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2話 セローナ視点
姉シャロンを城の牢屋に幽閉することに成功したセローナは、内心歓喜するしかなかった。
聖属性の魔力、聖魔力を扱えず苦しんでいた時、姉のシャロンは自分の聖魔力を使うことで助けてくれる。
病弱で聖魔力の才能に溢れている妹に対して、無能な姉――それでも、シャロンは聖魔力の扱いに長けていた。
セローナがようやく聖魔法を扱えるようになって、シャロンが協力しているのを知っているも、セローナにとっては煩わしくなる。
もうシャロンは追い抜いていると……試しにシャロンに協力は不要だと言って聖魔法を扱うも、本来の自分とは思えないぐらい酷い有様だった。
その現実を受け入れられないセローナは、シャロンが聖魔力を乱す妨害を陰で行っていると推測して、本来セローナが持っているの聖魔力が使えなくなっていると思い込んでいた。
お父様とお母様にセローナを見ておくよう言われたからと、シャロンは必ず傍に居た。
――大した力もないのに、妹に協力するフリをして楽に生きようとする卑しい姉。
聖女になって、無能な姉が汚点だと考えたセローナは、姉が本当に無能だと思い込んでいた。
今まで両親に溺愛され、才能があると確信していたセローナは姉シャロンの妨害を受けないよう、貶めることを決意する。
婚約者となったルゼン殿下を利用して、魔法学園の生徒と話を合わせる。
それだけで……無能な姉という評判だったシャロンは、簡単に幽閉されることが決まっていた。
× × ×
シャロンを幽閉してから数日が経ち――聖女としての役目を果たしながら、セローナは自室で休んでいた。
もうシャロンは特殊な檻に入れられているから、聖魔力による妨害はできない。
それなのに……セローナは聖魔力を扱うことが困難になって、戸惑っていた。
「どうして、前みたいに聖魔力が扱えなくなっているの……これだと、本当に……」
――姉のシャロンが協力してくれなければ、セローナは聖魔力を巧く扱えない。
それがバレてしまった場合のことを考えて、バレないようシャロンを貶めた。
心のどこかで考えてしまう最悪の事態を、セローナは必死に否定する。
幽閉されている城の檻はザークスト家の屋敷から距離があるし、何より魔道具で干渉されていない。
誰からの妨害を受けているわけでもなく……本当に聖魔力を巧く扱えずに疲弊している。
周囲の期待に応えられていないセローナは、明日も期待に応えられなければどうしようと、不安になりながら呟く。
「まだ聖女になったばかりで緊張してるって誤魔化せてるけど……どうすればいいの……」
そこまで考えて――後悔している自分自身を否定する。
これもきっと姉シャロンの計画に違いないと、セローナはいつも通り姉のせいにしながら立ち直り。
「そうよ……これはお姉様の聖魔力による嫌がらせの影響をまだ受けてるだけ、時間が解決してくれるわ!!」
今のセローナは、不可能だと理解しながらも姉のせいにするしか精神を保てなくなっている。
そして翌日、セローナは城に呼び出されて――現実を知ることとなっていた。
聖属性の魔力、聖魔力を扱えず苦しんでいた時、姉のシャロンは自分の聖魔力を使うことで助けてくれる。
病弱で聖魔力の才能に溢れている妹に対して、無能な姉――それでも、シャロンは聖魔力の扱いに長けていた。
セローナがようやく聖魔法を扱えるようになって、シャロンが協力しているのを知っているも、セローナにとっては煩わしくなる。
もうシャロンは追い抜いていると……試しにシャロンに協力は不要だと言って聖魔法を扱うも、本来の自分とは思えないぐらい酷い有様だった。
その現実を受け入れられないセローナは、シャロンが聖魔力を乱す妨害を陰で行っていると推測して、本来セローナが持っているの聖魔力が使えなくなっていると思い込んでいた。
お父様とお母様にセローナを見ておくよう言われたからと、シャロンは必ず傍に居た。
――大した力もないのに、妹に協力するフリをして楽に生きようとする卑しい姉。
聖女になって、無能な姉が汚点だと考えたセローナは、姉が本当に無能だと思い込んでいた。
今まで両親に溺愛され、才能があると確信していたセローナは姉シャロンの妨害を受けないよう、貶めることを決意する。
婚約者となったルゼン殿下を利用して、魔法学園の生徒と話を合わせる。
それだけで……無能な姉という評判だったシャロンは、簡単に幽閉されることが決まっていた。
× × ×
シャロンを幽閉してから数日が経ち――聖女としての役目を果たしながら、セローナは自室で休んでいた。
もうシャロンは特殊な檻に入れられているから、聖魔力による妨害はできない。
それなのに……セローナは聖魔力を扱うことが困難になって、戸惑っていた。
「どうして、前みたいに聖魔力が扱えなくなっているの……これだと、本当に……」
――姉のシャロンが協力してくれなければ、セローナは聖魔力を巧く扱えない。
それがバレてしまった場合のことを考えて、バレないようシャロンを貶めた。
心のどこかで考えてしまう最悪の事態を、セローナは必死に否定する。
幽閉されている城の檻はザークスト家の屋敷から距離があるし、何より魔道具で干渉されていない。
誰からの妨害を受けているわけでもなく……本当に聖魔力を巧く扱えずに疲弊している。
周囲の期待に応えられていないセローナは、明日も期待に応えられなければどうしようと、不安になりながら呟く。
「まだ聖女になったばかりで緊張してるって誤魔化せてるけど……どうすればいいの……」
そこまで考えて――後悔している自分自身を否定する。
これもきっと姉シャロンの計画に違いないと、セローナはいつも通り姉のせいにしながら立ち直り。
「そうよ……これはお姉様の聖魔力による嫌がらせの影響をまだ受けてるだけ、時間が解決してくれるわ!!」
今のセローナは、不可能だと理解しながらも姉のせいにするしか精神を保てなくなっている。
そして翌日、セローナは城に呼び出されて――現実を知ることとなっていた。
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