15 / 29
15話
ラミカが書いた手紙の内容的に、エリクの元へ手紙が届く前に行動を起こすのは間違いない。
手紙が届く日程を遅く見積もっていたとして、数日以内に私を排除するつもりなのでしょう。
話していると夜になり、私はお父様の部屋でエリクと手紙を再確認する。
お母様は気が弱いから、手紙の内容を知ればどんな行動をとってしまうかわからない。
そのため私とエリクの他には、お父様だけがラミカの行動を知ってもらうことにした。
手紙を眺めて、私と同じようにお父様は嫌悪した表情を浮かべている。
「ラミカ様はとんでもないな……エリク様には感謝するしかありません」
「これから何が起こるのかが問題だ。ラミカ様が乗り込んでくるとばかり思っていたが、フロン様の魔法で防げるのなら違う手段をとるはず」
「まず侯爵家の屋敷を魔法で攻撃することが異常ですけど、私が微力な魔法士のままなら間違いなく乗り込んでいましたね」
その場合はガラレド侯爵家を捨て他国に行くしか選択肢はなかったし、ミドアルダ国に留まることは私が決めたことだ。
私を排除する方法で、ラミカは自慢の風魔法を使わない。
そこから推測すると……思い当たる節が、一つだけあった。
「私が城で事務作業をしていた頃の話になりますが、王家はマルクト伯爵家に大量の魔石を渡していました」
「ここ最近マルクト伯爵家は魔道具作りで繁栄している。魔道具の材料となる魔石が必要なのは当然ではないか?」
お父様の発言を聞き、エリクが頷いている。
確かに魔力を宿した石である魔石は魔道具作りに必要だから、マルクト伯爵家に渡すべきだ。
「気になったのは、成果の報告がないのに魔石を渡し続けていたことです」
王家の仕事は私が中心となって対応していたから、報告があれば知っているはず。
それなのに王家に利益が出せていないのにも関わらず、調査せず大量の魔石を渡していた。
「魔法派閥の人達がマルクト伯爵家に期待していたのも、今になると気になります」
「なるほど。ラミカ様の風魔法より強力な魔道具を作れるとして、それをここで試すつもりなのかもしれないな」
お父様が物騒なことを言うけど、否定はできない。
もう派閥争いはなくなったみたいだけど、魔法派閥の人達から私は敵視されていた。
そして共存派の人達から有名な私を排除することで、魔法派閥に従うしかないと思わせたいのかもしれない。
とにかく一番怪しいのはマルクト伯爵家だから、私達は早急に調査をするため動きたい。
それよりも先に、ラミカの望んでいた出来事が起ころうとしていた。
手紙が届く日程を遅く見積もっていたとして、数日以内に私を排除するつもりなのでしょう。
話していると夜になり、私はお父様の部屋でエリクと手紙を再確認する。
お母様は気が弱いから、手紙の内容を知ればどんな行動をとってしまうかわからない。
そのため私とエリクの他には、お父様だけがラミカの行動を知ってもらうことにした。
手紙を眺めて、私と同じようにお父様は嫌悪した表情を浮かべている。
「ラミカ様はとんでもないな……エリク様には感謝するしかありません」
「これから何が起こるのかが問題だ。ラミカ様が乗り込んでくるとばかり思っていたが、フロン様の魔法で防げるのなら違う手段をとるはず」
「まず侯爵家の屋敷を魔法で攻撃することが異常ですけど、私が微力な魔法士のままなら間違いなく乗り込んでいましたね」
その場合はガラレド侯爵家を捨て他国に行くしか選択肢はなかったし、ミドアルダ国に留まることは私が決めたことだ。
私を排除する方法で、ラミカは自慢の風魔法を使わない。
そこから推測すると……思い当たる節が、一つだけあった。
「私が城で事務作業をしていた頃の話になりますが、王家はマルクト伯爵家に大量の魔石を渡していました」
「ここ最近マルクト伯爵家は魔道具作りで繁栄している。魔道具の材料となる魔石が必要なのは当然ではないか?」
お父様の発言を聞き、エリクが頷いている。
確かに魔力を宿した石である魔石は魔道具作りに必要だから、マルクト伯爵家に渡すべきだ。
「気になったのは、成果の報告がないのに魔石を渡し続けていたことです」
王家の仕事は私が中心となって対応していたから、報告があれば知っているはず。
それなのに王家に利益が出せていないのにも関わらず、調査せず大量の魔石を渡していた。
「魔法派閥の人達がマルクト伯爵家に期待していたのも、今になると気になります」
「なるほど。ラミカ様の風魔法より強力な魔道具を作れるとして、それをここで試すつもりなのかもしれないな」
お父様が物騒なことを言うけど、否定はできない。
もう派閥争いはなくなったみたいだけど、魔法派閥の人達から私は敵視されていた。
そして共存派の人達から有名な私を排除することで、魔法派閥に従うしかないと思わせたいのかもしれない。
とにかく一番怪しいのはマルクト伯爵家だから、私達は早急に調査をするため動きたい。
それよりも先に、ラミカの望んでいた出来事が起ころうとしていた。
あなたにおすすめの小説
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
嘘をありがとう
七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」
おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。
