23 / 30
23 婚約破棄
しおりを挟む
ルアージュは陛下に私室に呼ばれていた。
何やら重苦しい空気だ。
父が何か重大なことを自分に伝えようとしているとルアージュは肌で感じた。
「ルアージュ」
陛下が重い口を開いた。
「今から言うことは私の独断だ。許してほしい」
「父上……?」
一国の王がはじめから謝罪をするなど、一体どういうことなのだ。
「お前とシャロンの婚約を白紙に戻す」
「え──」
とっさに理解できないルアージュに、重ねて陛下は言った。
「お前たちの気持ちを引き裂くようなひどいことだと重々承知している。だがこれは、お前たちを守るために必要な決断なのだ」
「絶対に嫌です、父上!!!」
ルアージュは頑として拒否した。
「僕はシャロンを愛しています!絶対に別れたくありません!!」
ルアージュは父に噛み付くようなすごい剣幕だ。
そんなルアージュを諭すように陛下は言った。
「レッドグレイブという男は自分の思い通りにならないことを絶対に許さないタチだ。お前とシャロンの間に割って入ることができない娘のために、次は何をしでかすかわかったものではない。
だから一旦婚約を白紙に戻し、あやつの攻撃の手を止めるのだ」
「しかし、父上」
「また命を狙われてお前がいなくなったらこの王国はどうなると思う?
お前に兄弟はいない。ということはあやつの息子が王太子として即位するのだぞ?」
「え、ルイが?」
ルアージュはレッドグレイブ公の息子と面識があった。
「そうだ。レッドグレイブ公の真の狙いはおそらく、三代前のように家門から王を輩出することだ。
そうなれば、王家はあやつに乗っ取られてしまう。
世継ぎのお前を守るのは当然だとしても、危険にさらされるのはシャロンも同様なのだ」
「シャロンが?どうして?」
ルアージュはまだ陛下の意図をよく理解できていない。
「お前の暗殺未遂。ケビンの崩落事故。そして次に狙われるのは?──おそらくシャロンだ」
「どうして!?シャロンは関係ないはず──」
「お前の婚約者だ。次期国王であるお前の。シャロンは未来の王妃という重要な立場にあるのだ」
未来の王妃。
令嬢なら誰もが憧れる立場。
そして、権力を求める貴族たちにとっても、手に入れたい力のひとつだ。
「レッドグレイブ公が背後にいる可能性が濃厚なら、なおさらだ。あやつはソフィアを溺愛している。シャロンを目の敵にしているだろう。
私も甘かった。あやつらは思った以上に悪辣だった。
そんなやつらから守るには、今はシャロンを婚約者という立場から外すのが得策なのだ」
「そんな──」
ルアージュは頭では理解できても、心では受け入れられなかった。
「しかし、父上。もし全てが解決したら、また僕とシャロンは元に戻れるのでしょう?」
だが、陛下は押し黙っている。
「父上!」
「──約束はできない。すまぬ」
「──!!!」
ルアージュは城を飛び出していた。
「ルアージュ様お待ちを!どこへ!?」
護衛をまき、馬に飛び乗り、シャロンの元へとひたすら走った。
シャロンは私室で手紙を読んでいた。
一足早く、陛下から手紙を受け取っていたのだ。
そこに書かれた王都中に巡らされたレッドグレイブ公の陰謀とルアージュの命の危機。
陛下の苦渋の決断。
最後は陛下の深い謝罪と共に手紙は締めくくられていた。
「そうか……そうすればルアージュ様のためになるんだな。そうか。なら、仕方ないか……」
シャロンは一筋の涙を流したあと、全てを飲み込んだ。
「シャロン!」
ノックもせず、ルアージュが部屋に飛び込んできた。
「シャロン、僕と外国に逃げよう。そこでふたりで暮らすんだ」
息荒く、汗をかいているルアージュ。
きっと婚約破棄となった自分のために、駆けつけてくれたのだろう。
「お断りします」
間髪入れず、シャロンが断った。
「なぜ!?君も僕のことを」
「私の気の迷いでした。何ぶん、恋愛に疎いもので。
契約があったからルアージュ様と仕方なくご一緒したのです。
