47 / 74
47話 カルス視点
しおりを挟む
侯爵貴族のミュリナ達ドーマス家が、公爵家のローウォン家を警戒している。
そして――ローウォン家の三男ジャックは、パトリシアの新たな婚約者だ。
カルスは今までのことを、説明を求めていたミュリナに説明する。
――パトリシアがローウォン家と関わっていたとしても、ただの子爵令嬢だ。
ポーションの考案で目立っていたらしいも、カルスは未だにパトリシアを見下していた。
婚約破棄をしてから謝罪しても拒絶されたこと……その理由にローウォン家の名前を出してきたことを、カルスがミュリナに伝える。
そして……ミュリナは思案しながらも、楽しそうな表情を浮かべて。
「パトリシアは子爵令嬢だから詳しく調べなかったけど、ジャックと婚約していただなんて……お兄様に報告しないといけないわ!」
やけに上機嫌なミュリナに対して、カルスは気になったことを尋ねる。
「ミュリナ様、パトリシアの新たな婚約者がジャック様なのは、そこまで重要なのですか?」
「確かにパトリシアは子爵令嬢だけど……婚約者を痛い目に合わせれば、ローウォン家も警告だと気付くはずよ」
どうやらローウォン家は、ドーマス家にとってそこまでの障害らしい。
禁魔法を調査している貴族は複数存在していて、一番力が強い。
「特にジャック・ローウォンは率先して禁魔法の対処に動いている……婚約者のパトリシアに危害を加えれば、大人しくなりそうね!」
どうやらミュリナとしては、ローウォン家というよりも、率先して動いているジャックが邪魔な様子だ。
それよりも……カルスとしては、パトリシアに危害を加えると聞いて、内心嬉しくなっている。
「俺と再び婚約しなかったパトリシアが苦しむ……ミュリナ様、俺は協力を惜しみません!」
カルスが宣言して、最初は呆れた様子のミュリナが思案しながら呟く。
「そうね……無能な貴方にも、協力してもらうことになるわ」
ミュリナの発言を聞き、パトリシアに矛先が向いたことにカルスは喜ぶも――それがカルスにとって、最悪の事態を招くこととなっていた。
そして――ローウォン家の三男ジャックは、パトリシアの新たな婚約者だ。
カルスは今までのことを、説明を求めていたミュリナに説明する。
――パトリシアがローウォン家と関わっていたとしても、ただの子爵令嬢だ。
ポーションの考案で目立っていたらしいも、カルスは未だにパトリシアを見下していた。
婚約破棄をしてから謝罪しても拒絶されたこと……その理由にローウォン家の名前を出してきたことを、カルスがミュリナに伝える。
そして……ミュリナは思案しながらも、楽しそうな表情を浮かべて。
「パトリシアは子爵令嬢だから詳しく調べなかったけど、ジャックと婚約していただなんて……お兄様に報告しないといけないわ!」
やけに上機嫌なミュリナに対して、カルスは気になったことを尋ねる。
「ミュリナ様、パトリシアの新たな婚約者がジャック様なのは、そこまで重要なのですか?」
「確かにパトリシアは子爵令嬢だけど……婚約者を痛い目に合わせれば、ローウォン家も警告だと気付くはずよ」
どうやらローウォン家は、ドーマス家にとってそこまでの障害らしい。
禁魔法を調査している貴族は複数存在していて、一番力が強い。
「特にジャック・ローウォンは率先して禁魔法の対処に動いている……婚約者のパトリシアに危害を加えれば、大人しくなりそうね!」
どうやらミュリナとしては、ローウォン家というよりも、率先して動いているジャックが邪魔な様子だ。
それよりも……カルスとしては、パトリシアに危害を加えると聞いて、内心嬉しくなっている。
「俺と再び婚約しなかったパトリシアが苦しむ……ミュリナ様、俺は協力を惜しみません!」
カルスが宣言して、最初は呆れた様子のミュリナが思案しながら呟く。
「そうね……無能な貴方にも、協力してもらうことになるわ」
ミュリナの発言を聞き、パトリシアに矛先が向いたことにカルスは喜ぶも――それがカルスにとって、最悪の事態を招くこととなっていた。
146
あなたにおすすめの小説
(完結)婚約解消は当然でした
青空一夏
恋愛
エヴァリン・シャー子爵令嬢とイライジャ・メソン伯爵は婚約者同士。レイテ・イラ伯爵令嬢とは従姉妹。
シャー子爵家は大富豪でエヴァリンのお母様は他界。
お父様に溺愛されたエヴァリンの恋の物語。
エヴァリンは婚約者が従姉妹とキスをしているのを見てしまいますが、それは・・・・・・
大恋愛の後始末
mios
恋愛
シェイラの婚約者マートンの姉、ジュリエットは、恋多き女として有名だった。そして、恥知らずだった。悲願の末に射止めた大公子息ライアンとの婚姻式の当日に庭師と駆け落ちするぐらいには。
彼女は恋愛至上主義で、自由をこよなく愛していた。由緒正しき大公家にはそぐわないことは百も承知だったのに、周りはそのことを理解できていなかった。
マートンとシェイラの婚約は解消となった。大公家に莫大な慰謝料を支払わなければならず、爵位を返上しても支払えるかという程だったからだ。
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
いつまでも甘くないから
朝山みどり
恋愛
エリザベスは王宮で働く文官だ。ある日侯爵位を持つ上司から甥を紹介される。
結婚を前提として紹介であることは明白だった。
しかし、指輪を注文しようと街を歩いている時に友人と出会った。お茶を一緒に誘う友人、自慢しちゃえと思い了承したエリザベス。
この日から彼の様子が変わった。真相に気づいたエリザベスは穏やかに微笑んで二人を祝福する。
目を輝かせて喜んだ二人だったが、エリザベスの次の言葉を聞いた時・・・
二人は正反対の反応をした。
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
虐げられてる私のざまあ記録、ご覧になりますか?
リオール
恋愛
両親に虐げられ
姉に虐げられ
妹に虐げられ
そして婚約者にも虐げられ
公爵家が次女、ミレナは何をされてもいつも微笑んでいた。
虐げられてるのに、ひたすら耐えて笑みを絶やさない。
それをいいことに、彼女に近しい者は彼女を虐げ続けていた。
けれど彼らは知らない、誰も知らない。
彼女の笑顔の裏に隠された、彼女が抱える闇を──
そして今日も、彼女はひっそりと。
ざまあするのです。
そんな彼女の虐げざまあ記録……お読みになりますか?
=====
シリアスダークかと思わせて、そうではありません。虐げシーンはダークですが、ざまあシーンは……まあハチャメチャです。軽いのから重いのまで、スッキリ(?)ざまあ。
細かいことはあまり気にせずお読み下さい。
多分ハッピーエンド。
多分主人公だけはハッピーエンド。
あとは……
王子に買われた妹と隣国に売られた私
京月
恋愛
スペード王国の公爵家の娘であるリリア・ジョーカーは三歳下の妹ユリ・ジョーカーと私の婚約者であり幼馴染でもあるサリウス・スペードといつも一緒に遊んでいた。
サリウスはリリアに好意があり大きくなったらリリアと結婚すると言っており、ユリもいつも姉さま大好きとリリアを慕っていた。
リリアが十八歳になったある日スペード王国で反乱がおきその首謀者として父と母が処刑されてしまう。姉妹は王様のいる玉座の間で手を後ろに縛られたまま床に頭をつけ王様からそして処刑を言い渡された。
それに異議を唱えながら玉座の間に入って来たのはサリウスだった。
サリウスは王様に向かい上奏する。
「父上、どうか"ユリ・ジョーカー"の処刑を取りやめにし俺に身柄をくださいませんか」
リリアはユリが不敵に笑っているのが見えた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる