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絶望。
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「唯一、、友達になれたと思ってたのに、、。」
悔しさと悲しさで、唇を噛み締めレオンを睨めば、より嬉しそうに微笑むレオンが憎い。
冷めた瞳でエレナを見下ろしながら微笑むレオンがいたから、、エレナは味方のいない侯爵邸でもやってこれたのに、その気持ちは呆気なく裏切られたのだ。
優しくエレナを撫でる大きな手も、エレナは好きだった。なのに、全部嘘だった。。
「だってだって~、近づいて復讐したかったんだも~ん。大丈夫、赤ちゃん産んだらさ、幸せにしてあげるから、ねっ?」
ドレスを捲り上げ膝から太もも迄を執拗に触るレオンを更に睨めば、「俺、もっと肉付きがいい子の方が好きだなぁ~。赤ちゃん作る為にはもっと栄養取らないと駄目じゃん。」
痩せ細ったエレナの足を触りながら言うのだ。
その度にゾクゾクと鳥肌が立ち、気持ちが悪いと思うのに鼻歌を歌いながらエレナの体に触れるレオンは楽し気で、エレナは腹が立って腹が立って何も考えずに足蹴りしてやれば、エレナの足を触る為に少し体を浮かせていたレオンの急所にエレナの足がヒットしたのである。
「、、ッ!!!」
エレナには到底理解できぬ痛みを味わったのだろう、声にならぬ声を上げ、レオンはその場にかがみ込み、「ううっうつ、、。」と呻き声をあげている。
そんな痛がるレオンを尻目に、エレナは急ぎ扉へとかけていくのだ。
「エレ!!ナッ!」
途中、傷みにもがきながらもエレナを呼ぶ声が耳に届いたが、エレナは声を無視し勢いよく扉を開け外にでて、外から鍵をかけて侯爵邸の広い廊下を駆け出すエレナの頭の中には、ただ一人の人物が浮かんでいる。
会いたくて会いたくて堪らない程に愛しい人を求め、エレナはグチャグチャになった髪も乱れたドレスも気にする事なく、その人を探すのだ。
頭の中が、、心がアランに会いたいってアランに抱きしめて欲しいって叫んでる。
優しい声で「もう、大丈夫だよ。」そう言って、安心させて欲しい。
「あぁ、、アラン。何処にいるのアラン。早く助けて、早く抱きしめて、、貴方に会いたい。」
既に涙でグチャグチャになった顔を余計に涙でグチャグチャにしたエレナの顔はきっと見るに耐えないだろう。
出来るなら、エレナとて飛び切りオシャレした自分でアランに会いたいが、きっとアランならこんな自分でも可愛いって愛してるって言ってくれる気がするのだ。
部屋を裸足で飛び出したエレナの足に何か刺さったのか、鈍い傷みが襲うが、もうそんなのだってどうでもいい。
そんな事より、早くアランに会いたい。
「アラン!!どこ!アラン!」
使用人達の目も気にせず、広い侯爵邸で叫びながらひたすら走るエレナを追いかけてくる足音がある。
「待って、待ってよ!エレナちゃん!」
痛がっていた急所の痛みが治ったのか、いつの間にかエレナを追いかけてきたレオンは相変わらず楽しそうで、次に捕まって仕舞えばもう逃げられない気すらする恐怖から、エレナは「ヒッ、、グッ、。」と嗚咽が込み上げてくる。
体力には自信があるエレナだったが、思考がままならず嫁いでから部屋にほぼ引き篭もりだったせいで数分も走れば「ハァッハァ。」と息を切らし出しており、追いつかれるのも時間の問題かと思われた時、一室から聞こえてくる声に気づいたのだ。
そこは客人が来た時、友人や家族に寝泊まりしてもらう為に用意してある部屋であり、いわば客間だ。
その中から、エレナに聞き覚えのある声が聞こえてきたのだ。
アランに客人が来ることなど聞かされていない。
最近エレナの元によく訪れる様になったが、エレナを怖いくらいに愛でるだけ愛で、帰っていくのである。
だから、何も聞かされてなどいないのに、部屋の中からは確かに声がするので、いけない事だと分かりながらも、そっと客間の扉をほんの少しだけ開けたエレナは思わず息をのんだ。
「ねぇ、、、アラン??エレナとはいつになったら別れてくれるの?」
猫撫で声で話した後、ベッタリとアランに抱きつくローゼの姿が目に入ったのだ。
アランにこれでもか!と言う程、自身の胸をくっつけ、ギュッと抱きつく少女は今日も可愛い。
自分の見せ方を分かっているのだろう。
鮮やかなドレスを着た少女は華やかで、それでいて露出は少なく、小柄な体に対し、少し大きめな胸はきっと全ての男を虜にするだろうと思った。
でも、それを見たエレナは絶句し