契約が破棄された今、私にはあなたと一緒にいる意味がありません」
シャロンは気持ちとは真逆のセリフを本心を悟られないよう流暢に繰り出した。
本当はルアージュ様のこと、大切に思っているのに。
シャロンの手はルアージュに嘘を言わねばならない悲しみで小刻みに震えていたが、手を握り締めぐっとこらえていた。
「本当のことを言ってくれ!父上に何か言われたのだろう!?それで仕方なく」
「いいえっ!!」
ルアージュの言葉をシャロンは真っ向から否定した。
「しつこい人は嫌いです!あなたのことはもう何とも思っていませんし、むしろ重い責任から解放され、せいせいしております!お帰りください!!」
シャロンはルアージュを無理やり部屋から追い出し、鍵を閉めた。
「嘘だろ!?僕は信じない!シャロン、開けてくれ、シャロン!!」
ルアージュがシャロンの名を呼びながら何度も扉を叩いたが、シャロンは決してその扉を開けなかった。
本当は一緒に逃げようと言ってくれて嬉しかった。
でも、今ここで王太子が去ってしまえば、この王国は終わってしまう。
レッドグレイブ公の息子がルアージュの代わりに王位を継ぎ、ますます毒のように権力の根を張りめぐらせるだろう。
「シャロン!!!」
最後に悲鳴に近い叫びのあと、とうとうルアージュは無理やり護衛たちに連れ帰られていった。
シャロンは辛さでズクズクとこれまでにないほど痛む胸を押さえた。
「心臓が痛い……痛いよ……」
溢れそうになる涙を必死で堪えているシャロンは、自分の想いよりも、ルアージュの国王としての未来を選んだ。
数日後、シャロンを心配して、カリンが屋敷に来てくれていた。
ルアージュとシャロンの婚約破棄の話は王国中で噂になっていた。
「シャロン、大丈夫?夜、眠れてる?」
「ん……あまり」
やっぱり。
覇気のないシャロンを見て、カリンは不憫になる。
「でも大丈夫だ。じきによくなるだろう」
「よくなるって何が?」
シャロンは指折りしながら、
「ルアージュ様に手を繋がれた時、心臓がうるさかったり、
ルアージュ様に誕生日プレゼントに地図を買ってもらったとき、嬉しいのに心臓がぎゅっとなって苦しかったり、
ルアージュ様が私の唇に──」
はた、とシャロンは口をつぐんだ。
「だから、もうじき治る。別れたんだから」
カリンはシャロンの無垢な言葉に目に涙をため、思わずシャロンを抱きしめた。
「シャロン……それは、恋っていうのよ」
「こい?こいって、男子と女子がひかれあうという、あれか?まさか」
「まさかじゃないの。あなたはルアージュ様に恋をしていたのよ──」
恋を知らなかった少女がはじめて恋に気づいた時、もう愛しい人はそばにはいなかった。
何やら重苦しい空気だ。
父が何か重大なことを自分に伝えようとしているとルアージュは肌で感じた。
「ルアージュ」
陛下が重い口を開いた。
「今から言うことは私の独断だ。許してほしい」
「父上……?」
一国の王がはじめから謝罪をするなど、一体どういうことなのだ。
「お前とシャロンの婚約を白紙に戻す」
「え──」
とっさに理解できないルアージュに、重ねて陛下は言った。
「お前たちの気持ちを引き裂くようなひどいことだと重々承知している。だがこれは、お前たちを守るために必要な決断なのだ」
「絶対に嫌です、父上!!!」
ルアージュは頑として拒否した。
「僕はシャロンを愛しています!絶対に別れたくありません!!」
ルアージュは父に噛み付くようなすごい剣幕だ。
そんなルアージュを諭すように陛下は言った。
「レッドグレイブという男は自分の思い通りにならないことを絶対に許さないタチだ。お前とシャロンの間に割って入ることができない娘のために、次は何をしでかすかわかったものではない。
だから一旦婚約を白紙に戻し、あやつの攻撃の手を止めるのだ」
「しかし、父上」
「また命を狙われてお前がいなくなったらこの王国はどうなると思う?
