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13話 ディオン視点
聖女リーノは聖域へと向かい、聖魔力を流して加護の力を国に与える。
与えて数分後――リーノは意識を失って倒れたと報告を聞き、王の間に居た者達は絶望するしかなかった。
「こ、これはどういうことだ!?」
そうルドロス王が告げるも、この光景は3年前に何度も見たことがある。
聖域に膨大な聖魔力を流した反動で、聖女は倒れてしまうらしい。
そしてリーノは未熟ということもあって……聖域に聖魔力を流せたのはほんの僅かだった。
「なにが聖域は完成しただ……エレナ様が居なければ、どうしようもないではないか!」
今の状況に貴族達は激高しているのは、この状況が絶体絶命だと理解しているからに他ならない。
この国に居る聖女の力を持つのはリーノだけ。他の聖女候補達は他国に好条件で譲っていた。
今すぐに集めることができたとしても、長期的な聖域の維持は不可能のはず。
元聖女エレナが当然のように聖域を稼働させていたことから、次の聖女を育てていなかった。
王の間で嘆きの声があがる中……ディオンは告げる。
「いや、まだエレナはこの国に居ると言っていた……連れ戻そう」
その発言を聞いて、周囲が静まり返り、貴族達が言い辛そうにしながら。
「それが一番だとは思いますが……あの場でエレナ様は聖女にはならないと断言しています」
「あの方の聖魔力は膨大なのは間違いなく、抵抗されれば敵わないでしょう」
今までの聖女は聖域に魔力を流すだけで限界がきていたのに、エレナは余裕だった。
その光景を思い返すと、エレナの聖魔力が膨大だと理解することはできる。
それでも、今はエレナを連れ戻す以外に選択肢がないディオンは叫ぶ。
「ぐっっ……それでもたかが1人だ! 総力をあげて強引に連れ戻すしか、この国の未来はない!!」
エレナがどれほど強いとしても、国の総力には敵わない。
この時点でディオンはそう考えているも、その考えが最悪の事態を引き起こそうとしていた。
与えて数分後――リーノは意識を失って倒れたと報告を聞き、王の間に居た者達は絶望するしかなかった。
「こ、これはどういうことだ!?」
そうルドロス王が告げるも、この光景は3年前に何度も見たことがある。
聖域に膨大な聖魔力を流した反動で、聖女は倒れてしまうらしい。
そしてリーノは未熟ということもあって……聖域に聖魔力を流せたのはほんの僅かだった。
「なにが聖域は完成しただ……エレナ様が居なければ、どうしようもないではないか!」
今の状況に貴族達は激高しているのは、この状況が絶体絶命だと理解しているからに他ならない。
この国に居る聖女の力を持つのはリーノだけ。他の聖女候補達は他国に好条件で譲っていた。
今すぐに集めることができたとしても、長期的な聖域の維持は不可能のはず。
元聖女エレナが当然のように聖域を稼働させていたことから、次の聖女を育てていなかった。
王の間で嘆きの声があがる中……ディオンは告げる。
「いや、まだエレナはこの国に居ると言っていた……連れ戻そう」
その発言を聞いて、周囲が静まり返り、貴族達が言い辛そうにしながら。
「それが一番だとは思いますが……あの場でエレナ様は聖女にはならないと断言しています」
「あの方の聖魔力は膨大なのは間違いなく、抵抗されれば敵わないでしょう」
今までの聖女は聖域に魔力を流すだけで限界がきていたのに、エレナは余裕だった。
その光景を思い返すと、エレナの聖魔力が膨大だと理解することはできる。
それでも、今はエレナを連れ戻す以外に選択肢がないディオンは叫ぶ。
「ぐっっ……それでもたかが1人だ! 総力をあげて強引に連れ戻すしか、この国の未来はない!!」
エレナがどれほど強いとしても、国の総力には敵わない。
この時点でディオンはそう考えているも、その考えが最悪の事態を引き起こそうとしていた。
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