11 / 14
第11話 葛葉ちゃんと七夕
しおりを挟む
「葛葉ちゃん、今日はなんの日か知ってるかな?」
「なるせお姉ちゃんのおしごとがおやすみのひ!」
「確かにそうなんだけど、残念。今日は七夕の日だよ」
今日は七月七日、七夕の日。
ここ数年の七夕はいつも雨が降っていたけど、今日は驚くほどの快晴だ。
夜になったら、きれいな星空が見えることだろう。
「たなばたってどんな日なの?」
好奇心たっぷりな様子で聞いてきた葛葉ちゃんに、七夕について説明する。
「織姫さんと彦星さんって人たちが、一年に一回だけ会える日があってね、それが今日。七夕なんだよ」
「おりひめさんとひこぼしさんって、いつもは会えないの?」
「うん、いつもは別々の場所にいるんだよ。だけど、七月七日だけ天の川を渡って会うことができるんだ」
「じゃあ、きょうはおりひめさんとひこぼしさんがうれしい! ってなる日だね!」
「そうだよ。だから今日はめでたい日なの」
「なるほど! 葛葉、たなばたについてわかった!」
得意げに胸を張る葛葉ちゃんを見て、私は微笑む。
葛葉ちゃんが言ったように、今日はめでたい日だ。
だから、夜ご飯はちょっと豪華なものにしようと思う。
葛葉ちゃんなら絶対に喜んでくれるだろうから、夜になるのが楽しみだよ。
……まあ、夜ご飯の話はいったん置いといて。
先に笹の用意をするとしますか。
「よいしょ……っと。ふえ~、ちっちゃいサイズのを買ったのに重すぎ!」
笹の設置が完了したところで、私は短冊を用意する。
もちろん葛葉ちゃんの分も。
「なるせお姉ちゃん、これなぁに?」
「これは短冊だよ。これにお願いを書いて笹にぶら下げるの」
「葛葉もやっていい?」
「もちろんだよ。短冊の色は青とピンクどっちがいい?」
「うーん……葛葉、ピンクがいい!」
「はい、それじゃあ好きなお願いを書いてね」
短冊とペンを渡すと、葛葉ちゃんはすぐに描き始めた。
よっぽどお願いしたいことがあったのかな?
「さて、私のほうは……これ以外ありえないよね」
私も短冊にお願いを書いていく。
「よし、書けた!」
「葛葉もかけたよ!」
「それじゃあ、お互いに見せあいっこする?」
「する!」
というわけで、お互いの短冊を交換する。
私の手元には葛葉ちゃんの短冊が、葛葉ちゃんのほうには私の短冊が渡る。
「せーので読もうね」
「うん、わかった!」
「「せーの!」」
掛け声と同時に、短冊を裏返す。
そこには、つたない文字で『なるせおねえちゃんがげんきでいられますよおに』と書かれていた。
ああ、嬉しすぎて涙が出そうだよぉ。
自分の幸せより他人の幸せを願うとか、葛葉ちゃんはなんていい子なの……!