お前に兄弟はいない。ということはあやつの息子が王太子として即位するのだぞ?」
「え、ルイが?」
ルアージュはレッドグレイブ公の息子と面識があった。
「そうだ。レッドグレイブ公の真の狙いはおそらく、三代前のように家門から王を輩出することだ。
そうなれば、王家はあやつに乗っ取られてしまう。
世継ぎのお前を守るのは当然だとしても、危険にさらされるのはシャロンも同様なのだ」
「シャロンが?どうして?」
ルアージュはまだ陛下の意図をよく理解できていない。
「お前の暗殺未遂。ケビンの崩落事故。そして次に狙われるのは?──おそらくシャロンだ」
「どうして!?シャロンは関係ないはず──」
「お前の婚約者だ。次期国王であるお前の。シャロンは未来の王妃という重要な立場にあるのだ」
未来の王妃。
令嬢なら誰もが憧れる立場。
そして、権力を求める貴族たちにとっても、手に入れたい力のひとつだ。
「レッドグレイブ公が背後にいる可能性が濃厚なら、なおさらだ。あやつはソフィアを溺愛している。シャロンを目の敵にしているだろう。
私も甘かった。あやつらは思った以上に悪辣だった。
そんなやつらから守るには、今はシャロンを婚約者という立場から外すのが得策なのだ」
「そんな──」
ルアージュは頭では理解できても、心では受け入れられなかった。
「しかし、父上。もし全てが解決したら、また僕とシャロンは元に戻れるのでしょう?」
だが、陛下は押し黙っている。
「父上!」
「──約束はできない。すまぬ」
「──!!!」
ルアージュは城を飛び出していた。
「ルアージュ様お待ちを!どこへ!?」
護衛をまき、馬に飛び乗り、シャロンの元へとひたすら走った。
シャロンは私室で手紙を読んでいた。
一足早く、陛下から手紙を受け取っていたのだ。
そこに書かれた王都中に巡らされたレッドグレイブ公の陰謀とルアージュの命の危機。
陛下の苦渋の決断。
最後は陛下の深い謝罪と共に手紙は締めくくられていた。
「そうか……そうすればルアージュ様のためになるんだな。そうか。なら、仕方ないか……」
シャロンは一筋の涙を流したあと、全てを飲み込んだ。
「シャロン!」
ノックもせず、ルアージュが部屋に飛び込んできた。
「シャロン、僕と外国に逃げよう。そこでふたりで暮らすんだ」
息荒く、汗をかいているルアージュ。
きっと婚約破棄となった自分のために、駆けつけてくれたのだろう。
「お断りします」
間髪入れず、シャロンが断った。
「なぜ!?君も僕のことを」
「私の気の迷いでした。何ぶん、恋愛に疎いもので。
契約があったからルアージュ様と仕方なくご一緒したのです。
契約が破棄された今、私にはあなたと一緒にいる意味がありません」
シャロンは気持ちとは真逆のセリフを本心を悟られないよう流暢に繰り出した。
本当はルアージュ様のこと、大切に思っているのに。
シャロンの手はルアージュに嘘を言わねばならない悲しみで小刻みに震えていたが、手を握り締めぐっとこらえていた。
「本当のことを言ってくれ!父上に何か言われたのだろう!?それで仕方なく」
「いいえっ!!」
ルアージュの言葉をシャロンは真っ向から否定した。
「しつこい人は嫌いです!あなたのことはもう何とも思っていませんし、むしろ重い責任から解放され、せいせいしております!お帰りください!!」
シャロンはルアージュを無理やり部屋から追い出し、鍵を閉めた。
「嘘だろ!?僕は信じない!シャロン、開けてくれ、シャロン!!」
ルアージュがシャロンの名を呼びながら何度も扉を叩いたが、シャロンは決してその扉を開けなかった。
本当は一緒に逃げようと言ってくれて嬉しかった。
でも、今ここで王太子が去ってしまえば、この王国は終わってしまう。
レッドグレイブ公の息子がルアージュの代わりに王位を継ぎ、ますます毒のように権力の根を張りめぐらせるだろう。
「シャロン!!!」
最後に悲鳴に近い叫びのあと、とうとうルアージュは無理やり護衛たちに連れ帰られていった。
シャロンは辛さでズクズクとこれまでにないほど痛む胸を押さえた。
「心臓が痛い……痛いよ……」
溢れそうになる涙を必死で堪えているシャロンは、自分の想いよりも、ルアージュの国王としての未来を選んだ。
数日後、シャロンを心配して、カリンが屋敷に来てくれていた。
ルアージュとシャロンの婚約破棄の話は王国中で噂になっていた。
「シャロン、大丈夫?夜、眠れてる?」
「ん……あまり」
やっぱり。
覇気のないシャロンを見て、カリンは不憫になる。
「でも大丈夫だ。じきによくなるだろう」
「よくなるって何が?」
シャロンは指折りしながら、
「ルアージュ様に手を繋がれた時、心臓がうるさかったり、
ルアージュ様に誕生日プレゼントに地図を買ってもらったとき、嬉しいのに心臓がぎゅっとなって苦しかったり、
ルアージュ様が私の唇に──」
はた、とシャロンは口をつぐんだ。
「だから、もうじき治る。別れたんだから」
カリンはシャロンの無垢な言葉に目に涙をため、思わずシャロンを抱きしめた。
「シャロン……それは、恋っていうのよ」
「こい?こいって、男子と女子がひかれあうという、あれか?まさか」
「まさかじゃないの。あなたはルアージュ様に恋をしていたのよ──」
恋を知らなかった少女がはじめて恋に気づいた時、もう愛しい人はそばにはいなかった。
203
あなたにおすすめの小説
令嬢の皮を被ったヘビースモーカー、侍女に化けて敵情視察。〜猫を拾ってタバコを吸っていただけなのに、なぜか次期伯爵に愛の告白をされました〜
御厨そら
恋愛
「婚約破棄されたのよ!」
最悪に仲の悪い姉・ルイーザが泣き崩れる姿を見て、妹のフィオレは歓喜した。
自室にダイブして爆笑し、お祝いに父の書斎からくすねた一級品の葉巻をくゆらす——。
そんなフィオレに、父が下した命令は「姉を振った男、ライネーリ伯爵邸への潜入調査」だった。
黒髪おカッパのカツラにメガネ、そばかすメイクで別人『侍女モニカ』に変装し、いざ敵地へ!
