45 / 48
サイドストーリー
『ドラゴニアメモリーズ 白の章』
しおりを挟む
遠い昔のお話です。とある場所のそびえ立つ山に大きな白いドラゴンが住んでいました。
硬い鱗や鋭い牙や爪を持っており、見た目こそ凶暴でしたが人を襲わない優しい性格の持ち主でした。
ドラゴンは時々大地を見回って、悪い魔物がいないか見てくれていました。
そんなドラゴンに感謝して村人たちは食べ物やお酒を捧げていました。
しかしある時、事件が起こってしまいました。連日、村の畑が荒らされるようになり、作物が獲れなくなってしまったのです。
畑に巨大な足跡が残っていたので、村人たちはみんなで山に行きドラゴンを問い詰めました。
「お前が俺たちの畑を荒らしているんだろう⁉」
「畑はおろか、村に1度も入ったことはない」
「なら、巨大な足跡は誰のなんだ?この辺にあんな足跡を残せるヤツなんて
お前以外にいない!」
「村には入っていない」
ドラゴンは否定しました。本当のことなのです。しかし村人たちは怖い顔で見ています。
その時突然、ドラゴンの両翼が斬り落とされました。
ドラゴンはしばらくの間悶えていましたが、ようやく落ち着きを取り戻して顔を上げました。目の前には大きな剣を持った男2人がドラゴンを睨んでいます。
彼等は崖の上から飛び降りた勢いで斬ったのです。村人たちはもしもの時のために国から武器の扱いに慣れた人を遣わしてもらっていました。
「お前がやったんだろう!」
『ちがう……』
「まだ嘘をつくのか!!」
『嘘ではない』
ドラゴンは否定し続けましたが村人たちは信じませんでした。
そして、とうとうドラゴンを討伐してしまったのです。
ところが、何人かの村人たちは顔を青くして震え始めました。
「さ、さすがに倒したのはやりすぎじゃないか?」
「私たちを悪い魔物から守ってくれていたし……」
「仕方がないだろう!ドラゴンが認めなかったのが悪いんだ!」
口々に村人から言われて村長は怒鳴りました。しかし村人たちの顔は不安そうです。
「もういい!この問題は終わりだ!畑を荒らされることもないのだからな!」
しかしドラゴンが討伐されたあとも畑は荒らされました。
罠を仕掛けて確かめてみると、イタズラ好きな子ども数人と大人2人の仕業だったということがわかりました。
ドラゴンは本当に村に入っていなかったのです。
村人たちはイタズラをした人全員に罰を与え、
ドラゴンの住処に向かい長い間頭を下げましたが、もう全てが手遅れでした。
硬い鱗や鋭い牙や爪を持っており、見た目こそ凶暴でしたが人を襲わない優しい性格の持ち主でした。
ドラゴンは時々大地を見回って、悪い魔物がいないか見てくれていました。
そんなドラゴンに感謝して村人たちは食べ物やお酒を捧げていました。
しかしある時、事件が起こってしまいました。連日、村の畑が荒らされるようになり、作物が獲れなくなってしまったのです。
畑に巨大な足跡が残っていたので、村人たちはみんなで山に行きドラゴンを問い詰めました。
「お前が俺たちの畑を荒らしているんだろう⁉」
「畑はおろか、村に1度も入ったことはない」
「なら、巨大な足跡は誰のなんだ?この辺にあんな足跡を残せるヤツなんて
お前以外にいない!」
「村には入っていない」
ドラゴンは否定しました。本当のことなのです。しかし村人たちは怖い顔で見ています。
その時突然、ドラゴンの両翼が斬り落とされました。
ドラゴンはしばらくの間悶えていましたが、ようやく落ち着きを取り戻して顔を上げました。目の前には大きな剣を持った男2人がドラゴンを睨んでいます。
彼等は崖の上から飛び降りた勢いで斬ったのです。村人たちはもしもの時のために国から武器の扱いに慣れた人を遣わしてもらっていました。
「お前がやったんだろう!」
『ちがう……』
「まだ嘘をつくのか!!」
『嘘ではない』
ドラゴンは否定し続けましたが村人たちは信じませんでした。
そして、とうとうドラゴンを討伐してしまったのです。
ところが、何人かの村人たちは顔を青くして震え始めました。
「さ、さすがに倒したのはやりすぎじゃないか?」
「私たちを悪い魔物から守ってくれていたし……」
「仕方がないだろう!ドラゴンが認めなかったのが悪いんだ!」
口々に村人から言われて村長は怒鳴りました。しかし村人たちの顔は不安そうです。
「もういい!この問題は終わりだ!畑を荒らされることもないのだからな!」
しかしドラゴンが討伐されたあとも畑は荒らされました。
罠を仕掛けて確かめてみると、イタズラ好きな子ども数人と大人2人の仕業だったということがわかりました。
ドラゴンは本当に村に入っていなかったのです。
村人たちはイタズラをした人全員に罰を与え、
ドラゴンの住処に向かい長い間頭を下げましたが、もう全てが手遅れでした。
48
あなたにおすすめの小説
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
転生少女と黒猫メイスのぶらり異世界旅
うみの渚
ファンタジー
ある日、目が覚めたら異世界に転生していた主人公。
裏庭で偶然出会った黒猫に魔法を教わりながら鍛錬を重ねていく。
しかし、その平穏な時間はある日を境に一変する。
これは異世界に転生した十歳の少女と黒猫メイスの冒険譚である。
よくある異世界転生ものです。
*恋愛要素はかなり薄いです。
描写は抑えていますが戦闘シーンがありますので、Rー15にしてあります。
第一章・第二章・第三章完結しました。
お気に入り登録といいねとエールありがとうございます。
執筆の励みになります。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く
腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」
――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。
癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。
居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。
しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。
小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる