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そして、その後私達はボスに促され、洞穴を出ることになった。
そこまで書いた私はペンを机の上にころころと転がした。天を仰ぐが、私の視界に映ったのはテントの天幕とランプだった。
あれからどれくらい経っただろうか。
洞穴から帰った私は、仲間達と上の空で会話してからテントに戻って、しばらく呆けていた。そして、1日何もせず寝た。そうして朝起きると皆はいつも通り朝食を摂っていた。そして、朝食の場でブライトから待機命令が下された。正確にはボスの命令をブライトが伝達しただけだった。
ボスは何をしているのだろうか。
どこか別の場所で食事でもしているのだろうか。
そんなことをぼんやりと考えながら私は話を聞いていた。そして、そのまま自分のテントに戻り、ぼうっとしていたが、そういえば手記を書いていなかったと思い、その後夢中になって書き記して今に至る。
竜の巣。
竜の産まれる場所。
竜の生態は未だにはっきり解明されていない。否、むしろ生物なのかすら曖昧だ。竜は自然発生で産まれると聞いていた。生殖によって発生するわけではないのだ。
あの湖に満たされた洞穴。あのような場所で産まれてくるのか。やはり大気中の魔力が豊富なことが条件だったりするのだろうか。
考えていると、どんどんと好奇心が鎌首をもたげるのが自分でわかった。
唐突に思いつく。
そうだ、あの洞穴にもう一度行ってみよう。あの温かく、脈動する場所へ。不思議と不気味さではなく、安心感を覚えるあの場所へ。
そう思うと使命感の様なものが湧いてきた。思い立ったが吉日。私はテントを出た。外には誰も居なかった。だが、各々のテントからは物音がして会話も聞こえて、閑散としてはいなかった。
私は島の奥地へと急いだ。たった三回しか向かってなかったが、前回道は覚えた。そして、例の場所まで行き着いて―――
例の場所?
そこまで行き着いて、私ははっとした。
そうだ、ここから先は斬撃が―――
「何をしている?」
呆然として立ち尽くしていたら、上から声が降ってきた。
ばっと顔を上げると、そこにはボスが飛んでいた。
「待機命令出していたはずだが、お前は何をしている」
バサ、バサとゆっくりと羽ばたきながらボスは降りてきた。大きな声を出しているわけではないのに、その声は臓腑に響く。グルルと喉を鳴らしたボスはぐっと首をこちらに寄せてきた。巨大な顎が近づき、圧倒される。
「お前は確か、昨日の案内人か」
意外なことに、憶えられていたようだった。
私はぶんぶんと頭を縦に振る。
「命令を破ってしまい申し訳ありません。昨日の洞穴に行こうと思ったのです。ですが」
「フン。この島に拒絶されていたことを思い出したか」
言葉を紡いでいる途中でボスが鼻を鳴らして、遮った。
「…はい」
私がうなだれる様子をボスは見下ろした。
「行け」
「え?」
何の聞き間違いかと思い、間の抜けた返事をしてしまった。
ボスはすぐに従わない私に対して不満げな声を出す。
「いいから行けと言ったのだ」
「っ!」
声に、ならない。このまま進んだら私はあの斬撃に切り刻まれるではないか。そこまで考えて得心した。
ああ、つまりは命令違反した罰なのだ。このまま進み、切り刻まれろ、そういうことなのだろう。
それを理解すると途端に恐怖心が生まれ、歯の根が合わなくなってガチガチといいだす。
「どうした行かないのか」
ボスの目がスゥと研ぎ澄まされる。
命令が聞けないのかと。
このまま留まればボスの怒りを更に買い、喰われてしまうだろう。切り刻まれるのと、どちらがマシだろうか。
私はボスから目線を外し、奥地へと続く前方を見据える。未だガチガチという歯を抑えきれず、意を決して一歩踏み出す。
