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第 14話 勇者の資格
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ダンジョンを出た俺達はそれぞれ一度街に帰ることになった。
もちろん次の攻略の準備の為でもあるのだが、ダンジョンの前の広場に居られなかったがことが真相
予想していた通り異様な雰囲気になっている、複数の勇者パーティーやギルドがいるのは俺達が挑む前からだが、今は皆が殺気だっている。
俺達が一階層に放置してきた操られた勇者を発見した勇者パーティーがギルドに報告したのだろう、このダンジョンを立ち入り禁止にするかどうかで勇者やギルドの間で意見が分かれているようだ。
証を手に入れたいギルドがある一方、これ以上所属の勇者を減らしたく無いギルド、まだやれると主張する勇者の三つ巴の言い争いになっている。
俺達が扉から出てきたのを見とめた者が騒ぎ始めた為、俺達は早々にこの場を後にした。
街までの帰り道、所用があると言い蒼志が離脱する。
サラと2人きりになってしまった俺は気まずい雰囲気、ハイポーションは尽き、満身創痍なのに目的は達成できてない。
このまま街に戻ったところで次にダンジョンに挑む手立ても無いのだから
「なぁ、サラに依頼した貴族に会ってみないか」
サラは目を丸くして俺を見る。
「なんでアイツらなんかに会う必要があるのよ!」
それもそうだサラにしてみれば難癖に近い理由でシュタイナー夫人を困らせた相手、そんな相手に会いたい筈がない。
「サラ、君の気持ちもわかるが、こう考えられないか?」
「俺達は命をかけて証を手に入れようとしている、失敗すればサラの家族は追放、なのに成功しても何も無しでは割に合わない。」
「奴らにもそれ相応の対価を払ってもらおう」
いままでダンジョンに潜っていた高揚感のせいか、サラは薄笑いを浮かべサーベルを握りしめて「今から行くの?」そう俺に聞いてきた。
「サラ、俺達は喧嘩しに行くわけじゃない、あくまで交渉しに行くんだ」
「俺はサラの護衛というかたちでついて行くが、サラはそれなりの衣装に着替えて来てくれて」
酒場で待ち合わせる事を決め別れた数時間後、およそこの酒場には場違いな貴族の娘がそこに立っている。
シュタイナー夫人の服を仕立て直したドレスを着たサラはダンジョンに挑んでいるサラとは別人だ。
「なに。そんなにジロジロ見てるのよ。」
俺の視線に気づいたサラが気まずそうに俺に食ってかかる
「いや、変わるも・・・」
俺は服一つで変わるものだと言いかけて慌てて口をつぐんだ、これはサラに失礼すぎる。
「それで、この後どうするの?」
この場の雰囲気を察してサラは早く行こうと急かす。
「サラに依頼してきた役人に貴族との面会を頼んだところで自分たちの失態に繋がると取り次いではくれまい」
「ならば貴族の屋敷に直接行くまでの事」
屋敷の門の前で揉めるかと思われたが俺達はあっさり通された。
部屋の中で2人きりで待たされて、不安そうなサラを見て、俺は猛烈に反省している。
俺はこんな所でサラを巻き込んで何をやっている!
対価を払わせるなどと言っても、要は金をせびりにきただけ、これでは野盗や物盗りと変わらない、俺のやりたかった事はなんだったんだろう。
勇者になって単純にダンジョンを攻略していく、それだけで良かったのではなかったのか。
威厳を讃えたその男は突然部屋に入ってきた。
ルドルフ伯爵家の現当主、ガトス・ルドルフ。
ルドルフ伯爵家はこの国でも有数な財力を誇る貴族で、俺が酒場で集めた情報によると、その財力を活かして密かに侯爵の座を狙っており、証を手に入れるのもその一環らしい。
ガトスは何を言うのだろう、そう思っていた俺はガトスのいきなりの謝罪に面を食らった。
「今回の件、ルドルフ家として謝罪する」
「我が愚息がシュタイナー家の令嬢に無理なお願いをしたようだが、あれは弟を慕っておった、許せ。」
いささか謝罪にしては尊大な態度ではあるが、いきなりの謝罪の後の訳の分からない説明に俺は次の言葉を見つけられずにいた。
どうやら今回の件に当主は関係なく、慕っていた叔父さん、ガトスの弟がダンジョンで死んだのはシュタイナーのせいと逆恨みしたガトスの息子が画策したようだ。
「もちろん、愚息は窘めておいた、もうダンジョンに入る必要も無い、シュタイナーの令嬢には、いままでの危険に見合う賠償は払うつもりだが、他に要求が有れば言って欲しい」
サラは迷っていたが俺は遠慮なくダンジョン攻略の資金の提供を申し出る、くれると言うものは貰っておこう。
しかし、ガトスは目を閉じたまましばらく考え込んでいたが、突然目を開くと静かだが強い言葉で。
「君は、ルーク君と言ったか、私はもうダンジョンに挑む必要は無いと言っている、それでもダンジョンに挑み貴族から資金を受け取るという事の意味をルーク君はわかっているか」
資金を受け取ると言うことは契約を結ぶこと、俺だって元貴族、貴族との契約は商人のそれより重い、出来なかったでは済まず、下手をすれば死罪だってあり得るし、俺はいままでそう言う例を何度も見てきた。
俺はサラの為などと言って、サラを苦しめているだけなのか?
それでも俺はガトスに資金の提供を申し出た、いざとなったらサラ抜きでも俺はダンジョンに挑むつもりだ。
ここまでムキになる理由は俺にもわからないが何かに急かされるように俺の心はダンジョンに向かっていた。
ガトスが用意したその額に、俺達はもう引き返せないところに自分達がいることを改めて知らされていた。
もちろん次の攻略の準備の為でもあるのだが、ダンジョンの前の広場に居られなかったがことが真相
予想していた通り異様な雰囲気になっている、複数の勇者パーティーやギルドがいるのは俺達が挑む前からだが、今は皆が殺気だっている。
俺達が一階層に放置してきた操られた勇者を発見した勇者パーティーがギルドに報告したのだろう、このダンジョンを立ち入り禁止にするかどうかで勇者やギルドの間で意見が分かれているようだ。
証を手に入れたいギルドがある一方、これ以上所属の勇者を減らしたく無いギルド、まだやれると主張する勇者の三つ巴の言い争いになっている。
俺達が扉から出てきたのを見とめた者が騒ぎ始めた為、俺達は早々にこの場を後にした。
街までの帰り道、所用があると言い蒼志が離脱する。
サラと2人きりになってしまった俺は気まずい雰囲気、ハイポーションは尽き、満身創痍なのに目的は達成できてない。
このまま街に戻ったところで次にダンジョンに挑む手立ても無いのだから
「なぁ、サラに依頼した貴族に会ってみないか」
サラは目を丸くして俺を見る。
「なんでアイツらなんかに会う必要があるのよ!」
それもそうだサラにしてみれば難癖に近い理由でシュタイナー夫人を困らせた相手、そんな相手に会いたい筈がない。
「サラ、君の気持ちもわかるが、こう考えられないか?」
「俺達は命をかけて証を手に入れようとしている、失敗すればサラの家族は追放、なのに成功しても何も無しでは割に合わない。」
「奴らにもそれ相応の対価を払ってもらおう」
いままでダンジョンに潜っていた高揚感のせいか、サラは薄笑いを浮かべサーベルを握りしめて「今から行くの?」そう俺に聞いてきた。
「サラ、俺達は喧嘩しに行くわけじゃない、あくまで交渉しに行くんだ」
「俺はサラの護衛というかたちでついて行くが、サラはそれなりの衣装に着替えて来てくれて」
酒場で待ち合わせる事を決め別れた数時間後、およそこの酒場には場違いな貴族の娘がそこに立っている。
シュタイナー夫人の服を仕立て直したドレスを着たサラはダンジョンに挑んでいるサラとは別人だ。
「なに。そんなにジロジロ見てるのよ。」
俺の視線に気づいたサラが気まずそうに俺に食ってかかる
「いや、変わるも・・・」
俺は服一つで変わるものだと言いかけて慌てて口をつぐんだ、これはサラに失礼すぎる。
「それで、この後どうするの?」
この場の雰囲気を察してサラは早く行こうと急かす。
「サラに依頼してきた役人に貴族との面会を頼んだところで自分たちの失態に繋がると取り次いではくれまい」
「ならば貴族の屋敷に直接行くまでの事」
屋敷の門の前で揉めるかと思われたが俺達はあっさり通された。
部屋の中で2人きりで待たされて、不安そうなサラを見て、俺は猛烈に反省している。
俺はこんな所でサラを巻き込んで何をやっている!
対価を払わせるなどと言っても、要は金をせびりにきただけ、これでは野盗や物盗りと変わらない、俺のやりたかった事はなんだったんだろう。
勇者になって単純にダンジョンを攻略していく、それだけで良かったのではなかったのか。
威厳を讃えたその男は突然部屋に入ってきた。
ルドルフ伯爵家の現当主、ガトス・ルドルフ。
ルドルフ伯爵家はこの国でも有数な財力を誇る貴族で、俺が酒場で集めた情報によると、その財力を活かして密かに侯爵の座を狙っており、証を手に入れるのもその一環らしい。
ガトスは何を言うのだろう、そう思っていた俺はガトスのいきなりの謝罪に面を食らった。
「今回の件、ルドルフ家として謝罪する」
「我が愚息がシュタイナー家の令嬢に無理なお願いをしたようだが、あれは弟を慕っておった、許せ。」
いささか謝罪にしては尊大な態度ではあるが、いきなりの謝罪の後の訳の分からない説明に俺は次の言葉を見つけられずにいた。
どうやら今回の件に当主は関係なく、慕っていた叔父さん、ガトスの弟がダンジョンで死んだのはシュタイナーのせいと逆恨みしたガトスの息子が画策したようだ。
「もちろん、愚息は窘めておいた、もうダンジョンに入る必要も無い、シュタイナーの令嬢には、いままでの危険に見合う賠償は払うつもりだが、他に要求が有れば言って欲しい」
サラは迷っていたが俺は遠慮なくダンジョン攻略の資金の提供を申し出る、くれると言うものは貰っておこう。
しかし、ガトスは目を閉じたまましばらく考え込んでいたが、突然目を開くと静かだが強い言葉で。
「君は、ルーク君と言ったか、私はもうダンジョンに挑む必要は無いと言っている、それでもダンジョンに挑み貴族から資金を受け取るという事の意味をルーク君はわかっているか」
資金を受け取ると言うことは契約を結ぶこと、俺だって元貴族、貴族との契約は商人のそれより重い、出来なかったでは済まず、下手をすれば死罪だってあり得るし、俺はいままでそう言う例を何度も見てきた。
俺はサラの為などと言って、サラを苦しめているだけなのか?
それでも俺はガトスに資金の提供を申し出た、いざとなったらサラ抜きでも俺はダンジョンに挑むつもりだ。
ここまでムキになる理由は俺にもわからないが何かに急かされるように俺の心はダンジョンに向かっていた。
ガトスが用意したその額に、俺達はもう引き返せないところに自分達がいることを改めて知らされていた。
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