許したと思っていたのかしら?──学園に精霊のアイス屋さんを開いた伯爵令嬢

nanahi

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4 美肌アイス2

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「ちょっとどういうことよっ!」

グリアはアイス屋に開店早々怒鳴り込んできました。

「美肌アイス食べたのに美肌が3日しかもたなかったじゃない!」

グリアの頬に凹凸ができています。以前より肌荒れがもっとひどくなっているようです。美肌アイスで一気に美肌が手に入ったため油断して甘いものや脂っこいものなど好き放題食べたのでしょう。

「注意事項がございますと申し上げましたが。」
「早く言いなさいよ!」

グリアはわたくしに凄みます。

「当商品の美肌有効成分は3日間しか持続いたしません。」
「じゃあ早く美肌アイスよこしなさいよ。」

よこせ、とは野党の物言いではないでしょうか?

わたくしは呆れながらもグリアのためにアイスをカップに取りました。

「私にも同じの頂戴!」
「私にも!今日王太子殿下との合同授業があるのよ!」

次々とグリアの取り巻きがお店に群がって参りました。お目当てはグリアと同じようです。

「お客様申し訳ございません。これが最後のひとカップとなっております。」
「明日には補充されるんでしょ!?」
「いいえ。」

わたくしは首を横に振りました。

「どうして!?」
「美肌アイスの成分は季節性のものでして今季はもうこれが最後となります。」

美肌の精霊が姿を現すのは一年のうち一ヶ月間のみです。ですので美肌アイスは期間限定なのです。しかもこのアイスは開店当初から凄まじい売れ行きで早めに在庫がなくなってしまったのです。

「ちょっとそれ頂戴!」
「何すんのよ!私が買ったのよ!」
「いいからこっちに渡しなさいよ!」

あんなに結託していたグリアと取り巻きたちが敵同士になり団子のように揉み合いながら最後のアイスを取り合っております。

「ああっ!!」

取り合いになっていた最後のアイスが空に飛び床に落ちました。

「私のよ!」

グリアが床のカップを取り上げアイスを手ですくい食べました。

「グリア!私にも一口頂戴ったら!」

アイスは再び取り合いになりグリアたちの制服にはアイスが飛び散っています。

まあ、はしたない。

私はあたたかい目で彼女たちを眺めておりました。




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