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第2部 始祖竜編
35話 青いワイバーン
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翌朝、私はいつものようにラディウスを訪ねていた。
今回は「届け日」なのでちゃんと供物を持ってだ。
「ラディウス~」
『あー、はいはい、ご苦労さん』
供物の中身はお肉とお酒。
ラディウスの「豪華なものじゃなくていい」という意見を取り入れて、
この大陸で飼育されているツィル鳥の肉と、トセと呼ばれる果実を熟成させたお酒だ。
「そうやって軽く言われると、届けがいがないんだけど!」
『フン!そもそも俺が労うこと自体が珍しいんだ!感謝しとけよ』
「うん!労ってくれてありがとう!」
まさかお礼を言われるとは思っていなかったようで、ラディウスが瞬きを繰り返した。
そして大きなため息をつく。
『はぁ……お前と話してると調子狂う――ん?』
ラディウスが一点を見つめて動きを止める。
私もつられて見ると、北の方角から大きな鷲のような生物がこちらに向かって翼を動かしていた。
距離が離れているので全体像がボヤけている。
「何、あれ?」
『箱入り娘、俺の足の間に立っとけ。まぁ、遣いだから大丈夫だとは思うが』
「遣い……?」
わけがわからなかったが、ラディウスの声は真剣だった。
戸惑いながらも従う。
何でラディウスがそう言ったのか、すぐにわかった。
鳥ではなく、ワイバーンだったのだ。
だけど、この大陸にいる種類とは違って全身が青く、首から宝石のようなものを下げている。
それはラディウスの正面に降り立つと一声鳴いた。耳をつんざくような鋭い声だ。
『コイツ、青の遣いだな』
「青?」
『ブルードラゴンのことだよ!お前、ドラゴン好きなら知っとけ!』
「もちろん知ってるよ!絵本にもお話があるし!」
『ドラゴニアメモリーズ』のことだ。
白いドラゴン以外にも数匹のドラゴンの話が載っている絵本で、 私の幼い頃からの愛読書でもある。
「本当にブルードラゴンだよね!?」
『そうだっつってんだろ!話が終わるまで口挟むんじゃねぇぞ!』
「が、頑張る……」
そうは答えたものの、自信はない。
ホワイトドラゴン――ラディウスに会ってこうやって話してるだけでも嬉しいのに、
他のドラゴンとも話せるなんて夢のようだからだ。
ラディウスが呆れたように息を吐いた直後、ワイバーンの首にかかっている宝石から野太い声が聞こえてくる。
『フハハハハハ!復活したというのは本当だったようだな、白よ!』
『ああ。それで、確認のためだけに遣い寄越したのか?』
『いや、少々大事な話があってだな……』
豪快に笑っていたブルードラゴンの声が一気に低くなり、真剣味を帯びる。
本物。ラディウスと同じドラゴン。声だけではあるけど、威圧はじゅうぶん伝わってくる。
だけど、そんなの関係ない。興奮した私は思わず声をかけてしまった。
「ブルードラゴンさん!」
『む、人間が居るのか?生贄か?』
『なワケあるか!物好きだ!物好き!』
『そうかそうか!物好きか!ハハハハハ――え?』
ブルードラゴンの豪快の笑い声かビタリと止まって静かになる。青いワイバーンも困ったように首を傾げていた。
ラディウスはため息をつくと宝石に向かって声をかける。
『お前が笑い飛ばしたんだろうが』
『すまん……我も混乱している。
で、その物好きとやら、白が怖くないのか?』
「はいっ!口は悪いけど、優しいです!」
即答した私の言葉で再び場に静寂が流れた。
ラディウスはゆっくりと頭を私に向けると、機嫌が悪そうに目を細める。
『おい、俺のどこが優しいんだ、箱入り娘』
「え?だって私が来やすいためにワイバーンに圧かけてくれてるし。
それに今も危なかったらいけないからって、足の間にいろって言ってくれたし……」
『そりゃあ届け役が変わると困るからだ!他の人間なんざ信用できん!』
「私は信用してくれてるんだ!?ありがとうっ!ラディウスっ!」
『そう捉えとけ!』
嬉しくて笑顔で言うと、ラディウスは頭を上に持っていってしまった。
『ハーッハッハッハッ!!完全にペースにのまれているな、白よ!』
『うるせぇ!お前まで笑うな!とっとと要件を話せ!』
『あっ、そうであった。危うく忘れるところだった。
だが、人間がいるとなると話しづらいぞ……。
名案思いついた!我がいるブラウア大陸まで来い!白よ!』
『行けるか!お前と違って翼がねえからな!』
『あ……そうであったな。だが、我も動けぬ!どうにかして来いっ!』
『無茶言うなよ!?』
即答したラディウスに対してもブルードラゴンは「自分も動けない」の一点張り。
でもどうにかしないと、このまま時間だけが過ぎてしまう。
「じゃあ、私が耳を塞ぐ。そうしたら話せるよね?」
『……それが1番手っ取り早いな』
『だな。と、いうことで物好きとやら、しばらく耳を塞いでくれ!』
「わかりました!」
すぐに指で両耳を塞ぐ。音を拾ってしまわないように必死に力を込めた。
だけど、ラディウスたちの声は大きいのでところどころ聞こえてしまって……。
『始………危……』
『……危……か?』
『すぐ………………。た……集……』
『…………』
『と……え……、ま……日……』
ブルードラゴンの言葉を最後に、青いワイバーンは両翼を羽ばたかせて飛び去っていった。
私はおそるおそる耳から指を離して、ラディウスを見上げる。
てっきり文句でも言うかと思ったのに、黙って地面を見つめていた。
「そんなに大事な話だったの?」
『まぁな……』
ラディウスの声に元気がない。よほどショックな内容だったみたいだ。
『青がまた明日も遣い寄越すらしいから、来るなよ』
「え~っ!毎日楽しみにしてるのに!」
『とにかく明日は来るんじゃねぇ!来たら消し飛ばす!』
ラディウスは赤い目を細くしてギロリと睨みつけてきた。
明らかにただ事ではない、本気の目だ。
私は体を縮こませて頷いた。
「その次の日は来ていいよね?」
『好きにしろ……』
ラディウスは吐き出すように言うと、遠くを見つめる。
声をかけようにも、悲しんでいるように見えて躊躇した。
なんだか居づらくなって、私は山を降りてしまった。
今回は「届け日」なのでちゃんと供物を持ってだ。
「ラディウス~」
『あー、はいはい、ご苦労さん』
供物の中身はお肉とお酒。
ラディウスの「豪華なものじゃなくていい」という意見を取り入れて、
この大陸で飼育されているツィル鳥の肉と、トセと呼ばれる果実を熟成させたお酒だ。
「そうやって軽く言われると、届けがいがないんだけど!」
『フン!そもそも俺が労うこと自体が珍しいんだ!感謝しとけよ』
「うん!労ってくれてありがとう!」
まさかお礼を言われるとは思っていなかったようで、ラディウスが瞬きを繰り返した。
そして大きなため息をつく。
『はぁ……お前と話してると調子狂う――ん?』
ラディウスが一点を見つめて動きを止める。
私もつられて見ると、北の方角から大きな鷲のような生物がこちらに向かって翼を動かしていた。
距離が離れているので全体像がボヤけている。
「何、あれ?」
『箱入り娘、俺の足の間に立っとけ。まぁ、遣いだから大丈夫だとは思うが』
「遣い……?」
わけがわからなかったが、ラディウスの声は真剣だった。
戸惑いながらも従う。
何でラディウスがそう言ったのか、すぐにわかった。
鳥ではなく、ワイバーンだったのだ。
だけど、この大陸にいる種類とは違って全身が青く、首から宝石のようなものを下げている。
それはラディウスの正面に降り立つと一声鳴いた。耳をつんざくような鋭い声だ。
『コイツ、青の遣いだな』
「青?」
『ブルードラゴンのことだよ!お前、ドラゴン好きなら知っとけ!』
「もちろん知ってるよ!絵本にもお話があるし!」
『ドラゴニアメモリーズ』のことだ。
白いドラゴン以外にも数匹のドラゴンの話が載っている絵本で、 私の幼い頃からの愛読書でもある。
「本当にブルードラゴンだよね!?」
『そうだっつってんだろ!話が終わるまで口挟むんじゃねぇぞ!』
「が、頑張る……」
そうは答えたものの、自信はない。
