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2章
69話
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翌日の放課後――今日は再び魔法具のトラブルが発生して、私達は対処していた。
ルートが調査してくれて……今まで様々な事件が発生したけど、そこにはダドリックの姿はなかったようだ。
それでも数十分前に目撃情報があって、冒険者の人にも聞いたようで、持ち場ではなかったらしい。
「ルート。よく調べてくれた……やはり、ダドリックは怪しいな」
報告を皆で聞いて、レックス殿下の発言にロイが呟く。
「怪しいけど……証拠はないし、なにより枷で位置から発言全てをシーマさんが把握してるはずだよ」
ロイは枷と観察官のシーマがいるから、ダドリックが何もできないと考えていそう。
「偶然近くにいたにしては、偶然の回数が多い気がします」
「カレンの言う通りですね……流石にここまでだと、警戒しない方がおかしいでしょう」
ロイ的には警戒しすぎだと思っていそうだけど、私とカレンは魔法披露会で起こる出来事を知っている。
私が警戒するべきだと言うと、ルートが話を続ける。
「周囲からダドリック様について話を聞いてきましたけど、素行は普通のようです」
ルートが報告してくれるけど、どうやらレックス殿下の前だけ素に戻るみたいね。
ダドリックとしては、ライバルだったから演技でも敬いたくないのかもしれない。
「それと……観察官のシーマ様は賢者として別の仕事があるみたいで、あまり傍にはいないみたいです」
「枷で言動をチェックして報告しているようだし、異変があればすぐに気付けると言っていたな」
もしシーマがロウデス教団員だとしても、週に一度ある政府への報告は絶対のようだ。
その報告はグリムラ魔法学園側も確認するから、全てがロウデス教側でなければ捏造できない。
「そこまでしてでも、ダドリックを更生させた方がよいと政府が決めたのだろう」
将来有望な若者だから、厳重に調べるけど更正の機会を与える。
それは正しいと思うし、魔法披露会の応援は打ってつけの場所だ。
本来ダドリックは、主役カレンが他の人と恋愛関係になってもロウデス側にならず学生だった。
これはゲームの力も働いていそうだけど……証拠がないから警戒するだけになってしまう。
「魔道具の暴走は、警戒しておきましょう」
「ああ。犯人がダドリックでないとしても、ロウデス教団員が紛れているのは間違いないだろう」
ゲーム通りの魔道具の暴走は幾つか止めたけど、ゲームと違うアクシデントも発生している。
先回りして被害を抑えるのは必要だけど、私は詳しく覚えていない。
今後起こる出来事を把握するためにも、詳しく知っているカレンと二人で話をしておきたかった。
◇◆◇
その後、私は女子寮に向かってカレンと二人で話をしていた。
「後半月ですけど……ここまでゲーム通りトラブルが発生すると、怖いです」
「あたしの方が狙いやすいし、レックスをとられることを危惧したリリアンが犯人かもと思わせることができるからね」
「ゲームと違い、私とカレンは仲良くみえると思うのですが……」
「あたしが平民だからね。王子や公爵家と仲良くしているのが気にくわない人は多いわよ」
そしてゲーム通り……私が何か行動していそうだけど見て見ぬフリをしようと勘違いしているわけね。
実際は何もしていないから勘違いだけど、私が違うと言っても信じるわけがない。
「学祭で部外者が多いし、もし犯人を見つけても別のロウデス教関係者が現れるはずよ」
「学祭を中止にするというのはどうでしょうか」
「伝道的なものだし、ゲームの力が働くのなら無理そうよね……参加しないって方法もあるけど……」
ゲームでは邪神が復活していたから、私がいなくても何かが起こる可能性が高い。
その時は私が近くにいないと学園の人達やその家族が被害を受けて、止められない事態になるかもしれない。
「……リリアン。大丈夫?」
「なにが、ですか?」
「後二週間後には前夜祭だから……心配しなくても、断罪イベントなんて絶対に起きないわ」
どうやら同じ転生者のカレンは、私が不安になっている理由を把握していたようだ。
中間試験の婚約破棄イベントは起きなくて、私は心の底から安堵していた。
それでも……二週間後の前夜祭で、国外追放と一緒に婚約破棄を言い渡されるかもしれない。
「……ずっと冒険者になればいいと考えてましたし、今でも冒険者は夢です」
これは紛れもない本心で、国外追放は言い渡されても構わない。
それよりも……レックス殿下から婚約破棄を言い渡されるのではないかと、私は考えてしまう。
「ありえないとわかっていても……ゲームの場面が、私を不安にさせます」
「もしレックス殿下がそんなことを言い出したら、あたしがなんとかするわよ」
「……えっ?」
「そんなのゲームの力が働いているとしか思えない……ロイやルート、なによりレックス殿下の心が、それを拒むに決まっているわ」
私はずっと、ゲームの出来事を想定して動き、問題を対処していた。
それができるのも後僅かで……遂に、この時が来ただけだ。
――レックス殿下の心が、ゲームの力を拒む。
今まで考えたこともなかったけど、ルートの洗脳を解いた時もそうだ。
「そうですね。私は不安になるのではなく、レックス殿下を信じるべきでした」
本来なら破滅することとなる前夜祭が終わるまで、不安になってしまう。
