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41話 ディオン視点
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絶体絶命の状況で……父ルドロスとライオスには余裕があり、何か策があるらしい。
どうして失敗続きのライオスを父上は信じられるのか、ディオンは理解に苦しんでいた。
「それでは、その策ですが――」
「――いや待て、話す前に聞いておきたいことがある」
ディオンは策を話すライオスを手で制し、今まで警戒していたことを告げる。
「その策を話す前に……この部屋に、何らかの魔道具が仕掛けられている可能性を考えないか?」
明らかに行動がエレナ達に読まれていると考えたディオンは、ライオスに告げる。
それでも……ライオスは首を左右に振って。
「それに関しては私も警戒していました……既に確認済みですが、何も取りつけられていませんでした」
「……本当か?」
「間違いありません……王の間は防音に優れていますし、他の部屋で話せない内容です」
防音に優れていると言っても、内側で監視されていたら話は別だ。
それでも魔道具に詳しいライオスがそう言っているのだから、何も取りつけられていないことになる。
「そうか……わかった」
この場に残っている貴族達が情報を漏らした可能性も低く……信じるしかない。
「それでは策ですが……賢者ラーゴアを使います」
そう言って……宰相ライオスの隣に居た青年が、ディオンに頷く。
賢者ラーゴア。
ライオスの補佐をしている魔法士で、魔力に秀でた男だ。
今まで森に入っていないから転移魔法の効果は受けないも、ディオンは呆れながら尋ねる。
「いや……騎士隊と暗躍部隊でも無理だったのに、この男は1人で行く気か?」
無謀だと考えているも、ライオスは首を左右に振って。
「いいえ……この杖を使います」
そう言って透明な結晶体、魔石が先端に取り付けられた金色の杖を、ラーゴアが見せて……ディオンは恐怖する。
その杖の力は代々伝えられていて、知っているのは王家の者と王家が信頼した一部のものだけだ。
父ルドロス王が冷静になるだけの理由でも、ディオンは叫ぶしかない。
「なっ……エレナを捕えるためだけに、これほどの代物を使うつもりか!?」
「使わなければ国が終わります……これならディオン様も、納得してくださるのではありませんか?」
確かに……この杖はルドロス国にとって切札で、これを使って対処できなければどうしようもないだろう。
国土の魔力、そしてルドロス国に住む人々の魔力と意思を蓄える杖――それがルドロス国の切札だった。
どうして失敗続きのライオスを父上は信じられるのか、ディオンは理解に苦しんでいた。
「それでは、その策ですが――」
「――いや待て、話す前に聞いておきたいことがある」
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「その策を話す前に……この部屋に、何らかの魔道具が仕掛けられている可能性を考えないか?」
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それでも……ライオスは首を左右に振って。
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「間違いありません……王の間は防音に優れていますし、他の部屋で話せない内容です」
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それでも魔道具に詳しいライオスがそう言っているのだから、何も取りつけられていないことになる。
「そうか……わかった」
この場に残っている貴族達が情報を漏らした可能性も低く……信じるしかない。
「それでは策ですが……賢者ラーゴアを使います」
そう言って……宰相ライオスの隣に居た青年が、ディオンに頷く。
賢者ラーゴア。
ライオスの補佐をしている魔法士で、魔力に秀でた男だ。
今まで森に入っていないから転移魔法の効果は受けないも、ディオンは呆れながら尋ねる。
「いや……騎士隊と暗躍部隊でも無理だったのに、この男は1人で行く気か?」
無謀だと考えているも、ライオスは首を左右に振って。
「いいえ……この杖を使います」
そう言って透明な結晶体、魔石が先端に取り付けられた金色の杖を、ラーゴアが見せて……ディオンは恐怖する。
その杖の力は代々伝えられていて、知っているのは王家の者と王家が信頼した一部のものだけだ。
父ルドロス王が冷静になるだけの理由でも、ディオンは叫ぶしかない。
「なっ……エレナを捕えるためだけに、これほどの代物を使うつもりか!?」
「使わなければ国が終わります……これならディオン様も、納得してくださるのではありませんか?」
確かに……この杖はルドロス国にとって切札で、これを使って対処できなければどうしようもないだろう。
国土の魔力、そしてルドロス国に住む人々の魔力と意思を蓄える杖――それがルドロス国の切札だった。
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