「あっ、、や、、や、め、。」
声にならない声を、静かな廊下にぽつりと溢した。
悔しさと悲しさで、唇を噛み締めレオンを睨めば、より嬉しそうに微笑むレオンが憎い。
冷めた瞳でエレナを見下ろしながら微笑むレオンがいたから、、エレナは味方のいない侯爵邸でもやってこれたのに、その気持ちは呆気なく裏切られたのだ。
優しくエレナを撫でる大きな手も、エレナは好きだった。なのに、全部嘘だった。。
「だってだって~、近づいて復讐したかったんだも~ん。大丈夫、赤ちゃん産んだらさ、幸せにしてあげるから、ねっ?」
ドレスを捲り上げ膝から太もも迄を執拗に触るレオンを更に睨めば、「俺、もっと肉付きがいい子の方が好きだなぁ~。赤ちゃん作る為にはもっと栄養取らないと駄目じゃん。」
痩せ細ったエレナの足を触りながら言うのだ。
その度にゾクゾクと鳥肌が立ち、気持ちが悪いと思うのに鼻歌を歌いながらエレナの体に触れるレオンは楽し気で、エレナは腹が立って腹が立って何も考えずに足蹴りしてやれば、エレナの足を触る為に少し体を浮かせていたレオンの急所にエレナの足がヒットしたのである。
「、、ッ!!!」
エレナには到底理解できぬ痛みを味わったのだろう、声にならぬ声を上げ、レオンはその場にかがみ込み、「ううっうつ、、。」と呻き声をあげている。
そんな痛がるレオンを尻目に、エレナは急ぎ扉へとかけていくのだ。
「エレ!!ナッ!」
途中、傷みにもがきながらもエレナを呼ぶ声が耳に届いたが、エレナは声を無視し勢いよく扉を開け外にでて、外から鍵をかけて侯爵邸の広い廊下を駆け出すエレナの頭の中には、ただ一人の人物が浮かんでいる。
会いたくて会いたくて堪らない程に愛しい人を求め、エレナはグチャグチャになった髪も乱れたドレスも気にする事なく、その人を探すのだ。
頭の中が、、心がアランに会いたいってアランに抱きしめて欲しいって叫んでる。
優しい声で「もう、大丈夫だよ。」そう言って、安心させて欲しい。
「あぁ、、アラン。何処にいるのアラン。早く助けて、早く抱きしめて、、貴方に会いたい。」
既に涙でグチャグチャになった顔を余計に涙でグチャグチャにしたエレナの顔はきっと見るに耐えないだろう。
出来るなら、エレナとて飛び切りオシャレした自分でアランに会いたいが、きっとアランならこんな自分でも可愛いって愛してるって言ってくれる気がするのだ。
部屋を裸足で飛び出したエレナの足に何か刺さったのか、鈍い傷みが襲うが、もうそんなのだってどうでもいい。
そんな事より、早くアランに会いたい。
「アラン!!どこ!アラン!」
使用人達の目も気にせず、広い侯爵邸で叫びながらひたすら走るエレナを追いかけてくる足音がある。
「待って、待ってよ!エレナちゃん!」
痛がっていた急所の痛みが治ったのか、いつの間にかエレナを追いかけてきたレオンは相変わらず楽しそうで、次に捕まって仕舞えばもう逃げられない気すらする恐怖から、エレナは「ヒッ、、グッ、。」と嗚咽が込み上げてくる。
体力には自信があるエレナだったが、思考がままならず嫁いでから部屋にほぼ引き篭もりだったせいで数分も走れば「ハァッハァ。」と息を切らし出しており、追いつかれるのも時間の問題かと思われた時、一室から聞こえてくる声に気づいたのだ。
そこは客人が来た時、友人や家族に寝泊まりしてもらう為に用意してある部屋であり、いわば客間だ。
その中から、エレナに聞き覚えのある声が聞こえてきたのだ。
アランに客人が来ることなど聞かされていない。
最近エレナの元によく訪れる様になったが、エレナを怖いくらいに愛でるだけ愛で、帰っていくのである。
だから、何も聞かされてなどいないのに、部屋の中からは確かに声がするので、いけない事だと分かりながらも、そっと客間の扉をほんの少しだけ開けたエレナは思わず息をのんだ。
「ねぇ、、、アラン??エレナとはいつになったら別れてくれるの?」
猫撫で声で話した後、ベッタリとアランに抱きつくローゼの姿が目に入ったのだ。
アランにこれでもか!と言う程、自身の胸をくっつけ、ギュッと抱きつく少女は今日も可愛い。
自分の見せ方を分かっているのだろう。
鮮やかなドレスを着た少女は華やかで、それでいて露出は少なく、小柄な体に対し、少し大きめな胸はきっと全ての男を虜にするだろうと思った。
でも、それを見たエレナは絶句し
「あっ、、や、、や、め、。」
声にならない声を、静かな廊下にぽつりと溢した。
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