……のはずが。
厨房の男と隠れてタバコを吸い、子猫のルーを拾って可愛がり、義眼の同僚と秘密を共有し、気づけば屋敷の面々と仲良くなっていく。
さらには、姉を振ったはずの次期伯爵ジェラルドが、なぜか偽姿のフィオレを執拗に追いかけてきて……?
「君に行ってほしくないんだ。結婚してくれ、フィオレ」
ちょっと待って。私、変装してるよね? そもそもアンタ、お姉ちゃんの元婚約者でしょ!?
そして潜入先の書斎で見つけた、**『次女フィオレは10年前に死亡している』**という不可解な報告書の謎。
一つの体を共有する姉妹の、あまりに歪で、あやしい「ヒ・ミ・ツ」の物語。
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜
よどら文鳥
恋愛
伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。
二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。
だがある日。
王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。
ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。
レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。
ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。
もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。
そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。
だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。
それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……?
※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。
※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)
婚約破棄ですか、では死にますね【完結】
砂礫レキ
恋愛
自分を物語の主役だと思い込んでいる夢見がちな妹、アンジェラの社交界デビューの日。
私伯爵令嬢エレオノーラはなぜか婚約者のギースに絶縁宣言をされていた。
場所は舞踏会場、周囲が困惑する中芝居がかった喋りでギースはどんどん墓穴を掘っていく。
氷の女である私より花の妖精のようなアンジェラと永遠の愛を誓いたいと。
そして肝心のアンジェラはうっとりと得意げな顔をしていた。まるで王子に愛を誓われる姫君のように。
私が冷たいのではなく二人の脳みそが茹っているだけでは?
婚約破棄は承ります。但し、今夜の主役は奪わせて貰うわよアンジェラ。
婚約破棄寸前、私に何をお望みですか?
みこと。
恋愛
男爵令嬢マチルダが現れてから、王子ベイジルとセシリアの仲はこじれるばかり。
婚約破棄も時間の問題かと危ぶまれる中、ある日王宮から、公爵家のセシリアに呼び出しがかかる。
なんとベイジルが王家の禁術を用い、過去の自分と精神を入れ替えたという。
(つまり今目の前にいる十八歳の王子の中身は、八歳の、私と仲が良かった頃の殿下?)
ベイジルの真意とは。そしてセシリアとの関係はどうなる?
※他サイトにも掲載しています。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
もう一度、君を好きになる時間
なべぞう
恋愛
結婚後、夫とのすれ違いと孤独な生活の中で心身を壊し、若くして病死した女性・相沢美月。
後悔だけを残して人生を終えたはずの彼女は、目を覚ますと――大学時代へと時間が巻き戻っていた。
二度目の人生を得た美月は決意する。
「今度こそ、自分を大切にして生きる」と。
前の人生で結婚した元恋人・恒一との再会。
しかし、同じ未来を辿るつもりはない。
そんな中、前の人生では出会うことのなかった青年・三浦との出会いが、彼女の未来を少しずつ変えていく。
「我慢すること」が正解だと思っていた彼女は、二度目の人生で初めて自分の幸せを選び取る勇気を学んでいく。
――人は、やり直せたなら本当に幸せになれるのか?
失敗した人生をもう一度歩き直す、一人の女性の再生と恋、そして本当の愛を見つける物語
報われなくても平気ですので、私のことは秘密にしていただけますか?
小桜
恋愛
レフィナード城の片隅で治癒師として働く男爵令嬢のペルラ・アマーブレは、騎士隊長のルイス・クラベルへ密かに思いを寄せていた。
しかし、ルイスは命の恩人である美しい女性に心惹かれ、恋人同士となってしまう。
突然の失恋に、落ち込むペルラ。
そんなある日、謎の騎士アルビレオ・ロメロがペルラの前に現れた。
「俺は、放っておけないから来たのです」
初対面であるはずのアルビレオだが、なぜか彼はペルラこそがルイスの恩人だと確信していて――
ペルラには報われてほしいと願う一途なアルビレオと、絶対に真実は隠し通したいペルラの物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる