今更困りますわね、廃妃の私に戻ってきて欲しいだなんて

nanahi

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13 拉致

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「王都の外に出て大丈夫ですの?陛下」


カーラは身支度をしているルアヌに心配そうに声をかける。


「大丈夫だ。カーラのおかげで怪我一つ負わなかったから」


先日のコウモリ女王との激闘でカーラはまたもや王国の危機を救った。
ルアヌも無事、生還し、今日は恒例の狩りの日だ。


「東の平原は王都のすぐそばだし、今はモンスターも出なくて安全だ。モンスター疲れしている王国の兵士たちにとっても良い気晴らしになるだろう」

「確かにそうですわね」


国の統治の他に兵士たちのメンタルにもしっかりと気を配るルアヌをカーラは感心して見つめた。
だが、やはり心配な予感は消えなかった。


早く帰ってきてほしいですわ、陛下…


カーラは一時もルアヌと離れていたくなかった。
無性に離れてはいけない予感がしていた。

カーラを抱擁した後、ルアヌが部屋の出口へ向かおうとした。


「陛下、お待ちを!これを──」


カーラは思い立ってリュックからストラップを取り出し、ルアヌの腰ベルトに付けた。


「これは?」

「お守りですわ。日本国の友人が時々わたくしに持たせてくれていたものですの」

「ありがとう。行ってくる」


ルアヌはカーラの額にキスをすると、部下の兵士たちと狩りへ出掛けていった。




「遅いですわね、陛下…そろそろお帰りになっても良い頃ですのに」


カーラの予感は的中した。
ルアヌは予定時刻になっても帰城しなかった。



「カ、カーラ様、大変です!!!」


宰相が青くなって部屋に飛び込んできた。


「へ、陛下が、拉致されました…っ!!」

「なんですって!?犯人はどこのどいつですの!?」

「それが…ガラガラ族です」

「え」


カーラは一気に血の気が引いた。
ガラガラ族といえばはるか南方に住む蛮族で、ガラガラ蛇のように獰猛なことからその名がついた大陸きっての凶暴な輩である。


「先月の洪水で村が沈んだため、どうやら北上してきたようです」

「それで場所は?陛下はどこに連れ去られたの!?」

「それがわからないのです、その場にいた兵士たちはみなガラガラ族の急襲でやられてしまって」


兵士が全滅!?
ガラガラ族の戦闘能力は相当高いみたいね。


「…大丈夫ですわ」


カーラは狼狽している宰相を落ち着かせるよう冷静な声で告げた。


「迷子になった時のためにと思って、念の為、陛下にタグを付けておきましたの」

「タグ??」

「わたくしと街へショッピングに行く時、友人たちがはぐれたとき役立つからと、よく持たせてくれた物ですわ。確かこうやって──」


そう言うとカーラはリュックからスマホを取り出し、サーチ画面をタップした。


「おおお!」


スマホの画面上にマップが現れ、マークがひとつの場所を差し示している。


「陛下はここにいるわ…!」


カーラは宰相と兵士たちを連れて、拉致現場へと急ぎ向かった。
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