「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」
妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。
「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」
白い結婚のまま、旦那様は薔薇のような美人に夢中になりました
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢リディアは、美貌で有名な侯爵レオンハルトに嫁いだ。
けれど結婚して二年、夫婦は一度も結ばれないまま――白い結婚だった。
それでも旦那様は優しかった。
冷たいわけではない。気づかいの言葉も、穏やかな笑顔もくれる。
だからリディアは、愛されてはいなくても、いつか少しは夫婦になれるのではないかと信じていた。
そんなある日、彼女は知ってしまう。
旦那様が薔薇の君と呼ばれる絶世の美女に心を奪われていることを。
彼が触れなかったのは私にだけだったのだと。
都合のいい奥方として、役に立っていたと悟る
静かに離縁を決意したリディアは、実家へ戻ったあと、女子学院で働き始める。
すると侯爵夫人時代には当たり前だった実務のすべてが、外では驚くほど必要とされていた。
感謝され、認められ、自分の足で立ち始めた彼女は、少しずつ見違えるほど美しくなっていく
手放したくない理由
もちもちほっぺ
恋愛
公爵令嬢エリスと王太子アドリアンの婚約は、互いに「務め」として受け入れたものだった。貴族として、国のために結ばれる。
しかし、王太子が何かと幼馴染のレイナを優先し、社交界でも「王太子妃にふさわしいのは彼女では?」と囁かれる中、エリスは淡々と「それならば、私は不要では?」と考える。そして、自ら婚約解消を申し出る。
話し合いの場で、王妃が「辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」と声をかけるが、エリスは本当にまったく辛くなかったため、きょとんとする。その様子を見た周囲は困惑し、
「……王太子への愛は芽生えていなかったのですか?」
と問うが、エリスは「愛?」と首を傾げる。
同時に、婚約解消に動揺したアドリアンにも、側近たちが「殿下はレイナ嬢に恋をしていたのでは?」と問いかける。しかし、彼もまた「恋……?」と首を傾げる。
大人たちは、その光景を見て、教育の偏りを大いに後悔することになる。
文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる──
侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。
だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。
アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。
そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。
「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」
これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。
4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
夫は私を愛していないそうなので、遠慮なく離婚します。今さら引き止められても遅いです
藤原遊
恋愛
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。
理由は単純。
愛などなくても、仕事に支障はないからだという。
──そうですか。
それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。
王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。
夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。
離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。
気づいたときにはもう遅い。
積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。
一方で私は、王妃のもとへ。
今さら引き止められても、遅いのです。
「奇遇ですね。私の婚約者と同じ名前だ」
もちもちほっぺ
恋愛
侯爵家の令嬢リリエット・クラウゼヴィッツは、伯爵家の嫡男クラウディオ・ヴェステンベルクと婚約する。しかし、クラウディオは婚約に反発し、彼女に冷淡な態度を取り続ける。
学園に入学しても、彼は周囲とはそつなく交流しながら、リリエットにだけは冷たいままだった。そんな折、クラウディオの妹セシルの誘いで茶会に参加し、そこで新たな交流を楽しむ。そして、ある子爵子息が立ち上げた商会の服をまとい、いつもとは違う姿で社交界に出席することになる。
その夜会でクラウディオは彼女を別人と勘違いし、初めて優しく接する。