料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓

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7話

 賢者と聖女のスキルを手に入れたマミカとミユキよりも、巻き込まれて転移したことで料理スキルを手に入れた私の方が、明らかに魔力が強い。

 転移して1日で、考えられる理由はスキルで作った料理を食べたからだけど……それだけで、ここまで差ができるのかが解らない。

 一度魔法を使うことで自分の魔力の量が解って、強化の魔法を使った人の魔力量がなんとなく理解できるようになったけど、私がマミカとミユキの魔力が大したことないと勘違いしている可能性もある。

「レーリア、私の魔力はマミカとミユキよりも凄いのですか?」

「はい。マミカ様とミユキ様も、城の魔法職と同じぐらいの魔力を持っていますが、アカネさんはそれを上回っています。私が抑えることのできるギリギリでした」
 
 転移して魔力について何も知らないのに、いきなり城に居る魔法使いと同じ魔力というのは、かなり凄いのでしょう。

 私はそれ以上の魔力を持っているようで、レーリアが真剣な表情で私を見て、小声で話しかけてくる。

「……先ほどは咄嗟に抑えてしまいましたが、あれほどの魔力ならマミカ様とミユキ様と同じ立場に戻れるかもしれません」

「さっきのマミカ達の会話を聞く限り、レーリアの判断は正しかったと思います……ありがとうございました」

「そうでしょうか? 私は余計なことをしてしまった気がします」

 そう言ってレーリアが落ち込んでいるけど、どうして城の人は私に冷たいのに、レーリアはここまで優しくしてくれるのかがよく解らない。

「宰相が私を明らかに嫌っているし、ここで私の魔力が凄いと見せつけても、午後からのスキルを披露する時にまた馬鹿にされますからね……私の魔力は秘密にしておいてください」

 私が目立たないようにレーリアが魔力を抑えてくれたのだから、秘密にしてくれるはずだ。

「かしこまりました。あと、私に敬語は不要です」

 そう言ってレーリアが微笑み、魔力の調整の教えてもらうことで、マミカとミユキより少し劣った強化魔法を扱えるようになっていた。

 × × ×

 魔力を扱えるようになって、休憩の後は広場でスキルを披露するらしい。

 レーリアは準備があるみたいだから同行してくれず、私は1人城の廊下を歩きながら部屋に戻っていると、背後から声がする。

「ちょっと! 待ちなさいよ!」

 そう言ってくるのはマミカだけどミユキの姿がなくて、1人で私を追ってきたようだ。

 私は振り向きながら、苛立ちを堪えて無表情で返答する。

「……なにかしら?」

「今のあたしとあんたは立場が違うのよ。様付けで敬語って城でも立場の低いエルフから教わらなかったの?」

 そうマミカが不機嫌そうに言うけれど、レーリアがマミカとミユキを様付けで敬語を使って話すべきと言ってたわね。
 
 それは私が嫌で、私はマミカを敬う気は一切ない。

「今は貴方と2人だけなのだからいいじゃない。ミユキはどうしたの?」

「ミユキ様って言いなさいよ! あの子と一緒に居たら護衛の人が一緒に来るから、あんたの元に1人で来るにはこうするしかなかっただけ……さっきは最初だけなぜか魔力が高かったからって、調子に乗らないでよね!」

 いや、どう考えても調子に乗ってるのはマミカなんだけど、それが言いたかっただけならもう帰って欲しい。

 どうやら、最初に周囲が驚くほどの魔力を私が見せたことに、マミカは苛立っているようだ。

 あれから2人は宰相に「最初にアカネが出した魔力を上回って欲しい」とか焚きつけられていたけど、私に当たるのはどうかと思う。

 私が無言で話を聞いていると、マミカが勝ち誇ったような笑みを浮かべて。

「私とミユキはこれから昼食だけど、知ってる? この国は1日2食みたいで、私とミユキは特別に昼食を用意してくれるみたいね……特別扱いされてないあんたの昼食は当然無いわよ!」

 どうやらこれが言いたかったようで、言いたいことを言ったマミカが去って行く。

 この世界はどうか解らないけど、少なくともこの国は1日2食なのか。

 それなら……料理スキルでパンを作ろう。

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