しかし―――皮膚の切れる感覚が、しない。
不思議に思いながらもう一歩踏み出してみることにした。
パキリと音が鳴った。
驚いたが、ただ小枝を踏んだだけだった。他には何も変化がない。
どうしたことだろうと、後ろを振り返ってボスを見る。
「どうした、あの洞穴に行くのではなかったのか」
「いえ、その…いや、行きます」
斬撃がこない理由を尋ねようかと思ったが、思い直してまた前方を向く。
慎重に一歩ずつ進む。斬撃は襲いかかってこない。
「さっさと行け」
ズシと音がしたかと思うと、後ろからボスが着いてきていた。
驚くが、私に咎める理由も権利もないので、はい、とだけ返して前へ進む。
道中は無言だった。聞きたいことはあるが、それを許してくれる空気ではない。
ボスの方をちらりと見るが、特にこちらに目をくれることもない。純粋に興味がないのだろう。ただ真っ直ぐに先を見ている。
しばらくして、開けたあの場所に出た。
やはり、光の毬のような彼らが溢れていた。特に、地面に開けられた穴から沸くように出てくる。
私達が穴に近づくと、彼らは散った。そして洞穴の入り口が露わになる。
後ろを振り返るとボスの大きな目と、目があった。
ボスは顎を上に軽く持ち上げ、無言で行けと命じている。
私は言葉を飲み込んで、先へ進む。
洞穴の中は変わらず、燐光を放っている。足音が反響する。
だが、奥に進むにつれ、他の音が混じってきた。
オオオォ
咆哮のような音が段々と大きくなる。
そして、最深部に辿り着いた。
ここも変わらず、湛えられた湖面は波打ち、空間が脈動するように明滅する。
「元気そうで何よりだ」
後ろからボスが言葉を発した。
すると、咆哮のような音が静まる。いや、微かに聞こえる。
私は後ろを振り返る。
ボスは、ふっと笑ったように見えた。
「怯え…いや、警戒させてしまったか」
そう言って首を巡らせ、空間を眺める。
「ここも見納めだな。竜の巣など滅多に見られるものではない。我であっても、己が産まれた巣以外を見るのは初めてだ」
その言葉に私はぐっと息を飲み込む。
周りを見渡す。温かく、生き物の胎内の様な空間。ここには確かに何かがいる。
いや、未だ産まれ出ていない竜がいるのだ。
私は飲み込んだ息を吐き出す。
意を決して、ボスに真正面から切り込む。
「私はここに残りたいです」
自分の意思をハッキリと、言葉にした。
ボスはそれまで温かな眼差しで居たが、私の言葉で一気に冷ややかな目になった。そのまま私を見下ろす。
その目を直視した途端、空間の温度が下がったような気がした。
「残ってどうする。まさか、これの親になりたい、などとは言うまいな」
ボスはフン、と鼻で笑う。
「思い上がるなよ、たかが人間如きが」
ゴクリと生唾を飲み込む。
私は震えそうな唇をなんとか動かす。
「違います。勝手にこの土地に踏み込んだことをちゃんと直接謝りたいのです。そして、許されるならば、祝福をしたいのです」
怪しむように、ボスは私を見つめてくる。私も負けじと見つめ返すが、結局その視線から逃げるように、私は目を逸らしてしまう。
「…いえ、ただ見届けたいのです。これから産まれてくる彼、もしくは彼女を」
諦めて本心を吐き出した。
俯いて、顔を上げられない。
「我々に性別などないがな」
淡々とボスが間違いを正した。
他に何を言われるのだろうかと身構えていると、フン、と鼻で嗤う音が聞こえた。
「勝手にしろ」
私は、ばっと顔を上げる。
ボスはこちらを見ていない。脈動する空間を見ている。
「元々、この島には定期的に監察官を送るつもりだった。」
ボスはじろりと私を見下ろす。
「そこに現地に留まる馬鹿が一人加わるだけだ」
私はぽかんとマヌケに口を開けて、ボスを見つめた。
