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10 遠征 墓場
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カーラが王妃に復位して数週間後。
カーラはモンスター退治に出向いていた。
盾の神獣の加護は復活したものの、王都の外に繁殖したモンスターがいまだに悪さをしていたからだ。
カーラの”聖なる力”を噂に聞いた領主たちから、多くのSOSがカーラの下に届いていた。
ルアヌは王都を守る必要があるため留守番だ。
「陛下と離れてすごすのはとても寂しいけれど、民のためにがんばりますわ」
カーラは馬車に揺られながらそう呟き健気に自分を奮い立たせた。
到着した地は、とある北方の領地だった。
「ずいぶん、寒い所ね」
護衛の兵士たちと一緒に目的地へと進む。
領主の話では、山奥の墓地に困ったモンスターが出現するとのことだった。
「夜な夜な現れては、村人たちの魂を食べるのです」
顔色の悪い領主は十字架を握りしめながら震えてそう語った。
「剣や銃の弾どころか、僧侶のお祓いもお札も、何ひとつ効かないのです」
人の魂を食べるなんてずいぶん厄介なモンスターね。
出没場所からしてやっぱりアレ系よね──?
カーラは想像して身震いした。
夜になった。
木の影に身を潜めたカーラ一向は、墓地の下から白い霧のような物体がぶわぶわと出てくるのを目にした。
「出た!!」
「やっぱり、ゴースト系モンスターだわ!みんな、ゴーストに触れてはだめよ!」
「は、はいっ!」
「聖水は!?」
「カラー様、こちらに…!」
教会で清めた聖水をカーラに渡そうとした兵士の背中をゴーストが襲った。
「うわあああ!!」
兵士は魂を吸われ倒れた。
聖水の瓶は地面に落ち、粉々に砕けてしまった。
「聖水が!!」
わたくしの聖女の力を加えることで聖水の力を強化しようと思っていたのに──!
どうしますの、わたくし!
代わりの物を探さなければ──!
リュックの中の便利グッズを探る。
カーラの目に短い棒のような物が目に留まった。
「この形は魔法の杖に違いないわ!でもどうやって使うのかしら!?」
カーラは棒をゴーストに向けるが何も起こらない。
「聖水よ、出よ!」
出ない。
「悪霊浄化の炎よ、出よ!」
やはり出ない。
兵士たちが剣や銃でゴーストを攻撃するも、体を通過するばかりで全く効果がなかった。
「カーラ様危ないっ!」
兵士の一人がカーラを突き飛ばした。
カーラが呆然としている間にゴーストが上から襲って来たのだ。
兵士はそのままカーラの身代わりに魂を喰われ息絶えた。
ゴーストは嬉々として暴れ回る。
兵士の数は、ひとり、またひとりと減っていく。
打つ手はなかった。
ついに数匹のゴーストが一度にカーラに襲いかかった。
わたくしのせいだわ。
わたくしがもっと綿密に計画を立てていれば…!
きっと勝てると慢心していたのよ。
こんな寂しい場所でわたくしは死ぬの?
陛下ごめんなさい…
カーラは目を閉じ、無念のあまり手の棒を強く握りしめた。
その時。
カチッ。
「ん?」
べカーーーーン!!!
棒から突如、強大な光がほとばしった。
「え?」
その光は、ピンク、青、黄、白、緑、と次々と色を変え、オーロラのように輝いた。
グええええええあああ!!
