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コミカライズ記念番外編
グリムラ魔法学園の話
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目が覚めると、 私はゲームのヒロインになっていた。
平民は苗字がないようで、これからはカレンとして生きていくことになりそう。
部屋の一室で女子寮と理解できたのは、私がやりこんでいたゲームの背景と似ていたから。
鏡で見た目を確認したことで、カレンに転生していると知った時は驚いたものだ。
幸いゲーム知識があるから、転生を受け入れることができている。
部屋の外にいた人に尋ねたり周囲を探索することで、転生したタイミングは入学した瞬間と把握していた。
魔法のある異世界でも人と会話ができるし、本に書かれている文字の意味がわかったから、問題なく生活することはできそう。
ゲームのカレンは貴族ばかりの環境で最初は馴染めなかったけど、私は普通に過ごしていれば問題ないと知っている。
警戒するのは悪役令嬢リリアンだけで、彼女は才能はあるのに努力することが嫌いだから魔法の実力は大したことがない。
権力を利用して様々な嫌がらせをしてくるけど、何が起こるのか知っていれば余裕で対処できそうだ。
◇◆◇
「リリアン。グリムラ魔法学園に入学できて嬉しいのはわかるが、魔力を使い過ぎている」
「そうでしょうか?」
「ああ。まだ大丈夫そうだが、魔法は俺の傍で使って欲しい」
「わかりました。そうしましょう」
信じられない会話を聞きながら、私は魔法学園の授業がはじまってから今までの出来事を思い返す。
学園生活を送り一ヵ月が経った後、中間試験が迫っていた時に攻略キャラの一人レックス王子のグループに入ることはできた。
本来ならレックス王子が一目惚れして、カレンのためにグループを作るはずのゲームとは全然違う。
退屈ではなくて楽しくもあるけど、問題は悪役令嬢リリアンだ。
今までグループに入ろうとしなかったのは、本来な敵のリリアンが別人のようにみえたから。
ゲームなら学園の成績は権力で入学したから実力不足のはずなのに、私を追い抜いて一番優秀な生徒になっている。
魔法を扱うことが楽しいとよくわかるぐらい、リリアンはとにかく魔法を使っていた。
婚約者という立場のレックスは、言動から明らかにリリアンを溺愛している。
入学して今まで見てきたから間違いなくて、ゲームでは考えられない光景だ。
本来なら病で苦しみ別クラスのロイが、普通にこの場にいることも信じられない。
「普段からレックス君は、リリアンさんの近くにいるけどね」
「婚約者だから当然だろう」
「確かにそうだけどさ、レックス君はリリアンさんの付人みたいって噂を聞いたよ」
「なっっ……入学したばかりだからだろう。婚約していると広める必要がありそうだ!」
この時期は苦しんでいるロイが楽しそうな姿を目にできたから、悪いことばかりではない。
現状は平和だから悪くないのだけど……不安になるのは、ゲームでは敵のリリアンがとてつもなく強くなっているせいだ。
今は何もしてこないけど、いつリリアンがゲーム通りヒロインのカレンを排除するかわからない。
背後から魔法で攻撃して失敗するイベントがあったけど、今のリリアンが行えば私は生き延びることができるだろうか?
敵意は向けていないけど、知識が豊富なせいで警戒するしかない状況だ。
「レックス殿下は、リリアン様の魔力を完璧に把握してますからね」
「ああ。リリアンのことなら俺が一番詳しいだろう!」
「いいえ……私のことは、私が一番詳しいと思いますよ」
三人とは違い、ルートだけはゲームと同じような発言をしている。
この場にいるレックス、ロイ、ルート、リリアンのことなら、ゲーム知識で過去と未来を知っている私が一番詳しいはず!
会話を聞いていると思わず言いたくなってしまったけど、なんとか堪えることはできた。
悪役令嬢のリリアンがレックス王子に溺愛されて、ロイやルートとも仲がいい。
ゲームとは全然違う会話は聞いているだけで楽しかったけど、試験ではゲームと同じように行動する可能性がある。
最悪の事態を考えると、とにかく情報収集をしておきたい。
「リリアン様は、昔から魔法が凄かったのですね」
「幼い頃から、リリアンは魔法のことばかり考えていたな」
「はい。昔から魔法を使うことがとにかく楽しくて、今も楽しいです!」
笑顔を浮かべるリリアンを眺めていると、邪神に従い私を消すため行動するとは思えない。
そういえば……邪神って、魔法の知識が豊富だったわね。
リリアンが邪神に従ってカレンを消してくる可能性はあるから、楽観的にはなれなかった。
◇◆◇
翌日の朝、早く登校すると教室にレックスとリリアンの姿はない。
ロイとルートが会話をしていたから、絶好の機会だ。
リリアンの傍には常にレックスがいるし、聞き出そうとしているのを知られて警戒されたくない。
そうなるとゲームと違う人物で、警戒されなさそうなのはロイだけだ。
ロイとルートが教室にいる状況で、私はそれとなく聞いてみる。
「ロイ様とリリアン様は、昔から仲がよかったのですか?」
「そうだね。僕の病が治ってから、リリアンさんやレックス君と会うようになったよ」
ロイは産まれた時から病弱だったけど、子供の頃に病は治ったらしい。
ゲームの設定を知っている私は、それがありえないことだと確信していた。
――リリアンが回復魔法を使えるようになって、レックスがロイの病を治すために会わせた?
可能性はありそうだけど、そうなるとリリアンが回復魔法を使えることになる。
そんなリリアンが敵になった時はどうすればいいのか……不安になるけど、今は聞き出すことに集中しよう。
「そうなんですか。ルート様は、ホーリオ魔法学園でリリアン様と出会ったのですね」
「はい。ダンジョンで勇敢に魔法を扱うリリアン様の姿は、今でも覚えています」
「危険なダンジョンへ行くと言い出した時は怖かったなあ。あの時一切恐怖せず同行すると言ったレックス君はカッコよかったよ」
ロイはレックス本人がいない時は、結構レックスのことを褒めている。
入学してから今まで別人みたいにみえたロイだけど、こういう部分はゲームと似ていそうだ。
ルートはゲーム通り、レックスとリリアンのことを尊敬している。
今の内に、ロイとルートからみたリリアンとレックスについて聞いておきたい。
「リリアン様とレックス殿下には、恐怖心がないのでしょうか?」
「なさそうかな。レックス君に関しては、リリアンさんを絶対守ると決意しているからこそ恐怖心がないんだと思うよ」
「レックス殿下がいるからこそ、リリアン様は全力で魔法が使えるのかもしれません」
「魔力切れになって倒れるほど夢中になるのは、危ないからやめて欲しいけどね」
「なるほど……リリアン様は、魔法に夢中となっているのですね」
ゲームでは病が完全に治るのはエンディングの後だから、ロイがクラスメイトで笑顔を浮かべて話している姿をみると嬉しくもある。
全てのはじまりは、リリアンが魔法のことばかり考えるようになった時のはず。
それなら――同じように、リリアンも転生している?
そんなことを考えてしまうけど、転生者ならこれから何が起こるのか知っているに違いない。
ゲームの設定を考えれば、リリアンの魔力を高めることで最悪の事態を招く可能性がある。
設定に詳しいからこそ、私は転生者は他にいないと考えてしまった。
そして数日後――リリアンが同じ転生者と、私は知ることになる。
平民は苗字がないようで、これからはカレンとして生きていくことになりそう。
部屋の一室で女子寮と理解できたのは、私がやりこんでいたゲームの背景と似ていたから。
鏡で見た目を確認したことで、カレンに転生していると知った時は驚いたものだ。
幸いゲーム知識があるから、転生を受け入れることができている。
部屋の外にいた人に尋ねたり周囲を探索することで、転生したタイミングは入学した瞬間と把握していた。
魔法のある異世界でも人と会話ができるし、本に書かれている文字の意味がわかったから、問題なく生活することはできそう。
ゲームのカレンは貴族ばかりの環境で最初は馴染めなかったけど、私は普通に過ごしていれば問題ないと知っている。
警戒するのは悪役令嬢リリアンだけで、彼女は才能はあるのに努力することが嫌いだから魔法の実力は大したことがない。
権力を利用して様々な嫌がらせをしてくるけど、何が起こるのか知っていれば余裕で対処できそうだ。
◇◆◇
「リリアン。グリムラ魔法学園に入学できて嬉しいのはわかるが、魔力を使い過ぎている」
「そうでしょうか?」
「ああ。まだ大丈夫そうだが、魔法は俺の傍で使って欲しい」
「わかりました。そうしましょう」
信じられない会話を聞きながら、私は魔法学園の授業がはじまってから今までの出来事を思い返す。
学園生活を送り一ヵ月が経った後、中間試験が迫っていた時に攻略キャラの一人レックス王子のグループに入ることはできた。
本来ならレックス王子が一目惚れして、カレンのためにグループを作るはずのゲームとは全然違う。
退屈ではなくて楽しくもあるけど、問題は悪役令嬢リリアンだ。
今までグループに入ろうとしなかったのは、本来な敵のリリアンが別人のようにみえたから。
ゲームなら学園の成績は権力で入学したから実力不足のはずなのに、私を追い抜いて一番優秀な生徒になっている。
魔法を扱うことが楽しいとよくわかるぐらい、リリアンはとにかく魔法を使っていた。
婚約者という立場のレックスは、言動から明らかにリリアンを溺愛している。
入学して今まで見てきたから間違いなくて、ゲームでは考えられない光景だ。
本来なら病で苦しみ別クラスのロイが、普通にこの場にいることも信じられない。
「普段からレックス君は、リリアンさんの近くにいるけどね」
「婚約者だから当然だろう」
「確かにそうだけどさ、レックス君はリリアンさんの付人みたいって噂を聞いたよ」
「なっっ……入学したばかりだからだろう。婚約していると広める必要がありそうだ!」
この時期は苦しんでいるロイが楽しそうな姿を目にできたから、悪いことばかりではない。
現状は平和だから悪くないのだけど……不安になるのは、ゲームでは敵のリリアンがとてつもなく強くなっているせいだ。
今は何もしてこないけど、いつリリアンがゲーム通りヒロインのカレンを排除するかわからない。
背後から魔法で攻撃して失敗するイベントがあったけど、今のリリアンが行えば私は生き延びることができるだろうか?
敵意は向けていないけど、知識が豊富なせいで警戒するしかない状況だ。
「レックス殿下は、リリアン様の魔力を完璧に把握してますからね」
「ああ。リリアンのことなら俺が一番詳しいだろう!」
「いいえ……私のことは、私が一番詳しいと思いますよ」
三人とは違い、ルートだけはゲームと同じような発言をしている。
この場にいるレックス、ロイ、ルート、リリアンのことなら、ゲーム知識で過去と未来を知っている私が一番詳しいはず!
会話を聞いていると思わず言いたくなってしまったけど、なんとか堪えることはできた。
悪役令嬢のリリアンがレックス王子に溺愛されて、ロイやルートとも仲がいい。
ゲームとは全然違う会話は聞いているだけで楽しかったけど、試験ではゲームと同じように行動する可能性がある。
最悪の事態を考えると、とにかく情報収集をしておきたい。
「リリアン様は、昔から魔法が凄かったのですね」
「幼い頃から、リリアンは魔法のことばかり考えていたな」
「はい。昔から魔法を使うことがとにかく楽しくて、今も楽しいです!」
笑顔を浮かべるリリアンを眺めていると、邪神に従い私を消すため行動するとは思えない。
そういえば……邪神って、魔法の知識が豊富だったわね。
リリアンが邪神に従ってカレンを消してくる可能性はあるから、楽観的にはなれなかった。
◇◆◇
翌日の朝、早く登校すると教室にレックスとリリアンの姿はない。
ロイとルートが会話をしていたから、絶好の機会だ。
リリアンの傍には常にレックスがいるし、聞き出そうとしているのを知られて警戒されたくない。
そうなるとゲームと違う人物で、警戒されなさそうなのはロイだけだ。
ロイとルートが教室にいる状況で、私はそれとなく聞いてみる。
「ロイ様とリリアン様は、昔から仲がよかったのですか?」
「そうだね。僕の病が治ってから、リリアンさんやレックス君と会うようになったよ」
ロイは産まれた時から病弱だったけど、子供の頃に病は治ったらしい。
ゲームの設定を知っている私は、それがありえないことだと確信していた。
――リリアンが回復魔法を使えるようになって、レックスがロイの病を治すために会わせた?
可能性はありそうだけど、そうなるとリリアンが回復魔法を使えることになる。
そんなリリアンが敵になった時はどうすればいいのか……不安になるけど、今は聞き出すことに集中しよう。
「そうなんですか。ルート様は、ホーリオ魔法学園でリリアン様と出会ったのですね」
「はい。ダンジョンで勇敢に魔法を扱うリリアン様の姿は、今でも覚えています」
「危険なダンジョンへ行くと言い出した時は怖かったなあ。あの時一切恐怖せず同行すると言ったレックス君はカッコよかったよ」
ロイはレックス本人がいない時は、結構レックスのことを褒めている。
入学してから今まで別人みたいにみえたロイだけど、こういう部分はゲームと似ていそうだ。
ルートはゲーム通り、レックスとリリアンのことを尊敬している。
今の内に、ロイとルートからみたリリアンとレックスについて聞いておきたい。
「リリアン様とレックス殿下には、恐怖心がないのでしょうか?」
「なさそうかな。レックス君に関しては、リリアンさんを絶対守ると決意しているからこそ恐怖心がないんだと思うよ」
「レックス殿下がいるからこそ、リリアン様は全力で魔法が使えるのかもしれません」
「魔力切れになって倒れるほど夢中になるのは、危ないからやめて欲しいけどね」
「なるほど……リリアン様は、魔法に夢中となっているのですね」
ゲームでは病が完全に治るのはエンディングの後だから、ロイがクラスメイトで笑顔を浮かべて話している姿をみると嬉しくもある。
全てのはじまりは、リリアンが魔法のことばかり考えるようになった時のはず。
それなら――同じように、リリアンも転生している?
そんなことを考えてしまうけど、転生者ならこれから何が起こるのか知っているに違いない。
ゲームの設定を考えれば、リリアンの魔力を高めることで最悪の事態を招く可能性がある。
設定に詳しいからこそ、私は転生者は他にいないと考えてしまった。
そして数日後――リリアンが同じ転生者と、私は知ることになる。
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