それから、自分が留まることを許されたのだと理解すると、感極まった。
「ありがとう、ございますっ…!」
頭を下げる。手を、前肢を握りたかったが、そんなことをしたら私は丸焦げか喰われるかの二択だろう。
オオオオ
何かを訴えるかのように、咆哮が聞こえた。
「なんと言っているのでしょうか」
「さあな」
ボスは冷たくあしらうように返した。
ふと思って、ついでに道中不思議に思っていたことをボスに尋ねた。今なら言葉にできるのではないかと思ったからだ。
「そういえば、なぜ今回は道中切り刻まれなかったのでしょう」
ボスはフン、と鼻を鳴らす。それを聞く度々思っていたが、もしかしたら癖なのかもしれない。
「拒むことを諦めただけだろう」
ォオオオ
それに肯定したのか、否か。
また一声咆哮が聞こえた。
そして、その翌日。
私は飛行場で、飛び立とうとしている飛行船を見つめている。周りを見ると慌ただしく行き交いをする人間ばかりだ。だが、数人だけ落ち着いて、私と同じように飛行船を見つめている。
結局私だけでなく、数人の人員と魔道具がこの島に残されることとなった。
ボスは先にこの島を飛び立っている。見送ることはできなかった。朝、大きな音に目が覚めて空を見ると豆粒のほどの何かが見えたが、あれがそうだったのかは定かではない。
風が吹き荒ぶ。
荒れ狂う髪を私は抑える。
私はこの島に残ることを自分で選択した。他の面子はどうなのだろう。
そして、飛び立つ仲間達を、飛行船を見送った。
私はその後、手記を持って、またあの洞穴へ向かった。
そして適当な場所に座り、波打つ湖面を見つめる。
どうか、どうか無事に産まれてきて下さい。
私にその姿を見せてください。
そして、許されるのならば、あなたのことを祝福させてください。
人間如きの風習に巻き込まれるのは迷惑かもしれないけれど。
そう思いながら、手記を広げる。
これからこの手記はあなたの記録になる。
こうして私はあなたを待っています。
私は祈るような気持ちでペンを手に持った。
そこまで書いた私はペンを机の上にころころと転がした。天を仰ぐが、私の視界に映ったのはテントの天幕とランプだった。
あれからどれくらい経っただろうか。
洞穴から帰った私は、仲間達と上の空で会話してからテントに戻って、しばらく呆けていた。そして、1日何もせず寝た。そうして朝起きると皆はいつも通り朝食を摂っていた。そして、朝食の場でブライトから待機命令が下された。正確にはボスの命令をブライトが伝達しただけだった。
ボスは何をしているのだろうか。
どこか別の場所で食事でもしているのだろうか。
そんなことをぼんやりと考えながら私は話を聞いていた。そして、そのまま自分のテントに戻り、ぼうっとしていたが、そういえば手記を書いていなかったと思い、その後夢中になって書き記して今に至る。
竜の巣。
竜の産まれる場所。
竜の生態は未だにはっきり解明されていない。否、むしろ生物なのかすら曖昧だ。竜は自然発生で産まれると聞いていた。生殖によって発生するわけではないのだ。
あの湖に満たされた洞穴。あのような場所で産まれてくるのか。やはり大気中の魔力が豊富なことが条件だったりするのだろうか。
考えていると、どんどんと好奇心が鎌首をもたげるのが自分でわかった。
唐突に思いつく。
そうだ、あの洞穴にもう一度行ってみよう。あの温かく、脈動する場所へ。不思議と不気味さではなく、安心感を覚えるあの場所へ。
そう思うと使命感の様なものが湧いてきた。思い立ったが吉日。私はテントを出た。外には誰も居なかった。だが、各々のテントからは物音がして会話も聞こえて、閑散としてはいなかった。
私は島の奥地へと急いだ。たった三回しか向かってなかったが、前回道は覚えた。そして、例の場所まで行き着いて―――
例の場所?
そこまで行き着いて、私ははっとした。
そうだ、ここから先は斬撃が―――
「何をしている?」
呆然として立ち尽くしていたら、上から声が降ってきた。
ばっと顔を上げると、そこにはボスが飛んでいた。
「待機命令出していたはずだが、お前は何をしている」
バサ、バサとゆっくりと羽ばたきながらボスは降りてきた。大きな声を出しているわけではないのに、その声は臓腑に響く。グルルと喉を鳴らしたボスはぐっと首をこちらに寄せてきた。巨大な顎が近づき、圧倒される。
「お前は確か、昨日の案内人か」
意外なことに、憶えられていたようだった。
私はぶんぶんと頭を縦に振る。
「命令を破ってしまい申し訳ありません。昨日の洞穴に行こうと思ったのです。ですが」
「フン。この島に拒絶されていたことを思い出したか」
言葉を紡いでいる途中でボスが鼻を鳴らして、遮った。
「…はい」
私がうなだれる様子をボスは見下ろした。
「行け」
「え?」
何の聞き間違いかと思い、間の抜けた返事をしてしまった。
ボスはすぐに従わない私に対して不満げな声を出す。
「いいから行けと言ったのだ」
「っ!」
声に、ならない。このまま進んだら私はあの斬撃に切り刻まれるではないか。そこまで考えて得心した。
ああ、つまりは命令違反した罰なのだ。このまま進み、切り刻まれろ、そういうことなのだろう。
それを理解すると途端に恐怖心が生まれ、歯の根が合わなくなってガチガチといいだす。
「どうした行かないのか」
ボスの目がスゥと研ぎ澄まされる。
命令が聞けないのかと。
このまま留まればボスの怒りを更に買い、喰われてしまうだろう。切り刻まれるのと、どちらがマシだろうか。
私はボスから目線を外し、奥地へと続く前方を見据える。未だガチガチという歯を抑えきれず、意を決して一歩踏み出す。
しかし―――皮膚の切れる感覚が、しない。
不思議に思いながらもう一歩踏み出してみることにした。
パキリと音が鳴った。
驚いたが、ただ小枝を踏んだだけだった。他には何も変化がない。
どうしたことだろうと、後ろを振り返ってボスを見る。
「どうした、あの洞穴に行くのではなかったのか」
「いえ、その…いや、行きます」
斬撃がこない理由を尋ねようかと思ったが、思い直してまた前方を向く。
慎重に一歩ずつ進む。斬撃は襲いかかってこない。
「さっさと行け」
ズシと音がしたかと思うと、後ろからボスが着いてきていた。
驚くが、私に咎める理由も権利もないので、はい、とだけ返して前へ進む。
道中は無言だった。聞きたいことはあるが、それを許してくれる空気ではない。
ボスの方をちらりと見るが、特にこちらに目をくれることもない。純粋に興味がないのだろう。ただ真っ直ぐに先を見ている。
しばらくして、開けたあの場所に出た。
やはり、光の毬のような彼らが溢れていた。特に、地面に開けられた穴から沸くように出てくる。
私達が穴に近づくと、彼らは散った。そして洞穴の入り口が露わになる。
後ろを振り返るとボスの大きな目と、目があった。
ボスは顎を上に軽く持ち上げ、無言で行けと命じている。
私は言葉を飲み込んで、先へ進む。
洞穴の中は変わらず、燐光を放っている。足音が反響する。
だが、奥に進むにつれ、他の音が混じってきた。
オオオォ
咆哮のような音が段々と大きくなる。
そして、最深部に辿り着いた。
ここも変わらず、湛えられた湖面は波打ち、空間が脈動するように明滅する。
「元気そうで何よりだ」
後ろからボスが言葉を発した。
すると、咆哮のような音が静まる。いや、微かに聞こえる。
私は後ろを振り返る。
ボスは、ふっと笑ったように見えた。
「怯え…いや、警戒させてしまったか」
そう言って首を巡らせ、空間を眺める。
「ここも見納めだな。竜の巣など滅多に見られるものではない。我であっても、己が産まれた巣以外を見るのは初めてだ」
その言葉に私はぐっと息を飲み込む。
周りを見渡す。温かく、生き物の胎内の様な空間。ここには確かに何かがいる。
いや、未だ産まれ出ていない竜がいるのだ。
私は飲み込んだ息を吐き出す。
意を決して、ボスに真正面から切り込む。
「私はここに残りたいです」
自分の意思をハッキリと、言葉にした。
ボスはそれまで温かな眼差しで居たが、私の言葉で一気に冷ややかな目になった。そのまま私を見下ろす。
その目を直視した途端、空間の温度が下がったような気がした。
「残ってどうする。まさか、これの親になりたい、などとは言うまいな」
ボスはフン、と鼻で笑う。
「思い上がるなよ、たかが人間如きが」
ゴクリと生唾を飲み込む。
私は震えそうな唇をなんとか動かす。
「違います。勝手にこの土地に踏み込んだことをちゃんと直接謝りたいのです。そして、許されるならば、祝福をしたいのです」
怪しむように、ボスは私を見つめてくる。私も負けじと見つめ返すが、結局その視線から逃げるように、私は目を逸らしてしまう。
「…いえ、ただ見届けたいのです。これから産まれてくる彼、もしくは彼女を」
諦めて本心を吐き出した。
俯いて、顔を上げられない。
「我々に性別などないがな」
淡々とボスが間違いを正した。
他に何を言われるのだろうかと身構えていると、フン、と鼻で嗤う音が聞こえた。
「勝手にしろ」
私は、ばっと顔を上げる。
ボスはこちらを見ていない。脈動する空間を見ている。
「元々、この島には定期的に監察官を送るつもりだった。」
ボスはじろりと私を見下ろす。
「そこに現地に留まる馬鹿が一人加わるだけだ」
私はぽかんとマヌケに口を開けて、ボスを見つめた。
それから、自分が留まることを許されたのだと理解すると、感極まった。
「ありがとう、ございますっ…!」
頭を下げる。手を、前肢を握りたかったが、そんなことをしたら私は丸焦げか喰われるかの二択だろう。
オオオオ
何かを訴えるかのように、咆哮が聞こえた。
「なんと言っているのでしょうか」
「さあな」
ボスは冷たくあしらうように返した。
ふと思って、ついでに道中不思議に思っていたことをボスに尋ねた。今なら言葉にできるのではないかと思ったからだ。
「そういえば、なぜ今回は道中切り刻まれなかったのでしょう」
ボスはフン、と鼻を鳴らす。それを聞く度々思っていたが、もしかしたら癖なのかもしれない。
「拒むことを諦めただけだろう」
ォオオオ
それに肯定したのか、否か。
また一声咆哮が聞こえた。
そして、その翌日。
私は飛行場で、飛び立とうとしている飛行船を見つめている。周りを見ると慌ただしく行き交いをする人間ばかりだ。だが、数人だけ落ち着いて、私と同じように飛行船を見つめている。
結局私だけでなく、数人の人員と魔道具がこの島に残されることとなった。
ボスは先にこの島を飛び立っている。見送ることはできなかった。朝、大きな音に目が覚めて空を見ると豆粒のほどの何かが見えたが、あれがそうだったのかは定かではない。
風が吹き荒ぶ。
荒れ狂う髪を私は抑える。
私はこの島に残ることを自分で選択した。他の面子はどうなのだろう。
そして、飛び立つ仲間達を、飛行船を見送った。
私はその後、手記を持って、またあの洞穴へ向かった。
そして適当な場所に座り、波打つ湖面を見つめる。
どうか、どうか無事に産まれてきて下さい。
私にその姿を見せてください。
そして、許されるのならば、あなたのことを祝福させてください。
人間如きの風習に巻き込まれるのは迷惑かもしれないけれど。
そう思いながら、手記を広げる。
これからこの手記はあなたの記録になる。
こうして私はあなたを待っています。
私は祈るような気持ちでペンを手に持った。
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