その光に照射されたゴーストたちは悶え苦しみ、逃げる間もなく蒸発した。
「ゴーストを浄化した…」
ぽかんとしていた兵士たちから勝ちどきの声が上がる。
「光だ、カーラ様の聖なる光がゴーストを倒したぞお!!」
「…ううん…あれ?」
先ほど魂を喰われ死んでいた兵士たちが全員目を開け身を起こした。
「俺たち、生きてる?」
「奇跡だ…カーラ様のお力だ…!」
こうしてカーラは誰にも倒せないと思われた難敵ゴーストを駆逐した。
「推し…ペンラ…イト?」
聖なる光を発してくれた棒にはそんな名前がついていた。
カーラはモンスター退治に出向いていた。
盾の神獣の加護は復活したものの、王都の外に繁殖したモンスターがいまだに悪さをしていたからだ。
カーラの”聖なる力”を噂に聞いた領主たちから、多くのSOSがカーラの下に届いていた。
ルアヌは王都を守る必要があるため留守番だ。
「陛下と離れてすごすのはとても寂しいけれど、民のためにがんばりますわ」
カーラは馬車に揺られながらそう呟き健気に自分を奮い立たせた。
到着した地は、とある北方の領地だった。
「ずいぶん、寒い所ね」
護衛の兵士たちと一緒に目的地へと進む。
領主の話では、山奥の墓地に困ったモンスターが出現するとのことだった。
「夜な夜な現れては、村人たちの魂を食べるのです」
顔色の悪い領主は十字架を握りしめながら震えてそう語った。
「剣や銃の弾どころか、僧侶のお祓いもお札も、何ひとつ効かないのです」
人の魂を食べるなんてずいぶん厄介なモンスターね。
出没場所からしてやっぱりアレ系よね──?
カーラは想像して身震いした。
夜になった。
木の影に身を潜めたカーラ一向は、墓地の下から白い霧のような物体がぶわぶわと出てくるのを目にした。
「出た!!」
「やっぱり、ゴースト系モンスターだわ!みんな、ゴーストに触れてはだめよ!」
「は、はいっ!」
「聖水は!?」
「カラー様、こちらに…!」
教会で清めた聖水をカーラに渡そうとした兵士の背中をゴーストが襲った。
「うわあああ!!」
兵士は魂を吸われ倒れた。
聖水の瓶は地面に落ち、粉々に砕けてしまった。
「聖水が!!」
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どうしますの、わたくし!
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「この形は魔法の杖に違いないわ!でもどうやって使うのかしら!?」
カーラは棒をゴーストに向けるが何も起こらない。
「聖水よ、出よ!」
出ない。
「悪霊浄化の炎よ、出よ!」
やはり出ない。
兵士たちが剣や銃でゴーストを攻撃するも、体を通過するばかりで全く効果がなかった。
「カーラ様危ないっ!」
兵士の一人がカーラを突き飛ばした。
カーラが呆然としている間にゴーストが上から襲って来たのだ。
兵士はそのままカーラの身代わりに魂を喰われ息絶えた。
ゴーストは嬉々として暴れ回る。
兵士の数は、ひとり、またひとりと減っていく。
打つ手はなかった。
ついに数匹のゴーストが一度にカーラに襲いかかった。
わたくしのせいだわ。
わたくしがもっと綿密に計画を立てていれば…!
きっと勝てると慢心していたのよ。
こんな寂しい場所でわたくしは死ぬの?
陛下ごめんなさい…
カーラは目を閉じ、無念のあまり手の棒を強く握りしめた。
その時。
カチッ。
「ん?」
べカーーーーン!!!
棒から突如、強大な光がほとばしった。
「え?」
その光は、ピンク、青、黄、白、緑、と次々と色を変え、オーロラのように輝いた。
グええええええあああ!!
その光に照射されたゴーストたちは悶え苦しみ、逃げる間もなく蒸発した。
「ゴーストを浄化した…」
ぽかんとしていた兵士たちから勝ちどきの声が上がる。
「光だ、カーラ様の聖なる光がゴーストを倒したぞお!!」
「…ううん…あれ?」
先ほど魂を喰われ死んでいた兵士たちが全員目を開け身を起こした。
「俺たち、生きてる?」
「奇跡だ…カーラ様のお力だ…!」
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「推し…ペンラ…イト?」
聖なる光を発してくれた棒にはそんな名前がついていた。
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