど。


 俺は相変わらず、徹底的に身体を虐め、
頭脳を振り絞って正気を保つようにした。

少しでも隙を見せれば、恐怖に打ち負かされる。

結果的に優等生ということになるが、動機が普通と異なるから周囲から見たら異様だろうなと思う。

成績を上げたいというわけでも無く、良い大学に行くという目的でも無い。

心に巣くう黒い大きな穴を塞ぐために肉体と頭脳をフル回転させるというわけだ。

 サリーは相変わらず、泣いたり笑ったり怒ったりと忙しかったが、

苦手な数学にも文句を言うことが少なくなり、
どちらかというと機嫌の良い時が多かった。

良いことだよな。

 特筆すべき事件は起こらず、淡々と日々が過ぎる。

3月に入り期末試験となった。

結果は、言うまでも無いだろう。

少し変わったのは、サリーがさらに順位を上げて、
俺とサリーのワンツーフィニッシュになったということくらいだ。

「数学さえ無ければねぇ」

とは少し悔しそうなサリーの弁であった。神様でも悔しいんだ?少女は言った。

「そりゃそうよ。ごまかし無しの実力勝負だもの」

そして言った。

「学問成就する、待ち人来る、不動産よし、金運よし!」

俺は笑ってサリーに尋ねた。

「で、恋愛は?」

少女は悪戯っぽく笑って答えた。

「まだ内緒!」


 春休みも短い。新学年のための勉強と部活であっという間に過ぎていった。

いつの間にか春だ。俺にとって最後の桜、だな。

少し感慨深かったが、暢気に花見をする気分にはなれなかった。


 新学年になってクラス替えになったが、

当然というか、再びサリーと俺は同じクラスで席も隣のままだった。

さすが神様。面倒見が良いというか、そこだけは譲らないというか。
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