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19話 ズビア視点
あれから――数日が経っていた。
森のモンスターとの戦いで兵士達は何人も命を落し、逃げ去る者も出ている。
20人の兵隊が、今では7人……半分以下になって、1人の兵士が泣き言を漏らす。
「もう何度目ですか……こんなの無理に決まっています! 戻りましょう!!」
「泣き言を言うな! 転移には膨大な魔力を使う。何度も繰り返せば必ず――」
「――うわぁ。ここまで下等だなんて、思わなかったなぁ」
騎士長の話を聞いて、今まで隠れながら間近で観察していたズビアが姿を現す。
いきなり小柄な少年が現れたことで、騎士長は剣を抜いて尋ねる。
「何者だ!?」
「私はズビア。エレナ様の部下みたいなものだよ……君達があまりにも無様だから、いいことを教えにきたんだ」
騎士隊を敬う必要がないズビアは跳躍することで木に乗り、僅かになった騎士隊を見下ろして告げる。
「君達が転移している結界の魔力源は、この森そのものだ……自然の魔力はすぐに回復する。それぐらい知ってると思ったけど、知らなそうで哀れだ」
ズビアの発言を聞いて――隊員が持っていた剣の落ちる音が、静かな森に響く。
「そ、それなら……何度挑戦しても、絶対に辿り着けない……」
「出まかせだ! いきなり現れた得体のしれない子供の戯言など、聞く価値はない!」
「そっか。それなら何度も何度も、無意味なことをし続ければいいよ……もし失敗したら、私の発言を聞いておけばよかったって後悔するよね」
「っっ……」
憔悴していた騎士隊に限界がきて、騎士長もそれを理解している。
一番責任が大きい騎士長だけは怯まず、剣を強く握りしめて。
「なぜそんなことを伝える! エレナの差し金か!?」
「違うよ。これは私が勝手にやってるだけさ……君達の絶望する顔が見たかっただけ」
「貴様ァッ!」
そう言って騎士長が木を切り飛ばし、ズビアが落下する。
その隙を突くように騎士長が間合いを詰めるも、ズビアは右腕を振るった。
それだけで――身にまとっていた黒い魔力の刃が、騎士長の腕を両断する。
「がぁっ、ぁぁぁぁッ――ッッ!?」
主セレナには、なるべく人を傷つけるなと命令を受けている。
理由があれば攻撃しても構わないとも言われているから、家で観察しているセレナもこれなら何も言わない。
「これは正当防衛さ。道化には踊ってもらいたいからね」
騎士長は回復魔法で止血を止めるも、失った腕は戻ってこない。
それを眺めて、ズビアは楽しげに告げた。
「微弱な回復魔法だね。エレナなら腕を治せるけど、もう協力しないから……リーノって新しい聖女に頼めば?」
「こ、このっ……覚えておけ!」
ようやく騎士長が諦めて森から出ていき、ズビアは肩をすくめて。
「もうちょっと楽しませて欲しかったけど……報告した時にどうなるのかも見たいからね」
エレナ達の中でも、ズビアが一番、この状況を楽しんでいた。
森のモンスターとの戦いで兵士達は何人も命を落し、逃げ去る者も出ている。
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「泣き言を言うな! 転移には膨大な魔力を使う。何度も繰り返せば必ず――」
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いきなり小柄な少年が現れたことで、騎士長は剣を抜いて尋ねる。
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「私はズビア。エレナ様の部下みたいなものだよ……君達があまりにも無様だから、いいことを教えにきたんだ」
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「君達が転移している結界の魔力源は、この森そのものだ……自然の魔力はすぐに回復する。それぐらい知ってると思ったけど、知らなそうで哀れだ」
ズビアの発言を聞いて――隊員が持っていた剣の落ちる音が、静かな森に響く。
「そ、それなら……何度挑戦しても、絶対に辿り着けない……」
「出まかせだ! いきなり現れた得体のしれない子供の戯言など、聞く価値はない!」
「そっか。それなら何度も何度も、無意味なことをし続ければいいよ……もし失敗したら、私の発言を聞いておけばよかったって後悔するよね」
「っっ……」
憔悴していた騎士隊に限界がきて、騎士長もそれを理解している。
一番責任が大きい騎士長だけは怯まず、剣を強く握りしめて。
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「違うよ。これは私が勝手にやってるだけさ……君達の絶望する顔が見たかっただけ」
「貴様ァッ!」
そう言って騎士長が木を切り飛ばし、ズビアが落下する。
その隙を突くように騎士長が間合いを詰めるも、ズビアは右腕を振るった。
それだけで――身にまとっていた黒い魔力の刃が、騎士長の腕を両断する。
「がぁっ、ぁぁぁぁッ――ッッ!?」
主セレナには、なるべく人を傷つけるなと命令を受けている。
理由があれば攻撃しても構わないとも言われているから、家で観察しているセレナもこれなら何も言わない。
「これは正当防衛さ。道化には踊ってもらいたいからね」
騎士長は回復魔法で止血を止めるも、失った腕は戻ってこない。
それを眺めて、ズビアは楽しげに告げた。
「微弱な回復魔法だね。エレナなら腕を治せるけど、もう協力しないから……リーノって新しい聖女に頼めば?」
「こ、このっ……覚えておけ!」
ようやく騎士長が諦めて森から出ていき、ズビアは肩をすくめて。
「もうちょっと楽しませて欲しかったけど……報告した時にどうなるのかも見たいからね」
エレナ達の中でも、ズビアが一番、この状況を楽しんでいた。
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