必要ないと言われたので、元の日常に戻ります

黒木 楓

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17話

 態々王都からこの森に来て、獰猛なモンスターを避けて疲弊しつつも私の家までやって来る。

 それでも敷地内に入ることができず……対象を視認したことで、転移の魔法が使えるようになっていた。

 騎士長は何を言っても聞かないし、私は伝えたかったことを全て伝えている。

 もう話すことはない……私は騎士隊を森の端、入ってきた入口まで転移させていた。

 その光景を目にして――今まで私が何を言ってもずっと気を張り巡らせていたハロルドが、唖然としながら。

「こ、これは……どういうことですか?」

「この森内には結界が張っていて、結界の力ね……結界内での転移。彼等は森の入口まで送り飛ばしたわ」

「エレナさんは森の中だとなんでもできるとは言っていましたけど……謝罪もありませんでしたし、当然のことですね」

 転移の力は魔道具でも伝説級の代物で、魔法として使える話は聞いたことがないらしい。

 森内に設置した魔道具と私の魔力が可能にしていて、私はハロルドを部屋に入れる。

 いつも王の間を監視していた魔道具のモニターを、私が魔力を籠めることで映像を騎士隊の状況に変更する。

 どうやら騎士隊は、再び私達の元に向かっている様子だ。

「入口に戻されていると理解しているのに、再びやって来る……愚かですね」

「必死な様子だから、失敗したときに罰がありそうだけど、剣を向けられた時点で行く気は一切ないわ」

 あんな対応をされて、誰が行こうと思うのだろうか。

「これから、どうしますか?」

 ハロルドの質問に対して、私は少し考えてから。

「そうね……家が見えた瞬間に、入口に転移することにしよっと」

「さっさと諦めて欲しいですね」

 結界の凄さを知って全身を震わせながら、ハロルドが必死な騎士隊に対して呆れた様子で溜息を吐いている。

 恐らく何度か挑戦すれば諦めるだろうし、それまでの間……私とハロルドは、森を駆ける騎士隊を観察することにしていた。

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