それでも……今のレックス殿下ならきっと大丈夫だと、私は想うことができていた。
ルートが調査してくれて……今まで様々な事件が発生したけど、そこにはダドリックの姿はなかったようだ。
それでも数十分前に目撃情報があって、冒険者の人にも聞いたようで、持ち場ではなかったらしい。
「ルート。よく調べてくれた……やはり、ダドリックは怪しいな」
報告を皆で聞いて、レックス殿下の発言にロイが呟く。
「怪しいけど……証拠はないし、なにより枷で位置から発言全てをシーマさんが把握してるはずだよ」
ロイは枷と観察官のシーマがいるから、ダドリックが何もできないと考えていそう。
「偶然近くにいたにしては、偶然の回数が多い気がします」
「カレンの言う通りですね……流石にここまでだと、警戒しない方がおかしいでしょう」
ロイ的には警戒しすぎだと思っていそうだけど、私とカレンは魔法披露会で起こる出来事を知っている。
私が警戒するべきだと言うと、ルートが話を続ける。
「周囲からダドリック様について話を聞いてきましたけど、素行は普通のようです」
ルートが報告してくれるけど、どうやらレックス殿下の前だけ素に戻るみたいね。
ダドリックとしては、ライバルだったから演技でも敬いたくないのかもしれない。
「それと……観察官のシーマ様は賢者として別の仕事があるみたいで、あまり傍にはいないみたいです」
「枷で言動をチェックして報告しているようだし、異変があればすぐに気付けると言っていたな」
もしシーマがロウデス教団員だとしても、週に一度ある政府への報告は絶対のようだ。
その報告はグリムラ魔法学園側も確認するから、全てがロウデス教側でなければ捏造できない。
「そこまでしてでも、ダドリックを更生させた方がよいと政府が決めたのだろう」
将来有望な若者だから、厳重に調べるけど更正の機会を与える。
それは正しいと思うし、魔法披露会の応援は打ってつけの場所だ。
本来ダドリックは、主役カレンが他の人と恋愛関係になってもロウデス側にならず学生だった。
これはゲームの力も働いていそうだけど……証拠がないから警戒するだけになってしまう。
「魔道具の暴走は、警戒しておきましょう」
「ああ。犯人がダドリックでないとしても、ロウデス教団員が紛れているのは間違いないだろう」
ゲーム通りの魔道具の暴走は幾つか止めたけど、ゲームと違うアクシデントも発生している。
先回りして被害を抑えるのは必要だけど、私は詳しく覚えていない。
今後起こる出来事を把握するためにも、詳しく知っているカレンと二人で話をしておきたかった。
◇◆◇
その後、私は女子寮に向かってカレンと二人で話をしていた。
「後半月ですけど……ここまでゲーム通りトラブルが発生すると、怖いです」
「あたしの方が狙いやすいし、レックスをとられることを危惧したリリアンが犯人かもと思わせることができるからね」
「ゲームと違い、私とカレンは仲良くみえると思うのですが……」
「あたしが平民だからね。王子や公爵家と仲良くしているのが気にくわない人は多いわよ」
そしてゲーム通り……私が何か行動していそうだけど見て見ぬフリをしようと勘違いしているわけね。
実際は何もしていないから勘違いだけど、私が違うと言っても信じるわけがない。
「学祭で部外者が多いし、もし犯人を見つけても別のロウデス教関係者が現れるはずよ」
「学祭を中止にするというのはどうでしょうか」
「伝道的なものだし、ゲームの力が働くのなら無理そうよね……参加しないって方法もあるけど……」
ゲームでは邪神が復活していたから、私がいなくても何かが起こる可能性が高い。
その時は私が近くにいないと学園の人達やその家族が被害を受けて、止められない事態になるかもしれない。
「……リリアン。大丈夫?」
「なにが、ですか?」
「後二週間後には前夜祭だから……心配しなくても、断罪イベントなんて絶対に起きないわ」
どうやら同じ転生者のカレンは、私が不安になっている理由を把握していたようだ。
中間試験の婚約破棄イベントは起きなくて、私は心の底から安堵していた。
それでも……二週間後の前夜祭で、国外追放と一緒に婚約破棄を言い渡されるかもしれない。
「……ずっと冒険者になればいいと考えてましたし、今でも冒険者は夢です」
これは紛れもない本心で、国外追放は言い渡されても構わない。
それよりも……レックス殿下から婚約破棄を言い渡されるのではないかと、私は考えてしまう。
「ありえないとわかっていても……ゲームの場面が、私を不安にさせます」
「もしレックス殿下がそんなことを言い出したら、あたしがなんとかするわよ」
「……えっ?」
「そんなのゲームの力が働いているとしか思えない……ロイやルート、なによりレックス殿下の心が、それを拒むに決まっているわ」
私はずっと、ゲームの出来事を想定して動き、問題を対処していた。
それができるのも後僅かで……遂に、この時が来ただけだ。
――レックス殿下の心が、ゲームの力を拒む。
今まで考えたこともなかったけど、ルートの洗脳を解いた時もそうだ。
「そうですね。私は不安になるのではなく、レックス殿下を信じるべきでした」
本来なら破滅することとなる前夜祭が終わるまで、不安になってしまう。
それでも……今のレックス殿下ならきっと大丈夫だと、私は想うことができていた。
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