ホワイトドラゴン――ラディウスに会ってこうやって話してるだけでも嬉しいのに、
他のドラゴンとも話せるなんて夢のようだからだ。
ラディウスが呆れたように息を吐いた直後、ワイバーンの首にかかっている宝石から野太い声が聞こえてくる。
『フハハハハハ!復活したというのは本当だったようだな、白よ!』
『ああ。それで、確認のためだけに遣い寄越したのか?』
『いや、少々大事な話があってだな……』
豪快に笑っていたブルードラゴンの声が一気に低くなり、真剣味を帯びる。
本物。ラディウスと同じドラゴン。声だけではあるけど、威圧はじゅうぶん伝わってくる。
だけど、そんなの関係ない。興奮した私は思わず声をかけてしまった。
「ブルードラゴンさん!」
『む、人間が居るのか?生贄か?』
『なワケあるか!物好きだ!物好き!』
『そうかそうか!物好きか!ハハハハハ――え?』
ブルードラゴンの豪快の笑い声かビタリと止まって静かになる。青いワイバーンも困ったように首を傾げていた。
ラディウスはため息をつくと宝石に向かって声をかける。
『お前が笑い飛ばしたんだろうが』
『すまん……我も混乱している。
で、その物好きとやら、白が怖くないのか?』
「はいっ!口は悪いけど、優しいです!」
即答した私の言葉で再び場に静寂が流れた。
ラディウスはゆっくりと頭を私に向けると、機嫌が悪そうに目を細める。
『おい、俺のどこが優しいんだ、箱入り娘』
「え?だって私が来やすいためにワイバーンに圧かけてくれてるし。
それに今も危なかったらいけないからって、足の間にいろって言ってくれたし……」
『そりゃあ届け役が変わると困るからだ!他の人間なんざ信用できん!』
「私は信用してくれてるんだ!?ありがとうっ!ラディウスっ!」
『そう捉えとけ!』
嬉しくて笑顔で言うと、ラディウスは頭を上に持っていってしまった。
『ハーッハッハッハッ!!完全にペースにのまれているな、白よ!』
『うるせぇ!お前まで笑うな!とっとと要件を話せ!』
『あっ、そうであった。危うく忘れるところだった。
だが、人間がいるとなると話しづらいぞ……。
名案思いついた!我がいるブラウア大陸まで来い!白よ!』
『行けるか!お前と違って翼がねえからな!』
『あ……そうであったな。だが、我も動けぬ!どうにかして来いっ!』
『無茶言うなよ!?』
即答したラディウスに対してもブルードラゴンは「自分も動けない」の一点張り。
でもどうにかしないと、このまま時間だけが過ぎてしまう。
「じゃあ、私が耳を塞ぐ。そうしたら話せるよね?」
『……それが1番手っ取り早いな』
『だな。と、いうことで物好きとやら、しばらく耳を塞いでくれ!』
「わかりました!」
すぐに指で両耳を塞ぐ。音を拾ってしまわないように必死に力を込めた。
だけど、ラディウスたちの声は大きいのでところどころ聞こえてしまって……。
『始………危……』
『……危……か?』
『すぐ………………。た……集……』
『…………』
『と……え……、ま……日……』
ブルードラゴンの言葉を最後に、青いワイバーンは両翼を羽ばたかせて飛び去っていった。
私はおそるおそる耳から指を離して、ラディウスを見上げる。
てっきり文句でも言うかと思ったのに、黙って地面を見つめていた。
「そんなに大事な話だったの?」
『まぁな……』
ラディウスの声に元気がない。よほどショックな内容だったみたいだ。
『青がまた明日も遣い寄越すらしいから、来るなよ』
「え~っ!毎日楽しみにしてるのに!」
『とにかく明日は来るんじゃねぇ!来たら消し飛ばす!』
ラディウスは赤い目を細くしてギロリと睨みつけてきた。
明らかにただ事ではない、本気の目だ。
私は体を縮こませて頷いた。
「その次の日は来ていいよね?」
『好きにしろ……』
ラディウスは吐き出すように言うと、遠くを見つめる。
声をかけようにも、悲しんでいるように見えて躊躇した。
なんだか居づらくなって、私は山を降りてしまった。
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