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10話
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フルディ殿下の婚約者が私から妹のミラーナとなった翌日――今頃、夜会が始まっている頃だ。
そこでフルディ殿下はミラーナが婚約者になったと伝えて、周囲は納得しながら盛り上がることでしょう。
今までの私の評判の悪さと、破滅を避けるため婚約者を理由に女生徒を脅していたのは事実で、婚約者ではなくなることでその手が使えなくなる。
これから2度とフルディ殿下も、家すら関わらないから、もうどうでもいい。
フルディ殿下を妹に譲り、1人で生きるための準備をしていた私はこれから国を出る。
ラッセルと約束していた湖に到着すると、ラッセルは私を見て驚いた様子で。
「ミレイユ様……本当に来られたのですね」
「ええ。私には飛行魔法があるから、馬車を使わなくても馬車移動の速度が出せるの」
今の私は公爵令嬢ではない……ただのミレイユだ。
敬語も使わず普通に話すと、ラッセルは驚いた様子で。
「いえ……本当にマルーア家を捨てるというのですか? 確かにフルディ殿下は危険だと俺も思いますが、どうして決断できるのか、この俺に教えてもらえないでしょうか?」
質問を聞いて、最初は引き留めるつもりなのかと警戒してしまう。
ラッセルの目を見て、それは違うと確信を持つことができていた。
困惑しながら、不安で一杯になりながら尋ねている……フルディ殿下が危険だと気付いた時の私も、ラッセルと同じ目をしていた。
「もうフルディ殿下も、マルーア家も……それ以上、この国が嫌になったのよ」
これから起こることは予想がついている。
マルーア家は間違いなく終わりで、今までの私の評判から、妹が原因だとしても私に飛び火がくるのは間違いない。
今まで最悪の事態を回避しようと動いていて、それでもマルーア家に居ると避けられないのなら、国を捨てた方が遙かにいい。
私の発言を聞いて、ラッセルは何かを決意している。
今までの不安や困惑の感情が消え去ったようで、それを怪訝しながら眺めていると。
「ミレイユ様……貴重な魔道具、魔道具を加工する道具、俺も1人で生きる準備をしてきたつもりです。国を捨てるのなら、俺と一緒に捨てませんか?」
「えっ?」
ラッセルの提案に驚くけど、すぐに納得することができていた。
妹がフルディ殿下に魔道具を貢いでいて、それは第一王子ドルーダ殿下の抹殺に使われる。
それが発覚するとラッセルの家も危なくて、それでも私のように家を捨てる覚悟ができなかったようね。
私の返答を聞くことで――ラッセルも、国を捨てると決意していた。
そこでフルディ殿下はミラーナが婚約者になったと伝えて、周囲は納得しながら盛り上がることでしょう。
今までの私の評判の悪さと、破滅を避けるため婚約者を理由に女生徒を脅していたのは事実で、婚約者ではなくなることでその手が使えなくなる。
これから2度とフルディ殿下も、家すら関わらないから、もうどうでもいい。
フルディ殿下を妹に譲り、1人で生きるための準備をしていた私はこれから国を出る。
ラッセルと約束していた湖に到着すると、ラッセルは私を見て驚いた様子で。
「ミレイユ様……本当に来られたのですね」
「ええ。私には飛行魔法があるから、馬車を使わなくても馬車移動の速度が出せるの」
今の私は公爵令嬢ではない……ただのミレイユだ。
敬語も使わず普通に話すと、ラッセルは驚いた様子で。
「いえ……本当にマルーア家を捨てるというのですか? 確かにフルディ殿下は危険だと俺も思いますが、どうして決断できるのか、この俺に教えてもらえないでしょうか?」
質問を聞いて、最初は引き留めるつもりなのかと警戒してしまう。
ラッセルの目を見て、それは違うと確信を持つことができていた。
困惑しながら、不安で一杯になりながら尋ねている……フルディ殿下が危険だと気付いた時の私も、ラッセルと同じ目をしていた。
「もうフルディ殿下も、マルーア家も……それ以上、この国が嫌になったのよ」
これから起こることは予想がついている。
マルーア家は間違いなく終わりで、今までの私の評判から、妹が原因だとしても私に飛び火がくるのは間違いない。
今まで最悪の事態を回避しようと動いていて、それでもマルーア家に居ると避けられないのなら、国を捨てた方が遙かにいい。
私の発言を聞いて、ラッセルは何かを決意している。
今までの不安や困惑の感情が消え去ったようで、それを怪訝しながら眺めていると。
「ミレイユ様……貴重な魔道具、魔道具を加工する道具、俺も1人で生きる準備をしてきたつもりです。国を捨てるのなら、俺と一緒に捨てませんか?」
「えっ?」
ラッセルの提案に驚くけど、すぐに納得することができていた。
妹がフルディ殿下に魔道具を貢いでいて、それは第一王子ドルーダ殿下の抹殺に使われる。
それが発覚するとラッセルの家も危なくて、それでも私のように家を捨てる覚悟ができなかったようね。
私の返答を聞くことで――ラッセルも、国を捨てると決意していた。
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