「ありがとね、葛葉ちゃん。おかげですっごく元気になったよ」
「ほんと!? やったぁ~! なるせお姉ちゃんのほうこそ、ありがと!」
私の短冊は、『葛葉ちゃんが健やかに育ちますように』って書いてある。
本人に見られるのは少し恥ずかしいけど、喜んでもらえたのでよかったよ。
「健やかに育つんだよ、葛葉ちゃん」
「ん、葛葉すこやかになる!」
葛葉ちゃんは両手をぐっと握って意気込む。
やー、その仕草もてぇてぇわね。
そんなこんなで時間は進み、あっという間に夜ご飯の時間がやって来た。
私は食卓の上にお皿を並べていく。
「いつもよりお皿がたくさんだね、なるせお姉ちゃん」
「まあね。お皿がたくさんある理由は、料理を見ればわかるよ」
「葛葉、はやくみたいな~」
「もうちょっとだから待ってね」
葛葉ちゃんには「料理はできてからのお楽しみだよ」と伝えている。
待ちきれないといった感じでうずうずしているのは、それが理由だ。
見ていて微笑ましいな。
そんなことを考えながら、私は料理をセッティングしていく。
「よし、できた!」
「葛葉、もうみていい?」
「いいよ」
私がそう言うと、葛葉ちゃんは椅子の上によじ登って食卓を眺める。
大きな器に盛られた酢飯に何枚も重ねられた海苔、大皿に乗った多種多様な食材や刺身の盛り合わせなどなど。
それを見た葛葉ちゃんは、大きく目を見開いた。
「すご~い!」
「豪華でしょ?」
「うん、ごーか!」
「これはね、手巻き寿司って言うんだよ。海苔の上にご飯を乗せて、好きな具を包んで食べるの」
「はえ~」
ちょっと呆けた感じの返事をした葛葉ちゃん。
言葉で説明されただけじゃ、いまいちピンとこないみたいだね。
葛葉ちゃんは手巻き寿司食べるの初めてだろうから、当然っちゃ当然か。
「お手本見る?」
「みる~!」
「じゃあ、やっていくね」
私は海苔を一枚とると、その上に酢飯を乗っけて伸ばしていく。
「この時にご飯を乗せすぎないのが大事だよ」
「なんで? お米がいっぱいだとおいしいよ?」
「確かにおいしいけどね。ご飯を乗せすぎると、具材を包むときに入りきらなくなっちゃうんだよ」
「なるほど~」
葛葉ちゃんが納得してくれたところで、私はご飯の上に具材を乗せていく。
今回は……サーモンときゅうりに決めた!
「最後にこうやって、くるくるくる~って巻くんだよ」
「おててでくるくるするから手巻き寿司って言うんだね」
「そうだよ。葛葉ちゃん賢いね~」
「えへへ、でしょでしょ~」
私が頭をナデナデしてあげると、葛葉ちゃんは嬉しそうに笑う。
てぇてぇからずっと撫でていたいところだけど、葛葉ちゃんがお腹を空かせているからね。
今回は自重する。
「手巻き寿司についてわかったところで、いただきますしよっか」
「する~!」
というわけで、いただきますの挨拶をすると、葛葉ちゃんはワクワクした様子で手巻き寿司を作り始めた。
私が見せたのと同じように、海苔の上に酢飯を広げていく。
「うんうん、上手上手」
「なにを入れようかな~」
葛葉ちゃんは「どれもおいしそうで決めがたいな~」といった感じで悩む。
熟考の末に葛葉ちゃんが選んだのは、奮発して買ってきた国産養殖マグロだった。
「これをこうして~……くるくるくる……っと! できたぁ!」
初めての手巻き寿司に、葛葉ちゃんは大興奮といったご様子。
自分で作った手巻き寿司をいろんな方向から眺めては、感嘆の声を上げる。
「すごいね、葛葉ちゃん。とっても上手にできてるよ」
「えっへん!」
褒めてあげると、葛葉ちゃんはドヤ顔で胸を張った。
うん、てぇてぇ。
葛葉ちゃんはもうしばらく手巻き寿司を眺めたところで、満足したのかようやく食べ始める。
「あーむ」
口いっぱいに手巻き寿司を詰め込んだ葛葉ちゃんは、目を細めながら幸せそうにもぐもぐする。
ごっくんと呑み込んだところで、キラキラと目を輝かせた。
「なるせお姉ちゃん、これすっごくおいしいよ!」
「でしょ~。具材はまだまだたくさんあるから、他の組み合わせもいろいろ試してみるといいよ」
「うん! 葛葉、おいしいのもっといっぱいつくる~」
葛葉ちゃんが手巻き寿司づくりを再開したところで、私は先ほどのお手本で作った手巻き寿司を口に運ぶ。
う~ん、おいし~!
