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57話

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 アゼルがセローナの命を絶つことで、私は本来の聖魔力が使えるようになる。

 ロヴォスが剣を振るうことでシリューとリマを飛ばし、私を眺めて。

「セローナを消した程度では、君達は何も変わらない……俺にやられるだけだ」

 ロヴォスの発言を聞きながら、勝ち誇ったカーラが叫ぶ。

「ハハハハッ! 聖魔力の妨害が無くなれば勝てるとでも思っているのですか? セローナは用済み、例えシャロンが本気でも、ロヴォスに勝てるわけがない!」

 そんなカーラの叫びを聞いても……アゼルは冷静のままで、私に告げる。

「普通ならそうだろうが……シャロン、再び全力で、シリュー達をサポートして欲しい」

「……わかりました」

 確かにカーラの言う通り、セローナの妨害は微々たるものだった。

 あれではロヴォスとの力の差が埋まるとは思えないけど……私は、アゼルを信じている。

 私が聖魔力の力でシリュー達を強化した時――今までにはない膨大な聖魔力を、私は扱うことに成功する。

「なっっ……」

 ロヴォスが感心し、カーラが唖然としている中で、アゼルは告げた。

「聖女セローナが亡くなったことで……聖女の力が、双子の姉であるシャロンに移った。無能な妹ではなく、聖女に相応しい姉のシャロンが、本来の聖女の力を発揮しているだけだ!」

 アゼルの叫び通り……私は、聖女になることができたのでしょう。

 膨大な魔力を感じて……やっぱり聖女になると、魔力は膨大に増えるようだ。

 アゼルの期待に応えるために、私は全力で強化の魔法を使いつつ、聖魔力による攻撃も仕掛ける。

 ロヴォスの動きは人間離れしていたけど、聖女の力を得た私の力で強化されたシリューとリマ、そしてアゼルの魔法による攻撃で――私達は、ロヴォスを倒すことに成功していた。
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