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5話
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モルドーラ国の隣にあるロウーラ国、助けた魔馬のレーマに乗って街に向かっていると、街はバトルドラゴンの襲撃を受けていた。
私の予兆は正しかったと考えながらも、私は先頭で指揮をとっている美少年の横に着地する。
少年はいきなり空から着地した私に驚きながらも、目の前のバトルドラゴンに剣を向けながら。
「なっ……君は誰だ!?」
「えっと……元聖女のシーファです。私もお手伝いいたします!」
思わず元聖女と言ってしまい……私はモルドーラ国のことを思い返してしまう。
――新たな聖女は、サリナ様と比べて地味だな!
――よくあんな見た目で、人々を救う聖女を名乗れるわね。
あの時は先輩だったサリナの命令を拒めば何をされるかわからず、命令を聞いても国民は私を地味聖女とサリナと比べることで蔑んでいた。
元聖女としても、こんな見た目で聖女だなんて誰も信じない――2年間の経験から、そう思っていると。
「聖女か! 俺はゼスタ。お礼は必ず用意するから貴方の力を貸して欲しい!」
「えっ……はっ、はいっ! お礼は結構です!」
ゼスタと名乗った銀の短髪をなびかせる美少年が、嬉しそうな表情を私に浮かべている。
元というのが、聞こえていなかったのだろうか?
私のこんな見た目を見て、聖女と聞いてもゼスタは普通に接してくれる。
今までサリナが居たせいか、モルドール国では絶対に考えられなかったことに、胸が温かくなっていく。
「俺達があの武器を持った人型ドラゴンと戦うから、貴方は後方で魔法を――」
「――大丈夫です」
敵は8体のバトルドラゴン……この程度なら、本来の力を出せば一掃できる。
私は両手を上空にかざして真っ白な光を飛ばすと――それが閃光の槍となって8本に分かれ、バトルドラゴンに突き刺さって命を落としていく。
1頭だけ、リーダー格らしき剣を持ったバトルドラゴンは俊敏な動きで回避して――自分以外の仲間を一撃で仕留められたことに激高しているのか、物凄い勢いで私に迫り来る。
私は閃光による攻撃の反動で聖魔力を攻撃に使えず、このままだと斬られてしまう。
攻撃を受けるのは覚悟するしかなくて、即死を避けて回復して反撃する……痛みは我慢するしかない。
そう考えていたけど――私に向かっていたバトルドラゴンの剣による攻撃を、ゼスタが受け止めた。
「ゼスタ!?」
ゼスタは近くに居たけど、命がけで私を助けてくれたことに驚くしかない。
これはゼスタとしては普通のことなのかもしれないけど、モルドーラ国の扱いが酷かった私は、守ってくれたという行為に全身を震えさせてしまう。
そこからバトルドラゴンと剣による斬り合いになってゼスタが押されているけど、すぐさま私が回復魔法をかける。
全身が白い光に包まれたゼスタは、驚きながらも一気に優勢となり。
「こ、これは……!? これが聖女か、凄いな!!」
回復魔法の効果で一時的に強化されたゼスタがバトルリザードのリーダーを両断して……ゼスタは驚いた表情を私に向けている。
いきなり現れた私を聖女だと信じてくれるゼスタの方が、私は凄いと思うようになっていた。
私の予兆は正しかったと考えながらも、私は先頭で指揮をとっている美少年の横に着地する。
少年はいきなり空から着地した私に驚きながらも、目の前のバトルドラゴンに剣を向けながら。
「なっ……君は誰だ!?」
「えっと……元聖女のシーファです。私もお手伝いいたします!」
思わず元聖女と言ってしまい……私はモルドーラ国のことを思い返してしまう。
――新たな聖女は、サリナ様と比べて地味だな!
――よくあんな見た目で、人々を救う聖女を名乗れるわね。
あの時は先輩だったサリナの命令を拒めば何をされるかわからず、命令を聞いても国民は私を地味聖女とサリナと比べることで蔑んでいた。
元聖女としても、こんな見た目で聖女だなんて誰も信じない――2年間の経験から、そう思っていると。
「聖女か! 俺はゼスタ。お礼は必ず用意するから貴方の力を貸して欲しい!」
「えっ……はっ、はいっ! お礼は結構です!」
ゼスタと名乗った銀の短髪をなびかせる美少年が、嬉しそうな表情を私に浮かべている。
元というのが、聞こえていなかったのだろうか?
私のこんな見た目を見て、聖女と聞いてもゼスタは普通に接してくれる。
今までサリナが居たせいか、モルドール国では絶対に考えられなかったことに、胸が温かくなっていく。
「俺達があの武器を持った人型ドラゴンと戦うから、貴方は後方で魔法を――」
「――大丈夫です」
敵は8体のバトルドラゴン……この程度なら、本来の力を出せば一掃できる。
私は両手を上空にかざして真っ白な光を飛ばすと――それが閃光の槍となって8本に分かれ、バトルドラゴンに突き刺さって命を落としていく。
1頭だけ、リーダー格らしき剣を持ったバトルドラゴンは俊敏な動きで回避して――自分以外の仲間を一撃で仕留められたことに激高しているのか、物凄い勢いで私に迫り来る。
私は閃光による攻撃の反動で聖魔力を攻撃に使えず、このままだと斬られてしまう。
攻撃を受けるのは覚悟するしかなくて、即死を避けて回復して反撃する……痛みは我慢するしかない。
そう考えていたけど――私に向かっていたバトルドラゴンの剣による攻撃を、ゼスタが受け止めた。
「ゼスタ!?」
ゼスタは近くに居たけど、命がけで私を助けてくれたことに驚くしかない。
これはゼスタとしては普通のことなのかもしれないけど、モルドーラ国の扱いが酷かった私は、守ってくれたという行為に全身を震えさせてしまう。
そこからバトルドラゴンと剣による斬り合いになってゼスタが押されているけど、すぐさま私が回復魔法をかける。
全身が白い光に包まれたゼスタは、驚きながらも一気に優勢となり。
「こ、これは……!? これが聖女か、凄いな!!」
回復魔法の効果で一時的に強化されたゼスタがバトルリザードのリーダーを両断して……ゼスタは驚いた表情を私に向けている。
いきなり現れた私を聖女だと信じてくれるゼスタの方が、私は凄いと思うようになっていた。
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