サーモンは脂が乗ってて酢飯と相性抜群だし、きゅうりのシャキシャキ感がいいアクセントになってるわ。
「なるせお姉ちゃん、この赤いつぶつぶはなに?」
「これはイクラだよ。おいしいでしょ?」
「うん! すっぱくておいし~!」
葛葉ちゃんとの会話を楽しんだり、作った手巻き寿司を交換しあったり、私たちは楽しいひと時を過ごすことができた。
「葛葉ちゃん、満足できた?」
「ん。葛葉、もうおなかいっぱい」
たくさん食べた葛葉ちゃんは、お腹をさすりながらソファーにもたれかかる。
この感じだと今日は早く寝ちゃいそうだね。
「葛葉ちゃん、こっちにおいで」
「なーにー?」
ベランダのドアを開けながら呼びかけると、葛葉ちゃんはのんびりやってきた。
「ほら、空を見てごらん」
「お空……?」
空を見上げた葛葉ちゃんが息をのむ。
「うわぁ……! きれい……!」
そこには、満天の星空が広がっていた。
雲一つない空に、無数の星が輝いている。
ここ数年で一番の夜空を眺めながら、私はふと考える。
そういえば……ちょっと前までは、きれいな景色とか見ても何も感じなかったな。
心に余裕がなかったから……感動すらできないくらいに疲れきっていたからだろうね。
それがこうして美しいと思えるようになったのは、葛葉ちゃんのおかげだ。
「ありがと、葛葉ちゃん」
「なるせお姉ちゃん、なにか言った~?」
「星空がきれいだね~って」
「だね~!」
本当に、美しい景色だ。
葛葉ちゃんと一緒にこの景色を見ることができてよかった、本当に。
「ねーねー、なるせお姉ちゃん。おりひめさんとひこぼしさんは会えたかな?」
「会えてるよ、きっとね」
「葛葉、なるせお姉ちゃんとはなればなれになっちゃうのやだから、おりひめさんとひこぼしさんが会えなかったらかなしい」
「そうだね。私もそう思うよ」
大事な人がそばにいてくれるだけで、人生はすごく楽しくなる。
私は葛葉ちゃんのおかげでそう気づけたから。
織姫さんと彦星さんが再会できたらいいなと、夜空を眺めながら思うのだった。
「なるせお姉ちゃんのおしごとがおやすみのひ!」
「確かにそうなんだけど、残念。今日は七夕の日だよ」
今日は七月七日、七夕の日。
ここ数年の七夕はいつも雨が降っていたけど、今日は驚くほどの快晴だ。
夜になったら、きれいな星空が見えることだろう。
「たなばたってどんな日なの?」
好奇心たっぷりな様子で聞いてきた葛葉ちゃんに、七夕について説明する。
「織姫さんと彦星さんって人たちが、一年に一回だけ会える日があってね、それが今日。七夕なんだよ」
「おりひめさんとひこぼしさんって、いつもは会えないの?」
「うん、いつもは別々の場所にいるんだよ。だけど、七月七日だけ天の川を渡って会うことができるんだ」
「じゃあ、きょうはおりひめさんとひこぼしさんがうれしい! ってなる日だね!」
「そうだよ。だから今日はめでたい日なの」
「なるほど! 葛葉、たなばたについてわかった!」
得意げに胸を張る葛葉ちゃんを見て、私は微笑む。
葛葉ちゃんが言ったように、今日はめでたい日だ。
だから、夜ご飯はちょっと豪華なものにしようと思う。
葛葉ちゃんなら絶対に喜んでくれるだろうから、夜になるのが楽しみだよ。
……まあ、夜ご飯の話はいったん置いといて。
先に笹の用意をするとしますか。
「よいしょ……っと。ふえ~、ちっちゃいサイズのを買ったのに重すぎ!」
笹の設置が完了したところで、私は短冊を用意する。
もちろん葛葉ちゃんの分も。
「なるせお姉ちゃん、これなぁに?」
「これは短冊だよ。これにお願いを書いて笹にぶら下げるの」
「葛葉もやっていい?」
「もちろんだよ。短冊の色は青とピンクどっちがいい?」
「うーん……葛葉、ピンクがいい!」
「はい、それじゃあ好きなお願いを書いてね」
短冊とペンを渡すと、葛葉ちゃんはすぐに描き始めた。
よっぽどお願いしたいことがあったのかな?
「さて、私のほうは……これ以外ありえないよね」
私も短冊にお願いを書いていく。
「よし、書けた!」
「葛葉もかけたよ!」
「それじゃあ、お互いに見せあいっこする?」
「する!」
というわけで、お互いの短冊を交換する。
私の手元には葛葉ちゃんの短冊が、葛葉ちゃんのほうには私の短冊が渡る。
「せーので読もうね」
「うん、わかった!」
「「せーの!」」
掛け声と同時に、短冊を裏返す。
そこには、つたない文字で『なるせおねえちゃんがげんきでいられますよおに』と書かれていた。
ああ、嬉しすぎて涙が出そうだよぉ。
自分の幸せより他人の幸せを願うとか、葛葉ちゃんはなんていい子なの……!
「ありがとね、葛葉ちゃん。おかげですっごく元気になったよ」
「ほんと!? やったぁ~! なるせお姉ちゃんのほうこそ、ありがと!」
私の短冊は、『葛葉ちゃんが健やかに育ちますように』って書いてある。
本人に見られるのは少し恥ずかしいけど、喜んでもらえたのでよかったよ。
「健やかに育つんだよ、葛葉ちゃん」
「ん、葛葉すこやかになる!」
葛葉ちゃんは両手をぐっと握って意気込む。
やー、その仕草もてぇてぇわね。
そんなこんなで時間は進み、あっという間に夜ご飯の時間がやって来た。
私は食卓の上にお皿を並べていく。
「いつもよりお皿がたくさんだね、なるせお姉ちゃん」
「まあね。お皿がたくさんある理由は、料理を見ればわかるよ」
「葛葉、はやくみたいな~」
「もうちょっとだから待ってね」
葛葉ちゃんには「料理はできてからのお楽しみだよ」と伝えている。
待ちきれないといった感じでうずうずしているのは、それが理由だ。
見ていて微笑ましいな。
そんなことを考えながら、私は料理をセッティングしていく。
「よし、できた!」
「葛葉、もうみていい?」
「いいよ」
私がそう言うと、葛葉ちゃんは椅子の上によじ登って食卓を眺める。
大きな器に盛られた酢飯に何枚も重ねられた海苔、大皿に乗った多種多様な食材や刺身の盛り合わせなどなど。
それを見た葛葉ちゃんは、大きく目を見開いた。
「すご~い!」
「豪華でしょ?」
「うん、ごーか!」
「これはね、手巻き寿司って言うんだよ。海苔の上にご飯を乗せて、好きな具を包んで食べるの」
「はえ~」
ちょっと呆けた感じの返事をした葛葉ちゃん。
言葉で説明されただけじゃ、いまいちピンとこないみたいだね。
葛葉ちゃんは手巻き寿司食べるの初めてだろうから、当然っちゃ当然か。
「お手本見る?」
「みる~!」
「じゃあ、やっていくね」
私は海苔を一枚とると、その上に酢飯を乗っけて伸ばしていく。
「この時にご飯を乗せすぎないのが大事だよ」
「なんで? お米がいっぱいだとおいしいよ?」
「確かにおいしいけどね。ご飯を乗せすぎると、具材を包むときに入りきらなくなっちゃうんだよ」
「なるほど~」
葛葉ちゃんが納得してくれたところで、私はご飯の上に具材を乗せていく。
今回は……サーモンときゅうりに決めた!
