レシピの見つけ方 〜旅するお菓子ノート〜

武内れい

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第二章:大人たちのお菓子作り

38、焼き上がりの味と改良案(後半)

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 クッキーを一枚手に取り、そっとかじると、ふわっと甘い香りが口いっぱいに広がって、「おいしい!」と自然と声が漏れた。奏汰くんも続けてひとかじりし、目を輝かせて言った。

「うん、ブルーベリーの酸味がしっかり感じられて、甘さ控えめなのがすごくいいね。でも、生地が少ししっとりしすぎてて、もう少しサクッとした食感があればもっと嬉しいかも」

 私はその言葉にうなずきながら、考えた。(やっぱり、焼き時間かな……それとも生地の配合の問題?)そう思いながら、思わず奏汰に尋ねた。

「焼き時間を少し長めにしてみる?それとも、小麦粉の量を少し増やしてみるのもいいかもしれないね」

 奏汰くんは真剣な表情でノートにペンを走らせながら、「あと、トッピングにスライスアーモンドを散らしてみるのはどうかな?香ばしいナッツの風味が加わって、食感のアクセントにもなると思うんだ。次はそれも試してみよう」と提案してくれた。

「それ、いいね!」私は笑顔になった。
「見た目もかわいくなるし、ナッツの香りが加わったらきっとおいしいよね」

 二人でメモを取り合いながら、しばらくはクッキー作りのいろんなアイデアを話し合った。リンゴを使ったクランブルクッキーや、チーズを少し混ぜたビスケット、夏に工場で見たあのレモンケーキも気になる。
 お互いの夢や希望がどんどん膨らんでいくのを感じた。

 翌日、学校で友達にクッキーを手渡しながら、私はにこやかに話しかけた。

「これ、昨日奏汰くんと一緒に作ったんだ。よかったら食べてみて!」

 友達からはすぐに感想が返ってきた。

「ブルーベリーの味がすごくフレッシュでおいしい!」
「このサクサク感がたまらないよね!」と、嬉しそうな声があちこちから聞こえた。

「また違うフルーツでも作ってみて!」と言われて、私の胸は期待とわくわくでいっぱいになった。(みんなに喜んでもらえるなんて、すごく嬉しいな)

 その声を聞いて奏汰くんも私も顔を見合わせ、自然と笑みがこぼれた。

「みんなの意見を取り入れて、もっとおいしいクッキーを作りたいね」と私たちは話し合い、次の挑戦への決意を新たにした。

 家に帰ると、二人はすぐに次に使うフルーツや新しいお菓子のアイデアをノートに書き込んだ。リンゴのクランブルクッキー、チーズ入りのビスケット、そしてレモンケーキ。
 気になるレシピが次々と増えていく。

「もっといろんな味に挑戦してみたい!」私は目を輝かせて言った。

 奏汰くんは真剣なまなざしで、「お菓子作りって、科学とアートの両方だよね。おれももっと勉強して、あの工場みたいに理想の味を作りたいな」と答えた。

「私も、誰かの毎日をちょっとだけ幸せにできるお菓子を作りたい」と強く思いながら、「もっと頑張るね!」と力強く言った。

 翌日の家庭科の授業も、いつも以上に楽しみになった。私たちは、新しいレシピを試す計画で胸がいっぱいだった。

 夜、ベッドのそばの机に向かい、今日の出来事や感じたことを丁寧にノートにまとめた。

 〈お菓子って、ただ作るだけじゃなくて、たくさんの人の想いと技術がぎゅっと詰まっているんだ。だから、もっと知りたいし、もっと作りたいって思う。〉

(これからも失敗を恐れずに、挑戦し続けたい。そうすれば、きっと私も、奏汰くんも、みんなも笑顔になれるお菓子が作れるはず。)そんな未来への夢と希望が、私の瞳に明るく輝いていた。
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