大好きなお兄様が記憶を失ったので、初めて会ったフリをして、一目惚れしたともうアタックしてみました。

霙アルカ。

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お兄様の婚約者。

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ロアンお兄様は、公爵家の長男でありその美しさは、きっと誰もが虜になると私は思う。

キラキラと太陽に輝く金色の髪は女性の私でも羨ましくなる程に綺麗で、碧眼の瞳にジッと見つめられれば、たちまち女性はホウッと声を漏らし、その美しい顔立ちに惚けてしまう。

女性に対し紳士的に振る舞うロアンお兄様は、正しく絵本に出てくる王子様のようで、きっと殆どの女性は虜になってしまうはずなのだ。

現に、ロアンお兄様には既に婚約者がいた。
親が決めた婚約者がいると言うのは、貴族社会では普通の事であるが、ロアンお兄様の場合は違うのだ。

この国の王女様が、ロアンお兄様に一目惚れし、国王から王女との婚約を言い渡されたのだと言う。

つまり、私には一切勝ち目が無いのだ。
それならば、妹としてロアンお兄様の側に入れたら、触れられたらそれでいいと思うのに、それ以上になりたいと私の浅はかな心は叫んでいる。

「よかったなぁ、レイラ。さぁ、お兄様が変な物が入ってないか確かめてやるからなぁ。」とロアンお兄様から貰ったプレゼントを回収しようとしてくる物だから、私はギュッと貰ったプレゼントを抱きしめる。

「その必要はありません!これは、私が頂いた物なのです。」

「いいや!いけません!ロアンにお前、今まで何を貰ったか忘れたのか?」

忘れてない、、忘れるわけがない。

可愛い箱を開けた瞬間飛び出てきた玩具も開けた瞬間パァン!と弾けるような音がする玩具に驚かされてきた事も、、勿論覚えている。

自分は直ぐに帰ってしまうので、私が驚く様を見れないのにも関わらず、ロアンお兄様は何故か私をびっくりさせるプレゼントを毎年渡してくるのだ。

私も私で毎年同じ様な玩具で驚かされているのに関わらず、ワクワクと胸を躍らせながら箱を開け、「キャァ!!」と大きな声を上げて驚いてあるのである。

そして自分一人驚いたのが恥ずかしく、お兄様の元に箱を持っていき、開けさせれば、お兄様も大きな声をあげ、毎年驚いているのだ。

驚くお兄様の姿を見て、兄弟なのだなぁとしみじみ思うのである。

「それでも、これは私が最初に見ないと意味がないんです!」

ギュウっと箱を力一杯抱きしめ、一目散にその場を離れた。

後ろから「こら!レイラ!」と兄の怒る声が聞こえるが、聞こえないフリをし、自分の部屋へと急いでかけて行く。

何が入っているか殆ど検討がついている。
それでも、私の胸はドキドキと高鳴っており、ロアンお兄様から貰ったプレゼントを早く開けたいと言う気持ちが止まらない。

部屋に入り、そっと扉を閉じた。
お兄様が入ってこられない様に、扉の前に机を置き開くのを封じてやった。

胸に抱いた箱をそっとベッドの上に置き、一度「スゥッ。」と大きく息を吸い、ゆっくりと息を吐いた後、赤いリボンを解いた。

シュルリと心地の良い音と共に、リボンが解けたので、次に箱の包装紙を包装紙が破れない様にそっと剥がしていく。

慎重に慎重にと神経を使いながら、やっとの思いで包装紙が剥がれれば、今度は見覚えのある赤い箱が出てきた。

私はこの箱を知っている、、、。

なんと言ってもロアンお兄様に出会ってからの10年間、毎年この箱に入っている玩具に驚かせてきたのである。

今年こそはびっくりしないぞ!との意気込みと共に、私は箱をゆっくりと開けた。

驚かない様に薄らと目を開け、箱を開けたのだが、、パァン!と弾ける音がするわけでもなければ、玩具が飛び出てくるわけでもない。

「??不発かしら?」

恐る恐るそっと赤い箱を覗くと、ヒュッと私の息が止まりかけた。
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