「最後にこうやって、くるくるくる~って巻くんだよ」
「おててでくるくるするから手巻き寿司って言うんだね」
「そうだよ。葛葉ちゃん賢いね~」
「えへへ、でしょでしょ~」
私が頭をナデナデしてあげると、葛葉ちゃんは嬉しそうに笑う。
てぇてぇからずっと撫でていたいところだけど、葛葉ちゃんがお腹を空かせているからね。
今回は自重する。
「手巻き寿司についてわかったところで、いただきますしよっか」
「する~!」
というわけで、いただきますの挨拶をすると、葛葉ちゃんはワクワクした様子で手巻き寿司を作り始めた。
私が見せたのと同じように、海苔の上に酢飯を広げていく。
「うんうん、上手上手」
「なにを入れようかな~」
葛葉ちゃんは「どれもおいしそうで決めがたいな~」といった感じで悩む。
熟考の末に葛葉ちゃんが選んだのは、奮発して買ってきた国産養殖マグロだった。
「これをこうして~……くるくるくる……っと! できたぁ!」
初めての手巻き寿司に、葛葉ちゃんは大興奮といったご様子。
自分で作った手巻き寿司をいろんな方向から眺めては、感嘆の声を上げる。
「すごいね、葛葉ちゃん。とっても上手にできてるよ」
「えっへん!」
褒めてあげると、葛葉ちゃんはドヤ顔で胸を張った。
うん、てぇてぇ。
葛葉ちゃんはもうしばらく手巻き寿司を眺めたところで、満足したのかようやく食べ始める。
「あーむ」
口いっぱいに手巻き寿司を詰め込んだ葛葉ちゃんは、目を細めながら幸せそうにもぐもぐする。
ごっくんと呑み込んだところで、キラキラと目を輝かせた。
「なるせお姉ちゃん、これすっごくおいしいよ!」
「でしょ~。具材はまだまだたくさんあるから、他の組み合わせもいろいろ試してみるといいよ」
「うん! 葛葉、おいしいのもっといっぱいつくる~」
葛葉ちゃんが手巻き寿司づくりを再開したところで、私は先ほどのお手本で作った手巻き寿司を口に運ぶ。
う~ん、おいし~!
サーモンは脂が乗ってて酢飯と相性抜群だし、きゅうりのシャキシャキ感がいいアクセントになってるわ。
「なるせお姉ちゃん、この赤いつぶつぶはなに?」
「これはイクラだよ。おいしいでしょ?」
「うん! すっぱくておいし~!」
葛葉ちゃんとの会話を楽しんだり、作った手巻き寿司を交換しあったり、私たちは楽しいひと時を過ごすことができた。
「葛葉ちゃん、満足できた?」
「ん。葛葉、もうおなかいっぱい」
たくさん食べた葛葉ちゃんは、お腹をさすりながらソファーにもたれかかる。
この感じだと今日は早く寝ちゃいそうだね。
「葛葉ちゃん、こっちにおいで」
「なーにー?」
ベランダのドアを開けながら呼びかけると、葛葉ちゃんはのんびりやってきた。
「ほら、空を見てごらん」
「お空……?」
空を見上げた葛葉ちゃんが息をのむ。
「うわぁ……! きれい……!」
そこには、満天の星空が広がっていた。
雲一つない空に、無数の星が輝いている。
ここ数年で一番の夜空を眺めながら、私はふと考える。
そういえば……ちょっと前までは、きれいな景色とか見ても何も感じなかったな。
心に余裕がなかったから……感動すらできないくらいに疲れきっていたからだろうね。
それがこうして美しいと思えるようになったのは、葛葉ちゃんのおかげだ。
「ありがと、葛葉ちゃん」
「なるせお姉ちゃん、なにか言った~?」
「星空がきれいだね~って」
「だね~!」
本当に、美しい景色だ。
葛葉ちゃんと一緒にこの景色を見ることができてよかった、本当に。
「ねーねー、なるせお姉ちゃん。おりひめさんとひこぼしさんは会えたかな?」
「会えてるよ、きっとね」
「葛葉、なるせお姉ちゃんとはなればなれになっちゃうのやだから、おりひめさんとひこぼしさんが会えなかったらかなしい」
「そうだね。私もそう思うよ」
大事な人がそばにいてくれるだけで、人生はすごく楽しくなる。
私は葛葉ちゃんのおかげでそう気づけたから。
織姫さんと彦星さんが再会できたらいいなと、夜空を眺めながら思うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる